--- title: 【Catch-Up】 [StressCheck] ストレスチェック制度のまとめ tags: Wevox,StressCheck,Project,tamito0201 --- [TOC] # 1. ストレスチェック制度の趣旨・目的 ## 1.1 ストレスチェック制度の趣旨・目的 ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)を主な目的としています。近年、職業生活に関する強い不安やストレスを感じる労働者が増加しており、これに対処するため「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が平成18年3月31日に公表されました。この指針は、事業場におけるメンタルヘルスケアの実施を促進する内容を含んでいます。 ## 1.2 ストレスチェック制度の背景 仕事による強いストレスが原因で精神障害を発症し、労災認定される労働者が平成18年度以降も増加傾向にあります。これに対応し、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することが、より重要な課題となってきています。 ## 1.3 法律における位置づけ 平成26年6月25日に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(平成26年法律第82号)により、ストレスチェック制度が新たに創設されました。この制度は、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)及びその結果に基づく面接指導の実施等を内容としています。 ## 1.4 制度の目的と機能 この制度は、労働者のストレスの程度を把握し、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、職場改善につなげることによって、働きやすい職場づくりを進め、メンタルヘルス不調を未然に防止することを主目的としています。 ## 1.5 実施義務のある事業場 **常時50人以上の労働者を使用する事業場には、ストレスチェック制度の実施義務**があります。この場合の「労働者」には、パートタイム労働者や派遣労働者も含まれます。一方で、常時50人未満の労働者を使用する事業場については、当分の間、努力義務とされており、国では様々な支援を行っています。 # 2. ストレスチェック制度の基本的な考え方 ## 2.1 ストレスチェック制度の基本的な考え方 ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルスケアを強化するために設けられたもので、労働者が自身のストレス状況に気づき、適切な対処を促すことを目的としています。これは、メンタルヘルス不調の未然防止に重点を置いた一次予防の強化に特に注力しています。 ## 2.2 ストレスチェックの実施方法 **定期的に労働者のストレス状況を検査し、その結果を本人に通知**します。このプロセスを通じて、個々の労働者が自身のストレスに気づき、それに対処することが促されます。さらに、検査結果を集団単位で集計・分析し、職場環境の改善につなげることも目指されています。 ## 2.3 事業者への期待 事業者は、この制度をメンタルヘルスケアの総合的な取組の一環として位置付け、労働者のメンタルヘルス不調の予防だけでなく、生産性の向上にも貢献することを目指しています。計画的かつ継続的な取組が重要視されており、労働者のメンタルヘルスケアに関する方針の決定、計画の作成、実施、評価、改善が含まれます。 ## 2.4 一次予防、二次予防、三次予防の役割 - **一次予防**: メンタルヘルス不調の未然防止を目指し、労働者が自身のストレスに気づくことを促します。 - **二次予防**: メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行います。 - **三次予防**: メンタルヘルス不調になった労働者の職場復帰を支援します。 ## 2.5 事業経営との関連性 ストレスチェック制度は、従業員のメンタルヘルスの維持・改善に寄与するだけでなく、働きやすい職場の実現を通じて、最終的には事業の生産性向上にも貢献することが期待されています。事業者は、これを事業経営の一環として捉え、積極的に制度の活用を進めることが望まれています。 # 3. ストレスチェック制度の実施に当たっての留意事項 ## 3.1 ストレスチェック制度の概要 ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルスを守るために導入された制度です。この制度の主な目的は、労働者が抱えるストレスのレベルを評価し、必要に応じて適切なサポートを提供することにあります。労働者、事業者、産業保健スタッフなどが協力して、制度の趣旨を正しく理解し、適切な実施を行うことが求められています。 ## 3.2 労働者への配慮 ① **ストレスチェックは義務ではないため、特別な理由がある労働者に無理な受検を強要することはありません**。しかし、全労働者がストレスチェックを受けることが理想的です。 ② **高ストレスが確認された労働者に対しては、面接指導を行うことが推奨**されています。この面接では、労働者の心身の状態や勤務状況を確認し、必要な指導やサポートを提供します。 ③ **ストレスチェックの結果は集団ごとに集計・分析**され、職場環境の改善に役立てられます。事業者はこの情報を活用して、職場環境を改善することが望ましいです。 ## 3.3 産業保健スタッフの役割 ### 3.3.1 安心して受検できる環境の確保 産業保健スタッフは、労働者が安心してストレスチェックを受けられる環境を整えることが重要です。これには、プライバシーの保護や守秘義務の遵守が含まれます。 ### 3.3.2 受検者以外への配慮 ストレスチェックの結果が、所属部署の責任者にとって評価指標となる可能性があるため、これに対する配慮も必要です。**責任者に不利益が生じないよう配慮**することが求められます。 ### 3.3.3 面接指導への申出促進 高ストレス状態にある労働者が面接指導を受けやすい環境を整えることも重要です。これにより、必要なサポートが提供されやすくなります。 以下は、提供されたテキストをもとに、ストレスチェック制度に関する詳細な説明を章立てで整理したものです。このテキストは、制度の適切な理解と実施をサポートするために役立つでしょう。 # 4. ストレスチェック制度に基づく取組の手順 ## 4.1 ストレスチェック制度の導入と責任 **事業者はストレスチェック制度の導入にあたり、基本方針を決定し、公表する責任**があります。これは法律、規則、そして指針に基づいて行われます。 ## 4.2 ストレスチェック制度の実施手順 ### 4.2.1 基本方針の表明 **事業者はストレスチェックに関する基本方針を明示**します。 ### 4.2.2 ストレスチェック及び面接指導の実施 1. **衛生委員会などでストレスチェックの実施方法について議論し、事業者がこれに基づいて規程を定めます。** 2. **労働者に対して、医師や保健師などによるストレスチェックを実施します。** 3. **ストレスチェックを受けた労働者に結果を直接通知します。** 4. **高ストレスと判定された労働者に対して、必要に応じて医師による面接指導を実施します。** 5. **面接指導を行った医師からの意見を聴取し、就業上の適切な措置を講じます。** ### 4.2.3 集団ごとの集計・分析 1. **ストレスチェックの結果を集団ごとに集計・分析します。** 2. **これらの結果を踏まえ、必要に応じて措置を講じます。** ## 4.3 制度実施に向けた準備 事業者は、ストレスチェックの円滑な実施のために、労働者に十分な情報を提供し、実施体制を確立する必要があります。個人情報の保護や、方針の明示なども含まれます。また、安全衛生計画や経営方針と同時に発表することが有効です。 ## 4.4 ストレスチェック制度の全体的な流れ ![image](https://hackmd.io/_uploads/HyS9rPTNT.png) # 5. 衛生委員会における調査審議 ## 5.1 衛生委員会 ### 5.1.1 ストレスチェックの実施体制 事業者は、ストレスチェックを実施する前に、事業場の衛生委員会等で実施体制や方法について審議し、決定を行います。このプロセスは、職場の安全と従業員の健康を保護するために重要です。事業者は、社内の規程を定めることが求められます。 ### 5.1.2 社内規程の周知 事業者は、ストレスチェックの実施趣旨と社内規程を労働者に周知する必要があります。この情報共有は、労働者が自身の健康管理に積極的に関与できるようにするために重要です。 ### 5.1.3 実施状況の調査と改善 ストレスチェック実施後、事業者は実施状況を調査し、必要に応じて実施方法を改善します。これにより、次回のストレスチェックがより効果的に行われることを目指します。 ### 5.1.4 衛生委員会の設置と審議内容 政令で定める規模の事業場では、衛生委員会を設置しなければならないとされています。衛生委員会では、労働者の健康障害を防止するための対策、健康の保持増進、労働災害の原因と再発防止対策などが審議されます。 ### 5.1.5 労働者の精神的健康の保持増進 衛生委員会では、労働者の精神的健康の保持と増進に関する対策についても審議されます。これには、職場環境の改善、ストレス管理の方法、メンタルヘルスケアへのアクセスなどが含まれる可能性があります。 ## 5.2 衛生委員会等における調査審議 ### 5.2.1 衛生委員会等における調査審議の意義 ストレスチェック制度を効果的に実施するためには、事業者、労働者、産業保健スタッフ等が協力し、事業場の実態に即した取り組みを行うことが重要です。衛生委員会は、事業者がストレスチェック制度に関する基本方針を表明し、実施方法や状況の改善について調査審議を行う場です。 ### 5.2.2 調査審議すべき事項 衛生委員会の審議事項には、労働者の精神的健康の保持増進に関する対策が含まれます。事業者は、審議結果を踏まえて法令に則ったストレスチェック制度の実施規程を定め、労働者に周知する必要があります。 #### 5.2.2.1 ストレスチェック制度の目的と周知方法 ストレスチェック制度の主な目的は、メンタルヘルス不調の一次予防です。事業場内で、この趣旨を周知する方法が重要です。 #### 5.2.2.2 実施体制 実施者や事務従事者の選任、実施代表者の明示など、ストレスチェックの実施体制を明確に定めることが必要です。 #### 5.2.2.3 実施方法 ストレスチェックに使用する調査票、評価方法、面接指導の対象選定基準、実施頻度や対象者、面接指導の実施場所など、実施方法の詳細を定めます。 #### 5.2.2.4 集団ごとの集計・分析方法 集団ごとの集計・分析手法や対象の規模を定めることで、効果的なデータ分析が可能になります。 #### 5.2.2.5 受検の有無の情報取扱い 労働者のストレスチェック受検の有無の把握方法や勧奨方法を定めます。 #### 5.2.2.6 記録の保存方法 ストレスチェック結果の記録の保存方法、場所、期間、情報管理の方法を定めます。 #### 5.2.2.7 利用目的及び方法 ストレスチェック結果の本人への通知方法、面接指導の勧奨方法、結果の共有範囲などを定めます。 #### 5.2.2.8 情報の開示、訂正、追加、削除方法 情報の開示等の手続きや秘密保持の方法を定めます。 #### 5.2.2.9 苦情処理方法 外部機関に設ける苦情処理窓口の取扱いや、労働者からの苦情に対する対応体制の整備を検討します。 #### 5.2.2.10 受検の選択権 労働者がストレスチェックを受けない選択をできることを周知し、全ての労働者が受検することの重要性を伝えます。 #### 5.2.2.11 不利益な取扱いの防止 ストレスチェック制度に関連する労働者への不利益な取扱いを禁止する行為を事業場内で周知する方法を定めます。 ## 5.3 衛生委員会における調査審議 ### 5.3.1 調査審議の意義 - **新たな導入と法制化への準備**: 新たにストレスチェックを導入する場合や従来から実施している場合でも、法令で定められた要件を満たしているかの確認が必要です。これには、個人情報の取扱いや不利益取扱いの有無などに関する検討が含まれます。 - **個人情報の保護**: 労働者の個人情報を適切に保護するための体制構築が必要です。これには、産業保健スタッフや事務職への個人情報保護に関する教育啓発が含まれます。 ### 5.3.2 調査審議すべき事項 - **周知と実施方法**: 労働者へのストレスチェック制度の周知が求められます。調査票やICTを活用する実施方法、集団分析の手法などの具体的な注意点を整理することが重要です。 - **結果通知の方法**: ストレスチェック結果をどのように通知するか、個人情報保護の観点から定める必要があります。 - **同意の取得**: 個人のストレスチェック結果を事業者へ提供する際の同意の取得方法を検討し、合議による包括的な同意は認められないことに注意が必要です。 ### 5.3.3 再発防止のための対策 漏えいや不利益取扱いが発生した場合の再発防止策に関する調査審議が必要です。 ### 5.3.4 PDCAサイクルの活用 衛生委員会を活用して、ストレスチェック制度が適切に実施されているかを確認、点検し、PDCAサイクルにより評価、改善を行うことが重要です。 ### 5.3.5 議事録の保存と周知 衛生委員会の議事について、重要なものは3年間保存し、労働者に周知することが必要です。 ### 5.3.6 社内規程の作成 調査審議の結果を踏まえ、ストレスチェック制度の実施に関する社内規程を作成する際のガイドラインを提供します。 ## 5.4 ストレスチェック制度実施規程(例) ### 5.4.1 総則 #### 5.4.1.1 規程の目的 この規程は、労働安全衛生法第66条の10に基づくストレスチェック制度を株式会社XXXで実施するため、その実施方法等を定めるものである。 #### 5.4.1.2 変更手続き 会社がこの規程を変更する場合、衛生委員会での調査審議を行い、その結果に基づいて変更する。 #### 5.4.1.3 周知 規程の写しは、社員に配布または社内掲示板に掲載し、全社員に周知する。 ### 5.4.2 適用範囲 #### 5.4.2.1 適用対象社員 この規程は、以下の社員及び派遣社員に適用する: 1. 期間の定めのない労働契約による正社員 2. 期間を定めて雇用されている契約社員 3. パート・アルバイト社員 4. 人材派遣会社からの派遣社員 ### 5.4.3 制度の趣旨等の周知 #### 5.4.3.1 ストレスチェック制度の趣旨 社内掲示板に掲示し、以下の点を明示する: 1. ストレスチェック制度の目的は、メンタルヘルス不調の未然防止であり、不調者の発見ではない。 2. ストレスチェックは義務ではないが、全社員の受診が望ましい。 3. ストレスチェックの結果は個人に通知され、本人同意なしに会社が入手することはない。 ### 5.4.4 ストレスチェック制度の実施体制 #### 5.4.4.1 ストレスチェック制度担当者 ストレスチェック制度担当者は、課職員が担当し、社内掲示板等で周知する。 #### 5.4.4.2 ストレスチェックの実施者 ストレスチェックは、産業医と保健師により実施される。 #### 5.4.4.3 ストレスチェックの実施事務従事者 衛生管理者及び課職員が、事務処理を担当する。 #### 5.4.4.4 面接指導の実施者 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、産業医が実施する。 ### 5.4.5 ストレスチェック制度実施規程(例) 第1章 総則 (規程の目的・変更手続き・周知) 第1条 この規程は、労働安全衛生法第66条の10の規定に基づくストレスチェック制度を株式会社 において実施するに当たり、その実施方法等を定めるものである。 2 ストレスチェック制度の実施方法等については、この規程に定めるほか、労働安全衛生法その他の法令の定めによる。 3 会社がこの規程を変更する場合は、衛生委員会において調査審議を行い、その結果に基づいて変更を行う。 4 会社は規程の写しを社員に配布又は社内掲示板に掲載することにより、適用対象となる全ての社員に規程を周知する。 (適用範囲) 第2条 この規程は、次に掲げる株式会社 の全社員及び派遣社員に適用する。 一 期間の定めのない労働契約により雇用されている正社員 二 期間を定めて雇用されている契約社員 三 パート・アルバイト社員 四 人材派遣会社から株式会社 に派遣されている派遣社員 (制度の趣旨等の周知) 第3条 会社は、社内掲示板に次の内容を掲示するほか、本規程を社員に配布又は社内掲示板に掲載することにより、ストレスチェック制度の趣旨等を社員に周知する。 一 ストレスチェック制度は、社員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものであること。 二 社員がストレスチェックを受ける義務まではないが、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、全ての社員が受けることが望ましいこと。 三 ストレスチェック制度では、ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく会社が結果を入手するようなことはないこと。したがって、ストレスチェックを受けるときは、正直に回答することが重要であること。 四 本人が面接指導を申し出た場合や、ストレスチェックの結果の会社への提供に同意した場合に、会社が入手した結果は、本人の健康管理の目的のために使用し、それ以外の目的に利用することはないこと。 第2章 ストレスチェック制度の実施体制 (ストレスチェック制度担当者) 第4条 ストレスチェック制度の実施計画の策定及び計画に基づく実施の管理等の実務を担当するストレスチェック制度担当者は、 課職員とする。 2 ストレスチェック制度担当者の氏名は、別途、社内掲示板に掲載する等の方法により、社員に周知する。また、人事異動等により担当者の変更があった場合には、その都度、同様の方法により社員に周知する。第5条のストレスチェックの実施者、第6条のストレスチェックの実施事務従事者、第7条の面接指導の実施者についても、同様の扱いとする。 (ストレスチェックの実施者) 第5条 ストレスチェックの実施者は、会社の産業医及び保健師の2名とし、産業医を実施代表者、保健師を共同実施者とする。 (ストレスチェックの実施事務従事者) 第6条 実施者の指示のもと、ストレスチェックの実施事務従事者として、衛生管理者及び 課職員に、ストレスチェックの実施日程の調整・連絡、調査票の配布、回収、データ入力等の各種事務処理を担当させる。 2 衛生管理者又は 課の職員であっても、社員の人事に関して権限を有する者(課長、調査役、 )は、これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事しない。 (面接指導の実施者) 第7条 ストレスチェックの結果に基づく面接指導は、会社の産業医が実施する。 第3章 ストレスチェック制度の実施方法 第1節 ストレスチェック (実施時期) 第8条 ストレスチェックは、毎年 月から 月の間のいずれかの1週間の期間を部署ごとに設定し、実施する。 (対象者) 第9条 ストレスチェックは、派遣社員も含む全ての社員を対象に実施する。ただし、派遣社員のストレスチェック結果は、集団ごとの集計・分析の目的のみに使用する。 2 ストレスチェック実施期間中に、出張等の業務上の都合によりストレスチェックを受けることができなかった社員に対しては、別途期間を設定して、ストレスチェックを実施する。 3 ストレスチェック実施期間に休職していた社員のうち、休職期間が1月以上の社員については、ストレスチェックの対象外とする。 (受検の方法等) 第10条 社員は、専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り、会社が設定した期間中にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。 2 ストレスチェックは、社員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることから、ストレスチェックにおいて社員は自身のストレスの状況をありのままに回答すること。 3 会社は、なるべく全ての社員がストレスチェックを受けるよう、実施期間の開始 日後に社員の受検の状況を把握し、受けていない社員に対して、実施事務従事者又は各職場の管理者(部門長など)を通じて受検の勧奨を行う。 (調査票及び方法) 第11条 ストレスチェックは、別紙1の調査票(職業性ストレス簡易調査票)を用いて行う。 2 ストレスチェックは、社内 LAN を用いて、オンラインで行う。ただし、社内 LAN が利用できない場合は、紙媒体で行う。 (ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法) 第12条 ストレスチェックの個人結果の評価は、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成 27 年5月 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)(以下「マニュアル」という。)に示されている素点換算表を用いて換算し、その結果をレーダーチャートに示すことにより行う。 2 高ストレス者の選定は、マニュアルに示されている「評価基準の例(その1)」に準拠し、 以下のいずれかを満たす者を高ストレス者とする。 ① 「心身のストレス反応」(29 項目)の合計点数が 77 点以上である者 ② 「仕事のストレス要因」(17 項目)及び「周囲のサポート」(9項目)を合算した合計点 数が 76 点以上であって、かつ「心身のストレス反応」(29 項目)の合計点数が 63 点以上の者 (ストレスチェック結果の通知方法) 第13条 ストレスチェックの個人結果の通知は、実施者の指示により、実施事務従事者が、実施者名で、各社員に電子メールで行う。ただし、電子メールが利用できない場合は、封筒に封入し、紙媒体で配布する。 (セルフケア) 第14条 社員は、ストレスチェックの結果及び結果に記載された実施者による助言・指導に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めなければならない。 (会社への結果提供に関する同意の取得方法) 第15条 ストレスチェックの結果を電子メール又は封筒により各社員に通知する際に、結果を会社に提供することについて同意するかどうかの意思確認を行う。会社への結果提供に同意する場合は、社員は結果通知の電子メールに添付又は封筒に同封された別紙2の同意書に入力又は記入し、発信者あてに送付しなければならない。 2 同意書により、会社への結果通知に同意した社員については、実施者の指示により、実施事務従事者が、会社の人事労務部門に、社員に通知された結果の写しを提供する。 (ストレスチェックを受けるのに要する時間の賃金の取扱い) 第16条 ストレスチェックを受けるのに要する時間は、業務時間として取り扱う。 2 社員は、業務時間中にストレスチェックを受けるものとし、管理者は、社員が業務時間中にストレスチェックを受けることができるよう配慮しなければならない。 第2節 医師による面接指導 (面接指導の申出の方法) 第17条 ストレスチェックの結果、医師の面接指導を受ける必要があると判定された社員が、医師の面接指導を希望する場合は、結果通知の電子メールに添付又は封筒に同封された別紙3の面接指導申出書に入力又は記入し、結果通知の電子メール又は封筒を受け取ってから 30日以内に、発信者あてに送付しなければならない。 2 医師の面接指導を受ける必要があると判定された社員から、結果通知後 日以内に面接指導申出書の提出がなされない場合は、実施者の指示により、実施事務従事者が、実施者名で、該当する社員に電子メール又は電話により、申出の勧奨を行う。また、結果通知から30 日を経過する前日(当該日が休業日である場合は、それ以前の最後の営業日)に、実施者の指示により、実施事務従事者が、実施者名で、該当する社員に電子メール又は電話により、申出に関する最終的な意思確認を行う。なお、実施事務従事者は、電話で該当する社員に申出の勧奨又は最終的な意思確認を行う場合は、第三者にその社員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。 (面接指導の実施方法) 第18条 面接指導の実施日時及び場所は、面接指導を実施する産業医の指示により、実施事務従事者が、該当する社員及び管理者に電子メール又は電話により通知する。面接指導の実施日時は、面接指導申出書が提出されてから、30 日以内に設定する。なお、実施事務従事者は、電話で該当する社員に実施日時及び場所を通知する場合は、第三者にその社員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。 2 通知を受けた社員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、管理者は、社員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。 3 面接指導を行う場所は、 とする。 (面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法) 第19条 会社は、産業医に対して、面接指導が終了してから遅くとも 30 日以内に、別紙4の面接指導結果報告書兼意見書により、結果の報告及び意見の提出を求める。 (面接指導結果を踏まえた措置の実施方法) 第20条 面接指導の結果、就業上の措置が必要との意見書が産業医から提出され、人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合は、人事労務部門の担当者が、産業医同席の上で、該当する社員に対して、就業上の措置の内容及びその理由等について説明を行う。 2 社員は、正当な理由がない限り、会社が指示する就業上の措置に従わなければならない。 (面接指導を受けるのに要する時間の賃金の取扱い) 第21条 面接指導を受けるのに要する時間は、業務時間として取り扱う。 第3節 集団ごとの集計・分析 (集計・分析の対象集団) 第22条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析は、原則として、課ごとの単位で行う。ただし、10 人未満の課については、同じ部門に属する他の課と合算して集計・分析を行う。 (集計・分析の方法) 第23条 集団ごとの集計・分析は、マニュアルに示されている仕事のストレス判定図を用いて行う。 (集計・分析結果の利用方法) 第24条 実施者の指示により、実施事務従事者が、会社の人事労務部門に、課ごとに集計・分析したストレスチェック結果(個人のストレスチェック結果が特定されないもの)を提供する。 2 会社は、課ごとに集計・分析された結果に基づき、必要に応じて、職場環境の改善のための措置を実施するとともに、必要に応じて集計・分析された結果に基づいて管理者に対して研修を行う。社員は、会社が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。 第4章 記録の保存 (ストレスチェック結果の記録の保存担当者) 第25条 ストレスチェック結果の記録の保存担当者は、第6条で実施事務従事者として規定されている衛生管理者とする。 (ストレスチェック結果の記録の保存期間・保存場所) 第26条 ストレスチェック結果の記録は、会社のサーバー内に5年間保存する。 (ストレスチェック結果の記録の保存に関するセキュリティの確保) 第27条 保存担当者は、会社のサーバー内に保管されているストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう、責任をもって閲覧できるためのパスワードの管理をしなければならない。 (事業者に提供されたストレスチェック結果・面接指導結果の保存方法) 第28条 会社の人事労務部門は、社員の同意を得て会社に提供されたストレスチェック結果の写し、実施者から提供された集団ごとの集計・分析結果、面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)を、社内で5年間保存する。 2 人事労務部門は、第三者に社内に保管されているこれらの資料が閲覧されることがないよう、責任をもって鍵の管理をしなければならない。 第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理 (ストレスチェック結果の共有範囲) 第29条 社員の同意を得て会社に提供されたストレスチェックの結果の写しは、人事労務部門内のみで保有し、他の部署の社員には提供しない。 (面接指導結果の共有範囲) 第30条 面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)は、人事労務部門内のみで保有し、そのうち就業上の措置の内容など、職務遂行上必要な情報に限定して、該当する社員の管理者及び上司に提供する。 (集団ごとの集計・分析結果の共有範囲) 第31条 実施者から提供された集計・分析結果は、人事労務部門で保有するとともに、課ごとの集計・分析結果については、当該課の管理者に提供する。2 課ごとの集計・分析結果とその結果に基づいて実施した措置の内容は、衛生委員会に報告する。 (健康情報の取扱いの範囲) 第32条 ストレスチェック制度に関して取り扱われる社員の健康情報のうち、診断名、検査値、具体的な愁訴の内容等の生データや詳細な医学的情報は、産業医又は保健師が取り扱わなければならず、人事労務部門に関連情報を提供する際には、適切に加工しなければならない。 第6章 情報開示、訂正、追加及び削除と苦情処理 (情報開示等の手続き) 第33条 社員は、ストレスチェック制度に関して情報の開示等を求める際には、所定の様式を、電子メールにより 課に提出しなければならない。 (苦情申し立ての手続き) 第34条 社員は、ストレスチェック制度に関する情報の開示等について苦情の申し立てを行う際には、所定の様式を、電子メールにより 課に提出しなければならない。 (守秘義務) 第35条 社員からの情報開示等や苦情申し立てに対応する 課の職員は、それらの職務を通じて知り得た社員の秘密(ストレスチェックの結果その他の社員の健康情報)を、他人に漏らしてはならない。 第7章 不利益な取扱いの防止 (会社が行わない行為) 第36条 会社は、社内掲示板に次の内容を掲示するほか、本規程を社員に配布することにより、ストレスチェック制度に関して、会社が次の行為を行わないことを社員に周知する。 一 ストレスチェック結果に基づき、医師による面接指導の申出を行った社員に対して、申出を行ったことを理由として、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 二 社員の同意を得て会社に提供されたストレスチェック結果に基づき、ストレスチェック結果を理由として、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 三 ストレスチェックを受けない社員に対して、受けないことを理由として、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 四 ストレスチェック結果を会社に提供することに同意しない社員に対して、同意しないことを理由として、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 五 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず、面接指導の申出を行わない社員に して、申出を行わないことを理由として、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 六 就業上の措置を行うに当たって、医師による面接指導を実施する、面接指導を実施した産業医から意見を聴取するなど、労働安全衛生法及び労働安全衛生規則に定められた手順を踏まずに、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 七 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置を行うに当たって、面接指導を実施した産業医の意見とはその内容・程度が著しく異なる等医師の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないものや、労働者の実情が考慮されていないものなど、労働安全衛生法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で、その社員に不利益となる取扱いを行うこと。 八 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置として、次に掲げる措置を行うこと。 ① 解雇すること。 ② 期間を定めて雇用される社員について契約の更新をしないこと。 ③ 退職勧奨を行うこと。 ④ 不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位(役職)の変更を命じること。 ⑤ その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じること。 附則 (施行期日) 第1条 この規程は、令和 年 月 日から施行する。 # 6. ストレスチェックの実施方法等 ## 6.1 ストレスチェックの実施体制 ### 6.1.1 事業者の責任 ストレスチェック制度を実施する上で、事業者(会社や組織のトップ)は重要な役割を担います。彼らは、組織内でストレスチェックを実施するための基盤を整備する責任があります。これには、適切な人材の確保、必要な資源の配分、実施計画の策定などが含まれます。事業者は、従業員のメンタルヘルスを保護し、労働環境の改善に努める必要があり、これは法的な義務でもあります。 ### 6.1.2 実施者の選定 #### 6.1.2.1 産業医の推奨 ストレスチェックを実施するにあたり、実施者の選定が重要です。理想的には、事業場の状況を熟知している産業医が実施者になることが勧められています。産業医は、従業員の健康状態や労働環境の問題を把握しやすく、適切なアドバイスや介入が可能です。 #### 6.1.2.2 実施者の資格要件 実施者として選ばれるべき人物は、特定の資格を有する医師、保健師、歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師などが考えられます。これらの専門家は、ストレス関連の問題に対する深い理解と専門知識を持ち、効果的なストレス管理を支援できます。 ### 6.1.3 実施者の役割 #### 6.1.3.1 計画と評価の役割 実施者は、ストレスチェックの計画立案や結果の評価に関与します。彼らは、どのようにストレスチェックを実施するか、どのように結果を分析し報告するかというプロセスの設計に責任を持ちます。 #### 6.1.3.2 専門的意見の提供 さらに、実施者は、ストレスチェックの方法論に関して専門的な意見を提供します。これには、使用するアンケートの種類、評価基準の設定、高ストレスと判断される基準の明確化などが含まれます。 ### 6.1.4 監督的地位にある者の制約 #### 6.1.4.1 参加制限の理由 労働者の解雇や昇進に関与する立場の者は、ストレスチェックの実施に参加することが禁止されています。これは、検査結果が公平でバイアスの影響を受けないようにするための措置です。この規則は、労働者がストレスチェックに対してオープンかつ正直に応答する環境を確保するために重要です。 ### 6.1.5 経過 #### 6.1.5.1 健康管理業務の経験者 特定の業務経験を有する看護師や精神保健福祉士がストレスチェックの実施者として指定される場合の規定です。例えば、健康管理業務に3年以上従事している看護師や精神保健福祉士は、新しい規則に基づき実施者として指定されることが認められます。これにより、豊富な経験を持つ専門家がストレスチェックの実施に携わることができます。 ### 6.1.6 ストレスチェック実施体制の整備詳細 #### 6.1.6.1 実施計画の策定 実施計画は、ストレスチェックを効果的に実施するためのロードマップです。事業者は、目的、目標、実施方法、スケジュールなどを含む計画を策定する責任があります。計画は事前に詳細に準備され、実施者や従業員に明確に伝達されるべきです。 #### 6.1.6.2 実務担当者の指名 ストレスチェックの実施にあたっては、実務担当者の指名が重要です。通常、衛生管理者やメンタルヘルス推進担当者などが実務担当者として指名されることが望ましいとされています。これらの担当者は、実施計画の実行、労働者への通知、データ管理などの重要な役割を担います。 ### 6.1.7 ストレスチェック制度とその運用について #### 6.1.7.1 事業者の役割と責任 事業者は、ストレスチェック制度の運用において中心的な役割を果たします。制度の効果的な運用のためには、適切な担当者の選定、プロセスの管理、そして継続的な評価と改善が必要です。事業者は、従業員のメンタルヘルスを保護し、職場環境を改善するための措置を講じることが求められます。 #### 6.1.7.2 実施者の選定 実施者は、医師、保健師、特定の研修を受けた歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師の中から選ばれるべきです。特に、2015年11月30日以前に労働者の健康管理業務に3年以上従事した看護師や精神保健福祉士は、研修の受講を免除されることがあります。 ##### 6.1.7.3 産業医の関与 産業医の関与は、ストレスチェック制度の実施において中心的な役割を果たします。産業医は、事業場での健康管理の専門家として、労働者の心身の健康状態を総合的に把握し、ストレスチェックの結果に基づく適切な対応策を提案する責任があります。産業医は、ストレスチェックの計画立案、実施、評価の各段階において重要なアドバイスを提供し、労働者への面接指導の必要性を判断することもあります。また、産業医は職場のストレス要因を特定し、それらを軽減または排除するための職場環境改善策を提案することも期待されます。 #### 6.1.7.4 ストレスチェック制度の実施体制 ストレスチェック制度は、以下のような体制で実施されるべきです: - **事業者**:制度の実施責任を担い、方針を決定し、必要なリソースを提供します。 - **ストレスチェック制度担当者**:実施計画の策定と管理を行い、事業者や産業医と連携して制度の運営を行います。 - **実施者(産業医など)**:ストレスチェックの実施を行い、労働者への面接指導や健康アドバイスを提供します。 - **実施事務従事者**:補助業務を担い、調査票の回収、データ入力、結果の集計などを行います。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/BymvLqp46.png) #### 6.1.7.5 外部機関への業務委託 外部機関への業務委託を行う場合、産業保健スタッフが共同実施者として関与することが望ましいです。外部機関との連携を密にし、労働者の健康管理に関する情報共有を行うことが重要です。委託する際は、委託先の資格や経験、信頼性を十分に検討し、ストレスチェックの質が確保されるよう配慮する必要があります。 #### 6.1.7.6 個人情報の取り扱いと人事上の権限 ストレスチェックの結果は非常にデリケートな個人情報であり、労働者の同意がない限り産業医を含めた実施者がこれを把握することはありません。結果を人事上の判断材料として不当に利用することは、法的規制だけでなく倫理的にも認められません。解雇、昇進、異動などの人事上の決定に関与する者は、ストレスチェックの実施事務には従事しないようにすることが求められます。 #### 6.1.7.7 ストレスチェック実施事務の分担 ストレスチェックの実施事務は、人事権の有無によって分担が決まります。人事権を持つ者は、労働者の健康情報を取り扱う事務には従事しません。これは、労働者のプライバシー保護と信頼関係の維持を目的としています。実施事務は、人事権のない人事部門の従業員やその他の適切な人材によって行われるべきです。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/r1fqLc6Np.png) ### 6.1.8 ストレスチェック制度の実施における事務手順と実施者の役割 #### 6.1.8.1 ストレスチェックの実施事務 ストレスチェックの実施事務は、労働者の健康情報の取り扱いを中心に行われます。これには調査票の回収、データ入力、評価点数の算出、結果の通知、面接指導の必要性の判断などが含まれます。 #### 6.1.8.2 その他の事務 その他の事務には、ストレスチェックの実施計画の策定、実施日時や場所の連絡調整、外部機関との契約関連事務、実施計画や日時の労働者への通知、調査票の配布、受検勧奨などが含まれます。 #### 6.1.8.3 実施者の役割 実施者は、ストレスチェックの実施において専門的見地から意見を提供します。これには、調査票の選定、ストレス評価方法の決定、高ストレス者の選定基準の決定などが含まれます。 #### 6.1.8.4 実施事務従事者の選任 事業者は、ストレスチェックの実施事務を円滑に行うために、適切な実施事務従事者を選任する必要があります。人事権を持つ者は実施事務従事者になることができませんが、人事部門の従業員(人事権のない者)なら従事者になることが可能です。 #### 6.1.8.5 労働者の健康情報の保護 ストレスチェック制度に関連する労働者の健康情報の保護は非常に重要です。情報取扱いには特に注意が必要で、労働者のプライバシー保護とデータの安全管理に最大限の注意を払う必要があります。これには、適切な情報管理システムの導入、アクセス制御、データの暗号化などが含まれます。 ## 6.2 ストレスチェックの実施方法 ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルスを管理し、職場環境を改善するための重要な手段です。以下では、この制度の実施方法について詳細に説明します。 ### 6.2.1 実施頻度と対象者 #### 6.2.1.1 定期検査の実施 事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期にストレスチェックを行わなければならないと定められています。これには、職場における心理的負担の原因、心身の自覚症状、他の労働者による支援などの項目が含まれます。 #### 6.2.1.2 実施頻度の調整 繁忙期などストレスが高まる時期に複数回実施することや、衛生委員会での調査審議を通じて労使間で合意すれば、年に複数回実施することも可能です。 ### 6.2.2 ストレスチェックの方法 #### 6.2.2.1 調査票の選定と配布 ストレスチェックには、厚生労働省が提供する「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」が用いられます。事業者は、この調査票を選定し、紙の質問紙またはICTを用いて労働者に配布し、記入させます。 #### 6.2.2.2 一般定期健診との同時実施 ストレスチェックを一般定期健康診断と同時に実施する場合、以下の点に留意する必要があります: - ストレスチェックの調査票と健康診断の問診票を区別する。 - 記入後、ストレスチェックと健康診断の部分を切り離す。 - ICTを用いる場合、両方の区別を明確にする。 - ストレスチェックには労働者に検査を受ける義務がなく、結果は本人にのみ通知され、本人の同意なく事業者に通知できない。 ### 6.2.3 ストレスチェックの実施環境 #### 6.2.3.1 集団的な分析 ストレスチェックは集団的な分析を行うため、同時期に集団単位で実施することが望まれます。これには、労働者全体のメンタルヘルス状態の把握と、必要に応じた対策の立案が含まれます。 #### 6.2.3.2 健診機関との連携 定期健康診断を複数の健診機関に委託している場合や、誕生月などに実施する場合は、ストレスチェックの同時実施に関して検討が必要です。 ### 6.2.4 ストレスチェックの対象となる労働者 ストレスチェック制度では、特定の基準を満たす労働者が対象となります。以下では、これらの対象者の基準と、ストレスチェック実施の際に考慮すべき事項を詳細に説明します。 #### 6.2.4.1 対象労働者の基準 ##### 6.2.4.1.1 契約形態に基づく基準 期間の定めのない労働契約により使用される者、または期間の定めのある労働契約でも契約期間が1年以上、あるいは契約更新により1年以上使用される予定、またはすでに1年以上引き続き使用されている者が対象となります。 ##### 6.2.4.1.2 労働時間に基づく基準 対象となる労働者は、1週間の労働時間が事業場における同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であることが求められます。 #### 6.2.4.2 特例の対象者 ###### 6.2.4.2.1 短時間労働者 所定労働時間数の4分の3未満でも、所定労働時間数のおおむね2分の1以上であれば、ストレスチェックの実施が望ましいとされます。 ##### 6.2.4.2.2 派遣労働者 派遣先事業場における派遣労働者に関しては、特別な留意事項が設けられており、「12(2)派遣労働者に関する留意事項」で詳細を確認する必要があります。 ##### 6.2.4.2.3 休職中の労働者 ストレスチェックの実施時期に休職している労働者については、実施を省略することが可能です。 ##### 6.2.4.3 実施プログラムの提供 厚生労働省では、ICTを用いたストレスチェックの実施に利用できるプログラムを無料で提供しています。この「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」は、以下の機能を備えています: 1. 労働者が画面でストレスチェックを受ける機能。 2. 労働者の受検状況を管理する機能。 3. 高ストレス者を自動的に判定する機能。 4. 個人のストレスチェック結果を出力する機能。 5. 集団ごとのストレスチェック結果を集計・分析する機能。 6. 集団ごとの集計・分析結果を出力する機能。 7. 労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能。 ### 6.2.5 ストレスチェック実施の具体例と様式 ストレスチェックの実施に際しては、労働者へのアプローチ方法が重要です。以下では、実施時の具体的なアナウンス文例と、その様式について詳細に説明します。 #### 6.2.5.1 ストレスチェック実施の通知文例 ##### 6.2.5.1.1 実施案内の文例 ``` 【ストレスチェック実施時の文例;Web 実施版】 ○○株式会社△△事業場の皆様 平素より会社の健康・衛生管理施策にご協力いただき、誠にありがとうございます。 衛生管理者(事業場内メンタルヘルス推進担当者)の○○です。 今般、セルフケアの充実化及び働きやすい職場環境の形成を目的に、労働安全衛生法に基づき、産業医○○および保健師○○を実施者としたストレスチェックを行います。 ご多忙の中恐縮ではありますが、期間内に受けるようお願い致します。 ``` ##### 6.2.5.1.2 実施期間の案内 ``` Ⅰ.実施期間:20**年**月**日(火)~**月**日(火) **月**日(火)17:00までに回答をお願いします。 Ⅱ.対象者:20**年**月1日時点で就業している社員 本メールが届いた方は対象ですので、受検をお願いします。 ``` ##### 6.2.5.1.3 質問数と所要時間 ``` Ⅲ.質問数:**問 所要時間:約**分~**分/回(就業時間の取扱いとなります) ``` ##### 6.2.5.1.4 実施方法の案内 ``` Ⅳ.実施方法:原則としてWebにて実施 利用者ガイド若しくはURL**********を参照下さい。 利用者ガイド→ こちら *実施結果は自身で閲覧・印刷することが可能ですので、自己管理ツールとしてご活用下さい。 *マークシート回答の方:後日「個人結果表(ストレスプロフィール)」を社内便で送付 ``` #### 6.2.5.2 結果の取り扱いについて ##### 6.2.5.2.1 個人のプライバシーの保護 ``` Ⅴ.結果の取扱について ご回答いただいた個人のストレスチェック結果は、個人の健康管理を目的として、産業医・保健師のみが確認し、必要に応じて面接推奨のご連絡を個別に差し上げます。 個人の結果が外部(上司・人事部門等)に漏れることは、一切ありません。 ``` ##### 6.2.5.2.2 職場全体のストレス傾向の把握 ``` また、職場全 体のストレス傾向の把握を目的に、個人が特定できないようストレスチェック結果を加工し、分析および報告書作成に使用します。 ``` ##### 6.2.5.2.3 問い合わせ先の案内 ``` ご不明な点がありましたら○○(内線****)まで、ご遠慮なくご連絡下さい。 以上、宜しくお願い致します。 ``` ### 6.2.6 ストレスチェックの定義と調査票 ストレスチェックの適切な実施には、その定義と調査票の内容を理解し、適切に適用することが重要です。以下では、ストレスチェックの定義と調査票について詳細に説明します。 #### 6.2.6.1 ストレスチェックの定義 ##### 6.2.6.1.1 法的定義 法第 66 条の 10 第1項の規定によるストレスチェックは、調査票を用いて、以下の3つの領域に関する項目により検査を行い、労働者のストレスの程度を点数化して評価します。また、評価結果を踏まえて高ストレス者を選定し、医師による面接指導の要否を確認するものです。 1. 職場における労働者の心理的な負担の原因に関する項目 2. 心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目 3. 職場における他の労働者による労働者への支援に関する項目 #### 6.2.6.2 ストレスチェックの調査票 ##### 6.2.6.2.1 調査票の選定 事業者がストレスチェックに用いる調査票は、上記の3つの領域に関する項目が含まれているものであれば、実施者の意見及び衛生委員会等での調査審議を踏まえて、事業者の判断により選択することができます。 ##### 6.2.6.2.2 推奨される調査票 事業者が用いることが望ましい調査票として、「職業性ストレス簡易調査票」があります。この調査票は、ストレスの程度を評価する上で必要な57項目を含んでいます。 #### 6.2.6.3 実施方法 ##### 6.2.6.3.1 基本的な実施方法 ストレスチェックは、労働者自らが調査票に記入または入力する方法で行うことが基本です。ただし、補足的に面談を行うことで、より具体的に個々の労働者のストレスの状況を把握する方法もあります。 ##### 6.2.6.3.2 具体的なストレスチェックの項目 ストレスチェックの調査票は、法に基づき次の3領域を含むことが必要です。 1. 仕事のストレス要因:職場における労働者の心理的な負担の原因に関する項目 2. 心身のストレス反応:心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目 3. 周囲のサポート:職場における他の労働者による労働者への支援に関する項目 ##### 6.2.6.3.3 ストレスチェックの調査票例 職業性ストレス簡易調査票」(57項目)が推奨されており、また簡略版(23項目)も存在します。しかし、これらは法令で規定されたものではないため、各事業場はこれらの項目を参考にしつつ、衛生委員会での審議を経て、各々の判断で項目を選定できます。ただし、規則に規定する3領域に関する項目をすべて含むことが必須であり、選定する項目には一定の科学的根拠が求められます。 ### 6.2.7 ストレスチェックの調査票の利用方法 ストレスチェックの調査票の利用方法には、実施の形態に応じて留意すべき点があります。以下で、紙の配布とICTを利用した方法の両方について詳細に説明します。 #### 6.2.7.1 紙の配布による実施 ##### 6.2.7.1.1 配布と回収の留意点 - 配布: 調査票の用紙を配布する際には、誰が行っても問題ありませんが、プライバシー保護のための注意が必要です。 - 回収: 回収の際は、記入済みの調査票が他人の目に触れないよう、封筒などを利用してプライバシーを守る工夫が求められます。 #### 6.2.7.2 ICTを利用した実施 ##### 6.2.7.2.1 ICT利用時の要件 - セキュリティ: 個人情報の保護と改ざん防止のためのセキュリティシステムが整っている必要があります。 - 閲覧制限: 個人のストレスチェック結果を実施者以外が閲覧できないようにする必要があります。 - 実施者の役割: 調査票の選定、評価基準の設定、個人の結果の評価など、実施者の役割が適切に果たされることが必要です。 ##### 6.2.7.2.2 情報管理の留意点 - 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照し、健康診断結果と同様に記録の保存に関する適切な管理を行うことが推奨されます。 #### 6.2.7.3 ストレスチェックに不適切な項目 ##### 6.2.7.3.1 不適切な項目の例 - 性格検査や適性検査: ストレスチェックはこれらの検査を目的とするものではないため、これらの項目の含めることは不適当です。 - 希死念慮や自傷行為: これらの項目は、評価の複雑さと早急な対応の必要性から、企業の体制が不十分な場合には含めるべきではありません。 - うつ病検査: ストレスチェックの目的は精神疾患のスクリーニングではないため、これらの項目の含めることは不適当です。 #### 6.2.7.4 一般健康診断との関係 ##### 6.2.7.4.1 基本的な考え方 - 一般定期健康診断の問診は、心身の健康状況を総合的に判断するものであり、ストレスチェックに代わるものではありません。 - 法に基づくストレスチェックを健康診断の一環として実施することはできません。 ##### 6.2.7.4.2 具体的な例 - 数値評価を伴わない単純な問診票の使用は可能ですが、ストレスの程度を数値化し評価する方法はストレスチェックに該当し、健康診断としては不適切です。 - 特殊健康診断に含まれる精神面の自覚症状の項目は、ストレスチェックとは異なる目的であり、健康診断の一環として通知する必要があります。 ### 6.2.8 個人のストレスの程度の評価方法 #### 6.2.8.1 評価の実施方法 - 事業者は、実施者にストレスの程度の評価を行わせる際、点数化した結果を数値で示すだけでなく、レーダーチャート等の図表を用いて分かりやすく示すことが望ましい。 ### 6.2.8.2 高ストレス者の選定方法 #### 6.2.8.2.1 選定基準 - 高ストレス者は以下の基準に基づいて選定する。 1. 「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者。 2. 同項目の評価点数が一定以上であり、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」と「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の評価点数の合計が著しく高い者。 #### 6.2.8.2.2 補足的選定方法 - 実施者の判断に加え、医師、保健師、歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師、産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職による面談結果も参考にして選定する方法も考慮される。 ### 6.2.9 ストレスチェック結果の評価と高ストレス者選定の実践 #### 6.2.9.1 実践例 - 「職業性ストレス簡易調査票」などを用いた場合、標準化得点を使用した評価方法が推奨される。 - 個人のストレスプロフィールをレーダーチャートで出力し、本人に通知する方法が個人の気づきを促すのに効果的。 #### 6.2.9.2 高ストレス者選定の具体例 - 高ストレス者選定の具体例や数値基準に基づく方法が資料として提供されている。 ### 6.2.10 職業性ストレス簡易調査票を用いた個人結果の計算・出力方法 #### 6.2.10.1 職業性ストレス簡易調査票の使用 ##### 6.2.10.1.1 標準化得点の使用 - 個人結果を出力する際には、調査票全57項目の4段階の回答から各尺度(仕事の負担、コントロール度、疲労感、抑うつ感等)に該当する項目の点数を算出し、その点数を5段階に換算して評価します。 - 標準値は、約2.5万人(男性15,933人、女性8,447人)の種々の業種、職種の労働者のデータベースを基準に作成されています。 ##### 6.2.10.1.2 点数の算出と評価 - 個人の職業性ストレス簡易調査票の各項目の点数は、下記素点換算表の計算欄に従って計算し、得点を算出します。 - 算出された得点を用いて、ストレスの程度がどのレベルに該当するかを読み取ります。 ##### 6.2.10.1.3 詳細な集計方法 - 詳細な集計方法に関する情報は、「職業性ストレス簡易調査票を用いたストレスの現状把握のためのマニュアル」にて提供されています。このマニュアルは、URL (http://www.tmu-ph.ac/topics/pdf/manual2.pdf) からアクセス可能です。 ![Monosnap 000533925.pdf 2023-11-25 03-47-17](https://hackmd.io/_uploads/BJRCkdCE6.jpg) ![image](https://hackmd.io/_uploads/Hk4elOA4T.png) #### 6.2.10.2 結果の表示方法 ##### 6.2.10.2.1 レーダーチャート形式 - レーダーチャート形式では、レーダーが小さく中心に向いているほど、ストレス状況が良くないことを示します。 - この形式は、ストレスの複数の側面を同時に示すことができ、全体的なストレス状態を一目で理解するのに役立ちます。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/B1arWdRV6.png) ![image](https://hackmd.io/_uploads/SkUDDdCVT.png) ##### 6.2.10.2.2 表形式 - 表形式では、影のかかった枠に○があるほど、ストレス状況が良くないことを示します。 - この方法は、特定のストレス要因や反応に焦点を当て、簡潔に情報を提供します。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/S1EQZ_0VT.png) #### 6.2.10.3 結果の解釈とアドバイス - 計算結果に基づいた簡単な説明とアドバイスを付した文書も作成します。 - ストレスの要因、ストレス反応に影響を与える他の因子、心身の反応に関する問題の早期対応が重要です。 - 「活気の低下」はストレスが比較的低い段階で認められ、次に「身体愁訴」、「イライラ感」、「疲労感」、そして「不安感」、「抑うつ感」がストレスの程度が高い段階で現れる傾向があります。 - 労働者のストレス状況を観察する際には、「不安感」「抑うつ感」に特に注意する必要があります。 #### 6.2.10.4 ストレスプロフィールの出力ツール - 厚生労働省は、職業性ストレス簡易調査票を用いて労働者個人のストレス状況を把握し、ストレスプロフィールを出力できるツールを無料で提供しています。 - 「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」は以下のサイトからダウンロード可能です: [厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム](https://stresscheck.mhlw.go.jp/) 了解しました。元の文章を詳細に含めながら、高ストレス者の選定方法についての説明を続けます。 ### 6.2.11 高ストレス者の選定方法 #### 6.2.11.1 基本となる考え方 ##### 6.2.11.1.1 高ストレス者の選定基準 - 「心身のストレス反応」の項目に関する点数が高い者と、同項目の点数が一定以上で「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」の点数の合計が著しく高い者を、高ストレス者として選定します。 ##### 6.2.11.1.2 評価基準の例 - 一般的には、全体の約10%程度を高ストレス者と見なすことが推奨されます。ただし、これはあくまで例であり、実際の事業場の状況に応じて割合は調整可能です。 #### 6.2.11.2 評価基準の設定例 ##### 6.2.11.2.1 57項目調査票の例 - 「心身のストレス反応」の合計点数が77点以上の者、または「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」の合計点数が76点以上であり、「心身のストレス反応」が63点以上の者を高ストレスとして選定します。 ##### 6.2.11.2.2 23項目調査票の例 - 「心身のストレス反応」の合計点数が31点以上の者、または「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」の合計点数が39点以上であり、「心身のストレス反応」が23点以上の者を高ストレスとして選定します。 #### 6.2.11.3 評価基準の適用 - 調査票の各質問項目への回答の点数は、単純に合計するか、または素点換算表により尺度ごとの5段階評価に換算して合計点または平均点を基準に用います。 - この際、満足度に関する回答は評価に含めないことが重要です。 #### 6.2.11.4 利用可能なツール - 厚生労働省では、職業性ストレス簡易調査票を用いて労働者個人のストレス状況を把握し、ストレスプロフィールを出力できるツールを提供しています。このツールは無料で利用可能です。 - ダウンロードサイト: [厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム](https://stresscheck.mhlw.go.jp/) ### 6.2.12 調査票に面談を併用する場合 #### 6.2.12.1 面談の実施とその役割 ##### 6.2.12.1.1 面談の実施方法 - 高ストレス者の選定には、調査票に基づく数値評価と補足的な面談を組み合わせることが可能です。 - 面談はストレスチェックの一環として行われ、実施者以外の者による場合は、メンタルヘルスに関する適切な知識と能力を持つ者に限定されます。 ##### 6.2.11.1.2 面談を実施する人物の要件 - 面談を実施する者は、保健師、産業カウンセラー、臨床心理士などの有資格者である必要があり、その選定は実施者が責任を持って行います。 - 面談は実施者の指名と指示の下に行われ、面談結果に基づく最終的な判断は実施者が行います。 #### 6.2.11.2 面談結果に基づく対応 ##### 6.2.11.2.1 早急な対応が必要な労働者の扱い - 医師以外の者が面談を行い、早急な対応が必要な労働者を発見した場合は、産業医に状況を報告し、必要な面接指導や就業上の措置を行うようにします。 ##### 6.2.11.2.2 面談の重要性 - 面談を通じて労働者の詳細なストレス状況を理解し、適切な支援を提供することが重要です。これにより、数値評価だけでは捉えられない労働者のニーズに応えることが可能になります。 ## 6.3 ストレスチェックの受検の勧奨 ### 6.3.1 受検勧奨の目的と方法 - 事業者は、労働者のストレスチェック受検状況を把握し、受検を勧奨できます。 - 労働者に自らのストレス状況を意識させ、必要な面接指導へと繋げることが重要です。 ### 6.3.2 受検状況の把握 - 事業者は、実施者から提供されるストレスチェック受検者リストなどを用いて、労働者の受検状況を確認します。 - 労働者の同意なしに実施者から受検情報を得ることが可能です。 ### 6.3.3 受検勧奨の実施上の注意 - 受検を勧奨する際には、受検しない労働者への不利益な取扱いを避ける必要があります。 - 受検勧奨は、強制ではなく、適切な方法で行うべきです。 ### 6.3.4 労働者への情報提供 - 労働者への受検勧奨は、ストレスチェックの目的やデータの取扱いに関する詳細を提供する形で行われます。 ### 6.3.5 データの取扱いとプライバシーの保護 - 受検結果は、労働者が自身で確認し管理できるようになっています。 - 個人の結果は外部に漏れず、職場全体のストレス傾向の把握のみに使用されます。 ### 6.3.6 受検勧奨の具体例 - 事業場の保健師等からストレスチェックの未受検者へ催促メールを送る例が挙げられます。 - このメールは、ストレスチェックの目的、受検方法、データの取扱いに関する情報を含みます。 ## 6.4 面接指導対象者の確認 ### 6.4.1 実施者の重要な役割 - 実施者は、ストレスチェックにおいて重要な役割を担います。 - 事業場で使用される調査票の選定や、ストレスの程度を評価する方法の決定に関して、事業者に専門的な意見を提供します。 ### 6.4.2 高ストレス者の選定基準 - 実施者は、高ストレス者の選定基準を定める責任も持ちます。 - この基準は、ストレスチェックの結果を基にして設定されます。 ### 6.4.3 医師による面接指導の必要性の確認 - ストレスチェックの結果、高ストレス者とされた個人が医師による面接指導を受ける必要があるかどうかは、実施者が確認します。 - この確認は、受検者全員に対して行われ、特に高ストレスと判定された者への注意が必要です。 ### 6.4.4 面接指導の実施 - 確認の結果、面接指導が必要と判断された場合、実施者はその手配を行います。 - この指導は、労働者のメンタルヘルスの保護と改善を目的としています。 ### 6.4.5 労働者の健康管理への貢献 - このプロセスは、労働者のストレス状況を適切に管理し、必要に応じて専門的な支援を提供することを目的としています。 - 労働者の健康と福祉の向上に寄与します。 このテキストに基づいて、詳細かつ丁寧な解説を作成します。ここでは、ストレスチェック結果の通知と通知後の対応に焦点を当て、インターネットの記事を参照しながら説明します。図表は使用せず、テキストのみで構成します。章立ては6.5から始め、5階層まで詳細に分けて説明します。 ## 6.5 ストレスチェック結果の通知と通知後の対応 ### 6.5.1 ストレスチェック結果の通知 #### 6.5.1.1 通知の必要性と方法 - ストレスチェック結果は、労働者に直接、遅延なく通知する必要があります。この通知は、医師等が行った検査の結果に基づいて行われます。 #### 6.5.1.2 通知内容 - 通知される内容には、以下の事項が含まれるべきです: - 個人のストレスプロフィール(数値や図表で示される心理的な負担の原因、心身の自覚症状、職場の支援など) - ストレスの程度(高ストレスの評価結果) - 面接指導の対象者か否かの判定結果 #### 6.5.1.3 通知後の対応 ##### 6.5.1.3.1 面接指導の推奨 - 高ストレスと評価された労働者には、医師による面接指導を受けることを勧奨します。 ##### 6.5.1.3.2 相談窓口の提供 - 労働者は、ストレスチェック結果に関して事業者や産業医などに相談することができます。これには、面接指導の申出窓口や他の相談窓口の情報提供が含まれます。 ##### 6.5.1.3.3 通知方法の留意点 - 通知は、他の者に見られないように個別に行う必要があります。例えば、電子メールや封書での通知が考えられます。 ##### 6.5.1.3.4 法的規制と個人の同意 - 労働者の同意がなければ、結果を事業者に通知することは禁止されています。また、結果を第三者に漏らすことも法律で禁じられています。 ### 6.5.1.2 補足情報 ##### 6.5.1.2.1 セルフケアのアドバイス - ストレスチェック結果を通じて、労働者にセルフケアに関する助言や指導を行うことが望ましいです。 #### 6.5.1.2.2 事業者への面接指導の申出方法 - 面接指導の対象とされた者は、事業者への面接指導の申出方法を知らされるべきです。 #### 6.5.1.3 結果の説明文章例 ``` <具体例・様式例 ② ○ 結果の説明文書例 あなたのストレスプロフィールについて ●● 殿 社員番号×××× ご回答いただいたストレス調査票の結果から、“あなたのストレスプロフィール”を作成しました。このプロフィールから、あなたのストレスの状態をおおよそ把握していただくことが出来ると思います。結果をごらんいただき、ご自分の心の健康管理にお役立てください。 詳しいストレス度や、それに伴うこころの問題については、この結果のみで判断することはできません。ご心配な方は専門家にご相談下さい。 あなたのストレス状況はやや高めな状態にあることがうかがわれます。 ストレスの高い状態が続くと、心や身体がストレスの原因に対して反応し、その結果として、気分が落ち込む、イライラ感がつのる、疲れる、元気がないといった症状が現れます。このような症状は気分だけでなく、体の不調として現れてくる事もあります。ストレスは、急に仕事が忙しくなったり、ストレスの原因となる要素(仕事に関連したものや、ご家庭での問題)が重なると、急にあなたに重くのしかかってくる可能性もあります。 あなたの場合、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感が高く、活気が乏しい状態であることが、別紙2枚のグラフから分かります。 あなたの仕事でのストレスの原因となりうる因子では、仕事の量的負担、対人関係上のストレスが高いようでした。 仕事の量が多い、仕事が厳しいと考えている人は、もう一度自分の仕事量を見直し、上司、同僚と仕事内容について相談することをお勧めします。周囲の人に協力を仰ぐ事により、事態が解決するかもしれません。 「仕事のコントロール度」は、自分で仕事の予定や手順を決めることができない時、低くなります。例えば、周囲のスピードや上司の予定に合わせて仕事をするとか、急な仕事の変更がよく起こるために予定が立てられない状況などです。仕事の進め方を工夫して負担量を軽減することができないか、自ら見直したり周囲の人と相談したりして考えてみて下さい。 それが無理な場合は、仕事からストレスを多く受けていることを自覚して、勤務時間外や休日はなるべく仕事を持ち帰らず、リフレッシュに努めましょう。 また、一人で悩みを抱え込まずに、周囲に悩みを相談することもよいでしょう。また、産業医や専門家に相談する事も一つの方法です。専門的な助言を受けることによって、自分では気がつかなかった解決法が見つかることもあるでしょう。 ストレスチェック実施者 産業医○○○○ ``` #### 6.5.1.4 セルフケアのアドバイス の記載例 (受検者全員に配布する場合の例) ``` 1)セルフケアとは メンタルヘルス対策におけるセルフケアとは「労働者自身がストレスやこころの健康につい て理解し、自らのストレスを予防、軽減するあるいはこれに対処すること」で 、以下 が目標にな ります 。 ① 正しい知識を学ぶことにより、労働者自身がストレスや心身の不調に気づくことができる ようになる。 ② 労働者自身がストレスに気づくことにより、自発的にストレスに適切に対処できる。 ③ そうして、労働者はストレスに対して自分で予防・軽減ができるようになる。 2)セルフケアの基本 セルフケアの基本は規則正しい生活を保ち、適切な食事、睡眠、運動を日々心がけることで す。それに加えて、ストレス解消法、ストレス対処法などが挙げられます。 1.食事 野菜を多く食べる、塩分・脂質・糖質摂取を控えめにする等、 食生活に注意しましょう 。 自然食品 は、加工食品・高脂肪が中心のメニューに比べてストレス軽減効果が高いこと が 知られています。 青魚に含まれる DHA ・ EPA に抗うつ効 果が期待できるという研究結果もあります。 2.睡眠 心身の疲労回復には睡眠が不可欠です。毎日十分な睡眠時間を確保しましょう。睡眠時間 の不足や睡眠の質の悪化により、生活習慣病や、うつ病などのこころの病につながってきま す。逆に、不眠症は、こころの病の症状として現れることもあります。眠たくないのに無理に 眠ろうとすると、かえって緊張を高め、眠りへの移行を妨げます。眠くなってから寝床に就 き、起床時刻を一定に保つようにしましょう。仕事や生活上の都合で、夜間に必要な睡眠時間 を確保できない時は、午後の早い時刻に 30 分以内の短い昼寝をするのが効果的です。 適度 な運動習慣、朝食摂取が睡眠覚醒リズムを保つのに有用です。また、就寝前にリラック スすることがスムースな入眠に有効です。例えば、入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時 間、ゆったりとするとよいでしょう。就寝直前の激しい運動や夜食摂取は、入眠を妨げます し、就寝前の飲酒や喫煙は睡眠の質を悪化させます。就寝前 3 4 時間以内のカフェイン摂取 も入眠や睡眠の質に影響し、利尿作用で夜中に尿意で目が覚める原因にもなります。これら はいずれも就寝前は控えるようにしましょう。 就寝前の寝室の明るすぎる白色照明は、睡眠の質を低下さ せます。眠りを邪魔せず心地よ いと感じられる程度に調整しましょう。寝床に入ってからの携帯電話操作も覚醒を助長させ るので控えましょう。 睡眠に関連する問題で、日常生活や勤務に悪い影響が出てきて、自分では対処できない時 には、早めに専門家に相談するようにしましょう。 3.運動 適度な有酸素運動(息が上がらない程度)には適度な有酸素運動(息が上がらない程度)にはストレス軽減ストレス軽減効果があります。普段から効果があります。普段から活動活動的な生活を送るようにしましょう的な生活を送るようにしましょう。。 4.ストレス解消法4.ストレス解消法 ストレスへの対処法としては、行動の工夫、考え方の工夫、リラクセーションのストレスへの対処法としては、行動の工夫、考え方の工夫、リラクセーションの33つがありつがあります。ます。 ・行動の工夫:大きなストレスを感じているようでしたら、そのストレスの原因となる問題を ・行動の工夫:大きなストレスを感じているようでしたら、そのストレスの原因となる問題を分解・整理し、優先順位をつけてみましょう。優先順位の高い問題から解決策をリストアッ分解・整理し、優先順位をつけてみましょう。優先順位の高い問題から解決策をリストアップして、実行しやすい方法から試すことが効果的です。プして、実行しやすい方法から試すことが効果的です。 ・考え方の工夫:イライラや不安を感じる場合、その原因として考え方のクセが関係している ・考え方の工夫:イライラや不安を感じる場合、その原因として考え方のクセが関係していることもあります。仕事がうまくいかなかった原因を過度に自分に求め、失敗した状況が今後こともあります。仕事がうまくいかなかった原因を過度に自分に求め、失敗した状況が今後もずっと続くと考えていませんか?このような時は、別の視点から状況を眺め直してみるもずっと続くと考えていませんか?このような時は、別の視点から状況を眺め直してみることをお勧めします。ことをお勧めします。 ・リラクセーション:こころと体の状態は密接に関係しています。リラクセーションは、体の ・リラクセーション:こころと体の状態は密接に関係しています。リラクセーションは、体の緊張を解きほぐすことで、こころの緊張を解きほぐす方法です。腹式呼吸、アロマ緊張を解きほぐすことで、こころの緊張を解きほぐす方法です。腹式呼吸、アロマテラピーテラピー、、入浴、音楽などあなたに合ったリラックスの方法を、普段から見つけておくとよいで入浴、音楽などあなたに合ったリラックスの方法を、普段から見つけておくとよいでしょしょう。う。 ストレスへの対処では、上記のほか、家族、友人、上司や同僚など周りの人に相談しサポーストレスへの対処では、上記のほか、家族、友人、上司や同僚など周りの人に相談しサポートを求めることも有効です。普段から気軽に相談できる相手や、信頼のおける人と良好な関トを求めることも有効です。普段から気軽に相談できる相手や、信頼のおける人と良好な関係を築いておくよう心がけると良いでしょう。係を築いておくよう心がけると良いでしょう。 3)うつ病のサイン~自分で気づく変化3)うつ病のサイン~自分で気づく変化 もし、以下の項目に当てはまると気づき、仕事や日常生活に支障が出てくるようであれば、うもし、以下の項目に当てはまると気づき、仕事や日常生活に支障が出てくるようであれば、うつ病の可能性があります。早めに産業医・保健師、専門医に相談しましょう。つ病の可能性があります。早めに産業医・保健師、専門医に相談しましょう。 1.1.悲しい、憂鬱な気分、沈んだ気分悲しい、憂鬱な気分、沈んだ気分 2.2.何事にも興味がわかず、楽しくない何事にも興味がわかず、楽しくない 3.3.疲れやすく、元気がない(だるい)疲れやすく、元気がない(だるい) 4.4.気力、意欲、集中力の低下を自覚(億劫、何もする気がしない)気力、意欲、集中力の低下を自覚(億劫、何もする気がしない) 5.5.寝つきが悪くて、朝早く目が覚める寝つきが悪くて、朝早く目が覚める 6.6.食欲がなくなる食欲がなくなる 7.7.人に会いたくなくなる人に会いたくなくなる 8.8.夕方より朝方の方が気分、体調が悪い夕方より朝方の方が気分、体調が悪い 9.9.心配ごとが頭から離れず、考えが堂々めぐりする心配ごとが頭から離れず、考えが堂々めぐりする 10.10.失敗や悲しみ、失望から立ち直れない失敗や悲しみ、失望から立ち直れない 11.11.自分を責め、自分は価値がないと感じる自分を責め、自分は価値がないと感じる ``` ### 6.5.2 ストレスチェック結果の通知後の対応 #### 6.5.2.1 面接指導の実施方法 - 法令によれば、ストレスチェック結果に基づき、労働者が面接指導を申し出た場合、事業者はこれを迅速に実施しなければなりません。 #### 6.5.2.2 面接指導の申出の勧奨 - 高ストレスと評価された労働者に対して、医師や事業者は積極的に面接指導を勧奨することが望ましいです。 #### 6.5.2.3 相談対応の強化 - 事業者は、ストレスチェックの結果に応じて、労働者が気軽に相談できる体制を整えることが求められます。これには産業医や心理職といった専門家が関与します。 #### 6.5.2.4 勧奨方法の具体例 - 以下の方法で面接指導の申出を勧奨することが推奨されています: 1. ストレスチェック結果の個別通知時に面接指導の必要性を伝え、勧奨する。 2. 結果通知から一定期間後、封書や電子メールで本人の状況確認し、再度面接指導を勧奨する。 3. 事業者から提供される面接指導の申出有無情報を用いて、未申出者に対して勧奨を行う。 #### 6.5.2.5 労働者の選択の尊重 - 面接指導を受けるか否かは、労働者の自由な選択に委ねられており、これを尊重することが重要です。 #### 6.5.2.6 事業場における留意点 - 労働者が安心して面接指導を申し出られるように、以下の点に注意が必要です: 1. ストレスチェック結果や面接指導に関する情報の流れを明確にし、個人情報の保護を徹底する。 2. 面接指導の申し込み手続きを簡素化し、秘匿性を保持する。 3. メンタルヘルス教育を強化し、労働者がメンタルヘルスケアの重要性を理解できるようにする。 #### 6.5.2.7 面接指導の申出がない場合の対応 - 面接指導を申し出ない労働者に対しても、相談対応や専門機関への紹介など、必要に応じたサポートを提供することが求められます。 #### 6.5.2.8 面接指導の勧奨文書例 ① ``` ~ストレスチェック受検者の皆様へ~ ストレスチェックの受検結果をお知らせ致します。あなたのストレスチェック結果はいか がだったでしょうか? 1)ストレスチェック結果に基づく医師による面接指導について 職場でストレスを感じる労働者の割合は年々増加傾向にあり、メンタルヘルス不調によ る労災認定も増加してきています。そのような現状を鑑み、平成 26 年の労働安全衛生法 改正により、「心理的な負担の程度を把握するための検査」(ストレスチェック)の実施が 事業者に義務付けられることとなりました。 制度の狙いは、労働者の皆様に年一回、自身のストレスに関する 気づきの機会をもって いただくことですが、高ストレス状態にある労働者に対して医師の面接指導を受けていた だき、必要な範囲で就業上の措置(時間外労働の制限、作業の転換など)を講ずることで メンタルヘルス不調に進展することを未然に防止するのも目的として掲げられています。 面接指導を受けるかどうかはあくまでも任意であり、会社側から指示や強要はできませ んし、受けないことによる不利益な取扱いを行ってはならないとされておりますが、医師 の面接により、自身で気づいていない心身不調について把握するきっかけになると思われ ます。 今 回のストレスチェックで高ストレスという結果だった受検者の方につきましては、 この機会に是非、 (事業者(上司)に申出て 医師による面接指導をお勧め致します。 下 記の窓口にお申し出ください。 [面接指導の窓口] ○○会社××部 健康管理室 担当: ○○ ○○ 連絡先:電話番号 0X XXXX XXXX 、内線 、 メールアドレス ::????@???????@???--????.co.jp 2)社内外相談窓口について また、ストレスチェック制度に基づく医師の面接指導以外にも、社内外に以下のような 相談窓口が用意されています。今回のストレスチェックの結果に関わらず、どなたでも利 用できますので、体調面で何か気になることがあればご相談ください。 [社内相談窓口] ○○会社××部 健康管理室 保健師 ○○ ○○ 連絡先:電話番号 0X XXXX XXXX 、内線 XXXX 、 メールアドレス ::????@???????@???--????.co.jp [社外相談窓口] (株 契約メンタルヘルスサービス機関 電話カウンセリング 0120 XX XXXX 予約対面カウンセリング 0120 XXX XXXX [公的機関] メール相談:働く人の 「 こころの耳メール相談」 https://kokoro.mhlw.go.jp/mail soudan/ 電話相談 働く人の「こころの耳電話相談 」 0120 565 455 (通話料無料 SNS 相談 :働く人の「こころの耳 SNS 相談」 https://kokoro.mhlw.go.jp/sns soudan/ ``` #### 6.5.2.9 面接指導の勧奨文書例 ① ``` 面接指導の勧奨文書例② 産業医からのお知らせ こんにちは。○○会社△△事業場 産業医の****です。 今回のストレスチェックの結果、あなたのストレス度が高いとの結果でしたので、個別にご連絡しております。(個別結果については別途Webないし結果報告書でご確認ください) ストレスチェックを行った時点と、その直前1ヶ月程度の状態が反映されているという条件です が、あなたのストレスバランスが崩れている可能性がありますので、心配しています。 現在の心身の状態はいかがでしょうか。もし何らかの不調やストレスの存在を自覚されるようで したら、 下記日程のいずれかで、「ストレ スチェックに基づく産業医面接」を強くお勧めします。 その際に、今回のストレスチェックの個別結果の印刷物提示と説明も改めて行うこととします。 <面 接 室開設日程> ① 月 日(木)② 月 日 月 ) ③ 月 日 木 ) ④ 月 日 月 ) ⑤ 月 日 木 <面 接 開始時間> 初回の面 接 時間は 25 分迄を予定しています。 ㋐15:00 ㋑15:30 ㋒16:00 ㋓16:30 <面接申込方法と注意点> 【注;受付期間は 月 日(金)~ 月 日(火)】 ①下記電話番号もしくは E mail へご連絡をお願いします。 ご用件(「ストレスチェック後の面接希望」とお伝え・ご記載ください)、社員番号、お名前、所 属名、ご連絡先、面 接 希望日時(第一希望から第三希望)をお知らせください 。 ② なお、上記の産業医面接に、 ご本人が希望されて申し込まれた場合 は、労働安全衛生法の規定 と事業場の衛生委員会での決議事項に従って、 あなたが「 面接指導対象者 である」との情報 を、 産業医から 人事労務担当者 に提供 させていただきますので、ご了承ください。 ただし、ご本人の同意がない限り 面接内容は確実に守秘されます のでご安心ください。 ※ 会社側へのストレスチェック結果の 通知 に同意はできないが面談を希望される場合は、上記の 申し込み先に 一般の健康相談 として申し込んでください。 この場合はストレスチェック結果に関わらず、通常と同様に、保健師等または産業医による面 談となり、保健師等と産業医のみが情報を共有いたします。安心してご利用ください 。 ⇒何か気になることや相談事項があれば、対応します。 【個人情報管理について】 この 面接指導は、就業上の措置、ひいては会社の安全配慮義務(従業員一人一人の安全と健康を 守るための種々の配慮)の遂行の一助とするためのものです。面接指導の結果(通常勤務可、要 就業制限、要休業)については人事・所属職場上司等に報告されます。また、産業医(面接担当 医)が必要と判断した範囲で、会社に対して意見提示、助言指導等を行う場合があります。 その他、産業医・保健師の面談で聴取した内容につきましては、受検者の安全や健康、生命に差 し迫った危険・危機があると判断される場合を除き、守秘致します。 社外相談窓口につきまして は当該機関のプライバシーポリシーに則って取り扱われます。 ``` #### 6.5.2.10 ストレスチェック結果に基づく相談対応 このセクションでは、ストレスチェック結果に基づく相談対応について、詳細かつ包括的なガイドラインを提供します。 ##### 6.5.2.10.1 相談対応の重要性 - ストレスチェックの結果が高ストレスであると評価された労働者に対して、面接指導を含む適切な相談対応を提供することの重要性。 ##### 6.5.2.10.2 面接指導の申出 - 労働者が医師による面接指導を希望する場合、その申出に基づきストレスチェック結果が事業者に提供される流れ。 ##### 6.5.2.10.3 申出を行わない労働者の対応 - 高ストレスと評価されても面接指導の申出を行わない労働者に対して、日常的な活動の中で産業医や他の専門家からの相談対応を促進する。 ##### 6.5.2.10.4 相談窓口の設置 - 保健師、歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師、産業カウンセラー、臨床心理士など、多様な専門家による相談窓口の設置とその重要性。 ##### 6.5.2.10.5 情報の管理と提供 - 保健師等が情報を把握した場合、産業医と連携しつつ、労働者本人の意向に沿った情報の管理・提供を行う。事業者への情報提供は労働者の同意が必要。 ##### 6.5.2.10.6 プライバシーの保護 - 労働者の個人情報とプライバシーの保護を最優先に考慮し、適切な情報の取り扱いを保証する。 ##### 6.5.2.10.7 複数の専門家との連携 - 産業医を含む複数の専門家との連携により、労働者のストレス状態に対する包括的なアプローチを実現する。 ##### 6.5.2.10.8 労働者へのサポート - 労働者に対し、ストレスの原因、対処法、さらなるサポートへのアクセスに関する情報を提供する。 ## 6.6 ストレスチェック結果の記録と保存 このセクションでは、ストレスチェック結果の記録と保存に関する手順をより詳細に説明します。 ### 6.6.1 ストレスチェック結果の記録の保存義務 - 事業者は、ストレスチェック結果の記録を実施事務従事者に保存させるために、必要な措置を講じる義務があります。これには、記録の保存場所の指定やセキュリティの確保などが含まれます。 ### 6.6.2 労働者の同意に基づく記録の保存 - 労働者が同意した場合、実施者から事業者に提供されたストレスチェック結果の記録は、事業者によって5年間保存されるべきです。 ### 6.6.3 記録作成の責任 - 事業者は、検査を行った医師やその他の関係者によるストレスチェック結果の記録作成を適切に行うことを保証する責任を負います。 ### 6.6.4 労働者の同意の取得方法 - 労働者の同意は、書面または電磁的記録(例えば、電子的、磁気的などの方式で作成される記録)によって行われる必要があります。 ### 6.6.5 記録の保存期間 - 事業者は、労働者の同意に基づいて受け取ったストレスチェック結果の記録を5年間保存することが規定されています。 ### 6.6.6 保存方法の選択 - ストレスチェック結果の記録は、紙媒体と電磁的媒体のいずれの方法でも保存可能です。電磁的記録による保存の場合、厚生労働省の規定に基づく適切な保存が求められます。 ### 6.6.7 保存場所の選定 - 記録の保存場所は、事業場内の指定された場所や、企業内ネットワークのサーバー内、または委託先の外部機関の保管場所などが選ばれます。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/ry3H3u04p.png) ### 6.6.8 保存に関するセキュリティ管理 - 記録の保存にあたっては、セキュリティの管理が重要であり、ログインパスワードの管理やキャビネットの鍵の管理など、個人のストレスチェック結果が第三者に見られないように厳密な管理を行うことが必要です。 ### 6.6.9 保存の義務と望ましさ - 本人が同意し事業者に提供された結果は、事業者が5年間保存する義務があります。一方で、本人が同意せず実施者が保有する結果は、実施者が5年間保存することが望ましいとされています。 ### 6.6.10 事業者の責任 - 事業者は、ストレスチェック結果の保存が適切に行われるよう、必要な措置を講じる責任を負います。これには、保存方法、保存場所の決定、そしてそれに基づく管理が含まれます。 # 7. 面接指導の実施方法等 ## 7.1 面接指導の対象労働者の要件 ### 7.1.1 面接指導の対象者の確認 - 事業者は、面接指導の申出をした労働者が面接指導対象者に該当するかどうかを確認する義務があります。この確認は、心理的な負担の程度が高いとされる労働者について行われます。 ### 7.1.2 面接指導の実施準備 - 面接指導を行う医師の選定と、面接指導の日時および場所の調整が事業者によって行われます。 ### 7.1.3 面接指導の実施 - 指定された医師により、面接指導が行われます。この面接指導では、労働者の心理的な状態とストレスレベルが評価されます。 ### 7.1.4 面接指導結果の取り扱い - 面接指導の結果に基づき、事業者は必要に応じて就業上の措置を講じます。これには、労働条件の調整や必要な支援の提供が含まれる場合があります。 ## 7.2 対象労働者の要件 ### 7.2.1 対象労働者の要件 - 面接指導対象となる労働者の要件には、検査の結果心理的な負担が高いと判断され、面接指導が必要であると医師等が認めた者が含まれます。 ### 7.2.2 対象労働者の確認方法 - 労働者からの申出があった場合、事業者はストレスチェック結果の提出を求めることにより、対象者かどうかを確認します。また、実施者に対象労働者の要件への該当の有無の確認を依頼することも可能です。 ### 7.2.3 社内規程の設定 - 面接指導の申出をした者が対象者であるかの確認方法について、事業者は衛生委員会等で調査審議を行い、あらかじめ社内規程として定め、労働者に周知することが望ましいです。 ### 7.2.4 ストレスチェック結果の提出 - 労働者からのストレスチェック結果の提出が基本的な確認方法とされています。 ### 7.2.6 産業保健活動と面接指導 - 事業者への申出の手続きを行わずに実施される産業保健活動を通じて行われたストレスチェックに基づく医師による面接指導の結果も、事業者に提供され、記録されることがあります。この場合、制度に基づく面接指導に切り替えることが可能ですが、労働者の了解が必要です。 ## 7.3 面接指導を実施する医師と実施時期 ### 7.3.1 面接指導の申出方法 - 面接指導を希望する労働者は、書面や電子メール等を通じて申出を行い、事業者はその記録を5年間保存する必要があります。 ### 7.3.2 面接指導の基本的な考え方 - ストレスチェックは自記式調査票によって行われるため、労働者の自覚に基づく評価に限界があります。面接指導は、ストレス反応への対処を支援し、健康影響を軽減または予防する効果が期待されます。 ### 7.3.3 面接指導の実施方法 - 面接指導では、医師はストレスチェックの結果を精査し、ストレスの要因について聴取し、対応を検討します。また、高ストレス状況での職場や職務への不適応が問題となり得るため、職場内での原因の把握と対応を優先することが望ましいです。 ### 7.3.4 医師の選定 - 面接指導を実施する医師としては、産業医や産業保健活動に従事する医師が推奨されます。外部医師に委託する場合も、産業医資格を有する医師が望ましいです。 ### 7.3.5 面接指導の実施時期 - 面接指導は、申出があってから概ね1ヶ月以内に実施する必要があります。日時の設定には柔軟性を持ち、労働者が面接指導を受けやすい環境を整えることが必要です。 ### 7.3.6 面接指導の実施環境 - 面接指導は原則として就業時間内に設定され、労働者の上司などの理解を得ておくことが重要です。また、面接指導が複数回にわたる場合の労務管理上の取り扱いについても、事前に計画を立てることが必要です。 ### 7.3.7 面接指導の費用負担 - 医師による面接指導の費用は、保険診療ではなく事業者が負担すべきものです。 ## 7.4 面接指導における確認事項 ### 7.4.1 労働者の勤務状況の確認 医師は、面接指導時に労働者の勤務状況を確認する必要があります。これには、労働時間、業務内容、職場での人間関係、前回の検査以降の業務や役割の変更、他の労働者からの支援の状況などが含まれます。 ### 7.4.2 労働者の心理的な負担の状況 医師は、ストレスチェックの結果を基に、労働者の心理的な負担を評価します。これには抑うつ症状の把握が含まれ、必要に応じてCES-Dなどのうつ病のスクリーニング検査や構造化面接法を行うことができます。 ### 7.4.3 労働者の心身の状況 医師は、過去の健診結果や現在の生活状況を確認し、必要に応じてうつ病や一般的なストレス関連疾患を考慮に入れた確認を行います。 ### 7.4.4 医学上の指導 面接指導では、医師が労働者に対してストレス対処技術やセルフケアの指導を行います。また、面接指導の結果に基づき、必要に応じて専門機関への受診を勧めることもあります。 ### 7.4.5 医師の報告書、意見書の作成方法 厚生労働省は、医師が面接指導を行い、その後の報告書や意見書を作成する際の具体的な方法を示したマニュアルを提供しています。これには、長時間労働者や高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成のガイドラインが含まれます。 ### 7.4.6 情報通信機器を用いた面接指導 面接指導は、労働者の様子を把握し、円滑にやりとりを行うための適切な方法で行われるべきです。必要と認められる場合には、情報通信機器(ICT)を用いて実施されることもあります。この場合、厚生労働省はICTを用いた面接指導の留意点をまとめた通知を提供し、これをマニュアルの巻末資料として示しています。 ### 7.4.7 面接指導の具体的な進め方と留意点 #### 7.4.7.1 労働者の様子を把握し、円滑にやりとりを行う方法 労働者のストレス状況を把握し、円滑なやりとりを行うことは、面接指導の重要なステップです。ただし、面接指導を実施する医師が必要と認める場合には、直接対面によって行う必要があります。また、事業者の判断でICT(情報通信技術)を活用した面接指導を実施することも可能です。 #### 7.4.7.2 面接指導の場所の選定 面接指導を実施する場所については、秘密が厳守されるよう配慮する必要があります。労働者が周囲の目を気にせず、リラックスして受けることができる場所を選びましょう。事業場外で実施する場合も、業務に支障をきたさないよう、事業場から遠くない場所を選定しましょう。ただし、閉鎖性の高い場所はトラブルの誘因となる可能性があるため、避けるべきです。 #### 7.4.7.3 事前の情報収集 面接指導の実施に先立って、事業者(人事・労務担当者)や本人から必要な情報を収集します。収集すべき情報は以下の通りです。 ① 対象となる労働者の氏名、性別、年齢、所属する事業場名、部署、役職等 ② ストレスチェックの結果(個人のストレスプロフィール等) ③ ストレスチェックを実施する直前1か月間の労働時間(時間外・休日労働時間を含む)、労働日数、業務内容(特に責任の重さなどを含む)等 ④ 定期健康診断やその他の健康診断の結果 ⑤ ストレスチェックの実施時期が繁忙期又は比較的閑散期であったかどうかの情報 ⑥ 職場巡視における職場環境の状況に関する情報 また、上記で得られた情報とストレスチェック結果に乖離があるかどうかにも留意しましょう。 #### 7.4.7.4 面接によるストレス状況等の確認 面接指導を行う医師は、面接指導の結果、事業者に意見を述べる必要があります。面接指導開始時には、面接指導制度の仕組みを説明し、対象者の理解を確認しましょう。次に、面接指導の結果を踏まえて、以下の3点を確認します。 ① 当該労働者の勤務の状況(業務上のストレスについて) ② 心理的な負担の状況(抑うつ症状等について) ③ その他の心身の状況の確認(生活習慣・疾病について) #### 7.4.7.5 面接による評価 面接では、収集した情報と聴取した状況から医学的に判断し、本人に対して指導します。特に、疲労、不安、抑うつ等のストレスが業務と関連するかどうかを評価し、業務の過重性や心理的負担についても評価します。抑うつ症状については、うつ病等の可能性を評価し、健康診断の結果も踏まえて総合的に判断します。 #### 7.4.7.6 面接指導の結果を踏まえた評価や対応の検討 面接指導の結果を踏まえた評価や対応の検討に当たっては、以下の点に留意しましょう。 - 職場内環境がストレス要因となっている場合には、対象者のストレスの要因を傾聴し、原因を特定する必要があります。解決できない場合は職場での対応が必要で、管理監督者の協力が必要です。本人の同意が得られない場合は、職場巡視などで助言、指導することも考慮されます。 - 新しい職場に異動した後に高ストレスと判定された場合には、異動に伴う課題やストレス要因を考慮し、時間外労働や休日労働の制限など迅速な職務上の配慮が必要です。面接指導を担当する医師が、高ストレス者の管理監督者への情報提供を行い、理解を得るよう努力します。 - 上司や同僚との人間関係やコミュニケーションの問題が発生している場合には、解決策を見出すために本人の同意を得た上で、人事担当者などと協力し、保健指導やカウンセリング等が必要な場合も考慮します。 - 職務不適応に起因する高ストレス判定の場合、異動については慎重な検討と本人の意向を尊重しながら人事担当者との詳細な打ち合わせが必要です。異動がストレス緩和につながらない場合も考慮し、配慮が必要です。 ### 7.4.8 面接による評価を踏まえた本人への指導・助言 #### 7.4.8.1 心の健康に関する情報の機微性に留意 まず、心の健康に関する情報は非常に機微なものであることを理解し、傾聴する姿勢が重要です。労働者のストレスの要因は業務だけでなく、業務外の出来事に関連していることも多いため、包括的に対処する必要があります。面接の際には、収集した事前の資料情報と、面接中に聴取した状況から医学的に評価を行い、労働者に対して生活や産業保健の観点から具体的な指導と助言を提供します。 #### 7.4.8.2 相談へのサポートとアドバイス 可能な範囲で、労働者の相談に耳を傾け、必要なアドバイスを提供し、早期解決をサポートします。相談に対しては、医師の産業保健に関する知識と経験だけでなく、ストレス反応、ストレッサー(ストレスの原因)、ストレスコーピング(ストレスへの対処方法)に関する知識と経験も非常に重要です。労働者は高ストレス状態にあるため、身体症状だけが前面に出て自覚がない場合や、状況を極端に深刻に受け止める場合、他罰的な反応を示す場合など、指導と助言に対する反応は多岐にわたります。そのため、個別に対応する必要があります。 #### 7.4.8.3 診断と治療の範囲 面接指導による評価は、セルフケアの指導と助言、専門医療機関への受診勧奨の要否の判定までに留まり、うつ病などの診断を行うものではありません。しかし、面接の結果に基づき、労働者に対して専門医療機関への受診を勧め、必要であれば紹介状を作成します。既に専門医療機関で受診中の場合には、継続的な受診を指導します。受診勧奨においては、労働者が受診の必要性を十分に理解できるよう、個別に説明が重要です。労働者の疲労や抑うつ、不安などが業務に関連しない個人的な要因による場合でも、ストレスの程度を判定し、必要な助言、保健指導、事業場外の支援機関の紹介などを行います。 #### 7.4.8.4 専門医療機関への受診の勧め方 専門医療機関への受診を勧める際に、以下の例を参考にすることができます。 1. 聴取した後に受診を勧奨 - 「心配ですね。一度、専門の病院へ紹介しましょうか。」 - 「まずは眠れることが大事ですから、睡眠の相談に行ってみてはいかがでしょう。」 - 「疲れやすいのは身体の不調のサインかもしれません。専門医の診察を受けてみませんか。」 - 「ストレスがたまると体調を崩しかねないので、大事にならないうちに受診してみませんか。」 - 「今の不調が病気のせいなら治療すれば治るのだから、専門医に診てもらいませんか。」 2. 受診を拒否する場合 - 「健診結果も併せてみると、身体症状がありますので、受診が必要ですよ。」 - 「何ともないかもしれませんが、念のため早めに受診して確認しておいてはいかがでしょう。」 - 「紹介状を書いて、状況を十分連絡しておきますので、心配しなくていいですよ。」 3. 不調自体を否定する労働者に対して - 「あなたのことを心配しています。放っておくと病気になることがありますから。」 - 「体に現れるSOSには耳を傾けた方がいいですよ。自分を大事にしてください。」 #### 7.4.8.5 専門医療機関への紹介時の目的と費用負担の伝達 専門医療機関への紹介の際には、紹介の目的と費用負担についても明確に伝えることが望まれます。これにより、労働者は受診に対する適切な期待を持ち、円滑な受診プロセスが確立されます。 ### 7.4.9 個人情報の保護と事業者への報告についての同意 この章では、面接指導における個人情報の取り扱いと、労働者からの同意について詳しく説明します。 #### 7.4.9.1 個人情報の適正な取り扱い 面接指導における個人情報の取り扱いは、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取り扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」(平成30年9月7日労働者の心身の状態に関する情報の適正な取り扱い指針公示第1号)に基づいて行われるべきです。個人情報の保護には十分な配慮が必要であり、指針に従って適切な対策を講じることが重要です。 #### 7.4.9.2 労働者への説明と同意の取得 面接指導を行う際に、面接指導の結果(個人情報)をどのように利用するかについて、労働者に説明し、同意を得ることが望まれます。特に、労働者が医師の質問に対して面接指導に不必要な個人情報まで話す場合、事業者に報告すべき内容や報告の必要性がある場合には、面接の最後に対象者の同意を得ることが必要です。これにより、個人情報の取り扱いについて透明性が確保され、労働者のプライバシーが尊重されます。 #### 7.4.9.3 事業者への意見提出 面接指導を担当する医師として、面接指導の結果から就業面の配慮や職場環境の改善が必要であると判断した場合、事業者に対して意見を述べることがあります。医師が事業者に伝える情報は、労務管理上の情報として提供されるべきであり、労働者の安全と健康を確保するために必要な情報に絞って伝えられます。ただし、労働者の意向への十分な配慮が必要です。 #### 7.4.9.4 医療機関等との連携とフォローアップ 面接指導において、メンタルヘルス不調の労働者を把握した場合など、必要に応じて医師の判断により、産業保健スタッフによる継続的な対応が必要です。この際、産業保健スタッフは、メンタルヘルスに関する研修を受講し、資質を向上させるべきです。 #### 7.4.9.5 受診者との連携 労働者が専門医療機関を受診する際には、診療環境が混乱しないよう、受診先に対して対象者の情報提供を任せるべきです。また、受診を開始した場合、職場環境について主治医との情報交換や意見交換を行い、連携して労働者を支援しましょう。この際、情報交換は本人の同意を得て行われるべきです。 #### 7.4.9.6 受診勧奨のフォローアップ 受診勧奨を行ったにもかかわらず医療機関受診に至らなかった労働者が継続的な保健指導を必要とする場合、一度フォローアップした後で、改善が見られなければ、再度受診を勧奨するべきです。これにより、労働者のメンタルヘルスの改善をサポートします。 ### 7.4.10 産業医による面談の実施事例 この章では、産業医による面談の実際の事例を紹介します。これにより、実際のケースを通じて面談の進行や配慮事項を理解するのに役立つ情報を提供します。 #### 7.4.10.1 事例① - ストレスチェックの結果と産業医面談 この事例では、40歳代前半で入社20年目の男性エンジニアのケースを取り上げます。 **ストレスチェック判定:** 高ストレス **ストレスの原因として考えられる因子:** 働き甲斐、仕事適性度 この労働者は管理職(マネジャー)に昇格し、大規模なプロジェクトの担当となりました。急に仕事の量が増え、責任が増大したことから、ストレスの症状が現れました。朝のしんどさ、休日も仕事のことが頭から離れない状態、思考力や集中力の低下、意欲の低下、中途覚醒の増加、眠気などの症状がありました。上司には体調不良を伝えましたが、具体的な対応が得られなかったため、心療内科を受診し、睡眠導入剤の処方を受けています。 産業医としては、高ストレスであり、心身の症状があることから、上司も交えた面談が必要と判断し、本人の同意を得て、就業上の配慮や主治医からの意見書の必要性を検討しました。現時点では業務用車両の運転を控えるようにアドバイスされました。 その後、主治医の診断は『適応障害』であり、産業医面談が実施され、配慮事項が決定されました。これに基づいて、業務の配慮や人員増加の対応策が立てられました。本人の内服薬も調整され、睡眠時間や中途覚醒が改善し、症状は回復に向かっています。 この事例からは、面談のプロセスや配慮事項が具体的に示されており、ストレス症状を持つ労働者への適切なサポートが行われていることがわかります。 #### 7.4.10.2 事例② - ストレスチェックの結果と産業医面談 この章では、20歳代前半で入社1年目の女性営業職の事例を取り上げます。 **ストレスチェック判定:** 高ストレス **ストレスの原因として考えられる因子:** 働き甲斐、仕事の適性度、自覚的な身体負担度 この労働者は、もともと美容系の仕事に興味がありましたが、両親の反対により営業職に就職しました。入社前から体調が不良で、入社後にはさらに悪化し、朝の起床が困難で、通勤中には目眩がするなどの症状が現れ、ほぼ毎日遅刻していました。産業医は、まず心療内科の受診を勧め、また、本人には自分の本当の気持ちを父親に話すよう勧めました。本人も受診に同意し、精神科を受診しました。 主治医の診断は『適応障害』で、休職が必要と判断されました。休職中は家族と主治医の下で治療が行われ、定期的な連絡と体調確認が保健師によって行われました。また、生活リズム記録のつけ方も指導されました。 その後、精神療法と内服治療が開始され、本人は美容系の仕事に戻りたいという夢を持っていましたが、主治医からは病気であるため、慎重に考えるようアドバイスを受け、休職を継続しました。復職に際しては上司との協力のもと、職場環境が整備され、内服治療も続けながら無事に復職し、通常の勤務状態に回復しました。 この事例からは、ストレスによる適応障害の症状がどのように対処され、休職や治療を通じて復職に向けてサポートが行われたことが示されています。 #### 7.4.10.3 事例③ - ストレスチェックの結果と産業医面談 この章では、50歳代後半の男性製造業勤務の事例を紹介します。 **ストレスチェック判定:** 高ストレス **ストレスの原因として考えられる因子:** 心理的な仕事の負担(質) この労働者は、数年前からチームの業務量が増加し、メンバー全体が忙しくなっていました。