# 熊とワルツを リスクを愉しむプロジェクト管理 ## 2022/01/31 水口 ## 書籍情報 ### 著者/訳者: - トム・デマルコ、ティモシー・リスター(著) - 『ピープルウエア』、『ゆとりの法則』の著者 - 伊豆原 弓(訳) ### 発売日: 2003/12/26 ※原著は2003/03/01 ### ページ数: 256ページ ## どんな本? - この本のテーマはリスク管理。 - リスク管理は、おとなのプロジェクト管理。 - リスク管理は、問題が発生する前の、抽象的な概念の段階で対策を考えるプロセス。リスク管理の反対を「危機管理」といい、問題が発生した後に何をするべきかを考えること。 - 『ゆとりの法則』の「第4部 リスク選択とリスク管理」について、その内容を膨らませ、検証済みのデータやシミュレーションを使ってモデル化し、誰でも実践できるように具体的な手順を示している。 - 章立ては以下の通り。 - 第1部 なぜリスクを管理するのか(リスクに立ち向かう/リスク管理はおとなのプロジェクト管理だ ほか) - 第2部 なぜリスクを管理しないのか(リスク管理をすべきでない理由/不確定性への非難 ほか) - 第3部 リスク管理の方法(不確定性を数量化する/リスク管理のしくみ ほか) - 第4部 数量化の方法(価値の数量化/価値も不確定 ほか) - 第5部 嘘かまことか(リスク管理の検証) ## 参考にすべきトピック ### 第4章 リスク管理をすべき理由 - リスク管理は積極的にリスクをとれるようにする - 第1章 リスクに立ち向かう - メリル・リンチのオンライン・トレードへの参入遅れ - リスク管理は不意打ちを防ぐ - リスク管理は成功するプロジェクトを作る - リスク管理は不確定要素を限りあるものにする - リスク管理は最小限のコストによる保険である - 第3章 デンバー国際空港再考 - 自動手荷物処理システムの開発遅延で5億ドル以上の追加コストが発生 - リスク管理は目に見えない責任転嫁を防ぐ - リスク管理は一部が失敗したプロジェクトを救える - リスク管理は人材の成長を高める - 有能な人材の流出を防ぐ - リスク管理は注意すべきところに注意を向ける ### 第10章 リスク管理の手順 1.リスク発見プロセスを使って、プロジェクトが直面するリスクの調査をまとめる。 - リスク発見プロセスとは、根本原因→シナリオ→破滅的な結果、3つのステップを遡ってリスクを特定する方法(第14章 リスク発見プロセス)。 - 管理対象から外しても良いリスク - 実現の確率が無視できるほど小さい。 - 万一実現した場合、現在管理している仕事(開発中の製品)など、たいしたことではなくなる。 - リスクの影響がきわめて小さく、軽減する必要がない。 - 他人のリスクである。 2.ソフトウエア・プロジェクトのコア・リスクがすべて調査に含まれていることを確認する。 - 内在的なスケジュールの欠陥 - 要求の増大(要求の変更) - 人員の離脱 - 仕様の崩壊 - 生産性の低迷 3.個々のリスクごとに次の作業をすべて行う。 (1)リスクに名前と番号をつける。 (2)ブレーンストーミングによって、そのリスクの移行指標を特定する。 - 移行指標とは、リスクの実現を最も早く実用可能な精度で示す指標。 (3)リスクが実現した場合にコストとスケジュールに与える影響を推定する。 (4)リスクが実現する確率を推定する。 (5)そのリスクの時間的、資金的なエクスポージャーを計算する。 - エクスポージャー=コスト×確率 (6)移行が始まったときにとるべき危機対応措置を事前に決めておく。 (7)選択した危機対応措置を実行できるように、移行の前にとるべき軽減措置を決める。 (8)全体的なプロジェクト計画に軽減措置を追加する。 (9)リスク管理フォームに詳細を記入する。 4.ショーストッパーをプロジェクトの仮定条件として指定する。これらの各リスクを上層部に引き渡す。 - ショーストッパーとは、発生すると何もかも犠牲になり、プロジェクトを完全にやめるしかないようなリスク。 - 例)開発中の新製品が対象としているOSが互換性のないバージョンにアップグレードされる 5.リスクがいっさい実現しないものと仮定して、最初のスケジュール見積もり(ナノパーセント日)を作成する。 - ナノパーセント日(N)とは、わずかでもプロジェクトが完成する可能性のある最初の日。 6.先の手順で洗い出した社内と業界全体の不確定要素を使って、Nから始まるリスク図を作成する。 - 第12章 ツールと手順 - RISKLOGY(モンテカルロ・シミュレーター) - https://systemsguild.eu/riskology 7.リスク図を使って約束を発注者に伝える。 - それぞれの予想日程や予算に関連する不確定要素をはっきり示す。 - プロジェクトのメンバーに伝える目標としては、Nから約束する納期までの途中に設定する。 8.リスクが実現したり終了したりしないか監視し、実現したときには危機対応計画を実行する。 9.プロジェクトの期間中、あとから出現したリスクに対応するため、リスク発見プロセスを継続する。 ## 所感 - 手軽に読めてリスク管理の基本が学べるので一度は読んでみる価値はあると思う。 - リスク管理を実践し、リスクを考慮した納期を設定すできれば、プロジェクトの遅延期間や遅延頻度を減らすことができると思う。 - この本だけでリスク管理を実践するのは難しいという印象を受けたので、他の本も合わせて読んでみたい。 ## お勧め度(☆☆☆☆☆) ★★★☆☆ ## 質疑応答
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