# THE TEAM 5つの法則
## 2021/07/01 駒崎
## 書籍情報
THE TEAM 5つの法則
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PZB9DTK
## どんな本?
- チームの全メンバーがチームとは何かを考え、実践するためのメソッド集
- 「チーム」の基本について体系立てて学べる本
- 5章構成で、各章は「法則」「具体的事例」「チェックリスト」で構成されており、巻末に「学術的背景」
- 目標設定、人員構成、意思疎通、意思決定、共感創造
- 興味ある項目だけをつまみ読みもしやすい
- 251ページ
## 参考にすべきトピック
### 1.AIM(目標設定)の法則
- 共通の目的がない集団は「チーム」ではなく「グループ」
- チェスター・バーナード「組織の成立条件」
- スティーブン・ロビンス「チームとグループの違い」
- 誤解【目標を確実に達成するのが良いチーム】
- 人は目的意識で見えるもの・聞こえることが変わる(カラーバス効果)
- チームの活動は掲げる目標や目的に支配される
- チームに設定した内容次第でメンバーの思考や行動が変わる
- 正解は【目的を適切に設定するのが良いチーム】
- 目標の3分類
- チームの状態に合わせて目標を設定する
- サミュエル・I・ハヤカワ「抽象のハシゴ」
|分類|例|取るべき行動の明確さ|ブレイクするーの起きやすさ|チームの状態|
|-|-|-|-|-|
|意義目標(OKR)|日本を良くする|何をすべきかわかりにくい|大きく化けやすい|メンバーが自ら考え行動できる|
|成果目標(MBO)|売上1億円|中間|中間||
|行動目標(振り返り)|毎日10件アポを取る|やることが明確|化ける可能性は低い|メンバーが自分で考えて行動できない|
- 意義目標がなければ作業と数字の奴隷になる
- ビジネスの目標設定のトレンド 行動目標(高度経済成長。昭和)→成果目標(MBO。昭和〜平成)→意義目標(今)
- 行動目標だけではチームに意思が生まれない
- まとめ
- チームのパフォーマンスは目標設定に大きく左右される(目標に依存する)
- チーム活動の意義が明確に言語化されることでメンバーは自主性と創造性を発揮する(意義を理解し、すべきことを見つける)
### 2.Boarding(人員選定)の法則
- チームで最も大切なメンバー選びとメンバー替え
- 採用がうまくいっても組織がうまくいくとは限らないが、採用の失敗は何をしても挽回できない
- 状況に合わせて「誰をバスに乗せ、どのように降ろすか」を検討する
- チームの4タイプ
|タイプ|環境の変化度合い|人材の連携度合い|
|-|-|-|
|駅伝型|小|小|
|野球型|小|大|
|柔道団体戦型|大|小|
|サッカー型|大|大|
- チームの流動性と固定性
- 環境変化が大きい: メンバーは入れ替えを前提に流動的なチーム
- 環境変化が小さい: メンバー選びにこだわった固定的なチーム
- チームの均質性と多様性
- 人材の連携度合いが大きい: 異なるタイプを揃える(多様性の高いチーム)
- 人材の連携度合いが小さい: 似たタイプを揃える(均質性の高いチーム)
- ビジネスのソフト化・短ライフサイクル化によって流動性・多様性が高いチームが求められている
- まとめ
- 「何をやるか」以上に「誰とやるか」はチームパフォーマンスに多大な影響を与える
- チーム/メンバーは誰かから与えられるものではなく、自分で探して見つけ、連れてくるもの
- 今チームに必要なメンバーの特徴を理解していなければ、メンバー集めは成功しない
### 3.Communication(意思疎通)の法則
- 実はチームのコミュニケーションは少ないほうが良い
- メンバー同士の連携を全てコミュニケーションで担保すると破綻する
- 適度なルールを定めると効率がよい
- 細かすぎるルールは悪影響
- ルール設定の4つのポイント
- ルールの設定粒度(増やすか、減らすか)
- 変化が大きく臨機応変な対応が中心ならルールは少なめ
- 荒い、細かいや、多め、少なめ
- 権限規定(誰がきめるか)
- 物作りなら取りまとめが必要
- メンバーが決める、チームで決める、リーダーが決める
- 責任範囲(どこまで責任を負うか)
- 連携度合いが低ければ個人の担当領域で十分
- 個人の担当領域だけに注力するか、チーム全体の成果に責任を持つか
- 評価対象のルール(何を評価するのか)
- チームの成果を一人一人に分解できるか?
- 成果を評価するのか、プロセスを評価するのか
- 確認頻度
- 変化する状況に対応するようなチームなら頻繁に
- コミュニケーションを阻むのはいつだって感情
- チーム内のコミュニケーションに無駄があっても良い
- 「理解してから理解される」という人間関係の真実
- 7つの習慣の1つ
- 相手を理解しようとした時に相手からも理解される
- 「誰が」伝えるかが重要
- チームメンバーの人生を知っているか?
