# ピープルウエア 第3版 ## 書籍情報 ### 発行日: 2013年12月24日 ※初版は1987年 ### 著者名: トム・デマルコ、ティモシー・レスター 著 松原友夫、山浦恒央、長尾高弘 訳 ### ページ数: 320ページ ### Amazon 商品ページ: https://www.amazon.co.jp/dp/4822285243 ## どんな本? - ピープルウェア(英:Peopleware)は、ハードウェア、ソフトウェアと共に、コンピュータ技術の三つの中心的な側面の一つを表す用語である(出典:Wikipedia)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2 - 開発プロジェクトで技術よりも何よりも大事なもの――それは「人」 - システムの仕事での大きな問題は、技術的なものというよりも、社会学的なものである。 - 「ヤル気こそプロジェクト成功の鍵」というサブタイトルから分かるように、ヤル気をいかに引き出すかというのがこの本のテーマになる。 - 章立ては以下の通り。 - 第Ⅰ部 人材を活用する - 一人一人の人格の尊重 - 第Ⅱ部 オフィス環境と生産性 - 頭を使う人間にふさわしいオフィス - 第Ⅲ部 人材を揃える - 人材を揃えて辞めないようにする方法 - 第Ⅳ部 生産性の高いチームを育てる - うまく結束したチームとそのチーム作り - 第Ⅴ部 肥沃な土壌 - 企業文化 - 第Ⅵ部 きっとそこは楽しいところ - 仕事は楽しくあるべきだという考え方 ## 参考にすべきトピック ### 第Ⅰ部 人材を活用する - 第2章 チーズバーガーの生産販売マニュアル - プロジェクトメンバーを結束させる能力のある人は、普通に仕事をする人の二人分の価値がある。 - 第6章 ガンによく効く?「ラエトライル」 - マネージャーの役割は、人を働かせることにあるのではなくて、人を働く気にさせることである。 ### 第Ⅱ部 オフィス環境と生産性 - 第10章 頭脳労働時間 対 肉体労働時間 - 机の前に何時間座っていたかはどうでもいいことで、全神経を集中して仕事に取り組んだ時間が重要なのだ。 - 環境の善し悪しを表すE係数をオフィスで測定する習慣をつけるだけで、余計な費用など全くなしに、彼らは会社のために脳ミソを使ってくれるようになるのである。 - E係数=中断なしの時間数÷机の前に座っていた時間 「中断なしの時間数」は連続して中断が入らなかった時間数(hours)。例えば、4時間机に向かっていも、30分おきに割り込みが入ると、「中断無しの時間数」は0になる。ちなみに、著者はE係数の上限を40%だと思っている。 ### 第Ⅲ部 人材を揃える - 第14章 ホーンブロワー因子 - マネジメントにあてはめた熱力学の第二法則:エントロピーは組織内では常に増加する。 - もっとも大きな成功を収めるマネージャーは、自部門のエントロピー=均質性をかく乱し、社内標準からかけ離れていても適切な人材を集め、彼らに本来の力を発揮させる人々だ。 ### 第Ⅳ部 生産性の高いチームを育てる - 第21章 全体は部分の和より大なり - チーム編成の目的は、目標を達成することではなく、目標を一致させることである。 - 第23章 チーム殺し、7つの秘訣 「チーム殺し」とは、チーム形成を妨げプロジェクトを崩壊させる確実な方策。 - 守りのマネジメント - 部下を信頼しない側に大きく偏っているマネージャー - 官僚主義 - ペーパーワーク(頭を使わずに機械的にドキュメントを作ること)は、システム開発作業のうち2番目に大きな項目であり、製造原価の30%以上を占めるという研究結果がある。 - 作業場所の分散 - 時間の分断 - 一人の人間に複数のプロジェクトを複数掛け持ちさせると、作業効率の妨げにもなる。 - 製品の品質削減 - はったりの納期 - チーム解体の方針 - プロジェクトが終わりに近づくにつれ、人を引きはがす。 - プロジェクトが終わるとチームを解散する。 - 第24章 続、チーム殺し - いまいましいポスターや楯 - 「品質は第一の仕事だ」、「リーダーの速度が群れの速度を決める」などとのたまうポスターの類。 - 残業の予期しない副作用 - 人は、期限通りに仕事をするために多くの残業をするのではなく、仕事が期限通りできそうもないことがわかったときに、非難から身を守るために残業するのだ。 - 第26章 スパゲティディナーの効果 - 最良の上司とは、管理されていることを部下に気付かせずに、そんなやり方を繰り返しやれる人である。 - 第27章 裃を脱ぐ - 裃を脱いだ雰囲気の中でこそ、チームの結束を固める機会が高まる。 - 職人の師匠と弟子の関係のように、自然に備わった権威によりマネジメントを実施することを説いている。 マネージャーは、基本方針を決め、交渉し、よい人を採用することなどの分野が得意だと認められており、その得意分野では信頼されている。作業者は、特定の領域で専門的知識を持ち、その道では全員から自然の権威として信頼される。 ### 第Ⅴ部 肥沃な土壌 - 第29章 自己修復システム - ホーソン効果(※)からは、人は何か新しいことをやろうとしたときによりよい成績を収めることがわかる。 ※人は、他と違った扱いを受けることに魅力を感じ、注目されるれることを好み、珍しいものに好奇心をよせる現象。 - 第34章 変化を可能にする - 変化への基本的な反応は、論理的なものでなく情緒的なものである。 - 古い方法を決してけなしてはいけない、むしろ変化を助ける方法として古い方法を讃える必要がある。 - 変われない人は、決して進歩できない - 逆説的だが、変化は、もし失敗(少なくともちょっとした失敗)が許される場合のみ、成功の可能性がある。 - 第35章 組織の学習能力 - 組織の学習能力は、組織がどの程度人を引きとめておけるかで決まる。 - 退職率が高いと、学習は定着しないし、そもそも学習ということが起こりえない。 - 第36章 コミュニティの形成 - 自分のキャリアアップやその他の理由で別の会社へ移る人はいる。しかし、そんな会社(※)を辞める人は、会社への悪影響が最小になるよう、タイミングを計ろうとする。 ※満足のいくコミュニティ作りに成功した組織 ## 所感 - 翻訳本なので多少分かりづらい表現もあるが全体的に読みやすくボリューム(320ページ)的にもさっと読めて、敷居が低いかと思う。 - 初版の発行は30年以上前になるが、「人」にフォーカスを充てているので古臭さを感じさせず、現代のマネジメントにも十分に活かせるヒントを与えてくれる。 - 今までマネジメントで苦労したり失敗したりした経験が本の内容と重なる部分もあり、耳に痛く心に刺さってくる。 ## お勧め度(☆☆☆☆☆) ★★★★☆ IT業界で働いている人ならきっと心に刺さる名言が見つかると思うので、一度、手に取ってみることをお勧めします。
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