# ピストン和声 第4章 # 導入 皆さんもご存知かと思われますが, 長旋法(メジャースケール)が一つ存在するのに対して, 短旋法(マイナースケール)という音階は以下にあげる通り三つ存在します。 * **自然短音階(ナチュラルマイナースケール)** * **和声的短音階(ハーモニックマイナースケール** * **旋律的短音階(メロディックマイナースケール)** ---- ### 自然短音階(ナチュラルマイナースケール)から 後述する他二つの短旋法の礎とも呼べる最も基礎的な短旋法です。 **この自然短音階ですが, 「導音」^1 が音階中に存在しません。** **この問題は後述の和声的短音階によって解決されます。** ^1: 導音(どうおん、英: Leading-tone、独: Leitton)は、音階的には全音階の主音から短2度(半音)下の音、すなわち第ⅶ度音を指す ---- ### 和声的短音階(ハーモニックマイナースケールがなぜうまれたか? 自然短音階では, 主音直下の音階構成音(つまりVII度音)が全音下の音になるため、その音から上行して主音に行っても終止感が乏しい。終止形のそれを改善するため、このVII度音を半音上げて、主音のすぐ半音下の音としてうまれた。 **つまり, 自然短音階に「導音」を導入し和声の流れとして使いやすくなったものです。** **しかし, これによって第6音と第7音との距離が増2度音程となり西洋古典音楽の価値観ではメロディとしては少々不自然であるとされました。** *小話: 属和音が7の和音の場合は不協和な三全音(トライトーン)が入ることもあり、自然短音階の素朴な物悲しさに比べ緊張感が強まり、より機能和声的終止感が強まる。「和声的」短音階という名称は、これによるものである* ---- ### そして生まれた旋律的短音階(メロディックマイナースケール) 和声的短音階においては上述の通り, 増2度進行の不自然さがあった。 **それを改善するために, 属和音を伴って上行するときはVII度音に加えてVI度音も半音上げ、下行する時はVI度音、VII度音とも半音増を行わない音階が旋律的短音階です。** ---- おつかれさまです 次回に続く...