# 組織デザイン ## 2022/01/31 樫﨑 ## 書籍情報 [組織デザイン](https://www.amazon.co.jp/dp/4532110238) 沼上幹 著 ## どんな本? - 著者について - 一橋大学商学部教授 - ミスミグループ本社取締役、JFEホールディングス監査役なども務めた - 303ページ - 2004年の本 - [hey社CTOのnote](https://note.com/fujimuradaisuke/n/n75b4018c5896)から見つけて読んでみた本 - > 組織についての本はこれが間違いなし。弊社CEO、弊社人事、弊社EM、みんなこの本を決定版と言います。組織化の本質は分業であるというところから機能別組織と事業部制組織、マトリックス組織の良し悪しまで、およそ組織について語る上で必要なことが全部書いてあります。エッセンスがギッチギチに詰まった濃度の高い本なので、ゆっくり読みましょう。 - しばらく前に[同じ著者の本](https://www.amazon.co.jp/dp/4480059962)を読んだことがあり、そちらも論理的で分かりやすかった - 今回は局所的なマネジメント論や経験則から語る本ではなく、経営学的視点から組織を分析しているような本を読みたかった ### 章立てと概要 - 序章:組織デザインとは何か 1. 「組織的」とはどういうことか 2. 組織デザインの手順とポイント - 導入的役割 - Ⅰ:組織形態の基本形 1. 組織形態の基本形を学ぶ 2. 基本形のバリュエーションを理解する - 組織の基本形(機能別組織、事業部制組織、マトリクス組織の3つ)の説明 - >まず初めに組織形態の基本形を学び、「その基本形よりも少しだけ分権化を進める」とか、「基本形よりも水平方向のコミュニケーションを活発化するように工夫を付け加える」といったような修正・補正を加えていく作業が実際の組織デザイン - Ⅱ:分業のタイプ 1. 分業の種類 2. 各タイプの分業とメリット 3. 分業がもたらすデメリット - どのような分業のタイプがどのように生産力を高めるのか基本原理を説明 - 垂直分業、水平分業(機能別分業、並行分業) - Ⅲ:標準化を進めるー事前の調整 1. 調整の基本枠組 2. 標準化とは 3. 処理プロセスの標準化ープログラム 4. アウトプット側面の標準化ーアウトプット・コントロール 5. インプットの標準化 6. 戦略シナリオの共有 - 一旦分業されたものが全体としてまとまるためには調整が必要 - インプットの標準化(働く人々や用いられる機器の標準化) - スループットの標準化(業務のマニュアル化・プログラム化) - アウトプットの標準化(目標や評価の標準化、スペックとインターフェースの標準化) - Ⅳ:作業の流れー処理プロセスのスムーズな連動 1. バランスの取れた生産工程 2. 現実の生産工程ー生産能力にデコボコがある場合 3. バッチ・サイズの小規模化 - 各処理の中でのボトルネックについて - アジャイル的な内容 - Ⅴ:ヒエラルキーのデザイン 1. 事後的調整手段としてのヒエラルキー 2. 事前と事後の振り分け 3. ヒエラルキーの設計①ー管理の幅とフラットな組織 4. ヒエラルキーの設計②ー例外処理機構としてのヒエラルキー 5. ヒエラルキーの設計③ーグルーピングの原則と事業部制 6. ヒエラルキーのその他の意義 - 不確実性や例外発生への対応機構としてヒエラルキーが基本である - Ⅵ:水平化関係とその他の追加的措置 1. 環境マネジメントとスラック資源の創設 2. 情報技術への投資 3. 水平関係の創設 4. 終わりに - ヒエラルキーで対応しきれない場合に水平方向で調整を行う必要があり、どのように調整を行うのか - プロダクトマネージャーの話も - 終章:結びに代えて 1. まとめー調整手段のポートフォリオとしての組織デザイン 2. 残されたデザイン問題ー若干の補正要因 - まとめおよび人材育成や戦略創発効果に関する補足的内容 ## 参考にすべきトピック ### 組織形態の基本形 - 機能別組織 - 研究開発部門・生産部門・販売部門のように機能別に組織を分けるパターン - 機能的な基盤を共有・統合することに重きを置く。