# 【アドベントカレンダー爆散事件】運営の失敗に学ぶ古代ギリシアの教訓 善良なる市民皆さんへ... まず, この場を借りて深くお詫び申し上げます 本記事は[法政大学理工学部AdventCalendar2024](https://adventar.org/calendars/10802), 2日目の反省文と見せかけた古代ギリシア布教記事です とんでもない悲劇が起きました… アドベントカレンダーのページが, 私の手違いにより**爆散**してしまいました せっかく登録いただいた予約がすべて吹き飛びました😭 それは, あたかもイカロスが太陽に近づきすぎて墜落したような, あるいはオイディプスが運命に翻弄されたような, そんな悲劇に他なりません ## 第一歌: 私, イカロスになる ある日, 私はアドベントカレンダーの説明文をちょっぴり変えようと, 編集画面をいじっていました. しかし, いい感じの文章が思い浮かばず一旦編集をキャンセルしようとしたのです. そこには「更新」と「削除」のボタンが! 「更新じゃねーな, 削除でキャンセルになるでしょ」と軽い気持ちで削除を連打... あ, , , ::: info ### イカロスとは? イカロスは, ギリシャ神話に登場する発明家ダイダロスの息子です. 彼ら親子はひょんなことから迷宮に幽閉されてしまうのですが, 流石は天才発明家ダイダロス!彼は蜜蝋と鳥の羽でジェットエンジン付きバックパック的な翼を開発し, 空を飛んで脱獄するのです! 飛び立つ前, 父ダイダロスは息子に「海面に近づくな(湿気で蠟が崩れるので...), 太陽に近づくな(熱で蠟が溶けるので...)」と忠告しました. しかし, 自由に空を飛ぶ力を手に入れた馬鹿息子イカロスは, このまま天高く昇れば神に近づける!とか考えます. そうして太陽神ヘリオスに近づきすぎたヘリオスの翼の蠟が溶け, そのまま自由落下して命を落としてしまいました... この物語は, 古代ギリシアで忌むべきとされたヒュブリス(慢心)が破滅をもたらすことを教えてくれます ##### 教訓: ヒュブってはいけない ::: :::warning 太陽神はヘリオスであり, アポロンではありません. アポロンは**光明**や**音楽**を司る神です... ::: ## 第二歌: プロメテウスの火と保存ボタン さて, 私が今回削除ボタンを押しまくってページを消失させた行為は, 神話の中の**プロメテウスの火**に重なるような気がしてなりません 「ちょっとだけ触って, ほんの少し良くしたい」その思いがさらなる破滅を招いてしまいました. 愚かな私は罰を受けるべきなのです... :::info ### プロメテウスの火とは? **プロメテウス**はギリシャ神話に登場する巨人, ティタン神族(タイタンと表現した方がわかりやすいかな?)です. 彼は, 神々の世界から**火**を盗み, 人類に与えました. この火によって人類は文明を築く力を得ましたが, 一方で**死すべき人間**は醜く争いを始めました. これに最高神ゼウスがぶち切れ!プロメテウスはカフカス山で3万年もの間, 鎖で拘束され, 毎日大鷲に肝臓を啄まれるという拷問を受けました! このエピソードがあまりに有名すぎるため, ゲームやらでよくプロメテウスは火属性として扱われますが, "プロメテウス"という名は"先見の明"を意味し, 全然火を司る神ではありません #### 教訓: 火(削除ボタン)は慎重に扱おう! ::: :::warning ### 死すべき人間なんて過激な表現やめてください! 「死すべき人間」という表現は一見過激に聞こえますが, ギリシャ神話によく出てくる表現です. ギリシャ神話において, 人と神の違いは死ぬかどうかであり「死すべき人間」, 「不死なる神々」という表現で対比されます. また, 神々が不死であるその所以は彼らの食べ物にあります. 彼らはアンブロシア(不死になる食べ物)とネクタル(不死になる酒)を摂取していたため死なないのです. ちなみに, ネクタルという単語はネクターに影響を与えているので, ピーチネクターとか飲んでたら死なないかもしれません(?) 古代ギリシアで食べられていた食事が気になる方は[昨年のアドカレ記事](https://hackmd.io/@lychee1223/AncientGreekGourmet)もぜひ! ::: ## 第三歌: 古代ギリシア流リカバリー術 さて, 古代ギリシアの神々の中で, 私が今特に思いを馳せるのは**アテナ**です. 僕の推し神です. 知恵と戦略を司る彼女なら, 今回のような失敗をどう捉えたでしょうか? きっとこんな感じのことを言うでしょう > 失敗は恥ではない. それを糧に成長しないことが, 真の敗北である こんなセリフは現存しているギリシャ神話にはないですが, 私もアテナのように, 冷静に学び, 未来を見据えて改善を重ねていきたいと思います. あと, 彼女の祝福を得られるよう, 象徴であるオリーブを食べたいと思います :::info ### アテナとオリーブ ギリシャ神話には, 女神アテナが人類にオリーブの木を贈った話があります. それは, 知恵と戦争の女神アテナ vs. 地震と海の神ポセイドンのプレゼントバトルのお話. 彼らは現代ギリシャ共和国の首都にもなっている都市アテナイの守護神の座を巡り, 「人々に最も有益な贈り物をした方を守護神にする」というルールで争っていました ポセイドンは三叉の鉾を大地に突き刺し, 海水を噴き出させ増した. 一方, アテナは槍で大地を打ち, オリーブを芽生えさせました. 勝者は都市の名から一目瞭然ですね. 人々はその実りある贈り物を選び, アテナがアテネの守護神となったのです. (ちなみに, ポセイドンはよく切れるんですが, この争いの後も結果に納得がいかずに切れて洪水を起こしています...) これら一連の物語はパルテノン神殿のレリーフにも描かれています(ほぼ壊れてるけど...) ##### 教訓: オリーブは美味しい ::: :::info ### 古代ギリシアにおけるオリーブの重要性 オリーブは, 古代ギリシアできわめて重要な存在でした. 実は食料として, オイルは燃料や医療, スキンケア, 宗教儀式など, 幅広い用途で活用されました. 特に, オリーブオイルは**香油**としても重宝されていました. オイルに香り高いハーブや花を漬け込み, 運動前や入浴後に体や髪に塗ったり, 儀式で使用したりしました. 加えるハーブや花にはそれぞれ魔術的な効能(風邪に効くレシピや恋愛成就のレシピなど)があり, ここら辺の文献は結構面白いです! 皆さんもぜひ体にオリーブオイルを塗りだくって, さまざまなバフをかけ手見てください! ::: ## 終歌: ごめんなさい 今回のアドベントカレンダー爆散事件はまさにギリシャ神話さながらの波乱に満ちた物語でした. しかし, 古代ギリシアの神々や英雄たちが教えてくれるように, 失敗はそれ自体が終わりではありません. -失敗から学び, 改善を重ね, 次の一歩を踏み出す- それこそが死すべき人間たる私たちの強さなのです はい. やかましいですね. 黙ります. ごめんなさい🙇 それでは, 来年はもっと知恵の詰まった記事でお会いしましょう! エフハリスト!(ギリシャ語でありがとう)