# MRI特論2
皆さんこんにちは。luckyです。
この記事は、[法政大学アドベントカレンダー2024](https://adventar.org/calendars/10131) の 18 日目の記事です。
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先日、回らない寿司屋さんに行ってきました。板前さんが握ってくれたお寿司を食べるところですね。
ミシュラン1つ星を獲得されているお店だそうで、いいお値段したんですが、回転寿司店で、某回転寿司チェーン店よりツーランクかスリーランクくらい上の回転寿司屋さんの方が美味しかったです。
両者のコスパを比べると、回転寿司屋さんの方がコスパが良いので、美味しいお寿司を食べたい時は回る方に行きたいと思います(?)。
(やはりネタは新鮮な方が美味しいということなのか?)
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さて、雑談はここまでにして、本題に入ろうと思います。
前回の記事([MRI特論1](https://hackmd.io/@lucky8810/MRI-Seminar1))の続き、<span style="color: #FF8C00;">**MRI特論2**</span>ということで進めます。
### 前回
前回は「**エネルギーは波である**」ということ、「**エネルギーを与えるとエネルギーは反射される、あるいは吸収される、という現象の観測により、オブジェクトがなんであるかを推定できる**」ということを解説しました。
ここからはMRIで観測する対象、すなわち**人体**について深堀っていきます。
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### 人間の構成について
さて、オブジェクトを推定できることはわかりましたが、どうやってMRIでは脳の中や、体の中を具現化しているのでしょうか?
ここでは MRI という単語から遡っていきましょう。 **MRI** とは magnetic resonance imaging(磁気共鳴画像法)の略で、磁石が関係しています。
言わなくてもわかると思いますが、MRI は磁石(磁場:magnetic field)を利用して脳や体の内部を imaging しているのです。
では、どのように磁石(磁場)を利用しているのかさっそく見ていきましょう。
#### 人の中身を可視化する
人間の脳や体の内部を可視化する MRI は、もちろんですが人間を imaging します。人間は何でできているかというとほとんどが水です。水というのは H<sub>2</sub>O であり、H すなわち、水素原子(プロトン)(プロトンという呼称はもしかしたら厳密には違うかも)で構成されています。<br>
#### プロトンについて
ところでこのプロトン、体の中でも、水の中でもあちこちを飛び回っています。粒子運動というやつですね。当たり前かどうかはわからないですが、粒子は運動していて飛び回っていたり、回転したりしていて、それはランダムに起こっています。みんなバラバラに動いていますが、実はこのプロトン、不思議なもので磁石を持っています。磁石を持っているので、磁場の中に置くと何が起こるでしょうか?
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ランダムに回転しているこのプロトンが磁場によって整列するという現象が起きます。
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<img src="https://hackmd.io/_uploads/S1lpVGQMkg.png" alt="中央">
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<p style="text-align: right;">
※出典 <a href="https://www.kanto.co.jp/media/2022/11/10/67">https://www.kanto.co.jp/media/2022/11/10/67</a>
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このように整列し、向きはそろうのですが、プロトン電子のスピンは上向きと下向きに分かれるという現象が起きます。
細かい内容に触れると、プロトン(水素)は原子核とその周りを回る電子で構成されています。この電子は性質があり、地球と同じように公転と自転をしています。(厳密にはちょっと違います。) 電子の自転には2つの方向があり、($α$ スピン と $β$ スピン と呼ばれる。) 電子はどちらかの方向に自転しています。

<p style="text-align: right;">
※出典 <a href="https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/yakka/02_orbital.pdf">https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/yakka/02_orbital.pdf</a>
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このとき、磁場の方向に沿った $α$ スピンの方が、磁場の方向と逆向きの $β$ スピンに比べてエネルギーが低くなります。 (エネルギーが大きくないと、逆向きにスピンできない。 $E_\alpha < E_\beta$ )
ここのエネルギーの差分にあたるエネルギー (ラジオ波に当たる) を当てると、エネルギーの低い方のプロトンがエネルギーの差分量のエネルギーを吸収し、プロトン全体が同じエネルギー量を持つようになります。
つまり、特定の波長をもつ光のエネルギーを吸収し、プロトンのエネルギー状態が揃うという現象が起きるのです。
この現象のことを **核磁気共鳴** (Nuclear Magnetic Resonance:NMR) と言います。
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では、皆さん、ここで思い出して下さい。冒頭にこんなことを書きました。
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> エネルギーを与えるとエネルギーは反射される、あるいは吸収される、という現象の観測により、オブジェクトがなんであるかを推定できる
>
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プロトンにエネルギーを照射すると、**核磁気共鳴**という現象が起こるということがわかりました。
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では、ここから何をするでしょうか...?
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**エネルギーの照射を止めます**。 すると、エネルギーの低いプロトンの共鳴がなくなり、吸収していたエネルギーは放出されます。 **この放出されたエネルギーを観測することで、物体の推定を行います**。
このエネルギーの差分は物質によってそれぞれ異なる固有の値をもっているため、観測するエネルギー量によって物質を推定できるのが、この **NMR** という手法です。前回の記事に記載しましたが、この観測を行う機器のことをスペクトルスコピーといいます。
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### 観測したものを推定する
というわけで、調べたいものの中身に何が含まれているかを推定するには、エネルギー(ラジオ波)を照射し、照射を止めた後、返ってくるエネルギーを観測すればよいことがわかりました。
ここまでは理解のために、プロトンという1つの物質について見てきましたが、世の中には色々なものが存在しているので、1つの物質のものばかりではありません。まぁ、1物質のものを推定する必要はそもそもありませんし。
物質によってエネルギー量が異なっているんだから、物質の推定も簡単だ!となります。
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あれ?
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異なる物質ごとにエネルギー量が違うから、様々なエネルギーが返ってくるけど、
これらのエネルギー混ざって返ってくるぞ....?
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当たり前ですが、エネルギーを照射した後、観測するエネルギーは物質によって異なるので、
様々なエネルギーが返ってきます。
つまり、様々な周波数を持つ波が一斉に返ってきます。
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はて . . . . . . . 。
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結局、何が物質として含まれているか分からん. . . . . . . 。
さて、どうしたものか. . . . . . 。
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<style>
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<p class="large-bold-text">そうか、フーリエ変換すればいいんだ!</p>
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と、僕はなりませんでしたが、フーリエ変換する人はいたんですね。
(これをした人はノーベル賞を取っているらしいです。?)
観測したエネルギー(周波数)をフーリエ変換すると、混ざってしまった物質ごとに違う周波数を分解して、どんなエネルギーが含まれているか、抽出することができるんですね。
そしたら、わーい 🙌🙌🙌🙌🙌
何が含まれているかわかりましたね。
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※[出典]http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/bun/tutorial/FAQ/Whats_FT.html
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このフーリエ変換によって、エネルギーの観測から、人間の脳の中や、体の中にどんな物質があるかを測定し、MRI は身体の中を imaging できるということなんですね。
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さて、いかがだったでしょうか。 まだまだ、説明が足りてないところ、していないところはありますが、 MRI について少しでも理解して頂けたのではないでしょうか。
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少しでも皆さんの理解に繋がれば幸いです。
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[参考文献1:CW/パルス電子スピン共鳴装置 (ESR)](https://www.mces.titech.ac.jp/authors/hosono/facilities/NewESR.html#:~:text=%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3%E3%81%A8,%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)