コストダウンや付加価値アップを狙う - 事業部制組織 - 製品、地方別に組織を分けるパターン。それぞれの事業部が研究開発部門・生産部門・販売部門などを持つ - 製品や市場への適応を重視。個々の製品や市場への柔軟・迅速な対応を狙う - 発展形がカンパニー制 - マトリクス組織 - 縦軸に事業部、横軸に機能別組織でそれぞれがトップを持つ - 製品・市場の要求と機能の要求が対立した場合にトップ同士がどの軸を優先するか議論してバランスを取る 現実にはきれいにどれかのパターンに当てはまることはなく、それまでの歴史的経緯や調整の結果として中間的な形を取ることが多い。 ラクーンの場合、古くは機能別組織だったが、サービスが増えたタイミングで事業部制組織が形成され、さらにMAが進んでカンパニー制へと発展。一方でデザイン部や技術部、人事総務部などは機能別組織の形態を保っている。 ### 労働力の標準化 >プロフェッショナルは非常に深く狭い専門知識を狭く保有するのに対し、事業部長は中程度の専門性を広く保有する仕事なのである (中略)ゼネラリストとは何にもできない人を言うのではなく、何でもできる人のことをいうのである。 - プロフェッショナルを雇うことのメリット - 会社側が業務の標準化やプログラム化に労力を割かずにプロフェッショナルに任せてしまえば良い - プロフェッショナルを雇うことのデメリット - 賃金が高い - 専門領域を超えた調整・統合が難しい - 専門領域への忠誠はあるが、組織への忠誠が弱く、プライドが高い人も多い ### ボトルネック 生産工程のボトルネックへの対処方法 - 作業工程の変動性を小さくする - 作業手順の標準化、労働者教育の標準化 - 順序的な相互依存関係の見直し - 直列的な工程を減らす - 先頭の工程から最終工程にかけてフラットに生産能力をバランスするのではなく、尻上がりに「バランス」させる ボトルネック工程は常に稼働し続けられるよう努力・配慮する 非ボトルネック工程はボトルネック工程が止まる原因にならないように遊休時間を使って質を上げる(不良品率を減らす) ### ヒエラルキー 事前の調整手段としての標準化を行っても対処できない不確実性に対してはヒエラルキーを用いて対処することになる 関係者同士が直接相談することも可能だが、調整コストが大きくなるためヒエラルキーで対処するのが効率的 不確実性を最小にすべく標準化を行うこともできなくはないが、膨大な規則が必要でそれを用意するためのコストが大きくなることや、融通の利かない組織になるリスクがあるので、意図的にある程度はヒエラルキーで対処する事項として残しておくべき ヒエラルキーの階層が浅い組織=一人の管理者が多数のメンバーを管理する組織、を「フラットな組織」という 以下のような状況ではヒエラルキーの階層が深くなる - 例外発生が多い - 例外の分析が難しい - 例外にかけられる資源が少ない フラットな組織を進める方法 - 組織メンバーの知識・熟練水準を上げる - マニュアルを充実させる - 管理職の能力を開発する →「フラットな組織」といえばメンバーが自由になるイメージはあるが、マニュアルに縛られたり、管理職の権力が強まることになるので行動の自由度が高まるわけではない ## 所感 - 説明が論理的かつ分かりやすい - 内容が濃く1ページたりとも無駄がない - 何となく分かったつもりでいた既存の組織構造にはどんな効果、良し悪しがあるのか分かる - 役員陣や人事部の人にとっては当たり前の知識なのかも? - エッセンスがギッチギチに詰まった濃度の高い本なので説明しきれない ## お勧め度(☆☆☆☆☆) - ★★★★★ ## 質疑応答
×
Sign in
Email
Password
Forgot password
or
By clicking below, you agree to our
terms of service
.
Sign in via Facebook
Sign in via Twitter
Sign in via GitHub
Sign in via Dropbox
Sign in with Wallet
Wallet (
)
Connect another wallet
New to HackMD?
Sign up