# 動画配信・オンライン会議に必要な機器 ![](https://i.imgur.com/guPCwtS.jpg) **youtubeなどの動画配信・zoomなどのオンライン会議で必要になってくるのが、PC・カメラ・マイクの3点セットになります。ここで、必要になる機器、利用可能な条件・スペックなどについて、整理していきます(それぞれに具体的な機器を例としてあげていますが、これは主にジオ系ソーシャルストリーミング番組[友引night!!](https://www.facebook.com/groups/863528430756436/)のために[西村](https://researchmap.jp/nissy_yu)が実際に購入したもの、購入のために比較検討したもののリストから作成したものです)** ## 1. 配信PC・ソフトウェア * 配信PC * まず初めに動画配信・オンライン会議を実施する時に便利なのは、カメラとマイクがすでに機器に搭載されているノートPCやiMacのようなオールインワンPC(もしくはタブレットやスマートフォン)になると思います。なんと言っても接続の手間がなく手っ取り早く配信・オンライン会議を実施することが可能です。まず手始めには、これらの手持ち機器で始めることをお勧めします * Macの場合:Mac miniとMac Pro以外のすべてのMacにはマイクとisightカメラが内蔵されています。すでに製造中止になっていますが、ディスプレイでも[Apple Thunderbolt Display](https://ja.wikipedia.org/wiki/Apple_Thunderbolt_Display)と[Apple LED Cinema Display](https://ja.wikipedia.org/wiki/Apple_Cinema_Display#Apple_LED_Cinema_Display)にも内蔵されています。M1 Macの場合にも内臓のマイクやisightカメラは使えますが、外付けのカメラなどでドライバーを必要とする場合には(USBケーブルでデジカメをwebカメラ化する時など)M1対応がなされていない場合、うまく接続できない可能性があるため注意が必要です。接続外膜できない場合には、M1 Mac上でintelソフトウェアを使うことができるreosetta 2という仕組みを用いることで外付けカメラドライバーが利用できる可能性があります * Windows 10のPCでは、特にWindows 7などからアップグレードした際に、BIOSや音声関連のドライバアップデートを行なっていないことが原因でマイクがどうしても使えないなどのマイナートラブルがたまにあります。まずコントロールパネルやソフトウェアの音声の設定を確認すること、ハードウェア的なスイッチやファンクションキーのスイッチでオフになっていないか確認すること、それでもだめならBIOSやドライバアップデートで必ず治るとは言えないですが、試してみる価値はあります(Windows updateではこれらは更新されません。PCメーカーのHPもしくはメーカーのアップデータ配信用のソフトウェアから実施する必要があります) * 次にステップアップして、映像や音声のクオリティを上げたい、もしくは固定カメラではなく、アングルや画角などを自由に変えたくなった時に必要なものが、外付けのカメラやマイクなどの機器になります。こうした機器を接続する場合には、配信PCのスペックが重要となってきます。快適に配信やオンライン会議を行うには内臓ストレージはHDDではなくSSDに、グラフィックボードはintelの内蔵統合グラフィクスではなく、ディスクリートグラフィックスと呼ばれる統合グラフィクスとは別のGPU(Graphics Processing Unit グラフィクスを専用に処理するユニット)を搭載したPC(ノートでもデスクトップでも)を利用することをお勧めします * Macの場合:ディスクリートグラフィックスが内蔵されているのは、ノート型では[MacBook Pro 15インチ・16インチ](https://ja.wikipedia.org/wiki/MacBook_Pro)に限られます。デスクトップでは、[Mac Pro](https://ja.wikipedia.org/wiki/Mac_Pro)とオールインワンの[iMac](https://ja.wikipedia.org/wiki/IMac_(インテルベース))の上位機種もしくは[iMac Pro](https://ja.wikipedia.org/wiki/IMac_Pro)になります * Macの[新M1プロセッサ](https://www.apple.com/jp/mac/m1/)については既存モデルを大幅に上回るCPU・グラフィクス性能を備えていますが、ディスクリートグラフィックスを上回る性能を持つわけではないようです。 * 配信用ソフトウェア * PCでyoutubeなどの動画配信を行う場合には、配信用のソフトウェアを準備します。配信用のソフトウェアとしては、[wirecast](https://www.telestream.net/wirecast/)などのプロプライエタリソフトウェアもありますが、様々な配信サービスで利用することができるオープンソースの配信ソフトウェアである[OBS -Open Broadcaster Software](https://obsproject.com/ja)が広く利用されています。オンラインミーティングを行う際にはそれぞれ専用のソフトウェアが用意されていることが一般的です。