# 2024年秋アニメ アニメを見る時間が取れなくて1話すら見てない作品が多いのだが、もう秋アニメも半分終わろうとしているので諦めて書くことにした ## 1話以上見た ### 歴史に残る悪女になるぞ タイトルの面白さが話題になっていて、秋アニメの中で配信が最速だったので見た。悪女に憧れる主人公が悪女を目指すが、それがいわゆる悪女っぽい挙動とはずれているというところにおもしろポイントを感じるべき話っぽい。残念ながら、悪女を目指すという動機の部分からいまいち入り込めず、悪女挙動とのずれもいまいち面白みが分からなかった。もともと乙女ゲー文脈の話のようでヒロインをめぐって争う男をたくさん見ないといけないのもマイナスポイント。なお1話は監督の一人原画で、それが良いという人もいるようなのだが、僕には作画リソースが足りていないように感じてしまった。 ちなみに、秋葉原を歩いていたら献血ルームがこのアニメとコラボしているのをたまたま知ったのだが、献血を推進するキャラはどう考えても悪女ではない。 https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/2024/10/akibaf-17.html ### やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中 TLでの評価が高そうだったので見た。ヒロインはそれなりに可愛く、自分が窮地を逃れるために行った偽の求婚の責任を取ろうとする潔い態度にも好感が持てた。しかし、これも乙女ゲー寄りの世界観のようで、ヒロインを巡る男の争いを見ないといけなさそうなところが微妙。あと人生二週目ギミックもいまいち興味の対象ではないので、二話以降の視聴優先度が低い。 ### ハミダシクリエイティブ のらとと以来のエロゲ原作ショートアニメなので見た。同じ会社のワガママハイスペックのアニメはいまいちだったので期待していなかったが、このアニメも1話では作画・シナリオともに見どころを見出だせなかった。当初の配信形態が特殊で2話以降どう見れば分からないうちに時間が流れてしまった。今はdアニメストアにあるっぽいので暇なときに見るかも。 ### 君は冥土様。 メイドアニメなので見た。いまいちメイドさんが可愛くなく、話にも面白みを感じられなかった。昔原作の最初の方を読んだときも単行本は買わない判断をした記憶があるので、アニメも見なくて良いかなと思ってしまった。 ### ひとりぼっちの異世界攻略 p-honeさんが上げてるスクショが萌え萌えっぽかったので見た。一話は主人公の独り言がひたすら続いてつらかったのでかなり見るモチベーションが下がった。三話からヒロイン勢が参加して面白くなるっぽいのだが、主人公パートへの興味なさの減点が響いて優先度が上がらない。委員長のビジュアルは結構好み。 ### 結婚するって、本当ですか 神のみと16bitセンセーションのアニメが良かったので同じ原作者の作品も見ることにした。海外に飛ばされるのを防ぐために偽装結婚するという筋書きで、利害関係のために恋愛を利用するところに神のみを感じた。恋愛作品を読んでも恋愛に発展する理由がよく分からない自分にとってはこういう話の方が理解しやすいように思う。1話は好印象だったが、2話でいまいち話が進展しなくてモチベーションが下がりその後視聴が止まっている。 2話で早見沙織が声を当てているヒロインがエプロンをつけて台所に立つシーンがあるのだが、このシチュエーションはどうしても「異能バトルは日常系のなかで」を連想してしまい、このシーンでのヒロインの挙動に勝手に緊張感を持っていた。さすがに10年前のアニメだしなぁと思っていたら、日清がCMに当該シーンを使ったことでにわかに話題になっていて謎の面白さがあった。 ### 魔法使いになれなかった女の子の話 絵本みたいな作画を敬遠して見ていなかったのだが "魔法という「技術」を使うことを許された特権階級に対し、持たざる者達が創意工夫と一人ひとりの得意分野を合わせて対抗する" 話であるという紹介を見て興味を持ったので見ることにした > 『魔法使いになれなかった女の子の話』魔法という「技術」を使うことを許された特権階級に対し、持たざる者達が創意工夫と一人ひとりの得意分野を合わせて対抗する…という感動的なお話をやってるんだけれど、お出しされる絵ヅラが全部異常なので女児アニメのオタクは見よう。 