###### tags: `報告` # 松本市森林再生実行会議提案書(ドラフト) ## 1 はじめに 本提案は、令和3年3月23日に行った「松本市の森林再生に関する提言」では、「山岳都市・松本市相応しい、時代に合った森林の活かし方市民の皆様と一緒に考える」ために、 「今後の山林をどのような形で維持して良いのかわからない山林所有者をはじめとする多くの市民の皆様が、専門家を交えて多角的な森林の利活用や、それを踏まえての今後の山づくりを考えていく。」ことが求められている。 こうした施策の実現にあたっては、「森林の保全、再生及び活用について、具体的な施策を検討することが求められている。そこで、松本市森林再生実行会議を設置し、具体的な施策実行に向けた道筋(ロードマップ)を示し、未来の松本市が健全に森林再生につながるために必要な内容を示すものである。 ## 2 森林再生に向けた課題 ### 現状認識(森林政策の実行に向けた課題) 1. 専門家がいない * 市町村職員の課題 * 行政職員の技術力維持 全国的に見ても、市町村職員採用に際し、林業を専門とする技術職員を採用する事例は少ない。林業を専門とする技術職員が採用されている市町村であっても、採用後に専門技術を磨くような研修機会が少ないため、技術力を向上する機会が少ない。 市町村職員の対応事例を観ると、中高等教育機関で教育指導にあたる講師を招いた職員研修を行っているところや、都道府県や林野庁が主催する研修に参加する事例などがあり、任用した職員の技術力向上に努める事が必要である。 * 林業普及指導員との連携 市町村の林務担当職員の人員数は多くなく、市町村内の広大な森林について、法律で定められた最低限の管理をするだけでも大変である。 長野県では、各地域振興局に林業技術の普及を進める専門職員として、「林業普及指導員」が配属されている。地域によっては林業普及指導員と連携して、地域の森林管理に必要な技術を連携して対応している。林業普及指導員が対応できない事例があれば、県の林業専門技術員や林業総合センターの研究職員の協力を得て技術指導を進めており、こうした連携を強化しておくことが重要である。 * 外部専門家が不在 森林管理を進めるためには、現場の森林を的確に把握し、現状の森林を分析した上で、将来の森林像に対していくつかの提案を行う外部専門家が必要である。 欧州などでは、フォレスターと呼ばれる地域に根付いた森林管理の専門家が存在しているが、国内では育成が遅れている。 大学などの研究者は一定数存在しているが、研究者の場合はそれぞれの専門分野に卓越しているものの、総合的な判断では課題が残る。 林野庁では、林業普及指導員資格の一つとして、「森林総合監理士」制度を発足させているが、現状では都道府県の林業職員として勤務している事例が大半で、地域の現状を理解した上での総合判断を行う専門家がいない。 2. 住民の関心が薄い 住民の意識としては、町の背景として森林があることには必要性を感じているが、その質までは問われていない。 今回森林再生への提言が生まれた背景には、マツ材線虫病による立木の集団枯死により、緑に包まれた森林という背景が変化したことへの危機感。 里山と市民の距離が遠い。 昔は里山で山菜を収穫する、暖をとるために薪や木々を取りに行く、など生活の一部として里山があった。 しかし、人々と里山の繋がりは分断されている。 一方で、マツ材線虫病の被害から次の森林が生育していく過程では、森林と市民との新しい関係が生まれる可能性がある。すでにある森林を大切にするだけではなくて、松本市民と、ともに育っていく森林ができつつあるのである。 3. 市民とは何か?の基本スタンスが曖昧 1)市民の定義 地域の課題を解決するために、市民や住民という言葉が踊るが、現実には「市民」や「住民」が定義されていない。 一般的に考えれば、 「住民」は、松本市に住民票を有する人。 「市民」は、松本市に在住する人+通勤通学先が松本市となっている人 ではないかと思う。 とくに、松本市の森林の今後を考えていく際には、若い世代の市民の関わりが欠かせない。 