# ITILはじめの一歩 ## 2022/01/13 駒崎 ## 書籍情報 ITILはじめの一歩 ## どんな本? 「ITIL」はIT企業の人気資格でしたが、昨今は製造、金融、物流など、他業界でも導入のが進んでいます。 本書は「ITILってそもそも何?」という人のための基礎入門です。 「八百屋にITILを導入したらどうなるか?」のように、わかりやすいケーススタディを用いて、ITILの基本をやさしく解説しています。 ### 章立て - Introduction ITILって何だろう? - Chapter01【Case Study1】八百屋にITILを導入したらどうなる?~スムージー、始めました~ - Chapter02【Case Study2】旅館にITILを導入したらどうなる?~温泉若女将の湯けむり奮闘記~ - Chapter03【Case Study3】喫茶店にITILを導入したらどうなる?~新米アルバイトの悪戦苦闘~ - Chapter04【Case Study4】メーカーにITILを導入したらどうなる?~下町おもちゃ工場が一発逆転!~ - Chapter05 あらためて…ITILの概要と活用 - Chapter06 ITIL何でもQ&A - Chapter07 ITIL 4の概要 ## 参考にすべきトピック - Chapter01 - 八百屋のオヤジと娘の対話。不要なおまけ、帳簿、新商品開発(スムージー)など - サービスストラテジ、サービスデザイン、サービストランジション、サービスオペレーション全体をざっくりとストーリー仕立てで説明 - サービスとは: - ITIL用語:顧客が特定のコストやリスクを負わずに達成することを望む成果を促進することによって、顧客に価値を提供する手段 - 顧客にとって本当に価値があることを提供することをサービスと呼ぶ - 見える化がマネジメントの基本 - 現在の状況を数字で表す(事実) - デミングサイクル(PDCA)のダブルループ - Doの中にもう一つのPDCA - 小さいPDCAで目標達成に向けてコントロールしつつ、 - もう一つ上の目線で目標や進め方の見直しを行う(軌道修正) - 顧客志向 - お客様にとって価値があることは何か? - ターゲットが求めるものを明確にする - 相手が求めるものと合致しなければ価値は低い - プロダクトアウトよりマーケットイン - ものづくりから「コト」づくり(顧客体験)へ - まとめ - 価値を提供するためにはターゲットの生の声を聞き、ターゲットの目線になって考える必要がある - 求められる価値は変化し続ける - より良くするには何をすべきか考え行動する - Chapter02 旅館編 - 旅館の女将と中居によるインバウンド戦略の立案と実行 - ターゲットの目線になるため - 話し合いの場を持ち、生の声を聞く - 様子を観察する(シャドーイング) - アンケートを取る - 普段の行動を分析し、需要を予測する - ターゲットの気分でサービスを利用してみる - ペルソナ(具体的な人物像) - サービスカタログ - 稼働中のすべてのITサービスに関する情報を格納するデータベースまたは構造化された文書 - メリット - 何を提供しているのか明確に説明でき、差別化しやすくなる - サービスに対する事前期待が大きくなりすぎない(期待管理) - 定義がないと「何でも対応する」というスタンスになりがちで最適化されない - 最新の状態を保つ:サービスカタログ管理 - お客様の管理、サプライヤの管理 - サプライヤ: ITサービスを提供するために必要となる、商品サビスの供給を責務とするサードパーティ - どのような情報を蓄積して分析すべきか考え、改善してゆく - 需要管理 - サービスに対する顧客の需要を把握、予測し、それに影響を及ぼすことを責務とするプロセス - キャパシティ管理 - 構成アイテムまたはITサービスが供給できる最大限のスループット - 可用性管理 - ITサービスまたはその他の構成アイテムが、必要とされたときに合意済みの機能を実行する能力 - サービスポートフォリオ - サービスプロバイダーが管理するすべてのサービスを集めたもの - 今後どのようなサービスを提供するかという戦略を内部で共有する - アイデアの裏付けと関係者への共有、準備をするためのインプット - Chapter03 喫茶店 - アルバイトが業務改善 - インシデント管理 - ITサービスに対する計画外の中断、またはITサービスの品質の低下 - サービスにまだ影響していない構成アイテムの障害もインシデント - 要求実現 - サービス要求:質問や簡単な依頼 - なにかの提供を求めるユーザからの正式な要求。