https://x.com/senbako1/status/1853801605264764992 一話では、模試で優れた成績を収めていた主人公が希望していた魔法使い養成コースに入学できず一般コースに配属されてしまうが、クラス担任が魔法使いに決まり魔法を教えてもらえそうだ、という流れが描かれる。ちょっと説明がくどい印象を持ったが、勉強熱心な主人公像と子供向けアニメのような優しい雰囲気が気に入ったので今期最優先で視聴している。シナリオの進行がゆるやかなので、セリフを聞き逃しそうな電車の中で見ても問題ないのも良い。 ### 魔法少女リリカルなのは 20周年記念セレクション 20周年を記念して映画版をTV配信サイズに切り分けて流しているらしい。最初はこれが完走最有力候補だったが、思っていた以上に時間がなく既に見たアニメを再視聴する余裕はなかったので泣く泣く視聴を止めている。 ### パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき ヒロインのナルセーナの評判が良いので見ることにした。評判通りナルセーナは良いのだが、異世界追放テンプレにあんまり興味が持てず、Abema限定配信の面倒くささもあって視聴は進んでいない。 ### 嘆きの亡霊は引退したい ヒロインのティナの造形が良かったので見てみた(デカリボンを二つつけてるキャラに弱い。[ソ・ラ・ノ・ヲ・トのクレハ](https://www.sorawoto.com/chara/chara03.html)とか中野二乃とか……)。周囲が主人公の実力を勘違いして話がまわっていくドタバタ感は悪くないし、先も全然読めないのだが、どうせ途中で失速する異世界ものなんだろうなという先入観に囚われて視聴のモチベーションが上がらないでいる。ごめんね。 ### 甘神さんちの縁結び 三女が可愛いという評判だったので見た。ラッキースケベ連発のありがちラブコメっぽいのだが、ヒロインがリボンを鳥に持っていかれるアクシデントを自力で解決しようとした主人公が、神社に手を合わせたらなんか偶然リボンが戻ってきたという話の構成に納得いかなかった。こういうのは主人公が頭を使うなりして神頼みするヒロインたちとは違う方法で問題を解決することで、主人公の優秀さを印象づけた上で思考の対立軸を設定するべきものだろう。シナリオに期待できなさそうなので一話切りの対象となった。 ### ぷにるはかわいいスライム 原作が話題になっていたのでアニメも見た。コロコロコミック関連の漫画でこれが掲載されているのが一番の面白ポイントであるが、ヒロインのぷにるの造形がそんなに可愛いと感じられず、興味深いシナリオ展開が待っている気もしないので視聴の優先度が上がらない。 ### 株式会社マジルミエ そこそこ評判が良さそうなので見てみた。魔法少女が会社に所属し業務として敵を倒すという世界観のようで、新入社員の成長譚としてはNEWGAME!に近いものを感じる(ツインテールだし……)。主人公は文章を読んで覚える能力が取り柄で、主人公像に好感が持てたので2話まで見た。2話では箒で魔法弾を撃てるという本の記述を主人公が思い出して、魔法弾で敵を倒し先輩を窮地から救うという描写があったのだが、そこがかなり微妙に感じた。地道に本を読む努力の結果先輩たちが誰も気づかなかった解決策に気づくという筋書き自体は良いのだが、解決策がそのまま本に書いてあるのが面白みに書ける。せめて複数の本に断片的に書いてあることを組み合わせると初めて解決策が思い浮かぶというような構成にして主人公の優秀さを際立たせてほしかった。また、魔法弾を撃ったらそれで敵を倒せるというのもビジュアル的に面白くない。それなら先輩が苦戦するまでもないように感じてしまう。変身シーンなどの見どころはそれなりにあるが、今後の展開にあまり期待できなくなり視聴モチベが下がってしまった。 ## 2話以上見たが完走しなかった ### アウロトリップ あまねちゃんの1話評価が低かったので見てなかったが、周囲のオタクの評価が高かったので見てみることにした。