[Snap Camera](https://snapcamera.snapchat.com)のようなカメラからの背景や顔の映像をリアルタイム加工し、配信側に送るソフトウェアもあります * [wirecast](https://www.telestream.net/wirecast/) * [OBS](https://obsproject.com/ja) * [Snap Camera](https://snapcamera.snapchat.com) * 最近飛躍的に利用が進んでいるオンライン会議サービスも同時動画配信機能を持っていたりします。この機能を用いれば、複数箇所の同時中継による動画配信が簡単に実現します。例えばzoomではミーティング・ウェビナーの両者でfacebook live, youtube liveなどへの動画同時配信が可能です(1つのミーティングで同時配信できるのは1つのサービスのみで、複数の動画サービスに同時配信できないので、同時配信した以外には、保存したmp4ファイルを後ほどアップロードする形になります)。zoomの場合facebook liveとの連携は最も簡単で、ストリームキーの入力も必要ありません * https://nishida.lol/post/zoom-streaming/ ## 2. webカメラ * webカメラは一般的にはUSBで接続し、映像や音声を送信できるカメラのことを指します([UVC規格](https://infinitegra.co.jp/blog/uvc_is/https://infinitegra.co.jp/blog/uvc_is/))。ビデオカメラや監視カメラとして利用されている規格になっています。USB3.0で接続することができるカメラでは、高解像度・高フレームレート(1秒間の映像送信枚数)で送ることができたりします。クリップでディスプレイの上に装着したり、また角度を変えられたりすることができることも多いです * [ロジクールのwebカメラ](https://www.logicool.co.jp/ja-jp/webcams?filters=3801) * 新型コロナウイルスの世界的な拡散以降、webカメラが手に入らなくなっています。このため、スマートフォンをwebカメラ化するアプリを用いて、外付けカメラを利用する人も増えています * https://qiita.com/Chaha1n/items/2676084577f249029bb8 * https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/minna/1247138.html * https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/yajiuma-mini-review/1245703.html * https://www.gizmodo.jp/2020/04/how2-turn-your-smartphone-into-a-webcam.html * USB出力でwebカメラにすることが可能なデジカメ(SIGMA fp, キヤノンの新しい機種, Fuji Xsystemの新しい機種など)が増えてきました * sigma fp * https://note.com/aokiu/n/n3c2aeb4011b2https://news.yahoo.co.jp/byline/musharyota/20200430-00176038/ * EOS Webcam Utility * https://www.usa.canon.com/internet/portal/us/home/support/self-help-center/eos-webcam-utility/ * FUJIFILM X Webcam * https://fujifilm-x.com/ja-jp/support/download/software/x-webcam/ * https://fuji-x-life.tokyo/2020/05/27/fujifilm-x-webcam/ * Panasonic LUMIX Tether for streaming (DC-GH5、DC-G9、DC-GH5S、DC-S1、DC-S1R、DC-S1H) * https://av.jpn.support.panasonic.com/support/software/lumixtether/download/d_lumixtether_b.html * SONY imaging edge webcam * https://support.d-imaging.sony.co.jp/app/webcam/ja/ * もしくはUSB接続のテザー撮影可能なデジカメとテザー撮影用のソフトウェアがあれば、テザー撮影(有線・無線でPCに接続しPC側でコントロールしながら撮影すること)用の画面を共有することで、映像を出すことも可能です * https://mono-log.jp/archives/2020/04/obs-studio.php (デザー撮影用ソフトウェア上の画像をOBS経由でzoomに流す方法です。OBSとオンライン会議ソフトウェアの画像の受け渡しはプラグインのOBS Virtualcam([Windows](https://obsproject.com/forum/resources/obs-virtualcam.949/)・[Mac](https://github.com/johnboiles/obs-mac-virtualcam))でできます) ## 3. HDMI同時スルー出力可能なデジタルカメラ・ビデオカメラ * いいレンズやさまざまな画角で映像の画質を上げたい、もしくはwebカメラはないけれどデジカメやビデオカメラは持っているという場合があります。