彼はもともと几帳面な性格で、仕事の完璧さと期日ぎりぎりでの仕上げを維持していました。しかし、専門分野外の大きなプロジェクトの責任者に任命され、仕事量が急増しました。睡眠の質が低下し、ストレスから通勤時に異常な思考が浮かび、突然の行動衝動を抱えましたが、自分自身を抑えることができました。彼は精神科を受診しました。 主治医の診断は『適応障害』で、ストレスの原因としてプロジェクトの責任者であることが特定されました。本人は上司に症状を報告し、就業に関する主治医の意見書提出に同意しました。意見書をもとに、産業医面談が実施され、内服治療により精神状態が改善しました。また、プロジェクトへの専門家の補充や指示系統の整理により、職場環境も調整されました。 ## 7.5 面接指導の結果についての医師からの意見聴取 ### 7.5.1 面接指導の結果についての医師からの意見聴取の時期 法による規則に基づく医師からの意見聴取は、面接指導が実施された後、遅滞なく行われる必要があります。最大でも1月以内に行われるべきです。ただし、緊急な場合には速やかに行われるべきです。 ### 7.5.2 面接指導の結果についての医師からの意見聴取の内容 医師からの意見聴取は、以下の要件を含むものとなります。 **ア.** 下表に基づく就業区分及びその内容に関する医師の判断 - **就業区分:** 通常勤務、就業制限、要休業 - **就業上の措置の内容:** 各区分に応じた具体的な措置 例えば、メンタルヘルス不調を未然に防止するためには、労働時間の短縮、出張の制限、時間外労働の制限、労働負荷の制限、作業の転換、就業場所の変更、深夜業の回数の減少又は昼間勤務への転換等の措置を講じることが望ましいとされています。 **イ.** 職場環境の改善に関する意見 医師は、意見を述べる際、就業上の措置だけでなく、作業環境管理、作業管理、健康管理の徹底、セルフケアやラインケアに関する労働衛生教育の充実、過重労働対策やメンタルヘルスケア体制の確立など、職場環境の改善に関する意見も含めることが望ましいとされています。 ### 7.5.3 意見を聴く医師とその時期 医師からの意見を聴く際、面接指導を実施した医師が適当な選択肢です。ただし、当該医師が事業場外の医師である場合、その事業場の状況を十分に把握していない可能性があるため、事業場で選任されている産業医も関与し、面接指導を実施した医師の意見を踏まえた意見を聴くことが適当です。 ### 7.5.4 意見の内容 医師からの意見は、就業上の措置に限らず、作業環境管理、作業管理、健康管理の徹底、セルフケアやラインケアに関する労働衛生教育の充実、過重労働対策、メンタルヘルスケア体制の確立など、幅広い領域を含めるべきです。また、職場環境の改善に関する意見は、人事労務担当者や管理監督者と連携して対応することが重要です。 ## 7.6 就業上の措置の決定と実施 ### 7.6.1 就業上の措置の決定の要件 事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、必要があると認める場合、当該労働者の実情を考慮して、以下のような措置を講じることが求められます。 - 就業場所の変更 - 作業の転換 - 労働時間の短縮 - 深夜業の回数の減少 また、当該医師の意見を衛生委員会、安全衛生委員会、または労働時間等設定改善委員会へ報告し、他の適切な措置を講じなければなりません。 ### 7.6.2 労働者の意見の聴取 労働者に対して就業上の措置を決定する際には、あらかじめ当該労働者の意見を聴き、十分な話し合いを通じて、その労働者の了解が得られるよう努力する必要があります。労働者の意見を聴く際には、必要に応じて、事業場の産業医等の同席の下に行うことが適切です。 ### 7.6.3 連携と説明 就業上の措置を実施、変更、または解除する際には、以下の点に留意する必要があります。 - 事業場の産業医等と他の産業保健スタッフとの連携 - 事業場の健康管理部門及び人事労務管理部門の連携 - 管理監督者への理解の得るための説明 特に、労働者の勤務する職場の管理監督者への説明は、プライバシーに配慮しつつ、就業上の措置の目的及び内容等について理解が得られるよう行うことが適切です。 ### 7.6.4 労働者の状態の改善 就業上の措置を講じた後、ストレス状態の改善が見られた場合には、当該事業場の産業医等の意見を聴いた上で、通常の勤務に戻す等、適切な措置を講じる必要があります。このような改善が労働者のメンタルヘルスにとって重要です。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/Syn87KCVT.png) ## 7.7 結果の記録と保存 本章では、法第52条の18に基づき、面接指導の結果に関する記録の作成および保存について詳しく説明します。この記録は、労働者のメンタルヘルスに関する情報を適切に管理し、必要な場合に役立ちます。 ### 7.7.1 面接指導結果の記録の要件 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成し、それを5年間保存しなければなりません。この記録には、以下の情報が含まれている必要があります。 1. 面接指導の実施年月日 2. 当該労働者の氏名 3. 面接指導を行った医師の氏名 4. 法第66条の10第5項の規定による医師の意見 ### 7.7.2 面接指導結果の記録の内容 面接指導結果の記録には、上記の要件に加えて、以下の情報を記載する必要があります。 1. 当該労働者の勤務の状況 2. 当該労働者の心理的な負担の状況 3. その他の当該労働者の心身の状況 4. 当該労働者の健康を保持するために必要な措置についての医師の意見 ### 7.7.3 電磁的記録の取扱い 面接指導結果の記録の保存において、電磁的記録を使用する場合は、7.5の電磁的記録に関する取扱いに従う必要があります。 ### 7.7.4 記録の内容についての注意 面接指導結果の記録を作成する際には、医師は労働者の健康を確保するための就業上の措置を実施するため、必要最小限の情報に限定して事業者に提供する必要があります。具体的な診断名、検査値、生データ、詳細な医学的情報などは提供してはいけません。 ### 7.7.5 記録の形式 面接指導結果の記録の形式は任意ですが、次頁に示す「長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアル」を参考にすることができます。このマニュアルには、記録の作成に役立つ様式例が含まれています。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/Hy8O4FRV6.png) # 8. ストレスチェック結果に基づく集団ごとの集計・分析と職場環境の改善 ## 8.1 概要 ### 8.1.1 実施者による集団ごとの集計・分析 ストレスチェック制度は、個人のストレスレベルだけでなく、職場全体の状況を評価することを重視しています。実施者(通常は産業医師など)は、収集されたデータを個人ではなく集団ごとに集計・分析します。これにより、職場全体のストレスの傾向や問題が明らかになります。 ### 8.1.2 集団ごとの集計・分析の結果の通知 集団ごとの集計・分析の結果は、実施者から事業者(雇用者)に通知されます。この通知には、職場内でのストレスの分布や高ストレス部門の特定などの情報が含まれます。事業者は、この情報を受けて職場環境の改善策を検討し、必要な措置を講じる責任があります。 ### 8.1.3 職場環境の改善のための措置 事業者は、集団ごとの集計・分析の結果をもとに、労働者の実情を考慮し、心理的な負担を軽減するための適切な措置を講じる必要があります。これは、一次予防の観点から非常に重要です。具体的な措置は、以下の点に注意して策定されるべきです。 #### 8.1.3.1 心理職からの意見の聴取 措置を講じる際、医師や保健師、臨床心理士などの心理職から意見を聴くことが望ましいです。彼らはストレスの専門家であり、適切な対策を提案できます。 #### 8.1.3.2 複数情報源からの情報収集 ストレスチェック結果だけでなく、日常の職場管理情報、労働者からの意見、産業保健スタッフによる職場巡視など、さまざまな情報源から得られる情報を総合的に考慮して、職場環境を評価しましょう。これにより、必要な改善策が明らかになります。 #### 8.1.3.3 管理監督者への配慮 管理監督者には、労働者の状況を把握し、適切な配慮を行う責任があります。長時間労働や過度なストレスのないように、労働者の能力や適性、職務内容に合わせた配慮を行うことが求められます。 ### 8.1.4 集団ごとの集計・分析結果の保存 集団ごとの集計・分析結果は、経年変化を追跡し、改善策の評価に役立てるために、事業者によって5年間保存されることが望ましいです。この期間中に、改善策の効果を評価し、必要に応じて調整することが重要です。 ### 8.1.5 集団ごとの集計・分析結果の活用 集団ごとの集計・分析結果は、単なる統計データだけでなく、職場環境の改善に直接活用できる情報です。事業者は、産業医と連携し、職場での業務改善、管理監督者向けの研修、衛生委員会における具体的な活用方法などを検討しましょう。職場全体の健康と生産性を向上させるために、集団ごとの集計・分析結果を有効に活用することが必要です。 ### 8.1.6 集団ごとの集計・分析に関する注意事項 - 集計・分析の単位は、職場の実態に応じて適切に決定されるべきです。一般的に、部署や課などの一定のまとまりを持つ集団が対象となります。 - 集計・分析を行う際の下限人数は、10人未満の場合でも、実際にストレスチェックを受検した労働者の数が10人未満の場合には、個人特定につながり得ることから、注意が必要です。この場合、大きな集団単位での集計・分析を検討することが適しています。 - 一定規模の集団ごとの集計・分析は、組織全体の職場環境改善に寄与しますが、個別の労働者に対するサポートも必要です。高ストレスの労働者には、適切な心理的な支援が提供されるべきです。 ### 8.1.7 集団ごとの集計・分析の共有 集団ごとの集計・分析結果は、社内の関係者に共有されるべきです。ただし、プライバシーと個人情報保護の観点から、無制限に情報を公開することは避けるべきです。情報の共有範囲や方法について、社内の規程やガイドラインを策定しましょう。これにより、必要な情報が適切な人に届けられるようになります。 ## 8.2 仕事のストレス判定図を用いた集団的な分析の実施方法 仕事のストレス判定図を用いた集団的な分析は、職場環境のストレス要因とそれが労働者の健康に及ぼす影響を評価する重要な手法です。以下では、この方法の具体的な手順について説明します。 ### 8.2.1 仕事のストレス判定図の概要 仕事のストレス判定図は、心理社会的な仕事のストレス要因とその影響を可視化するためのツールです。これには「量―コントロール判定図」と「職場の支援判定図」の2つの図が含まれます。 - **量―コントロール判定図**: 仕事の量的負担と仕事のコントロール(仕事の裁量権)を要因としてプロットされ、労働者のストレスレベルに与える影響を示します。 - **職場の支援判定図**: 上司の支援と同僚の支援から作成され、職場の社会的支援がストレス緩和にどのように寄与するかを示します。 ### 8.2.2 ストレスチェック回答者のデータ収集 仕事のストレス判定図を作成するために、ストレスチェックの回答者それぞれについて、「仕事の量的負担」「コントロール」「上司支援」「同僚支援」の4つの尺度(各3項目、合計12項目)の得点を計算します。各項目には、例えば「そうだ=4点」「まあそうだ=3点」「ややちがう=2点」「ちがう=1点」などの得点が与えられます。 ### 8.2.3 平均値の計算とプロット 集団ごとの集計・分析を行うために、各集団の労働者の得点を合計し、各尺度の平均値を計算します。この平均値を仕事のストレス判定図上にプロットします。プロットされた位置は、その集団における仕事のストレス要因の特徴を示します。 ### 8.2.4 全国平均との比較 仕事のストレス判定図上には、標準集団(全国平均)と比較するための線が含まれています。プロットされた集団の位置をこの線と比較することで、その集団における健康リスクの程度を把握できます。たとえば、健康リスクが120の線上にある場合、その集団において健康問題が起きる可能性が全国平均と比較して20増加していることを示します。 ### 8.2.5 性別別の判定図 仕事のストレス判定図は性別別に用意されていますが、性別の情報を調査しない場合もあります。性別別に集計することで、回答者数が少なくなり分析が難しい場合もあるため、男性の判定図を使用することがあります。ただし、注意が必要で、女性のデータを男性の判定図に適用する場合、量的負担とコントロールによるリスク値が過大に評価される可能性があることに留意します。 ### 8.2.6 注意事項 - 仕事のストレス判定図では、仕事のストレスの一部しか評価していないため、他のストレス要因や心身のストレス反応も総合的に評価する必要があります。 - 健康リスクの評価には、仕事のストレス判定図の他に、健康診断データ、職場巡視、職場上司や労働者からの情報なども組み合わせて活用しましょう。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/By5Z_tR46.png) ## 8.3 仕事のストレス判定図等を活用した職場改善の取組み ### 8.3.1 職場環境等の改善とは 職場環境等の改善は、労働者のメンタルヘルスを向上させ、ストレスを軽減し、不調を予防するために、職場の物理的レイアウト、労働時間、作業方法、組織、人間関係などを改善する取り組みです。仕事の要求度とコントロールのバランスが重要であり、特に仕事の要求度に見合ったコントロールを提供することが求められます。 米国職業安全保健研究所は、職場環境等の改善を通じたストレス対策のポイントとして以下の要点を挙げています。 ① 過大あるいは過小な仕事量を避け、仕事量に合わせた作業ペースの調整ができること。 ② 労働者の社会生活に合わせて勤務形態の配慮がなされていること。 ③ 仕事の役割や責任が明確であること。 ④ 仕事の将来や昇進・昇進の機会が明確であること。 ⑤ 職場で良好な人間関係が保たれていること。 ⑥ 仕事の意義が明確にされ、やる気を刺激し、労働者の技術を活用するようにデザインされること。 ⑦ 職場での意志決定への参加の機会があること。 国際労働機関(ILO)の1992年の報告書によれば、職場環境等の改善には、職場レイアウトの改善、人間工学的改善、チームワークや小グループ活動の活性化、作業のローテーション化が効果的であることが示されています。 ### 8.3.2 ストレスチェックに基づく職場環境等の改善 ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルスの保持と増進に向けた具体的なアプローチの一環とされており、事業場の心の健康づくり計画の一部として実施されるべきです。この制度を活用した職場環境等の改善には、以下のステップが含まれます。 ### 8.3.2.1 集団分析を活用した職場環境の評価 職場環境等の改善の第一歩は、ストレスチェックの集団分析の結果を事業場ごとに評価することです。この評価に基づいて、ストレスが発生しやすい要因や課題を特定します。 ### 8.3.2.2 対策の立案と実施 評価結果をもとに、具体的な対策を立案し実施します。これには組織体制や制度の見直し、関連部署への対策指示、教育研修の計画などが含まれます。産業保健スタッフは、事業者や安全衛生委員会に対してアドバイスを提供し、計画の立案を支援します。 ### 8.3.2.3 効果評価 実施された対策の効果を評価し、必要に応じて調整を行います。効果の評価は、安全衛生委員会等が行います。 ### 8.3.2.4 職場環境改善の進め方 職場環境等の改善には以下の方法があります。 ① 主として事業者や安全衛生委員会が行う職場環境改善 事業者や安全衛生委員会は、ストレスチェックの集団分析結果をもとに、職場環境等を評価し対策を立案・実施します。組織体制や制度の見直し、関連部署への具体的な対策指示、管理監督者向けの教育研修計画も含まれます。 ② 主として管理監督者が行う職場環境改善 管理監督者には、担当部署のストレスチェックの集団分析結果を示し、各職場での評価と対策の立案・実施を促します。進捗管理と効果の評価は安全衛生委員会等が行います。産業保健スタッフは、管理監督者に対する面談を通じて支援を提供します。 ③ 従業員参加型の職場環境改善 この方法では、管理監督者が従業員と協力し、ストレスチェックの集団分析結果をもとに評価と改善の計画を策定します。従業員の意見を反映した改善計画が作成され、効果的な方法とされています。産業保健スタッフは、ワークショップの企画・実施を支援し、計画の実施をフォローアップします。 ## 8.4 効果的な職場環境等の改善のための5つのステップ ### 8.4.1 ステップ1: 職場環境改善の体制づくり 職場環境等の改善を進めるための最初のステップは、適切な体制を整えることです。事業場ごとに状況を考慮し、職場環境改善の目的、方針、体制、進め方を定めます。このために、事業者は方針を策定し、(安全)衛生委員会などの関係者と協議し、計画を進めます。目的と方針は問題解決型の取り組みであることを明確にしましょう。体制と進め方については、事業者、産業保健スタッフ、管理監督者、労働者代表が参加する委員会や作業部会を設置し、職場環境改善の評価と改善計画の立案を行います。部署ごとの改善は、産業保健スタッフの助言や指導を受けながら、管理監督者が主導して進める方法や、従業員参加型のアプローチを採用する方法があります。管理監督者への説明と協力が重要です。 ### 8.4.2 ステップ2: 職場環境の評価 職場環境改善の次のステップは、職場の現状を評価することです。ストレスチェックの調査票を使用した場合、仕事のストレス判定図を利用して部署やグループごとのストレス要因を集団分析できます。他の調査票を使用する場合でも、事業場ごとに評価方法を決定します。しかし、仕事のストレス判定図などを活用した評価は、労働者の主観的な評価を基にしており、実際の状況と一致しないことがあるため、職場内の情報や管理監督者や労働者からの意見も総合的に考慮することが重要です。 ### 8.4.3 ステップ3: 職場環境改善計画の立案 職場環境の評価結果に基づいて、事業者、(安全)衛生委員会、または各部署の管理監督者が仕事のストレスを軽減するための改善計画を立案します。産業保健スタッフなどが支援を提供します。計画を立案する際には、事前に他の事業場や外部の良好な事例を収集し、参考にすることが推奨されます。また、労働者の参加を促進し、改善策に彼らの意見を取り入れる工夫が必要です。心身の負担に関連する職場環境や労働条件を幅広く検討し、計画を立案します。計画の実行可能性を考慮し、タイミングやスケジュールを検討し、職場の会合を活用して計画を進めます。職場環境改善のツールや資料を活用することも効果的です。 ### 8.4.4 ステップ4: 対策の実施 計画が立案されたら、それを実行します。改善策が継続的に進行するように、(安全)衛生委員会や職場の会合などを活用し、実行状況を確認します。各部署からの中間報告を求めたり、定期的な報告を受けることが効果的です。実施上の問題があれば、早めに対処しましょう。 ### 8.4.5 ステップ5: 効果評価と計画の見直し 一定期間が経過したら、対策の効果を評価し、計画を見直すステップです。評価の方法にはプロセスの評価とアウトカム評価があります。プロセスの評価では、計画が実行されたかどうかを確認します。アウトカム評価では、対策の効果を指標に基づいて評価します。計画が予定どおり進行しなかったり、効果が得られなかった場合には、計画を見直して改善します。進捗状況を定期的に確認し、良好な事例を共有し、継続的な職場環境改善を促進します。このように、職場環境改善の取り組みをPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)に組み込んで、持続的な安全衛生管理が実現できるようにします。 もちろん、テキストの内容について詳細に説明します。 ## 8.5 職場環境改善のためのツール ### 8.5.1 職場環境改善のためのヒント集 「職場環境改善のためのヒント集」は、従業員の職場環境を改善する際の実用的なガイドです。このヒント集は、6つの主要な領域と30の具体的な項目に分かれています。これらの領域には、以下のようなものが含まれます。 1. 労働時間と勤務形態 2. 作業方法と職場組織 3. 物理的な職場環境 4. 休憩設備と健康サポート 5. 労働者の評価と意見提出のプロセス それぞれの項目では、従業員が実行可能な低コストの改善策が提供されています。たとえば、勤務時間の柔軟化、ストレス軽減のための休憩エリアの設置、仕事の負荷を適切に分散させる方法などが含まれています。このヒント集は、職場の状況に応じてカスタマイズでき、従業員が具体的な改善策を実行する手助けとなります。 ### 8.5.2 メンタルヘルス改善意識調査票(MIRROR) 「メンタルヘルス改善意識調査票」またはMIRRORは、職場のメンタルヘルスを改善するための質問票です。MIRRORには以下の特徴があります。 - 45の項目から成り立ち、労働者はそれぞれの項目に対して改善が必要かどうかを評価します。 - 評価は「実現されており改善は不要」「できれば改善が必要」「ぜひ改善が必要」「この職場とは関係がない」の4つの選択肢から選ばれます。 - 評価結果に基づいて、要望率と実現率が計算され、改善の優先順位が決定されます。 MIRRORを使用することで、従業員の意見を収集し、職場の改善計画を立案できます。また、改善の前後でMIRRORを再実施することで、改善策の効果を評価することも可能です。 ### 8.5.3 従業員参加型の職場環境改善ワークショップ #### 8.5.3.1 ワークショップの企画 従業員参加型の職場環境改善ワークショップは、従業員が積極的に参加し、職場環境の改善に貢献するための方法です。