--- tags: Glyphs --- # Glyphs 3のAJ1フォント出力に不備がある件 現在、Glyphs 3のAJ1フォント出力には多くの不備があります。どこに不備があるのかをここに記します。 * Glyphs 3.0.4 (3098) で検証。 [検証ファイル](https://app.box.com/s/c3ax1amm6b61bmb72s3ydjwp2ogrie6n) * 下記で言及しているResourcesフォルダは以下のものです。Glyphs 3.app/Contents/Frameworks/GlyphsCore.framework/Versions/A/Resources/ ## cmapテーブルの不備 GlyphsのAJ1フォント出力において、文字コードはResourcesフォルダ内のCMapファイルが使われなければいけません。 cmapAdobe-Japan1.txt しかし、Glyphs 3ではこのCMapファイルが使われず、Glyphsファイル内の文字コード設定がcmapテーブルに反映されてしまいます。 ## GSUBテーブルの不備 GlyphsのAJ1フォント出力において、「フォント情報 > フィーチャー」に設定がなければ、Resourcesフォルダ内のGSUBファイルが使われなければいけません。 gsubAdobe-Japan1-3.txt gsubAdobe-Japan1-3+.txt gsubAdobe-Japan1-4.txt gsubAdobe-Japan1-5.txt gsubAdobe-Japan1-6.txt しかし、Glyphs 3ではこれらのGSUBファイルが使われず、GSUBテーブルがないフォントが出力されてしまいます。 ### GSUBファイルの不備 Resourcesフォルダ内のCMapファイルは、JIS2004規格に準じたものです。したがって、Resourcesフォルダ内のGSUBファイルもJIS2004規格に準じていなければいけません。 しかし、現状のGSUBファイルは、古いJIS1990規格に準じたものが同梱されてしまっています。JIS2004規格に準じたGSUBファイルにしなければいけません。 #### Adobe-Japan1-3のGSUBの不備 さらに、Adobe-Japan1-3は「+」の有無で2種類が設定可能になっています。この2種類は、GSUBがJIS1990規格/JIS2004規格のどちらかであるかの違いです。Resourcesフォルダ内のCMapファイルはJIS2004規格のみなので、JIS1990規格のGSUBは不要です。Adobe-Japan1-3も1種類だけにしなければいけません。 #### GSUBファイルのJIS1990規格/JIS2004規格の見分け方 * 冒頭のaaltに「jp04」フィーチャーがあるGSUBファイルは、**古いJIS1990**規格です。 * 冒頭のaaltに「jp09」フィーチャーがあるGSUBファイルは、**新しいJIS2004**規格です。