- 相手の全体像を知るための質問「水平質問」
- 相手の経験や感覚まで掘り下げる質問「垂直質問」
- モチベーショングラフを作って「経験」「感覚」を共有してみる
- 「伝える」から「伝わる」、そして「動かす」コミュニケーションを目指す
- 相手の特徴を知らなければコミュニケーションは成立しない
- モチベーションタイプ
|タイプ|説明|反応しやすい言葉|
|-|-|-|
|アタックタイプ(達成)支配型欲求|自力本願。成功したい。影響を与えたい|敵味方、損得、すごい|
|レシーブタイプ(貢献調停型欲求)|人の役に立ちたい。平和。中立|善悪、愛憎、ありがとう|
|シンキングタイプ(理論探究型欲求)|知識を吸収したい。物事を究明したい|真偽、因果、正しい|
|フィーリングタイプ(審美想像型欲求)|新しいものを生み出したい。楽しいことを計画したい|美醜、苦楽、面白い|
- どうせ・しょせん・やっぱりがアイデアを殺す
- 心理的安全をチーム内で醸成し積極的な発言や行動を引き出す
- 心理的安全の4つのポイント(NGワード)
- こんなことも知らないのか
- こんなこともできないのか
- 今の言う意味あった?
- それば絶対違う
- 時代に求められるのはルールよりもコミュニケーション
- 相互理解と心理的安全を意識して1on1を実施
### 4.Decision(意思決定)の法則
- 誰も教えてくれない意思決定の正しい方法
- 社会心理学では複数人が集まると不適切な決定をしやすい説あり
- アーヴィング・ジャニス「集団浅慮(グループシンク)」
意思決定の3分類
||納得|時間|
|-|-|-|
|独裁|低い|短い|
|多数決|||
|合議|高い|長い|
- 合議はスピードとセット
- KT法
- 情報把握、問題分析、決定分析、潜在的問題・潜在的好機分析
- ①選択肢を選ぶ基準を定る
- ②優先順位をつける
- ③優先度の高い選択肢を選ぶ
- 正しい独裁はチームを幸せにする
- 圧倒的な速さを担保できる
- 先送りしない。その場で決める
- 正しさにこだわらず、「強く」「早く」決める
- 選んだ選択肢を成功させる
- チェスで5秒で考えた手と30分考えた手の86%は同じ
- 独裁者が持つべき「影響力の源泉」(賛同してもらいやすくなる)
- 専門性(技術・知識):すごい
- 返報性(支援・関与):ありがたい
- 魅了性(外見・内面):すてき
- 厳格性(規律・威厳):こわい
- 一貫性(方針・態度):ぶれない
- ロバート・B・チャルディーニ「影響力の武器」
- まとめ
- チームのパフォーマンスはメンバーの活動の積み重ねより、要所要所でのチームとしての意思決定で決まる
- 意思決定の方法を決める
- 決めた内容を正解にする努力をする
### 5.Engagement(共感創造)の法則
- 超一流でもモチベーションに左右される
- モチベーションは「ある」「ない」「高い」「低い」
- 全てのチームメンバーはモチベーションに左右される
- モチベーションを科学する。気合で人は動かない
- 共感を高める4P
- Profession: 活動、成長
- Privilege: 待遇、特権
- Philosophy: 理念、方針
- People: 人材、風土
- チームのどこに共感させるか
- 戦略的に資源の配分が必要
- メンバーは何に共感して活動しているのかを明確にし、エンゲージメントを高める軸を明確に
- エンゲージメントを生み出す方程式
- エンゲージメント = 報酬・目的の魅力(やりたい)x 到達可能性(やれる)x 危機感(やるべき)
- メンバーのエンゲージメントを高める方程式をチームに埋め込むことが大切
- ビクター・H・ヴルーム「期待理論」
- 今の人は「感情報酬」で動く
- 理念への共感、仕事のやりがい、仲間とのつながりなど
- 金銭報酬・地位報酬も大切だが、感情報酬も重要視すべき
### おまけ:チームの落とし穴
- 自分ひとりくらい、という落とし穴(社会的手抜き)
- 当事者意識が低くなると起こる
- 3人で10時間の単純作業が、10人で3時間では終わらない
- 防止策は当事者意識と責任、そして参画感
- あの人が言っているから、という落とし穴(社会的権威)
- 肩書や経験のある人にやみくもに従ってしまう
- 防止策は議論
- みんなが言っているから、という落とし穴(同調バイアス:ハーディング効果)
- 周囲の人と同じ選択をして安心感を得たくなる
- 防止策は「雰囲気」のコントロール
- あの人よりやっているから、という落とし穴(参照点バイアス)
- リーダが遅刻しているから自分も遅刻する(悪いアンカリング)
- 防止策は基準
## 所感
- 感覚的に「そんな感じかなぁ」と思っているあたりが言語で明確にされている。
- 100%同意ではないけど、7割程度腑に落ちる
- 難しい内容は一切なく、読んでいて納得できるし、やれそうな気がする内容。
- チェックリストもあり実践もしやすい内容なので、良いと感じた項目をぜひ試したい
## お勧め度(☆☆☆☆☆)
★★★★☆
メンバーで輪読会などやってみたい。
## 質疑応答