# 予定通り進まないプロジェクトの進め方 前田考歩著 (長谷川) ## 書籍情報 「予定通り進まないプロジェクトの進め方」前田考歩 https://www.amazon.co.jp/dp/product/4883354377 ## どんな本? 著者考案の「プロジェクト譜」によるプロジェクトの可視化と、それを用いて状況をハンドリングするための手法の紹介 またその前段として、プロジェクトというものの性質や、一般的なプロジェクトマネジメント手法の紹介、プロジェクト工学について、などが述べられています。 章立て - 第1章 なぜプロジェクトは失敗するか - プロジェクトは予定通り進まないのが当然である、という大前提と、状況をいかに把握し対応するかが大事という説明 - 第2章 プロジェクトの道具箱 - PMBOKについてや、プロジェクトのスタイル(ウォーターフォール、アジャイル)など、一般的なプロジェクトマネジメント手法についての紹介 - 第3章 プロジェクト工学 - 「プロジェクト譜」のベースとなるコンセプト「プロジェクト工学」の概説と、プロジェクト工学の3つの法則について - 第4章 プロジェクト譜~プ譜を使ってみる~ - プロジェクト譜の概要 - プロジェクト譜の書き方の説明 - 仮想プロジェクトを題材としたプロジェクト譜を通しての説明 - 第5章 プロジェクト・エディティングの技術 - プロジェクト譜の応用の為に、認知科学の推論方法について説明 - プロジェクトが膠着状態になった場合の対策について - 第6章 プロジェクトの感想戦 - プロジェクト譜を使っての感想戦を実施する上でのポイントなど - 終章 - あとがき ## 参考にすべきトピック ### 第1章 なぜプロジェクトは失敗するか - プロジェクトの本質として「プロジェクトが計画通り進むことはほとんどない」「想定外は当たり前」である - 遅延が発生しても「順調に遅れている」ぐらいの心持 - 想定範囲内の遅れに収まったなら、その計画は成功 - 状況を受け入れていかに対応するがが重要 - 当初立てたの計画に固執することが最も愚かなこと ### 第2章 プロジェクトの道具箱 - 優秀なプロジェクトマネージャは的確な読みを駆使して物事を前進させる - それを可能にするのは - 状況の評価 - 次のアクションの選択 - リソース配分 - 状況により、細部まで読んで対策を練るか、深く読まずにスピード重視で動くか、の判断も必要 - いくら読んでも、どう対処しても変わらない現実に対してリソースを消費することは無意味 - 意地やプライド、損切りできない弱い気持ちなどから、ここの判断を間違えがち ### 第3章 プロジェクト工学 - そもそも上手くいかないように出来ているプロジェクトというものを前に進めるにはどうしたらよいか? - 「獲得目標」「勝利条件」を状況によって更新することが重要 - 「獲得目標」・・・最終目標 - 「勝利条件」・・・成功判断の基準 #### プロジェクト工学における3つの基本法則 - 基本法則1.「やったことのない仕事の勝利条件は、事前に決められない」 - 勝利条件は状況によって変化するものだから、とのことだったが、、法則に関する説明はしっくりこなかった - 基本法則2.「プロジェクトにおいては、こうあれかしと考えて立案した施策が、想定を超えた結果をもたらす」 - 状況が原則通りなのか、例外なのか、それによって課題解決の手筋が変わる - 既知の範疇の課題なら、しっかり読み切って解決 - 未知を含む場合、冷静に(としか書かれてない、、) - 後述の「アナロジー」「アフォーダンス」「アブダクション」に繋げるため? - 基本法則3.「プロジェクトの過程における施策の結果もたらされる状況は、即座に次の局面の制約条件となり、時にプロジェクトの勝利条件そのものの変更すらも要求する」 - 課題解決の施策実施の結果が、次の局面での制約条件としてビルトインされる場合がある - ex) - プロジェクトが遅延 ↓↓↓ - プログラマー、テスターを増員 ↓↓↓ - 情報伝達が難しくなる ↓↓↓ - 情報伝達のためのコスト増や、情報伝達が不十分となるリスクが以降の制約条件に ### 第4章 プロジェクト譜 ~プ譜を使ってみる~ - プロジェクト譜の目的 - プロジェクトの状況変化や関係を可視化することで、問題を理解し解決しやすくするためのもの - 認知リソースを低減(脳の負荷軽減)出来るメリットも - プロジェクトマネージャとしてのスキル向上に活用 - 1.過去や他者ののプロジェクト譜を読んでの学び★ - 2.感想戦★ - 3.仮想演習 - プロジェクトマネジメントでは実戦経験が重要だが、そう簡単に数をこなすのは難しい - →学習題材としての利用価値 - プロジェクト譜の構成要素 - 1.勝利条件 - 2.廟算八要素 - 3.中間目的 - 4.施策 - 5.事象 #### 1.勝利条件 プロジェクトのゴール、成功条件 #### 2.廟算八要素 - 1.メンバー/人材 - 2.予算規模 - 3.納期/リードタイム - 4.クオリティ/機能 - 5.ビジネスモデル - 6.環境 - 7.競合 - 8.外敵 ※全てを記述する必要は無い #### 3.中間目的 ゴールを達成するための細分化された目的 #### 4.施策 中間目的を達成するための個々の施策 #### 5.事象 施策を実行した後の結果 #### プロジェクト譜は1局面1シート作成する - 第1局面では、勝利条件、廟算八要素、中間目的、施策を記述 - 勝利条件→中間目的→施策の順で - 第2局面では、施策実行結果の事象を記述 - 過去の経験からくるフィルター、心理的バイアスがかからないよう意識して行い、ありのままに記述することが重要 - →解決策に繋がる可能性のある情報を無意識に捨て去らない為 - 第3局面では、前局面を受けての、中間目的、施策の変更・追加 - 第4局面では、施策実行結果の事象を記述 - 以降、繰り返し ### 作成サンプルにて説明 \\\fst\Develop\2_部外開示\1_社員only\開発チーム\staff\hasegawa.yutaka\マネジメント寺子屋\シミュレーション ### 第5章 プロジェクト・エディティングの技術 #### 施策を立てる方法 - アナロジー - 類推し連想する能力 - 過去のプロジェクト譜の事例から、自分のプロジェクトに当てはまる部分、活用できる部分を取り出す - PJ個別の具体情報を捨て、抽象化して結びつける - アフォーダンス - 対象から与えられている可能性に気づく能力 - 事象の中に解決策は潜んでるよ、みたいな感じ? - アブダクション - 仮説を立てて推論する能力 - 事実→仮説→施策 - 膠着状態を打破する発想をする際に有効 ### 第6章 プロジェクトの感想戦 一人では気づけない視点、アイデアが得られる 参加者は、自身のアナロジーを鍛えることが出来る ## 所感 プロジェクト譜の書き方、活用方法は参考になった。 有効性が感じられたので、次のPJで実践してみようと思います。 PJ期間中の状況把握、課題解決で有効そうなのに加え、感想戦や過去のプロジェクト譜を読むことでのプロジェクトマネジメントスキル向上に活かせる点に強く惹かれた 感想戦を使っての勉強会とかもやってみたい それ以外は、割と当然のことを書いている感じだったり、あんまりしっくりこなかったり。 ## お勧め度(☆☆☆☆☆) ★★★☆☆ プロジェクト譜の書き方、勘所など、実運用面が掴めれば十分な感じなので、その辺のまとめとか読むので良さそう 本全体を読む必要はあまりないかも