# パルフェリメイク 感想 Nintendo Switchでパルフェリメイクをプレイしたのでその感想を書いていく。 ## プレイの経緯 日本におけるメイド文化の歴史を調べると、2000年代初頭のメイドブームの火付け役の一つとして『ショコラ 〜maid cafe "curio"〜』というゲームが紹介されることが多い。また、そのゲームに出てくるメイドカフェ『キュリオ』を元にした非公認メイドカフェがかつて存在しており、池袋に現存するメイドカフェのワンダーパーラーが[看板を緑にしているのはキュリオをリスペクトしたから](https://x.com/wonderparlour/status/1917933344869998827/)という話を聞いたため、このゲームに興味を持った。調べてみると、続編の『パルフェ』の方が名作として知られていることが分かったが、この時点ではプレイするつもりはなかった。 先日、BOOKOFFを歩いていたときにゲームコーナーでパルフェリメイクが面陳されているのを見かけたが、あまり安くなかったので購入はせずに家に帰った。同じ日に9-nine-の公式アカウントを見ていたら[サマーセールの告知](https://x.com/info_9_nine_/status/1945409895450423333)があることに気がつき、セール作品の一覧を眺めていたらパルフェリメイクが1,474円で販売されていた。同じゲームの安売りを一日に二回見かけた偶然に運命を感じ、十分安い価格だったので購入してプレイすることにした。 ## 基本情報 本ゲームは戯画(2023年解散)が2005年に発売した『パルフェ 〜Chocolat second brew〜』を全年齢向けにリメイクして2021年に発売されたものとのこと。リメイクにあたってイラストは元ゲームの絵師が書き直しているものの、シナリオ・ボイスは特に変更がなさそうだった。 先述の通りパルフェはショコラの続編だが、特にシナリオ上のつながりはなくパルフェだけプレイしても問題ないらしい。 ## 感想 古いゲームなので素直に先人の[推奨攻略順](https://83neko.main.jp/wp-content/uploads/2021/03/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E5%88%86%E5%B2%90%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A7-%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%881.pdf)に従って遊んだ。 『冴えない彼女の育てかた』などで知られる丸戸史明氏のシナリオ力を感じられる良作だったと感じる。茶目っ気の多い文章は読んでいて面白く、共通ルートの段階から楽しんで読むことができた。個別ルートは出来の良し悪しが分かれたが、特に里伽子ルートのBADエンドが印象的だった。 以下ネタバレあり。 ### 共通ルート 働いていた喫茶店を火事で失った主人公がショッピングモールに新規出店することになり、かつての仲間たちとともにライバル店と売り上げを競っていく話。 クリスマス商戦の12/24までは共通で、選択肢に応じてヒロイン別ルートに分岐する。 ### かすりルート 喫茶店のパティシエ兼フロア要員がヒロインのルート。同じ店で働くパティシエに実力が及ばず主人公からの愛にも自信が持てなくなったヒロインがライバル店に移籍して腕を磨き、自分の道を見つけて主人公と結ばれる……といった感じの話。おざなりにされてはいないが、そこまで盛り上がるわけでもないルートだったと感じる。 ### 明日香ルート 主人公が家庭教師を務める年下バイトがヒロインのルート。大学受験に専念させるためにバイトをやめさせて離れ離れになるが、一年後に主人公と同じ大学に合格して晴れて後輩になる……といった話。 このルートも終わってみれば普通だったのだが、ヒロインの告白方法が印象的だったので評価が高かった。なかなかヒロインの気持ちに気づかない主人公に対し、ヒロインが家庭教師の時間に「今日中に47ページが終わるまで付き合う」と約束させる。そして47ページの最後の問題が分からないと言って、手書きの「練習問題16 キスのしかた(実践編)」という問題を主人公に見せてキスを迫る……というやり方は家庭教師シチュを最大限に生かした良いシナリオだった。 ### 由飛ルート パッケージヒロインなのだがちょっと天然すぎて愛情の対象にはなりにくかった……。個別ルートにおいては妹がピアノ発表会で失敗した場所で自分も失敗してしまう精神的な問題を抱えていたが、ピアノを諦めた妹が猛特訓の末その場所を弾けるようになった姿を見せることですぐに克服できてしまうところにいまいち深みが感じられなくてあまり入り込めなかった。 ### 玲愛ルート ツンデレ業界ではかなり有名なヒロインらしい。ライバル店のチーフとして競い合いながら惹かれていくシナリオは良かったのだが、由飛ルートと最後の選択肢しか違わないので玲愛ルートに入るだけの説得力がいまいち欠けていたように感じる(そのことには自覚的なようで、自分はただ告白が少し早かっただけだと自認するセリフがある) 本店から転勤を命じられたときに、仕事一筋に生きてきた自分の生き様を貫くことを選ぶか、主人公の近くに住むかで揺れさせるストーリーのコンセプトは良かった。しかし、主人公が火事で失った店を一緒に復活させようと提案することで解決することについては、店を復活させるならかつてのメンバーと一緒にやるべきであり、どうして何も関係ないこいつとやらないといけないんだ……と思ってしまい腑に落ちなかった。 ### 恵麻ルート 両親を失った主人公が養子に行った先の娘という意味の義理の姉であり、主人公の亡き兄の配偶者という意味の義理の姉であり、両者にとってお互いに初恋相手であるという複雑な関係のヒロインとのルート。 このような複雑な家庭環境で恋愛するのが現実的に難しいというのは分かるが、別に法律上結婚できないわけではないからそこは押し通ってしまえばいいのでは?と思ってしまい、いまいち葛藤に乗れなかった。もう一つの葛藤要因である里伽子との三角関係についても、有利にある側が気にすることではないと思うし、土下座してまで筋を通すべきでもないと思った。TRUEエンドでも俺たちの三角関係はここからだで終わってしまい、いまいち釈然としなかった。 ### 里伽子ルート 本作の白眉は本ルートである。他のヒロインから主人公の元カノと認識されており各ルートでも彼女の存在が明らかに意識されていて他のヒロインとは扱いが異なっていることからも彼女がメインヒロインなのは間違いないだろう。元の喫茶店でチーフを務めていた彼女が新規店舗ではアドバイスをくれるにとどまっている、主人公に気がありそうなのに過去に告白を断っている、などの謎が共通ルートで提示されているが、その理由が開示されるBADエンドは非常に印象的だった。彼女の行動描写にある細かい違和感を全て説明する伏線回収が見事で、この点に関しては一生忘れられないかもしれない。しかし、TRUEエンドはBADエンドから想像できる範囲内の解決策に終わってしまい、若干肩透かしなのでそこまで高く評価できなかった。 ### その他 - 18禁ゲームを全年齢版に改変するとHシーンが削られてしまう。18禁版をやるときにHシーンはだいたい読み飛ばすのでそのこと自体は別にいいと思うのだが、他の人の感想を読むときにHシーンに言及されていると、自分はこのゲームの真の価値を味わえていないのではないかと思ってしまい損した気分になるのが悩ましいところ。18禁を買ったほうがいいのかもしれないが、昨今の事情でリメイク版を出すときには全年齢版にされてしまうことが多く、最新OSでの動作に支障があるのが悲しい。