# 天声人語 12/19 ジャッキー・ロビンソンが黒人で初めて大リーグにデビューしたのが1947年だ。ではそれまで黒人選手はどうしていたかというと、黒人だけのリーグしか出場を許されなかった。ニグロリーグという差別的な名がついていた ▼大リーグとの非公式試合もあり、相当の実力だったようだ。ノンフィクション作家佐山和夫さんが、黒人リーグの名投手サチェル・ペイジの言葉を紹介している。「私にとって、黒人チームが白人チームに勝つことは、ニュースでも何でもない。黒人リーグの方が上だからだ」 ▼「黒いベーブ・ルース」と呼ばれた打者ジョシュ・ギブソンは、ルースより多くの本塁打を==放った==という(『史上最高の投手はだれか』)。黒人選手を==隅==に追いやってきた過去は、米球界の汚点だろう ▼それを少しでも挽回(ばんかい)しようという動きである。1920年から48年までの黒人リーグの選手と成績を大リーグの歴史に加える^くわえる^という方針が発表された。約3400人が「大リーガー」として扱われる ▼大リーグ機構の発表には反省の言葉が並ぶ。長年見過ごしてきた。認定が遅れた……。「野球を愛する者なら知っている。黒人リーグは不当な扱いをされながらも、優秀な選手を輩出してきた」とはコミッショナーの談話だ ▼民主主義を==掲げ==ながらも、少し皮をめくると差別が顔をのぞかせるのが米国社会である。大リーグの決断は遅すぎたに違いない。それでも差別を憎む気持ちは地下水脈となり、あちこちでしみ出している。 放つ^はなつ^: 1. 閉じ込められたり束縛されたりしていたものを自由に動けるようにしてやる。「リスを公園に―・つ」「小鳥を籠から―・つ」 2. **矢・弾丸などをうち出す。勢いをつけてある方向に飛ばす。発射する。「ホームランを―・つ」「質問の矢を―・つ」** 3. 外に向かって、光・匂い・声などを出す。また、世の中に発表する。発する。「悪臭を―・つ」「街頭で第一声を―・つ」「巨匠が―・つ話題作」「光彩を―・つ」 隅^すみ^: 1. 囲まれた区域のかど。「部屋の四―」「書類の―を綴じる」 2. 中央でない所。端の方や奥の方。また、目立たない所。「―で小さくなる」「頭の―で考える」 >隅に追いやられる = 忘れつつあるといったことです 掲げる^かかげる^: 1. 人目につく高い所へ上げる。また、手に持って高く差し上げる。「国旗を―・げる」「たいまつを―・げる」 2. 新聞・雑誌などの、目立つ場所に載せる。目立つように工夫して載せる。「巻頭に―・げる」 3. **主義・方針などを、人目につくように示す。広く、示して知らせる。「スローガンを―・げる」** 4. 垂れ下がっているものを、上の方へ持ち上げる。まくり上げる。「幕を―・げる」 ###### tags: `日本語` `天声人語`