ここでの課題は、森林というどちらかと言えば非日常の空間を取り扱う事を考えると、週に一度とか、月に一度程度訪れる人(例えば、小山や香山さん)は市民に含めるのか? だと思います、 2)市民に求められる役割 市民が森林再生を考えるとはどういうことなのだろうか? →「市民」に定義された人が、意識していることはなんだろうか? →この定義が、市民会議の方向性、動かし方に効いてくると思います。 ## 3 松枯れ対策と森林の再生 ### 今回の背景となった森林保全対策の具体化 * 小面積単位で現状把握し、森林再生に向けた仕組み作りが必要 * このためには、マツ林の状態と性質による対策の方向性を示すことが重要 * 実際には、被害程度と被害予測に基づく将来像を区分 * それぞれの地区で可能な森林整備の程度から、目標林型を示す ## 4 森林の利活用の枠組み それぞれの地域、所有者により森の取り扱いが異なる * 市町村森林整備計画に示されるような単なる面的ゾーニングとは別の機能区分 防災、里山管理、林業生産など・・ 市民生活を守る視点では、防災に重点を置くべき地域は多い。 一方で、適正な森林管理により木材資源を有効活用する場所も重要。 さらに、人と森林の距離を近づけるために必要な里山利用も必須。 →市民と里山の距離が遠いことへの課題 ## 5 森林の取り扱いと環境政策 * 環境資源としての森林をどのように捉えるのか 山の緑と街の緑の取り扱い →松本版「グリーンリカバリー」のような施策を展開すべきではないか * 森林の定義として、森林法第5条に規定される森林計画区域内の森林に留まらず、第2条に規定される森林計画区域外であっても立木竹が集団で成立している場所、及び公園や墓地、街路樹を含めた都市計画上の樹林についても、市民の目線からすれば、樹木の生育している環境であることから、小規模な森林として取り扱う。 * 但し、森林計画区域内のいわゆる5条森林と、市民に取って極めて身近な緑であると認識される「2条森林」とは、管理方法を大きく変える必要があり、組織、人材についてはさらに横断的に対処することが求められる。 * この考え方は、森林が、松本市の「2050ゼロカーボンシティ」づくりの中でも重要な位置を占めることとトリンクしている。これらの計画・施策とリンクした森林政策である必要がある。 ## 6 人材と組織 * 政策づくりのプロセス →市民が直接携わるためには「松本市森林再生市民会議」が必要 * 松本市森林再生市民会議で行うこと * 会議の構成と構造 ### ロードマップ * 専門家の配置、育成 * 行政専門職 →森林環境譲与税で取り扱う森林経営管理アドバイザーとは異なる。 →本来は、林業普及指導員相当の知識と技術を有することが求められる。 * 森林管理全体を統括する専門員(山守型フォレスター) →5条森林の管理区域全体を長期的視点を持って管理経営を行える人材(民間企業の経営ベースではなく、市町村が責任を持って監理監督を行う中で、市町村とともに支援できる人材) →現在の長野県においては、「長野県林業士」として、こうした視点を持った人材の育成を考えている。「長野県林業士」に認定された認定者はいるが、実際に地域課題への対処可能な人材は極めて少ない(現在、長野県としての課題) * 都市の森林を健全に保全す専門家 「景観形成」を意識した樹林管理が出来る専門家(現在、国内にほとんど存在していないことから、適正管理に向けた研究レベルからの展開も必要となる。 →安曇野市の屋敷林保全の手法や、東京都世田谷区などで行われている巨樹、巨木、段丘崖の保全施策などが参考になると示唆。 * ## 7 引き続きの課題 1. 松本森林再生市民会議の適正運用に向けた課題 実行体制づくり→実行会議の継続?or新たな実行体制づくり 2. 市町村森林計画との関係 所有者確認や境界の明確化 森林所有者との合意形成 地域づくりの中で 森林を捉える 3. 市町村森林計画外となる「森林」の取り扱い 現況森林の取り扱い 公園を含めたグリーンインフラとしての 樹木資源の取扱い 地域住民にとって最も身近な樹木の適正利活用
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