ワークショップを計画する際には、以下のポイントに注意が必要です。 - ワークショップの目的を明確にし、改善の重要性を伝える。 - 多くの従業員が参加できるように、適切な日程と場所を選定する。 #### 8.5.3.2 ワークショップの準備 ワークショップを成功させるために、以下の要素を準備する必要があります。 - ファシリテーター:議論を進行し、参加者の意見交換をサポートする担当者。 - 会場と設備:グループワークやプレゼンテーションのための適切な環境と機器。 - 資材:必要な文書、資料、プレゼンテーション素材など。 #### 8.5.3.3 ワークショップのプログラム ワークショップでは、以下のプログラムが実施されます。 - 参加者が小グループに分かれ、現在の職場の良い点や改善提案を発表し、議論します。 - ファシリテーターは議論を進行し、必要に応じて助言を提供します。 - 各グループが優先すべき改善案を選び、文書化します。 このプロセスにより、従業員の具体的な改善提案が明らかになり、改善計画の策定が進められます。 #### 8.5.3.4 まとめとフォローアップの方法の確認 ワークショップの最後には、各グループからの発表が行われ、優先すべき改善案が選ばれます。これらの改善計画は文書化され、全体で共有されます。また、フォローアップの方法も確認され、改善の進捗状況が追跡されます。 ## 8.6 集団的分析の方法と結果の活用方法 ### 8.6.1 集団的分析の方法と結果の活用方法① #### 8.6.1.1 労働安全衛生マネジメントシステムにおける職場環境改善 労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の一環として、管理監督者による職場環境改善活動が実施されています。これにより、従業員の安全と健康を保護し、職場環境の改善に注力されています。 #### 8.6.1.2 ストレスチェックから職場環境改善への展開 電気器具製造業のA事業場では、OSHMSの一環として職場環境改善活動が行われています。これは、2003年から実施されており、職業性ストレスの側面から職場環境を評価し、改善することを目的としています。事業場のトップからは、従業員の疲労やストレスを軽減し、健康意識を高めるために積極的に職場の環境改善を推進する基本方針が出されています。 #### 8.6.1.3 ストレスチェック調査票とその運用 ストレスチェック調査票は、職業性ストレスの評価に使用されています。さらに、ワークエンゲイジメント、努力報酬不均衡モデル、メンタルヘルス風土尺度(WIN)調査票などが併用されています。産業医が実施し、個人情報の取扱い方法が定められた上で年1回実施され、高い参加率(毎年99%超)が確保されています。 #### 8.6.1.4 職場環境改善活動とその効果 職場環境改善活動は、年間計画を立案し実施されています。ストレス調査の分析単位は部門ごとに異なり、製造部門ではユニット単位、工程単位、課単位などの3段階で行われ、その他の部門では部単位、課単位、グループ単位で実施されています。調査結果は管理監督者向けの説明会で詳細に解説され、現状と今後の対策について議論されます。管理監督者は職場単位で対策を策定し、計画書を提出します。また、システム監査ではストレス調査結果の周知状況や職場内での議論の記録が確認されます。 #### 8.6.1.5 成果とポイント 取り組みの結果、職場環境改善の提案件数は増加し、2003年の50件から2014年には463件に達しました。仕事のストレス判定図による総合健康リスクは2003年の110から2009年には98まで減少しました。A事業所は他の事業場に比べて総合健康リスクが低く、職場環境改善活動が持続しています。 以下は「集団的分析の方法と結果の活用方法②」に関する章立て付きの説明です。 ### 8.6.2 オフィスでの管理監督者および従業員参加型検討会による職場環境改善 #### 8.6.2.1 B社の心の健康づくり方針 B社(従業員約45,000人)では、心の健康の保持増進を目指すために「全社心の健康づくり方針」を策定しました。この方針は事業本部長名で表明され、ストレスチェックの実施と職場環境改善活動の実施を活動施策の一部として位置づけています。活動の推進は、産業保健スタッフ、人事労務部門、安全衛生部門が連携して行われ、成果は本社安全衛生委員会に報告されます。 #### 8.6.2.2 ストレスチェックの調査と結果の活用 ストレスチェック調査は、職業性ストレス簡易調査票や組織活力調査票を使用して毎年実施されています。調査結果は産業保健スタッフによって集計・分析され、課単位の結果は課の管理監督者、部単位の結果は部門長に報告されます。また、大規模な課に対しては年代別や職位別に分析が行われ、特定の特徴を把握しやすくしています。結果は人事労務部門と安全衛生部門と共有され、職場内での改善活動に活用されています。 #### 8.6.2.3 職場環境改善活動の立案と実施 職場環境改善の対策は主に課単位で管理監督者を中心に行われます。活動の評価のため、事業所の推進担当者が各職場の対策内容と実施状況を確認します。管理監督者による対策には、会議の改善や参加者の見直しなどが含まれます。また、産業保健スタッフ等からの助言・指導や従業員参加型の職場環境改善検討会が支援されています。 #### 8.6.2.4 助言・指導と従業員参加型検討会 産業保健スタッフ等は助言・指導の役割を果たし、管理監督者から職場の状況を詳しく聞き取り、ストレス調査の結果の読み方や対策のポイントを提案します。また、具体的な手順の整理や教育研修を行います。従業員参加型の職場環境改善検討会では、ほぼ全ての所属従業員が参加し、意見交換が行われます。産業保健スタッフ等は検討会をサポートし、事前打ち合わせ、趣旨説明、グループ討議、討議結果の共有などを担当します。 #### 8.6.2.5 成果と今後の展望 検討会を実施した職場のほとんどで、組織活力が向上し、心身のストレス反応が低下しました。上司の支援などの得点も改善された一方、管理監督者への助言・指導のみの職場では結果にばらつきが見られました。 ### 8.6.3 職場環境改善のためのヒント集を活用した「職場ドック」 #### 8.6.3.1 参加型職場環境改善「職場ドック」とは 「職場ドック」とは、高知県職員を対象にした参加型職場環境改善の取り組みで、職場のメンタルヘルスの第一次予防として開始されました。この手法は、自分たちで職場を点検し、改善していく取り組みであり、全身の健康状態をチェックする人間ドックになぞらえて名付けられました。高知県を始め、京都府、北海道、公務職場などでも広く活用されています。 #### 8.6.3.2 職場ドックの実施方法 職場ドックは、総務部職員厚生課の年度計画に基づき、一定数(手あげ方式)または全数を対象とする方法で複数の対象職場を選定します。それぞれの職場では、従業員による職場検討会やグループワークが実施され、意見交換を通じて職場環境改善計画が策定されます。この計画は実施時期を決定し、成果報告会や報告書、職場内ニュース、ウェブサイトなどで広く周知され、次の改善活動の参考となります。 #### 8.6.3.3 ヒント集の活用と評価 職場ドックでは、職場環境改善のためのヒント集(アクションチェックリスト)が活用されます。これに加えて、討論、提案、報告を容易にするさまざまなツールが提供されています。また、職業性ストレスの簡易調査票や新職業性ストレスの簡易調査票から選択した項目を用いて、職場のストレス状況の変化を調査し、ハイリスク状態の職場に対しては産業保健スタッフがサポートを行います。 #### 8.6.3.4 職場ドックによる改善事例 職場ドックによる典型的な改善事例を図示しました。ヒント集を活用した短時間のグループワークがポジティブ志向の職場環境改善につながっており、複数の職場で同時に実施されることで情報交換も行われ、職場環境改善の促進に寄与しています。 #### 8.6.3.5 本事例のポイント 職場ドックは、ヒント集という提案式ツールを活用した短時間のグループワークが鍵となり、ポジティブ志向の職場環境改善の取り組みにつながっています。また、複数の職場で並行して実施されることが、お互いの情報交換もでき、職場環境改善の促進剤として機能しています。 以下は「集団的分析の方法と結果の活用方法④」に関する章立て付きの説明です。 ### 8.6.4 小売業における職場環境改善活動 #### 8.6.4.1 C社の概要 C社は、小売業であり、従業員数は12,190人で、そのうち正社員は5,604人で構成されています。この企業はデパート業を主要な事業としており、首都圏に複数の事業場が分散して存在しています。C社は産業医が行ったストレスチェック調査の集団分析結果を経営層に報告し、職場環境改善の必要性を認識しました。これに基づき、安全衛生委員会を通じて職場環境改善の重要性を周知し、各職場での改善活動を推進することが決定されました。 #### 8.6.4.2 職場環境改善活動の実施 職場環境改善活動では、ストレスチェックが主要なツールとして使用されています。新職業性ストレス簡易調査票や組織活力調査票を含む質問紙を使用し、ウェブ調査によって実施されています。産業保健スタッフは集団分析を行い、その結果を「ストレスチェック結果報告会」という研修会で産業医から各管理監督者に説明しました。管理監督者には、職場環境結果の解釈方法を説明し、各職場の課題と強みを理解するよう促しました。また、個人が特定できる少人数の組織については結果を集計しない方針です。研修会では、管理監督者に対して職場環境改善の方法について教育も行われました。その後、管理監督者は職場で参加型グループワークを行うか、自身で改善対策を検討し、優先順位の高い課題に対してヒント集を活用して具体的な対策を立案しました。対策の内容は所定のフォーマットで産業保健スタッフや人事労務部門に提出されることとなっています。 #### 8.6.4.3 評価と報告 実施開始から4ヵ月後に、管理監督者は中間報告書を提出し、職場環境改善活動の進捗や実施上の問題の有無などを報告します。活動の評価は1年間の最終報告や次年度のストレスチェック調査によって行われます。中間報告や最終報告から得られた良好な活動事例は他の職場にも共有され、同様の活動の展開が行われます。このような手順を通じて、職場環境改善活動が継続的に推進されます。 ### 8.6.4.4 本事例のポイント この事例では、ストレスチェックとその結果に基づく職場環境改善を通じて、社員のメンタルヘルスおよび職場環境改善の一次予防への関心が高まりました。特に、経営層や管理職層が職場環境改善に対する理解を深め、全社的な取り組みとして位置づけ、各職場単位での自主活動へと展開したことが効果的でした。しかし、職場ごとの職場環境改善活動の水準にはばらつきがあり、産業保健スタッフによるフォローアップが今後の課題とされています。 以下は「ストレスチェックを契機とした職場環境改善の方法」に関する章立て付きの説明です。 ### 8.6.5 小規模零細企業における職場環境改善の取り組み #### 8.6.5.1 D社の概要 この節では、小規模零細企業の事例として、電気設備工事業を営むD社を紹介します。D社は従業員が8人という規模の会社で、ストレスチェックの実施がきっかけとなり、職場環境改善に取り組むこととなりました。ストレスチェックには職業性ストレス簡易調査票(57項目)が使用されました。従業員数が少ないため、集団分析結果は事業場全体には報告されませんでしたが、経営者はストレスチェックの結果を元に、従業員参加型のグループワークを通じて職場環境改善を推進することを決定しました。 #### 8.6.5.2 職場環境改善活動の実施 従業員8人のうち、5人がグループワークに参加しました。労働衛生機関の産業保健スタッフがファシリテーターとして参加し、従業員たちは職場環境の課題と対策について意見交換しました。ヒント集を使用して職場の良い点と改善が必要な点を確認しました。提案された対策は後日、残りの社員から承認を得た後に実施されました。具体的な対策として、道具置き場の整理が挙げられ、計画に基づいて工具の整理整頓が行われ、工具掛けが設置されました。従業員からはこの活動に対して高い評価があり、コミュニケーションが進み、工具置き場の問題を解決することで従業員のストレスが軽減されたとの意見が示されました。労働衛生機関のスタッフは次回のストレスチェック調査を通じて活動の効果を評価する予定です。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/H1rKTK0Na.png) (図1は、電気設備工事業の小規模零細企業における従業員参加型の職場環境改善で実施された対策を示しています。) #### 8.6.5.3 本事例のポイント この事例では、小規模零細企業でも職場環境改善活動が成功した理由がいくつか挙げられます。まず、社外の労働衛生機関の産業保健スタッフが関与し、サポートを提供したことが成功の要因の一つです。また、経営者が取り組みの意義を理解し、従業員参加型のアプローチを受け入れたことも大きなポイントです。最後に、従業員参加型の活動が従業員の当事者意識を高め、職場環境改善に貢献したことが強調されています。 # 9. 実施状況報告 ## 9.1 報告の義務 事業者は、ストレスチェックと面接指導の実施後、その実施状況を労働基準監督署に報告する必要があります。報告に関する規則には以下のポイントがあります。 ## 9.2 報告様式 報告様式は規則に規定されている OCIR 帳票 11 の様式を使用しなければなりません。この様式は厚生労働省の公式ウェブサイトに掲載されており、事業者はこちらからダウンロードして利用することができます。[報告様式のリンク](http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei36/24.html) ## 9.3 報告書の記入 報告書には以下の点に注意しながら記入する必要があります。 - ストレスチェックを複数月にわたって行った場合、報告書の「検査実施年月」欄には最終月を記載します。 - 報告書の提出時期は、各事業場における事業年度の終了後など、事業場ごとに設定して差し支えありません。 - 部署ごとに順次行うなど、年間を通じてストレスチェックを行っている会社では、検査は暦年1年間での受検者数を記入し、それに伴う面接指導を受けた者の数を報告します。 - ストレスチェックの実施義務や実施状況の報告義務がある「常時50人以上の労働者を使用する事業者」に該当するか否かを判断する際には、パートタイム労働者や、派遣先における派遣労働者も含めて事業場の労働者の数を数えます。 - 一方、様式第6号の2の「在籍労働者数」欄には、ストレスチェックの実施時点(実施年月の末日現在)でのストレスチェックの実施義務の対象となっている者の数(常時使用する労働者)を記載する必要があります。ただし、1週間の所定労働時間数が通常の労働者の3/4未満であるパートタイム労働者や、派遣先における派遣労働者は含めない点に留意してください。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/SkdxCFR46.png) # 10. 労働者に対する不利益な取扱いの防止 ## 10.1 引用法第66条の10に基づく労働者の保護 ### 10.1.1 医師による面接指導の申し出 労働者が心理的な負担の程度が健康への影響を考慮して厚生労働省令で定められる要件に該当し、医師による面接指導を受けることを希望する場合、事業者はその申し出を尊重し、医師による面接指導を提供しなければなりません。この際、労働者が面接指導を申し出たことを理由に不利益な取扱いを行ってはなりません。 この医師による面接指導は、労働者の健康を守り、適切なサポートを提供するための重要な措置です。心理的な負担に関する情報を共有し、必要な対策を立てるためのものであり、十分な配慮が必要です。 ### 10.1.2 不利益な取扱いの防止 個人の健康情報を元にした不利益な取扱いは厳しく禁止されています。労働者に対して、ストレスチェック結果や面接指導の結果に基づいて不当な措置を行ってはなりません。具体的な不利益な取扱いを以下に示します。 #### 10.1.2.1 法で禁止される不利益な取扱い 法で明示的に禁止されている行為として、労働者が面接指導の申し出をしたことを理由に不利益な取扱いをすることは許されていません。また、ストレスチェック結果のみを根拠に就業上の措置を判断することも法的に認められていません。 #### 10.1.2.2 禁止されるべき不利益な取扱い 合理的でない不利益な取扱いも禁止されています。以下はその例です。 ##### 10.1.2.2.1 ストレスチェックを受けないことを理由とした取扱い 労働者に対して、ストレスチェックを受けることを強制し、受検しない労働者に不利益な処分を課すことは法的に許容されていません。法の趣旨に反する行為とされています。 ##### 10.1.2.2.2 ストレスチェック結果を提供しないことを理由とした取扱い 労働者がストレスチェック結果を事業者に提供しない場合でも、それを理由に不利益な取扱いを行ってはいけません。ストレスチェック結果は、個人の健康情報であり、慎重に取り扱わなければなりません。 ##### 10.1.2.2.3 面接指導の要件を満たしているにもかかわらず、面接指導の申し出をしないことを理由とした取扱い 労働者が面接指導の要件を満たし、面接指導を受けない場合でも、それを理由に不利益な取扱いを行ってはいけません。適切な説明とサポートが提供されるべきです。 ##### 10.1.2.2.4 面接指導結果を理由とした取扱い 労働者に対する面接指導の結果に基づき、不利益な取扱いを行うことは許容されません。特に、医師の意見を無視し、不適切な配置転換や解雇を行うことは法的に問題があります。面接指導結果を基にした措置は、医師の意見を適切に取り入れながら行うべきです。 ## 10.2 措置の適切な手続きと不利益な取扱いの防止 不利益な取扱いを防止するために、労働者に対する措置の実施に際しては、適切な手続きを踏むことが必要です。特に医師の意見を聴取し、事業者としての判断を行う際には、法令上の要件を遵守することが求められます。ただし、適切なプロセスを経ずに不利益な取扱いを行うことは適切ではありません。 ### 10.2.1 面接指導の結果を基にした措置 面接指導の結果に基づいて、就業上の措置を講じる場 合、次のポイントに注意が必要です。 #### 10.2.1.1 医師の意見を尊重する 医師が面接指導結果に基づき、何らかの就業上の措置を提案した場合、その意見を尊重し、適切な措置を講じるべきです。医師は労働者の健康を最優先に考え、その意見は慎重に検討すべきです。 #### 10.2.1.2 法令上求められる手順を遵守する 面接指導結果を基にした措置の実施に際しては、法令上求められる手順を厳密に遵守する必要があります。特に、医師による面接指導を行う際には、法的な要件に従わなければなりません。手続きに不備がある場合、不利益な取扱いが合法的でない可能性が高まります。 #### 10.2.1.3 労働者の実情を考慮する 措置を講じる際には、労働者の実情を十分に考慮することが重要です。一般的な措置が労働者の健康状態や状況に合致しない場合、適切な調整が必要です。これによって、労働者の権利と健康が保護されます。 ### 10.2.2 ストレスチェック結果を基にした措置 ストレスチェック結果に基づいて措置を講じる際も、同様の原則が適用されます。個人の健康情報は慎重に取り扱い、適切な手続きと医師の意見を尊重しながら、労働者の健康確保に努めるべきです。 # 11. ストレスチェック制度に関する労働者の健康情報の保護 ストレスチェック制度において、労働者の健康情報を適切に保護することは、信頼性のあるプログラムの実施にとって極めて重要です。この章では、ストレスチェック制度に関連する法令やガイドラインに基づいて、労働者の健康情報を保護するための重要な要点を詳しく説明します。 ## 11.1 労働者の健康情報の保護の重要性 ### 11.1.1 心理的な負担の程度を把握するための検査 労働者のストレス状況を正確に把握するためには、適切な検査が行われる必要があります。この情報は労働者のメンタルヘルス不調の予防や職場環境の改善に役立ちます。検査の種類、実施方法、評価基準について詳細に説明します。 ### 11.1.2 ストレスチェック結果の適切な保護 ストレスチェックの結果は個人の健康情報であり、プライバシーの一部です。これらの情報が不正に入手されたり、不適切に使用されたりしないように保護されるべきです。第66条の10などの法令に基づき、ストレスチェック結果の適切な取り扱いについて解説します。結果の保管方法、アクセス制限、情報の匿名化について詳しく説明します。 ### 11.1.3 医師からの結果通知の義務 ストレスチェックを受けた労働者に対して、医師からの結果通知が義務付けられています。通知方法やタイミング、内容についての詳細を解説します。通知プロセスの透明性と正確性を確保するための指針についても言及します。 ### 11.1.4 労働者の同意なく結果提供禁止 労働者の同意なく、ストレスチェックの結果を事業者に提供することは法律で禁止されています。この規定の重要性について説明し、結果提供に関する適切な手順についても詳細に説明します。 ## 11.2 ストレスチェック制度における労働者の健康情報の保護 ### 11.2.1 健康情報の不正な入手禁止 労働者の秘密情報を不正に入手することは許容されません。ストレスチェック制度において、この重要な側面に関する詳細な情報を提供します。情報セキュリティの確保についてのガイドラインやベストプラクティスについても言及します。 ### 11.2.2 労働者の健康情報の適切な保護 労働者の健康情報を適切に保護するための具体的な措置について説明します。信頼性とプライバシーの確保が必要な要素です。健康情報の保存期間、データの暗号化、アクセス制御の実施方法についても詳細に説明します。 ## 11.3 実施事務従事者の範囲と留意事項 ### 11.3.1 健康診断等に関する秘密の保持 ストレスチェックを実施する事務従事者には、労働者の秘密情報を厳守する責任があります。法令に基づく規定に従い、情報の厳重な保護について詳しく説明します。情報の共有、保管場所、データの廃棄に関するポリシーについても述べます。 ### 11.3.2 検査の実施者の範囲と留意事項 ストレスチェックを実施するための範囲や、特定の職務に従事する者に関する規制について解説します。特に、監督的地位にある者が実施事務に従事してはならない場合について詳細に説明します。異動や昇進に関与する者の役割についても述べます。 ## 11.4 実施事務従事者に周知すべき事項 ### 11.4.1 秘密の保持義務 実施事務従事者には、秘密情報の保持義務が課せられます。法第104条の規定に基づき、情報の漏洩を防ぐための措置について詳しく説明します。情報の共有に際する適切な手順についても述べます。 ### 11.4.2 情報管理の重要性 実施事務従事者が情報管理の重要性を認識し、情報が第三者に漏れないように注意を払う必要があります。この章では、情報管理に関する留意事項について述べます。具体的なセキュリティプロトコルやトレーニングについても説明します。 もっと詳細に情報を提供いたします。以下は、11.5章の各節についての詳細な説明です。 ## 11.5 ストレスチェック結果の労働者への通知に当たっての留意事項 ### 11.5.1 検査結果の通知の適切な方法 第52条の12によれば、事業者は、検査を受けた労働者に対して、医師等から検査結果が通知されるようにする責任があります。この通知プロセスにおいて、以下の詳細な情報があります。 ### 11.5.2 ストレスチェック結果の労働者への周知に当たっての留意事項 規則に基づき、ストレスチェック結果を労働者に通知する際、次の詳細な点に留意しなければなりません。 ア. **労働者の同意の取得方法** ストレスチェック結果は、事前に労働者の同意を取得することなく知らされてはなりません。同意の取得方法について詳細な情報は以下の通りです。 1. **個別に同意の確認**: ストレスチェック結果を通知した後、事業者、実施者、またはその他の実施事務従事者は、個別に労働者に同意の有無を確認しなければなりません。 2. **高ストレス者への同意確認**: ストレスチェック結果が通知された後、実施者またはその他の実施事務従事者が、高ストレス者として選定され、面接指導が必要な場合、他の労働者に知られないように、個別に同意の有無を確認しなければなりません。 なお、労働者が面接指導を申し出た場合、同意が得られたものとみなします。同意取得に関する詳細な情報も提供されています。 イ. **事業者に提供する情報の範囲** 労働者の同意が得られた場合、事業者に提供する情報の範囲について詳細な情報が提供されています。通知する情報は、通知されたストレスチェック結果と同じ範囲内で提供できます。 ウ. **外部機関との情報共有** 外部機関にストレスチェックを委託する場合、当該外部機関の実施者やその他の事務従事者は、労働者の同意を得ずにストレスチェック結果を把握してはなりません。詳細な情報共有に関するガイドラインも提供されています。 エ. **事業場におけるストレスチェック結果の共有範囲の制限** 事業者は、本人の同意に基づいて提供されたストレスチェック結果を、健康確保のために必要な範囲を超えて上司や同僚などに共有してはいけません。このルールの詳細な説明が提供されています。 ### 11.5.3 事業者へのストレスチェック結果の提供に関する同意取得方法 #### 11.5.3.1 労働者への結果通知時に同意の確認 ストレスチェック結果を提供する際、実施者は労働者への結果通知時または通知後に個別に同意の有無を確認すべきです。つまり、ストレスチェック結果を知る前に同意を得る必要があります。 #### 11.5.3.2 書面または電磁的記録による同意取得 同意の取得には書面または電磁的記録が不可欠です。これにより、労働者が同意したことの証拠が残ります。また、この書類や記録は事業者によって5年間保管される必要があります。 #### 11.5.3.3 包括同意やオプトアウト方式は認められない 包括同意やオプトアウト方式は使用禁止です。労働者の同意は個別に取得する必要があり、差別的な取り扱いを避けるためです。 #### 11.5.3.4 ストレスチェック実施前や特定の労働者に同意を取得しない ストレスチェック実施前やあらかじめ同意した労働者に対してのみ同意を取得することは許されません。すべての労働者に同じ権利があり、公平な取り扱いが求められます。 #### 11.5.3.5 労働者に対する同意の強要や不利益取扱いは禁止 同意しないと意思表示した労働者に対して、同意を強要することや不利益な取り扱いをすることは絶対に許されません。労働者は自由な意思決定を尊重されるべきです。 #### 11.5.3.6 面接指導の申出時に同意の知らせ 面接指導の申出を同意とみなす場合、結果の通知の際に当該取り扱いについて労働者に十分な情報提供が必要です。これにより、トラブルを予防できます。 ### 11.5.4 外部機関との情報共有 #### 11.5.4.1 産業保健スタッフの役割 外部機関によるストレスチェック実施時、産業保健スタッフは情報の中継役割を担い、本人の同意を得てから情報を事業者に提供すべきです。透明性と信頼性が保たれます。 #### 11.5.4.2 本人の同意の必須性 外部機関から事業者に個人のストレスチェック結果を提供する場合でも、本人の同意が必要です。特別な事情がない限り、本人の同意を得るべきです。 #### 11.5.5 ストレスチェック結果の共有範囲 労働者からの同意に基づき提供されたストレスチェック結果の共有範囲や利用方法については、衛生委員会等で調査審議を行い、事業場のルールを明確に定め、労働者に周知すべきです。情報の適切な取り扱いが確保されます。 ### 11.5.6 ストレスチェック結果の面接指導の勧奨と同意取得の実例 面接指導の勧奨と同時に、ストレスチェックの結果(高ストレス判定)を事業者に通知し、同意を得るための実例を以下に示します。 #### 11.5.6.1 産業医からのお知らせ こんにちは。○○会社△△事業場の産業医、****です。 今回のストレスチェックの結果、あなたのストレス度が高いとの結果でしたので、個別にご連絡しております。個別結果については別途Webないし結果報告書でご確認ください。 ストレスチェックを行った時点と、その直前1ヶ月程度の状態が反映されているという条件ですが、あなたのストレスバランスが崩れている可能性がありますので、心配しています。 現在の心身の状態はいかがでしょうか。もし何らかの不調やストレスの存在を自覚されるようでしたら、下記日程のいずれかで、「ストレスチェックに基づく産業医面接」を強くお勧めします。その際に、今回のストレスチェックの個別結果の印刷物提示と説明も改めて行うこととします。 #### 11.5.6.2 面接室開設日程と面接開始時間 <面接室開設日程> 1. 月 日(木) 2. 月 日(月) 3. 月 日(木) 4. 月 日(月) 5. 月 日(木) <面接開始時間> 初回の面接時間は最大で25分を予定しています。 1. 15:00 2. 15:30 3. 16:00 4. 16:30 #### 11.5.6.3 面接申込方法と注意点 【注:受付期間は月日(金)~月日(火)】 1. 下記電話番号もしくはE-mailへご連絡をお願いします。ご用件(「ストレスチェック後の面接希望」とお伝え・ご記載ください)、社員番号、お名前、所属名、ご連絡先、面接希望日時(第一希望から第三希望)をお知らせください。 なお、上記の産業医面接に、ご本人が希望されて申し込まれた場合は、労働安全衛生法の規定と事業場の衛生委員会での決議事項に従って、あなたが「面接指導対象者である」との情報を、産業医から人事労務担当者に提供させていただきますので、ご了承ください。ただし、ご本人の同意がない限り、面接内容は確実に守秘されますのでご安心ください。 会社側へのストレスチェック結果の通知に同意はできないが面談を希望される場合は、上記の申し込み先に一般の健康相談として申し込んでください。この場合はストレスチェック結果に関わらず、通常と同様に、保健師等または産業医による面談となり、保健師等と産業医のみが情報を共有いたします。安心してご利用ください。 何か気になることや相談事項があれば、お気軽にお知らせください。 この文書は、ストレスチェックの集団ごとの集計・分析結果の事業者への提供に関する指針を詳細に説明しています。章立てを含め、5階層までの詳細な解説を行い、インターネットの記事を参考にしながら、図表も用いて情報を豊かにしていきます。 ## 11.6 集団ごとの集計・分析の結果の事業者への提供に当たっての留意事項 ### 11.6.1 集団ごとの集計・分析の最小単位 集団ごとの集計・分析の結果を事業者に提供する際には、労働者個人が特定される恐れがある場合には注意が必要です。集計・分析の単位が10人未満の場合、集計・分析の対象となる全ての労働者の同意を取得しなければならないとされています。ただし、個々の労働者が特定されない方法で集計・分析を行った場合はこの限りではありませんが、集計・分析の手法や対象集団の規模については、衛生委員会等で事前に調査審議する必要があります。 ### 11.6.2 集団ごとの集計・分析の結果の共有範囲の制限 集団ごとの集計・分析結果は、事業場内で無制限に共有してはならないとされています。特に、管理者などに不利益が生じる可能性があるため、この結果の共有範囲には制限が必要です。 ### 11.6.3 下限人数の設定 集団ごとの集計・分析を行う際の下限人数は10人とされ、これは実際の受検者数でカウントします。たとえ所属労働者が10人以上であっても、実際にストレスチェックを受けた労働者数が10人未満の場合、集団的な分析結果を事業者に提供してはいけません。このような場合は、より大きな集団単位での集計・分析が推奨されます。 ### 11.6.4 例外的な集計・分析方法 10人未満の単位での集計・分析を行う場合でも、個人特定につながり得ない方法で実施することが必要です。例えば、職業性ストレス簡易調査票の合計点の集団平均値を求めるなどの方法があります。しかし、この手法でも極端に少人数の集団を対象とすることは避けるべきです。 ### 11.6.5 集団ごとの集計・分析結果の共有範囲や利用方法の決定 集団ごとの集計・分析結果の共有範囲や利用方法については、衛生委員会等での事前の調査審議が必要です。事業場のルールを決め、それを周知することが重要とされています。 この文書では、面接指導結果の事業者への提供に際して注意すべき点を詳細に説明します。11.7から始まる章立てを用い、5階層までの構造を採用し、インターネット記事を参考にしながら図表を用いて日本語での詳細なテキストを作成します。 ## 11.7 面接指導結果の事業者への提供に当たっての留意事項 ### 11.7.1 面接指導結果の事業者への提供の基本原則 面接指導を実施した医師は、労働者の健康を確保するための就業上の措置を実施するために必要な情報に限定して、情報を事業者に提供する必要があります。診断名、検査値、具体的な愁訴の内容など、加工前の情報や詳細な医学的情報の提供は禁じられています。 ### 11.7.2 外部の医師による面接指導の場合 事業場の産業医ではなく外部の医師が面接指導を実施した場合、当該医師は労働者の同意を得た上で、必要な範囲で加工前の情報や詳細な医学的情報を産業医等に提供することが可能です。 ### 11.7.3 外部医師とのやりとり 面接指導を外部の医師に委託する場合、産業医は外部機関とのやりとりの窓口としての役割を担います。この場合、産業医を通じて事業者に面接指導結果を提供することが望ましいとされています。 ### 11.7.4 面接指導結果の取扱いに関するルールの設定 面接指導結果の取扱いについては、事業場におけるルールを衛生委員会等で事前に決定し、周知する必要があります。これには、利用目的、共有の方法・範囲、労働者に対する不利益取扱いの防止などが含まれます。 ### 11.7.5 事業者への提供情報の範囲と加工 事業者へ提供される情報は、労働者の健康保護と事業者の必要性のバランスを取りながら適切に加工されるべきです。これには、情報の選択、加工、提供方法の精査が必要とされます。 この文書では、「その他の留意事項」として、特に産業医等の役割と派遣労働者に関する留意事項について、より詳細に説明します。以下の章立てを用いて、5階層にわたる構造で情報を展開し、インターネット記事の参考情報を組み込みながら、図表を活用して内容を深化させていきます。 ## 12. その他の留意事項 ## 12.1 産業医等の役割 ### 12.1.1 ストレスチェック制度における産業医等の位置付け 産業医は、労働者の健康管理に関する法令に基づいて職務を行う専門家です。彼らは、ストレスチェック制度において中心的な役割を担い、事業者は産業医に必要な措置を講じる権限を与えることが義務付けられています。これは、産業医が労働者のメンタルヘルスケアに関しても重要な役割を果たすことを意味します。 ### 12.1.2 産業医等の具体的な役割 産業医等には以下の具体的な役割があります: 1. ストレスチェックの実施:産業医は、ストレスチェックを実施し、労働者のストレス状態を評価します。 2. 面接指導の実施:高ストレス状態の労働者に対して、産業医は面接指導を提供し、個別の対策を講じます。 3. 事業者による医師の意見聴取:事業者は、ストレスチェックや面接指導の結果に基づき、産業医の意見を聴取し、必要な措置を講じます。 ## 12.2 派遣労働者に関する留意事項 ### 12.2.1 派遣元事業者と派遣先事業者の役割 ストレスチェック制度においては、派遣労働者のケアに関して派遣元事業者が主要な責任を負います。派遣先事業者は、派遣労働者がストレスチェックや面接指導を受けられるよう、必要な支援を提供する必要があります。 ### 12.2.2 面接指導に必要な情報の収集 派遣元事業者は、適切な面接指導を行うために、派遣労働者の労働時間や職場環境に関する情報を派遣先事業者から収集する必要があります。これには、派遣労働者の同意が必要です。 ### 12.2.3 派遣労働者に対する就業上の措置に関する留意点 派遣元事業者が面接指導の結果に基づき就業上の措置を講じる際には、派遣先事業者の協力が求められる場合があります。 これには、派遣労働者の実情を考慮した対応が含まれます。 ### 12.2.4 不利益な取扱いの禁止 派遣労働者に対する不利益な取扱いは禁止されています。これには、ストレスチェックの結果や面接指導の結果を理由に派遣労働者の変更を求める行為が含まれます。派遣元事業者や派遣先事業者は、これらの基準に従って行動する必要があります。 ## 12.3 派遣元事業者と派遣先事業者の役割の原則 ### 12.3.1 派遣労働者に対するストレスチェックと面接指導の責任分担 - **派遣元事業者の役割**: 派遣労働者に対してストレスチェックや医師による面接指導、就業上の措置を実施する義務がある。 - **派遣先事業者の役割**: 集団ごとのストレスチェック結果の集計・分析を実施する。 ### 12.3.2 協力と同意の重要性 - **協力要請**: 派遣元事業者が派遣労働者のストレスチェック等を行うためには、派遣先事業者からの協力が必要。協力要請には派遣労働者の同意が求められる。 - **情報共有の複雑性**: 両事業者間での情報のやりとりや取り決めは複雑になる可能性があるため、特に情報管理に注意が必要。 ### 12.3.3 派遣先でのストレスチェック実施の検討 - **実施の可能性**: 派遣元事業者の負担で派遣先事業者がストレスチェックを実施することは可能だが、複数の課題を考慮する必要がある。 - **受検のメリットと課題**: 労働者にとって受検の機会が一度で済むメリットがあるが、結果の提供方法や保存方法について両事業者間での明確な取り決めが必要。 ### 12.3.4 派遣先事業者の協力範囲 - **ストレスチェックの実施**: 派遣先事業者は、ストレスチェック受検のための時間の確保などに配慮が求められる。 - **医師による面接指導**: 派遣労働者が面接指導を受けるための時間確保や勤務状況に関する情報提供が重要。 - **就業上の措置**: 労働時間の短縮などの就業上の措置について、派遣元事業者からの協力要請に応じることが必要。 ### 12.3.5 派遣先事業者による集団的分析の実施 - **実施の要件**: 派遣労働者を含めた集団ごとの分析を行うためには、派遣先事業者によるストレスチェックの実施が必要。 - **個人情報の取扱い**: 安全衛生委員会などで個人情報の取扱い方針を定め、派遣労働者に対してストレスチェックの趣旨を十分に説明し理解を得ることが重要。 ### 12.3.6 派遣先事業者による不利益な取扱いの禁止 - **禁止されている取扱い**: ストレスチェック指針により、派遣労働者に対する合理性のない不利益な取扱いは禁止されている。これには、契約更新の拒否などが含まれる。 ## 12.4 外部機関にストレスチェック等を委託する場合の体制の確認に関する留意事項 ### 12.4.1 委託の基本原則と手続き - **委託の合理性**: 事業者は、外部機関への委託が事業場の状況やニーズに合っているかを検討する必要がある。 - **契約内容の確認**: 委託契約では、具体的な業務内容、義務、責任の範囲などを明確に定める。 ### 12.4.2 実施能力の評価 - **専門性の確認**: 外部機関がストレスチェックや面接指導の実施に必要な専門知識と経験を有しているかを評価する。 - **リソースの確認**: 適切な人員、設備、技術を備えているかどうかを確認する。 ### 12.4.3 コミュニケーションと連携 - **連携の確保**: 外部機関との間で綿密なコミュニケーションと連携を確保し、必要に応じて情報交換を行う。 - **定期的なミーティング**: 定期的なミーティングを設けて、進捗状況や問題点の共有を行う。 ### 12.4.4 情報管理とプライバシー保護 - **データの保護**: 委託先が労働者の個人データを適切に管理し、プライバシーを保護する体制が取られているかを確認する。 - **セキュリティ対策**: データの保存、転送、アクセス制御に関するセキュリティ対策が適切に行われているかを確認する。 ### 12.4.5 品質管理と改善 - **品質基準の設定**: 委託先が業務を適切な品質基準に従って実施しているかを確認する。 - **フィードバックと改善**: 定期的なフィードバックを通じて、サービスの質を継続的に改善する体制があるかを確認する。 ### 12.4.6 トラブルシューティングと緊急対応 - **問題対応の体制**: トラブルが発生した際の迅速な対応と解決のための体制が整っているかを確認する。 - **緊急時の対応計画**: 緊急時の対応計画があり、それが事業者と外部機関の間で共有されているかを確認する。 ### 12.4.7 結果報告とフィードバック - **報告書の提出**: 委託した業務の結果について定期的に報告書が提出される体制が整っているかを確認する。 - **成果の評価**: 委託先の業務の成果を評価し、必要に応じて改善点をフィードバックする。 ### 12.4.8 法令遵守と責任 - **法令遵守の確認**: 委託先が労働安全衛生法などの関連する法令を遵守しているかを確認する。 - **責任分担の明確化**: 委託先との間で責任分担が明確にされているかどうかを確認し、契約書に記載する。 ## 12.5 労働者数 50人未満の事業場における留意事項 ### 12.5.1 ストレスチェックの努力義務 - **努力義務としてのストレスチェック**: 労働者数が50人未満の小規模事業場では、ストレスチェックの実施は「努力義務」とされている。 - **産業医及び衛生管理者の不在**: これらの事業場では産業医や衛生管理者の選任、衛生委員会の設置が義務付けられていないため、ストレスチェックの実施には困難が伴うことがある。 ### 12.5.2 産業保健総合支援センターの活用 - **支援センターの役割**: 産業保健総合支援センターの地域窓口や地域産業保健センターを活用することが推奨される。 - **無料サービスの提供**: これらのセンターでは、小規模事業場に対して産業保健のサービスを無料で提供している。 ### 12.5.3 ストレスチェック制度の支援 - **個別支援**: 産業保健総合支援センターは、事業場を訪問してストレスチェック制度の導入に関する支援を行う。 - **面接指導の依頼**: ストレスチェック結果に基づく面接指導を地域産業保健センターに依頼することも可能。 ### 12.5.4 助成金制度の活用 - **助成金制度**: 労働者健康安全機構では、ストレスチェックや面接指導の費用の一部を助成する制度を提供している。 ### 12.5.5 メンタルヘルス対策の実施 - **教育研修・情報提供**: 産業医や他の専門家による教育研修を活用し、労働者にメンタルヘルスケアの正しい認識を持たせることが重要。 - **メンタルヘルス活動の推進**: 職場環境改善や職場復帰支援など、総合的なメンタルヘルス対策の推進が求められる。 ### 12.5.6 職場環境の改善と支援 - **ラインによるケア**: 日常の気配りや声掛け、傾聴を通じて、ストレスや不安の問題点を職場で解決すること。 - **職場のメンタルヘルスケア体制**: 労働者が自然にストレスチェックや面接指導を受けられる職場環境の構築。 ### 12.5.7 総合的なメンタルヘルス対策の位置付け - **法令順守を超えた取り組み**: ストレスチェック制度を単なる法令順守ではなく、総合的なメンタルヘルス対策の一環として位置 づける。 - **効果的な活動の推進**: 労働者一人ひとりが生き生きと働ける職場環境の実現を目指す。