# 天声人語 12/30 明治生まれの歌人、斎藤茂吉が少年時代の初詣^はつもうで^のことを書いている。今とはかなり違っていたようで、その日が近づくと冷たい水を毎朝浴び、魚も虫も殺さないように努める。父と一緒に2日がかりで歩いて、山岳信仰の地へ向かう ▼山道では雨と風に==たたられ==、笠を飛ばされてしまう。凍った^こおった^谷を渡ると==滑り==そうになり、腹ばいになって進む。「今時のやうに途中まで汽車で行くのではない」と茂吉は随筆で振り返っている ▼列車に乗って、川崎大師や成田山新勝寺など有名な社寺に大挙して出かける。そんな初詣の風景は、明治から大正にかけて定着していったのだと平山昇著『初詣の社会史』で学んだ^まなぶ^。郊外へ線路を延ばした鉄道会社が、一種の行楽として宣伝に力を入れた ▼「密」が当たり前の国民的行事が、大きな変化に見舞われている。感染防止のため参拝が三が日に集中しないよう求められ、鉄道会社は大みそかの終夜運行を取りやめる ▼きのう近所の神社をのぞくと、もう「初詣」が始まっていた。分散を==促す==ため正月の縁起物が早めに並べられ、破魔矢などを手にする人がいた。なるほど何を初詣と考えるかは気持ちの問題であろう。参拝なのか行列に並びに行ったのか分からないよりは、よほど心穏やかかもしれない ▼接触を避けるためスマホを使ったおみくじを始めた神社もある。車に乗ったまま受けられる祈祷(きとう)もお目見えするという。これからの正月風景を少し変えるかもしれない、そんなコロナの時代である。 祟る^たたる^(?): 1. 神仏や怨霊(おんりょう)などが災いをする。「物の怪(け)に―・られる」 2. **何かが原因となって悪い結果が生じる。「無理が―・って病気になる」「日ごろの不勉強が最後まで―・る」** 滑り^すべり^: 1. すべること。また、そのぐあい。「障子^しょう‐じ^の―が悪い」 覗く^のぞく^: 1. 物陰やすきま、小さな穴などから見る。「鍵穴から―・く」「部屋を―・く」 2. 装置を用いて物体を見る。「望遠鏡を―・く」 3. 高い所から低い所を見る。「谷底を―・く」 4. **ちょっと立ち寄る。ついでに訪れる。「古本屋を―・く」** 促す^うながす^: 1. 物事を早くするようにせきたてる。また、ある行為をするように仕向ける。催促する。「―・されてようやく席を立つ」「注意を―・す」 2. 物事の進行をすみやかにさせる。促進する。「新陳代謝を―・す」「町の発展を―・す」 ###### tags: `日本語` `天声人語`
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