# 生理学【加賀谷先生】 --- ## 要項   --- ## 論述 ### ・植物と動物の発生様式の違いについて説明せよ。(5回) →脊椎動物では、初期杯の時期を過ぎるとほとんどの細胞で分化全能性は失われ、少数の細胞群が、特定の組織の分化する限定された分化全能性を保持するのみとなる。それに対して、植物は生活環全般を通じて分化全能性を持った細胞集団が固体内に温存され、新しい器官をつくり続ける。 ・脱分化(def)→分化した細胞が未分化に状態に戻ること ・再分化(def)→脱分化した細胞が再び特徴のある細胞へ分化すること。 ### ・オーキシンの極性輸送について説明せよ。(5回) ・オーキシン(def)→植物の成長を促す植物ホルモン。 ・IAAが疎水性を持つので、細胞膜を通過して細胞内に取り込まれる。細胞質中では$pH$7であるため、オーキシンのほとんどは$IAA^-$型に解離する。$IAA^-$型は、それだけでは細胞膜を通過できないため、IAAは排出側の底面にあるPINタンパク質という排出輸送体を通過する。 ### ・植物ホルモンのシグナル伝達の概要について説明せよ。(5回)  例) ・植物ホルモンのオーキシン、ジベレリン、ジャスモン酸、アブシジン酸は「分子の糊」として機能する。 ・オーキシン、ジベレリン、ジャスモン酸、アブシジン酸の植物ホルモン経路では抑制因子の不活性化が使われる。これによって、下流の応答遺伝子の迅速な活性化が可能になる。 (メモ) ・転写(def)→DNAをmRNAにすること。 ・翻訳(def)→mRNAをタンパク質にすること。 ・植物ホルモン=オーキシン、ジベレリン、アブシジン酸…と読み変える。 ・MYC2→ジャスモン酸応答を増大させる転写因子 ・シグナル(def)→環境中にある刺激となる何らかの形の生化学的情報。「生化学的シグナル」とも言う。 ・シグナル伝達(def)→シグナルが別の刺激を誘導することで次々と伝達し、定まった経路(「シグナル経路」という)やシステムを形成するという情報伝達システムのこと。 例) ジャスモン酸の応答 →ジャスモン酸が転写抑制因子JAZとユビキチンを結びつけることで、JAZがポリユビキチン化された後、さらに転写抑制因子JAZが分解され、転写抑制因子MYC2が遺伝子の転写を開始する。 ・一般 >ans:植物ホルモンは一般的に転写抑制因子とユビキチン連結酵素を結びつけることで複合体を形成する。このように結びつけることで植物ホルモンは分子の糊として機能する。転写抑制因子というタンパク質は活性化された複合体によってポリユビキチン化される。ポリユビキチン化されると転写抑制因子タンパク質はプロテアソームによって分解される。これにより転写が開始され、応答遺伝子の発現が起こる。 ### ・フィトクロムは赤色光と遠赤色光を受容する。この性質の生物的意義について説明せよ。(6回) (イメージ) いいタイミングで発芽する。 >ans:葉に直接日光の当たる部分では、赤色光の割合が多くなる。この場合は茎の伸長を抑制し、花成の促進させる。また、葉が陰になっている時は遠赤色光の割合が多くなる。その場合には、直接日光を浴びるために茎の伸長を促進させ、花成を抑制する。このように栄養の分配をコントロールすることで、枯れる確率を低くする。これが生物学的意義である。 ### ・長日植物および短日植物の花成の促進メカニズムについて理解しておく。(6回) (イメージ) ・長日植物=短夜植物 ・短日植物=長夜植物 第六回12~14参照 ### ・重複(ちょうふく)受精の生物的意義について説明せよ。(7回) >ans:水の少ない陸上環境に適応して素早く受精を完了して種子を作る。また、受精が完了した場合のみ栄養貯蔵器官の胚乳を作るため、ムダがない。 ・重複受精について:第七回2~5ページ参照 ### ・フィトクロムを介した発芽制御メカニズムについて説明せよ。(7回) ・フィトクロム(def)→植物細胞に含まれるたんぱく質で、光を感知する。   >ans:暗所では、PIL5が転写を行いSOM転写因子を発現させる。それによりジベレリン不活性化遺伝子やアブシジン酸生合成遺伝子が発現することで、$GA_4$の発現は抑制され、ABAの発現は促進されるため、発芽が抑制される。 また、明所では、$P_{FR}$型フィトクロムがPIL5の発現を抑制するため、PIL5に抑制されていたいジベレリン生合成遺伝子やアブシジン酸不活性化遺伝子の発現が促進される。それにより、$GA_4$の発現は促進され、ABAの発現は抑制されるため、発芽が促進される。 (def) ・アブシジン酸(ABA)→発芽を抑制することで、種子の成熟を進行させる。 ・ジベレリン(GA)→発芽を促進する。 ### ・ジベレリンを介した発芽制御メカニズムについて説明せよ。(7回) >胚から由来するジベレリンは糊粉層細胞に入る。ジベレリンは細胞内に入るとアミラーゼの分泌に必要なカルシウムーカルモジュリン依存的経路を作動させる。また、核内でジベレリンとGID1が結合し、さらにGIDとDELLA転写抑制因子タンパク質とが結合する。DELLA転写抑制因子タンパク質は$GA_1-GID1$複合体に結合するとFボックスタンパク質がDELLAタンパク質をポリユビキチン化する。ポリユビキチン化されたDELLA転写抑制胃因子タンパク質は26Sプロテアソームで分解される。DELLAタンパク質が分解されるとジベレリン応答性のGA-MYB遺伝子が転写されてGA-MYB転写因子タンパク質が発現する。また、GA-MYB転写因子は核内に入りアミラーゼ遺伝子のプロモーターに結合する。そして、アミラーゼ遺伝子の転写が活性化される。 ### ・光による発芽の調整 ・光発芽種子→給水後に光を浴びることで発芽促進される。 ー養分が少ないから小さい ー発芽と同時に光合成を行って養分を作る必要がある。 ・暗発芽種子→発芽において光の作用を必要としない種子。 ー種内に糖が蓄えらえれているため、大きい。 ー土の中で発芽しても種内の栄養分を使ってしばらく成長することができる。
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