情報、助言、パスワードリセットなどの作業 - サービス要求がある=満足できていない - 実現して価値を提供すること - 問題管理 - 問題:一つまたは複数のインシデントの原因 - インシデントに対する恒久的な対策 - リリース管理、展開管理 - リリース:変更する内容 - 一緒に構築され、テストされ、展開されるITサービスに対する1つまたは複数び変更 - 展開:サービス運用中の現場に適用する活動 - 新規または変更されたハードウェア、ソフトウェア、文章、プロセスなどを稼働環境へ移行することを責務とする活動 - リリースのデプロイ後に起こることを想定してテスト - 新しいリリースの内容やデプロイスケジュールを関係者に事前に共有 - 変更管理 - 変更: ITサービスに影響を及ぼす可能性のあるものを追加、修正、または削除すること - リリースを作ってデプロイ前に変更してよいか複数の視点で話合う - 構成管理 - 構成:連携してITサービスを提供する構成アイテムのグループ、またはITサービスの認識可能な一部分を指す総称 - サービスを構成するアイテムを管理すること - 構成アイテムは何?アイテムの関係は?どこにある?状態は?だれが管理?バックアップは? - ナレッジ管理 - ナレッジ:個人の暗黙の経験、アイデア、洞察、価値、および判断から構成される - 人々は自分自身および同僚の専門能力、並びに情報の分析からナレッジを得る - これらの要素の統合によって新しいナレッジが創出される - 組織としてサービスを提供する場合、「能力が高い人を増やす」だけでは不十分 - 属人化を減らし、組織を強化 - Chapter04 おもちゃ工場 - 組織改革のプロが立て直しを図る - サービスを管理する - プロセスを定義する:大きな流れ - プロセスを洗練させる - インプット、アウトプット、測定項目を定義 - プロセスを導入する - 社風の理解、人間関係の把握 - 効果的な進め方 - トップダウン、説明型、段階型 - 小規模にはじめて、まずは結果を出す Small Start, Quick Win - コミュニケーション計画 - 変化に対する抵抗を抑え、変わることを助ける「組織変更管理」 - プロセスの標準化 - 組織の成熟度を5段階で表すCMMI(Capability Maturity Model Integration) - Lv1: 場当たり的。プロセスの定義なし - Lv2: 基本的なプロセスは確立。成功経験を反復するためのプロセス規律がある - Lv3: 標準的なプロセスが文書化 - Lv4: 最適化されたプロセス、品質に関する詳細な測定 - Lv5: 革新的なアイデアや技術の施行とプロセスからの定量的なフィードバックによる継続的なプロセス改善 - マネジメントのゴール - 改善し続けること - 改善し続けることができる組織をつくること - 組織の3階層 - 戦略層: 組織の中長期的な方向性と大枠のリソース配分を決める - 戦術層: 戦略を実現するための具体的な計画を立案 - 運用層: 戦術層で決めた施策を実現 - 3層がシームレスに連携することでビジネスがスムーズに回る - ITILの根幹の3つのP - Process: プロセスを定義し、導入する - Product: 管理ツールを活用する - People: 理解し、実践する人材を育てる - (Partner) ## 所感 ラクーンに足りない部分が結構あると思います。 エンジニアだけでなく、ITILはラクーン全体で必修科目にしてもよいレベルだと思います。 営業やエンジニアといったロールに関係なくサービスバリューマネジメントは抑えておいて損はありません。 ## お勧め度(★★★★☆) 入門書としてよく構成されており、v4にも対応した良書です。 IT以外の業務をケーススタディとして扱っており、エンジニア以外にも理解しやすい内容になっていますし、とてもシンプルです。 当然ですが範囲や内容は薄っぺらいです。 私が選択した時期ではKindle Unlimited対象だったのですが、いまは対象外の模様。 ## 質疑応答