# 引き出す力 ## 2021/12/15 齋藤 ## 書籍情報 「引き出す力」 平本あきお 山崎拓巳 https://www.amazon.co.jp/dp/4828422552/ ## どんな本? コーチングの権威である「平本あきお」さんの、実際のセッションを追いながら コーチングの内容を解説していく本です。 「コーチング」について内容で、「マネジメント」ではありません。 以下章立てと、各章の簡単な内容 - 第1章 本当の答えは「動物の脳」から生まれる - もうひとりの著者である「山崎拓巳」さんのセッションの様子 - 理想の未来の話から、明日からやることを設定するところまでの流れを追っている - 山崎さんの価値観を引き出す → 現在の価値観の充実度を点数化する → それを上げる為の行動設定 - 第2章 未来と過去を見えるカする - ジョギングを習慣化したい「ヒガシ」さんのセッションの様子 - 過去と未来、ジョギングできた自分とジョギング出来なかった自分を、モノ(椅子)で可視化する - それを使いながら現場検証(追体験)と俯瞰を繰り返して、ジョギングが習慣化できるようにするための行動を引き出す - 第3章 モチベーションと行動を引き出す - 目標達成を加速したい「ニシ」さんのセッションの様子 - 現在と目標を達成した未来を椅子で表現して、そこを走ったり歩いたりしてその違いを想像する - 次第に「こうすればもっと早く目標が達成できるかも?」という考えを引き出していく - 「ニシ」さんがどういうビジネスをしていて、どういう目標を定めているかを全くヒアリングせずにコーチングしていた(すごい) - 第4章 チームの潜在能力を引き出す - ダンスチームをまとめたい「ミナミ」さんのセッションの様子 - チームの典型的なメンバーを4人ほど想像してもらい、それぞれの位置関係や未来に対しての向きなどを椅子で表現 - アドラー心理学の「全体論」という考え方が出てくる - 行動したい自分とそれを引き止める自分が居るように見えて、実は自分の中には応援したい自分がいるという、「矛盾はない」という考え方 - 平本さんいわく、「チームにも矛盾はない」らしい。 - 第5章 どうしても前に進めない人をどうするか? - ついついネガティブになってしまう「キタ」さんのセッションの様子 - 第6章 「ライフ・チャート」の使い方 - 自分の人生を8つの分野から見て、今現在の満足を0から10の間で示すもの - 楽しみ/娯楽 - 生活環境(衣食住、持ち物、通勤、職場環境など) - 健康(体調、病気、節制、ダイエットなど) - 仕事/他者への貢献 - お金 - 友人/対人関係 - 大事な人(伴侶、恋人、師匠など)/家族 - 自己成長/学び - これらの使い方と掘り下げ方の解説 ## 参考にすべきトピック ### コーチングは相手のやる気や行動を「引き出す技術」 - 「俺の言う通り頑張れ!」と言っても、やる気や行動は引き出せない - 人によって価値観が違うから、人に言われたことではモチベーションが上がらない - まずは「あなたは何がしたいの?」を引き出す ### 「目標設定の罠」- 2割のビジョン型と8割の価値観型 - 数年後のビジョンを思い浮かべて、それにワクワクしてモチベーションを挙げられる人はたった2割(ビジョン型) - 残りの8割は「人に感謝されたい」「繋がりを感じたい」「変化に飛んだ生活をしたい」など「価値感」がモチベーションになる人(価値観型) - ビジョン型の人は、未来がどうなったらよいかをイメージしてもらい、そこから価値観を引き出して今の行動に繋げる - 価値観型の人は、過去の原体験(幸せだった思い出)を思い出してもらい、そこから価値観を引き出して、行動につなげる - こちらは少しわかりにくいので補足すると、過去の思い出が例えば「部活で頑張って大会で優勝した」だとする - 「部活で頑張って大会で優勝した」がなぜ幸せだったかを考えると「みんなと一体感を感じられた」からだとする。これが価値観 - では、「みんなと一体感を感じられる」という価値観が満たされる今日ってどんな日?明日はどんな日?一週間後は?と続ける - それを繰り返すと、1年後5年後のビジョンが出てくる - ビジョン型と価値観型は順番が違うだけで、目標も今の行動もどちらにもアプローチできる ### モチベーションを引き出すためのアプローチに使うもの | 使うもの | 説明 | | - | - | | 未来+ | こうなったら最高というイメージ | | 未来- | 絶対こうはなりたくないというイメージ | | 過去+ | あのときは最高だったなというイメージ | | 過去- | あのときは最悪だった、二度と繰り返したくないというイメージ | | モデル+ | あの人のようになりたいというイメージ | | モデル- | あの人のようにはなりたくないイメージ | 上記から価値観を引き出して、それを満たすための行動を引き出していく 大切なのは、ロジックで考えるのではなく、プラスマイナスの感情を深く掘ること ### 相手の目線に入る - 自分の目線でのアドバイスでは、相手は腹落ちしないことが大半 - あー、おっしゃるとおりなんですが、それは自分には無理っすね。というような感じ - それは客観的な目線でのアドバイスなので、相手の価値観に寄り添えてない - 価値観に寄り添えないと、相手の行動には繋がらない - モチベーションにならないから - 相手の目線に入って、そこから気付いた意見は受け入れられやすい ### チーム運営を成功させるための鉄則 - メンバー本人が頑張っていることかつ、まわり見て全体の助けになっていることを出すように言う。 - 「ここが悪いから直して」だと上手く行かないけど、「そこ助かっているからもっと出して」だと、人は思い通りに動く。 - メンバーの行動を認めていく考え方を出していくと、チームの行動が活性化していく - 同時に、自分も認めてあげる - 他人を認められないのは、自分を認められていないから ### doingではなく、beingで聞く - 目標に対して、何をしたら10点になりますか?と聞くのはあまり盛り上がらない(doing) - 10点になったらどうなってますか?と聞くほうがビジョンがイメージできる(being) ## 所感 完全にコーチングの本なので、マネジメントを直接学べるものではありませんでした。 ただ、応用できることはいくつかあったと思います。 例えば、セルフイメージの上げ方や、目標の立て方などは、考え方が変わることがありました。(ビジョン型と価値観型の部分など) これを読んだからといってコーチングのセッションができる様になるようなものではなく、 いくつかのポイントを知れるぐらいの入門本としての立ち位置だと思います。 何回か読み込まないと、腹落ちしない部分も多いと思います。 全体が、平本さんと山崎さんの対話形式か、実際のセッションの対話形式なので、スラスラ読めます。 ページ数も200ページぐらいなので、1日で読み終わるぐらいの分量です。 ライトに読めると思います。 ## お勧め度(☆☆☆☆☆) ★★☆☆☆ これを読んでも実際にコーチングができるようにはなりませんが、 部分的な考え方は応用できそうです。 また、単純に本として面白いです。 ## 質疑応答 -