# Slack ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解 ## 2022/01/13 川西 ## 書籍情報 [Slack ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解](https://www.amazon.co.jp/dp/4822281116) - ページ数:232ページ - 初版:2001/11/27 - 原題: Slack, Getting Past Burnout, Busywork, and the Myth of Total Efficiency. - Slack=ゆとり ### 作者 #### トム・デマルコ(Tom DeMarco) - 2021/06/17に水口さんに紹介して頂いた[ピープルウエア 第3版](https://hackmd.io/f4yYOKjUQBqkmj16Lzeksw)の著者 - 生年月日: 1940年8月20日 (年齢 81歳) - 出生地: アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 ヘーズルトン - 受賞歴: スティーブン賞 (1999年)(ソフトウェア開発手法への貢献) - 業界団体であるリエンジニアリングフォーラムが授与するソフトウェア工学の講演賞。ソフトウェアおよびシステム開発のための手法に関する文献や実践に顕著な貢献をした者を表彰するために創設された国際的な賞。 - ソフトウェアエンジニア、作家、ソフトウェアエンジニアリングに関するコンサルタント - 1970年代、構造化分析の初期の開発者 - 1978年1月には、この分野における大きなマイルストーンとなる『構造化分析とシステム仕様』を出版 - コーネル大学で電気工学のBSEE学位、コロンビア大学で修士号、パリ大学ソルボンヌ校でディプロマを取得 - 救急救命士でもあり、州および救急救命士国家登録の認定を受けている ### なぜこの本を選択したか - 日貨百貨PJが始まり、プロジェクト管理について古典を読んでみようと思ったので。 ## どんな本? ### 時代背景 欧米が不況だった1990年代、業績改善のために企業は効率・スピードを重視していた。全社員が忙しい状態にあり、数週間先の予定もビッチリ埋まっている。また、成果を出さないとクビになるという恐怖感を持っている。 ### Amazon書評 効率ばかりを重視した開発現場の弊害を説き、プロジェクトにおける「人」の重要性を説いてやまないデマルコ節は健在。『ピープルウエア』のテーマが開発プロジェクトであったのに対して、本書のテーマは「組織」。知識的な仕事にかかわる人(ソフトウエア・エンジニア)は複数の仕事を抱え、一つのプロジェクトに携わりながらも次の新しいプロジェクトへと関わっていく。そのために必要なのは「変化」のための組織づくりであることを力説。 ### 前書きより ``` ゆとりの効果 ストレスを減らし、貴重なゆとりを取り戻すことには次のような効果がある ・組織が敏速になる ・「人的資本」ともいうべき重要な人材を維持できる ・未来に投資できるようになる ・リスク回避ではなく、懸命なリスク選択ができるようになる ``` ### 目次 - 第1部 ゆとり - ゆとり〜効率と柔軟性は相容れない関係にある。組織は変化の能力を犠牲にして効率を高めることしか考えないこと多い。ゆとりが救いになるのはなぜか。 - 第1章 斧を持った男 - 第2章 忙しさの意味 - 第3章 人材は代替可能か - 第4章 「急げ」というと遅くなる - 第5章 イブを管理する方法 - 第6章 忙しさよりもビジネスを - 第2部 本当に速く仕事をするには - ストレスが組織に与える影響〜ストレスを与えるとスピードは二倍になるが、大きく道を逸れていく。企業におけるストレスの原因と対処法。 - 第1章 プレッシャーの代償 - 第2章 強気のスケジュール - 第3章 時間外労働 - 第4章 生産性計算のカラクリ - 第5章 掃除機の意味 - 第6章 間違った簡易の第二法則 - 第7章 恐怖の文化 - 第8章 訴訟 - 第9章 プロセスへの執着 - 第10章 品質管理 - 第11章 効率と効果 - 第12章 目標管理 - 第3部 変化と成長 - 変化、成長、組織的学習〜学習できる企業(学習を活かせる企業)と学習できない企業の違い - 第1章 ビジョン - 第2章 リーダーシップの「リーダーシップ」 - 第3章 ディルバート再考 - 第4章 恐怖と安全 - 第5章 信頼関係を築くには - 第6章 変化のタイミング - 第7章 中間管理職の存在意義 - 第8章 学習はどこで起きるか - 第9章 空白地帯の危険 - 第10章 変化の管理 - 第4部 リスクとリスク管理 - リスク選択とリスク管理〜リスクを逃れて行っても勝てないのはなぜか。