# 問題発見力を鍛える ## 2022/02/17 田邨 知浩 ## 書籍情報 [問題発見力を鍛える](https://www.amazon.co.jp/dp/4065208904/ref=cm_sw_r_tw_dp_SBDP3F1FE592EXSZ85K3)  (講談社現代新書) 新書 – 2020/8/19 細谷 功 著 200ページ ## どんな本? amazonイントロより > デジタルの進化と新型コロナ問題で、もはや何が起こるかわからない、いままでの常識が通じない時代(VUCAの時代というそうです)が一気にやってきました。これに立ち向かうには自分の頭で考えて、問題・課題を発見する能力が不可欠です。 > あの『ノートの魔力』で絶賛された『具体と抽象』はじめ、「アナロジー思考」「メタ思考」などを平易に解説したビジネス思考法のベストセラーを書いてきた著者が、「問題発見力」を切り口に、様々な思考法を解説します。 章立て > 第1章 なぜ問題発見力が問われる時代になったのか 第2章 問題発見は常識を疑うことから始まる 第3章 問題発見とは新しい「変数」を考えること 第4章 「ギャップ」に問題発見のヒントあり 第5章 「具体と抽象」を駆使して自分の頭で考える 終章 問題発見力を鍛えるために今後やるべきこと ## 参考にすべきトピック ### VUCAの時代 - Volatility/変動性、Uncertainty/不確実性、Complexity/複雑性、Ambiguity/曖昧性 - グローバル化とデジタル化の進展により加速 - **今後は問題解決力よりも問題発見力が重要になってくる** - 与えられた問題を解くから、自ら能動的に問題を発見することにシフトせざるを得ない - 問題解決はAIやより低コストな解決方法へ ### 問題の3領域 | No | 問題は? | 答えは? | | -------- | -------- | -------- | | 1 | ある | ある | | 2 | ある | ない | | 3 | ない | ない | 2 ⇒ 1 にするのが問題解決 3 ⇒ 2 にするのが問題発見 ### 知の3領域 | No | 認知 | | -------- | -------- | | 1 | 既知 | | 2 | 既知の未知(知らないことを知ってる) | | 3 | 未知の未知(知らないことを知らない) | 「無知の無知」は2が大きいと認識 「無知の知」は3が大きいと認識 ### 問題解決力と問題発見力は逆のベクトルである - 問題解決はHowで表すが、問題を内向きに収束させる考え方。問題発見はWhyで表すが、問題を外向きに拡大させる考え方。 - 5W1Hの中でもWhyは異質 - Whyだけは名詞で語れないもの - 4Wは「個別事象」が対象で Whyは「関係性」が対象となる ### 問題発見力を引き出す思考法 - 無知の知を自覚する - 知らないことが起点 - 問題発見力のアウトプットは「問い」/問題解決の場合はアウトプットは「答え」 - 常識を疑う - 認知バイアス(思い込み、偏見)/確証バイアス(見たいものだけが見える)の歪みを自覚する - フレームを定義しなおす - 「線を引く」ことの功罪を理解する - カテゴライズもバイアスになるが、問題発見の手段でもある - 具体と抽象を意識して行き来する - メタ認知による新たな関係性を発見する - ちょっと脇道ネタ - 総論賛成各論反対は、総論を抽象として都合よく解釈し、各論は具体として捉えているから起きる - コミュニケーションの問題は具体と抽象の双方のギャップから生まれることも多い - 人は、他人のことは抽象化しがち、自分のことは具体化しがち。 - 問題は「変数」と捉えると良い - ex. 料理を「味」と「値段」だけじゃなく、「映え」も重要と捉える - ex. 「忙しい」は問題?真の変数は「仕事の優先順位」や「効果」では? - 問題はギャップから生まれる - 地域差の価格ギャップ - 業界/商習慣のギャップ - アナロジー思考 - あるところからないところに移動する - ギャップの解消はファクターとしては2つあり、後者は忘れがちだが非常に重要 - 商品/製品/事象の価値 - 顧客の期待値のコントロール ## 所感 ### この本を選んだ背景 - マネージャー/リーダーの業務は、(やり方は色々あるものの)『ルーチン的な業務(目標管理、査定・評価など)』と『非ルーチン的な業務(部門やチームの成果を最大化するための施策を考え実行する、)』部分があると思います。今回はその後者に目を向けたいと思った。 - ラクーンOGの小林りんさんはリーダーの3資質として(1)問題設定力がある、(2)リスクを取る、(3)多様性を受け入れる(D&I)、と定義したらしく凄く共感しています。 - この中でも(1)問題設定力はアクションプランを見出す起点になる部分だと思いますが、実はあんまりこれを実施するためのナレッジって不足しているのでは?と思ったから。 ### 読後所感 - そんなに内容が厚い本ではない。ざっと読める。コロナ禍とかまさに今を扱っている本なのでそんな意味でも読みやすい。1年経ったら速攻風化する本。 - 認知バイアスやアナロジー思考など問題設定力をつける為の一般的な考え方を平易にダイジェストで説明してくれている。 - 小方さんの研修や発言はこの「問題発見力」に関わる部分が非常に多い。イントレプレナーの資質とリンクするところがあるのだろう。 ## お勧め度(☆☆☆☆☆) ★★☆☆☆ ## 質疑応答 - フレームを定義しなおすとは? - 自分流を見直す際には、フレームワークを適用し、歪んだ部分を見つけることができる、という意味(リフレーム) - 問題発見力のアウトプットは「問い」/問題解決の場合はアウトプットは「答え」 の意味は? - 答え(「問題解決」)迄求めると「問題発見」へのフォーカスができなくなることもある。問をファーストステップとしてアウトプットに定めることでハードルを下げるという意味と理解した。 - 具体的な良い問題発見の例みたいなものの記載はあるのか? - 無い。あくまで「問題発見力」を高める思考方法みたいな部分迄になっている。