# 天声人語 02/18 幕末^ばく‐まつ^の日本で暮らした欧米^おう‐べい^人士が困ったのは、氷が手に入らないことだった。生ものの保存にも患者の^げ‐ねつ^にも欠かせない必需品。==はるばる==米国から船で「ボストン氷」が==運び込まれた== ▼「氷なら国内にもある」と気づいたのは中川嘉兵衛という商人。富士山麓(さんろく)の氷を木箱に==詰めて==運び出すが、炎天に解けてしまう。試行錯誤の末、函館の五稜郭の氷を切り出し、東京へ海上輸送する。明治の初め、「函館氷」は==たちまち==ボストン氷を駆逐した ▼こんな古い話を持ち出したのは、新型コロナの収束に向け、超低温^ちょう‐ていおん^の運搬^うん‐ぱ^技術^ぎ‐じゅつ^が注目されているからだ。「マイナス78・8度。異常ございません」。欧州から空輸されたワクチンが病院に届くやいなや、運び手が温度計を示した^しめした^ ▼この先、広く人々が免疫を得るのはいつか。カギの一つはワクチンを守り運ぶ冷凍インフラだろう。冷凍庫や保冷箱、ドライアイスは足りるのか。わが腕に届く時期は、それら冷凍系の品々にも左右されそうな予感がする ▼私たちの暮らしは冷やす技術なしでは成り立たない^なりたたない^。「冷蔵装置が==整う==まで、刺し身は海辺^うみべ^の里だけの食べ物だった。多くの人々は生涯あこがれ^憧れ^つつ想像するばかりだった」。書き残したのは柳田国男である。昭和の初め、内陸でも海の幸を楽しめる幸福をつづった ▼待ちに待ったワクチン接種が始まった。即根絶とはいかぬものの、いまはその一滴たりとも無駄にしたくない。令和の初め、わが国の冷凍史に新たな一章を刻む好機としたい。 遥々^はるばる^: 1. 遠く離れているさま。遠くから、または遠くへ物事の及ぶさま。はるかに。「遥遥(と)展望が開ける」「遥遥(と)海を渡ってくる」 運び込む^はこびこむ^: 1. 運んで内へ入れる。運び入れる。「荷物を倉庫へ―・む」 詰める^つめる^: 1. **容器などに物を入れていっぱいにする。ぎっしり入れてすきまがないようにする。「衣装を―・めた鞄(かばん)」「料理を重箱に―・める」** 2. 長さを短くする。寸法や間隔を縮める。「着物の丈(たけ)を―・める」「細かい字で―・めて書く」「席を―・めて座る」 3. 節約する。きりつめる。「生活費を―・める」「経費を―・める」 4. 十分に検討し尽くして物事の決着がつくようにする。煮つめる。「話を―・める」「議論を―・める」 忽ち^たちまち^: 1. **非常に短い時間のうちに動作が行われるさま。すぐ。即刻。「うわさが忽ち広がる」「飲めば忽ち効く薬」「忽ちのうちに売り尽くす」** 2. 思いがけなく、ある事態が発生するさま。にわかに。急に。「空が忽ち曇って雨が降り出した」 整う^ととのう^: 1. **必要なものがすべてそろう。「材料が―・う」「準備が―・う」** 2. きちんとまとまった状態や形になる。調和がとれる。「体裁が―・う」「―・った顔だち」 3. 交渉や相談がまとまる。「縁談が―・う」「契約が―・う」
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