主人公が引っ越してくる1話Aパートが面白くなくて切ろうかと思ったが、そこはアニオリだったようなので目をつぶって5話までは見た。 ドヤコンガ事件で話題になった伊藤美来と水瀬いのりという声優陣には(制作陣が意図してなかったであろう)面白さを感じた。伊藤美来の演技がいつも同じだという批判を周囲ではよく見かけるものの自分は特にそう思っていなかったが、水瀬いのりと比べてみると確かにどのキャラも似ているような気がしてきた。 目の中に三角や四角を書き込んだキャラデザは僕の基準ではあまり可愛いと思えず、視覚的な加点がかなり低かった。魔法少女に憧れる主人公が魔法少女の魅力を引き出すために敵対組織になし崩し的に入ってしまうシナリオも面白そうではあるのだが、悪の組織の男に魅力がなく、特に目的がないまま緊張感のない戦いを続ける展開にあまり惹かれなかったので視聴が止まっている。萌えアニメ部の先輩には怒られてしまいそうだ……。 なかよし連載のさばげぶっ!も周囲の評価に比べて自分は楽しめず完走できなかったし、りぼん連載の本作も同じような温度差を感じる。少女漫画誌のコメディと相性が悪いのかもしれない。 ### 嘆きの亡霊は引退したい 特に有能ではない主人公の適当な言葉がたまたま真理を突いてしまう偶然が続いた結果、非常に優秀な人間だと勘違いされてしまうコメディ。ティノというキャラが可愛かったので見た。 OPの中にセリフを入れたり、EDのイントロをうまく被せたりと音楽の使い方は楽しかった。主人公の言葉を深読みする周囲とのすれ違いを中心とするストーリーもそれなりに楽しめたのだが、展開の遅さには辟易させられた。13話しかないアニメシリーズの中でうまくオチをつけてほしいのだが、9話時点で主人公のパーティーメンバーのうち二人しか登場しておらず、話としてもよく分からない組織を一つ撃退しただけである。なろう原作の小説は連載方式の都合でひたすら長くなりがちで、したがってそのアニメ化も序盤だけで終わってしまうことが多い。本作は2期が決まっているようだが、人気が出ない場合は1期だけで終わってしまい、アニメで完結を見届けられることはほとんどない。アニメが原作の販促として機能すれば商業的にはそれで良いのだろうが、視聴者としては不満が残る。(漫画の場合も原作の一部だけがアニメ化することが多いが、なろう原作よりはアニメの範囲内で一応のオチがついているケースが多いように思う) 勘違いコメディなので仕方がないのかもしれないが、それにしても主人公にやる気がなさすぎて魅力を感じられない。勘違いで持ち上げられてしまった主人公が否応なしに頑張っているうちに真のリーダーとしての実力を身につけていく……みたいな話になっている方が個人的には好みだ。 ファイルーズあいによる狂気の演技や、シトリー・スマートのミスリードなど部分的には見るべきところがあるのであと4話くらいは頑張れそうだが2期も見るかというとかなり厳しい……。 ## 完走した ### 魔法使いになれなかった女の子の話 柔らかい作画とのほほんとした雰囲気が悪くなかったので最後まで見た。しかし、振り返ってみるともう少しうまくやれる作品だったように思う。 作中では古代魔法と現代魔法という二種類の魔法流派が存在し、現代魔法を学習するエリート組と、抑圧されている古代魔法を学ぶ主人公のクラスの比較を中心に話が進んでいく。最終的に現代魔法が人間の生命力を糧にしていることが判明したので古代魔法で敵を倒してめでたしめでたし……という話なのだと思うのだが、現代魔法が倒すべき相手であると視聴者に認識させるのがあまりにも遅く、倒したからといって何も爽快感が得られなかったのが大きな問題であったように感じる。現代魔法をラスボスに位置づけた割には、主人公が魔法使いを目指すきっかけとなったアイテムが現代魔法の道具であることに特に言及がなく、副主人公が現代魔法のクラスに編入することを肯定的に描いているなど、いまいち作中の事件を乗り越えた後の変化がはっきりしない最終回であった。エリート組に受からなかった主人公の劣等感などをうまく扱えれば名作になるポテンシャルのある設定だったと思うだけにいまいち盛り上がらなかったシナリオが惜しい作品だった。