HDMI同時スルー出力可能なデジタルカメラ・ビデオカメラであれば、動画配信・オンライン会議に利用できます * HDMI同時スルー出力とは、HDMI端子を持つデジタルカメラ・ビデオカメラで、撮影情報などが画面内に表示されない素のままの映像が出力可能なものです。「HDMIスルー」「HDMIクリーン」などとメーカーによって、異なる表記がされていますが同じことです * 撮影前のプレビュー画面を利用するため、デジカメ・ビデオカメラの動画撮影時間や記録メディア容量の影響は基本受けません。発熱もほとんどありません * [[memo]HDMIモニタリングスルー対応デジタルカメラ](https://note.com/149195/n/n0f0a8fc9357f) * [sonyサイバーショット DSC-RX100M4](https://www.sony.jp/cyber-shot/products/DSC-RX100M4/) * [sonyサイバーショット DSC-RX100M6](https://www.sony.jp/cyber-shot/products/DSC-RX100M6/) * [sonyサイバーショット DSC-RX0](https://www.sony.jp/cyber-shot/products/DSC-RX0/) * [FUJIFILM X-T3](https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x-t3/) * [FUJIFILM X-T4](https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x-t4/) ## 4. HDMIキャプチャ * 3のデジカメ・ビデオカメラとPCの間に必要な機器が、HDMIキャプチャボックス・ボードです。HDMIの信号をPCで利用可能な圧縮・非圧縮のビデオフォーマットに変換する機能を持っています。ハードウェアで変換する機器とソフトウェアで変換する機器の両者があり、ソフトウェアで変換する機器の場合、1のディスクリートグラフィックスが内蔵されたPCを使わなくてはならないものもあります。ビデオゲームの実況などで用いられるのでゲームキャプチャなどとも呼ばれています * HDMIキャプチャ * [Blackmagic Design UltraStudio Mini Recorder](https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/ultrastudio/techspecs/W-DLUS-04) 長年発売されているthunderbolt 2接続のHDMIキャプチャ。発売当初は高性能と言われていたが、現在1080p30対応まででかつHDMI機器の側が認識しない場合がまれにあるため、最先端とは言えない * [Blackmagic Design Intensity Shuttle for Thunderbolt](https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/intensity) これも長年発売されているUSB3.0 thunderbolt 2接続のHDMI・アナログキャプチャ * [Elgato HD60 s+](https://www.elgato.com/ja/gaming/game-capture-hd60-s-plus)/[Elgato HD60 s](https://www.elgato.com/ja/gaming/game-capture-hd60-s) USB-C(3.0)ポートを持つHDMIキャプチャ。1080p60, 2160p30に対応している最新のスペックだが、ソフトウェアエンコードなので、GPUを搭載したPCでないとフルパワーを発揮できない可能性あり。Elgato HD60 s+はUVCデバイスとして認識されるためドライバ不要(Elgato HD60 sはドライバ必要) * HDMIキャプチャの機能にスイッチャー(複数の映像の切り替えなどの処理)・ミキサー(音声の切り替えや調整)などの機能を統合した機器が発売されています * [Roland VR-1HD](https://proav.roland.com/jp/products/vr-1hd/) HDMI3入力のスイッチャー(P in Pなどの画像調整可能)+2系統のXLR端子を持つミキサー(音声の加工や調整が可能)の機能を併せ持つyoutuber御用達機器。USB 3.0端子を持つため、PCからはwebカメラとして認識されるが1080p30の出力が最大であること、マルチビューのモニタができないことに注意 * [Blackmagic Design ATEM Mini/ATEM Mini Pro](https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemmini) HDMI4入力のスイッチャー(P in Pなどの画像調整可能)+2系統のマイク端子を持つ。音声はHDMIからの音声を基本としているため、音声の調整をするには別途ミキサーが必要です(ミキサーについては5.で後述)。HDMIスイッチャーとしてATEM Miniは価格破壊をもたらした。マルチビューのモニタができるのはATEM Mini Proのみ ## 5. マイク・音声 * 動画配信・オンライン会議で重要なのは、実は音声だといわれています。PC内蔵のマイクから、外付けのマイクに変えるだけで、大きく品質が変わります。