懸命な管理さえすれば、リスクに向かっていくことに意味があるのはなぜか。また、どのような結果がともなうか - 第1章 常識の誤り - 第2章 リスク管理の基本 - 第3章 危険速度 - 第4章 リスクと付き合う方法 - あとがき - 干草の山から針を探す ## 参考にすべきトピック - 第1部 ゆとり - 効率的に!100%の稼働率で!が無意味で、あまつさえ非効率になっている場合もある - 忙しく働いているように見せかけるため、「ゆっくり働く」人ができてしまう - やりがいがいのある仕事以外の仕事もやる必要が出てくるため、優秀な人材が辞めてしまう(知識労働にはやりがいと成長が大切) - 稼働率を追求し、10個の仕事を一人に割り振っても、10個それぞれの仕事の準備をしたり、考えるモードを切り替えるのに10分かかるとしたら、1日のうちに90分も仕事の切り替えに使われることになる - 人を100%管理することはできないので、ゆとりを持って部下を管理しなければ、有能な人材は辞めてしまう - 忙しいより、迅速に対応できることを優先する、多少のミスも認める、部下に判断させる、仕事に追われていない時間がある - 柔軟性、組織を継続的に改善させる余地がある - 変化に対応する余裕を全員が持つ - 人材を維持しやすくなる - 人が辞めることことで被る資本の金額を計算すしてみる - 投資する余地が増える - ゆとりが創造を生み出す - ゆとりは投資 - 第2部 本当に速く仕事をするには - ストレスを取り除くことができるのはゆとりしかない - プレッシャーをかけても行動が有意義に変化することはない - プレッシャーをどれだけかけられても、早く考えることはできない(ティムリスター) - 考える速度を上げることはできない - 長時間労働をしても効率が上がらない。1日に7-8時間が知的労働にはちょうど良い - コスト削減で秘書や事務アシスタントを雇わなくなったため、管理者が単調な事務作業をやる必要がある。逆に効率が落ちている - プロセス(作業の進め方・製品の作り方)はチームの資産。失敗や責任といった恐怖から標準化プロセスを導入しプロセスを管理しても俊敏に仕事を進めることはできない - スター社員と呼ばれる人は、人間関係が豊か - 品質を担保するには時間がかかるので、どうでもいい商品を開発することを辞めてみる(例:apple) - 効率と効果のどちらかを選ばなければいけないとき、効果を選ぶべき(なぜか効率を選択する企業が多い) - 目標管理をやめる。目標数値を達成することだけに気をとらわれてしまう。 - 第3部 変化と成長 - ゆとりがあると変化ができ、変化ができると成長する - 成長するため、変化の他に必要なもの - ビジョン - 現在の真実と現実可能な未来の真実 - リーダーシップ - 自分の課題に他人を参加させる能力 - 他人:権力の届かない範囲にいる人も含む(上司、同僚、取引先) - 強力な力で人を引っ張るものではない - フォローアップする能力 - 信頼を与えることによって信頼を得る。部下が成功するお膳立てをする。 - 失敗が許させる「安全」な環境 - タイミング - 成長している時にこそ変化する - 仕事にゆとりのある中間管理職が協力することで変化が起きる - 組織として中間管理職が存在することがゆとり - 学習(ゆとりがなければできない) - チームで学習する - 学習には時間がかかる - 新人には訓練が必要:新しい仕事をベテランより遥かにゆっくりやることによって練習すること - 第4部 リスクとリスク管理 - 成長するためには、リスクは必要なので、失敗に備えておくことが重要 - コストと時間にゆとりを持っておく - リスク管理 - 不確定性を数値化して、向き合う ## 所感 とても読みやすいです。 プロジェクト管理について具体的に書かれてはいませんでした。 成長する組織のあり方について、これまでのマネジメント勉強会でも紹介されていたこと重複した内容が多かったように思いました。 ## お勧め度(★★★☆☆) ## 質疑応答
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