接続は、PCに行うUSBマイク、ステレオ(ミニ)プラグ、XLRプラグの3種類に分かれます。ステレオ(ミニ)プラグ・XLRプラグの場合にはPCとの間にUSB接続が可能なミキサーを入れる必要があります。[XLRプラグ](https://ja.wikipedia.org/wiki/XLRタイプコネクター)は業務用・放送用機器で多く用いられ、ノイズが乗りにくいようです * USBマイク(デスク設置) * [shure MOTIV MV5](https://www.shure.com/ja-JP/products/microphones/mv5#) レトロな外観を持つコンデンサーマイク。気軽に音質をアップグレードできる * [shure MOTIV MV51](https://www.shure.com/ja-JP/products/microphones/mv51#) レトロな外観を持つコンデンサーマイク。MV5に比べて大型のため、集音性能や低ノイズが期待できる * [AKG Lyra-Y3](https://proaudiosales.hibino.co.jp/akg/4573.html) 最新のコンデンサーマイク 。マイクカプセルが4つついており、それらの4つの組み合わせてでモノラル・ステレオ・方向によるさまざまな収録が可能 * ステレオ(ミニ)プラグ(デジカメコールドシュー設置) * [SENNHEISER MKE400](https://www.sennheiser.co.jp/a4v/product/MKE%20400/index.html) * [SENNHEISER MKE440](https://www.sennheiser.co.jp/a4v/product/MKE%20440/index.html) * XLRプラグ(デジカメコールドシュー設置) * [ガンマイク SENNHEISER MKE600](https://www.sennheiser.co.jp/a4v/product/MKE%20600/index.html) * [ガンマイク SENNHEISER MKH416](https://www.sennheiser.co.jp/sen.user.Item/id/119.html) * ミキサー * [ウェブキャスティングミキサー YAMAHA AG-3](https://jp.yamaha.com/products/music_production/webcasting_mixer/ag03/index.html) youtuber御用達のUSB接続が可能なミキサー。(すでに生産中止みたいですが)初音ミク仕様もあるようです ## 6. 照明 * さらに映像の品質を上げるためには、照明について考える必要があります。デジカメやビデオカメラの撮影では、最近さまざまなLEDライトが利用されるようになっており、バッテリー内蔵のものもあるため、自由な設置場所で利用できるようになってきています。映画などの基本的なライティングとして[三点照明](http://socius101.com/post-29778/)(キーライト、フィルライト、バックライト)という考え方があるそうです * LEDライト * [MOMAN 96LEDビデオライト](https://www.amazon.co.jp/dp/B07MNS476C/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_3C8NEb9WKVMFP) バッテリ内蔵のLEDビデオライト。色温度や輝度を変更できる。 * [LED バーライト 5V USB](https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y3ZHF9N/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_IE8NEbJ6EP1ZP) 某所で「女優ライト」として紹介されていたバー型のLEDライトUSB接続で電源を供給する。色温度を変えられる ## 7. 三脚・カメラリグ * 安定した配信のためには、カメラやマイク・照明などの位置や角度を決め、固定するための三脚・一脚・アームやカメラリグが必要です。三脚に関してカメラ用のものが大小さまざまなものが販売されています。上位機種だと三脚と雲台は別売りになります。重要なのは雲台や可動部分の耐重量で、これが小さすぎると安定して固定することができません。一方耐重量が大きいものはその分全体重量も重くなりがちです。雲台・プレートについてはARCAスイス規格という規格が使いやすく、その互換性を持ったものが販売されています。 * [Manfrotto PIXI](https://www.manfrotto.com/jp-ja/pixi-mini-tripod-black-mtpixi-b/) 小型の卓上用三脚 * [Manfrotto マジックアーム](https://www.manfrotto.com/jp-ja/magic-arm-with-bracket-143a/) 卓上などでカメラ位置を調整しやすいマジックアーム。テーブルに固定するためにはブラケットを追加購入する必要がある * [カメラリグ](https://smallrig.jp/content/novice-read.html)は、デジカメに、ネジ穴・コールドシューやARCAスイスプレートを追加し、他の機器を物理的に組み合わせるときに使われます * [SmallRig](https://smallrig.jp) デジカメの各専用のリグ(ケージ・ブラケット)によって、数種の規格のネジ穴・コールドシューやARCAスイスシューなどを複数追加することが可能