# RUNNING LEAN(第Ⅰ部~第Ⅱ部) アッシュ・マウリャ著 エリック・リース シリーズエディタ ## 第Ⅰ部 ロードマップ ### 1章 メタ原則 #### 手順1 プランAを文書化する 人はだれしもアイデアが浮かぶ瞬間を持つが、多くはそれを見逃している。それを実現するのはアントレプレナーであるが、彼らのビジョンとプランAは役立たない。 頭の中の「現実歪曲フィールド」では、いくらでも想像はできるが実現はできない。 そこで、ビジョンを書き出し、**少なくとも1人の人間と共有し、意見のフィードバックをもらうようにする。** その際、柔軟に変更できるよう **「リーン・キャンバス」** という重要な9項目を製品と市場の観点まとめたものを作成する。こうすることで * 高速性 * 簡潔性 * 携帯性 の3つを満たしたビジョンマップが出来上がる。(第Ⅱ部参照) 9項目のうちの「ソリューション」に夢中になりがちだが、利用者はそこに関心はない。ビジネスモデルの全体像を把握して、**9項目をリスクの高い順番で体系的にテスト**できるように配置する。 #### 手順2 プランで最もリスクの高い場所を見つける スタートアップの最大の失敗リスクが「誰も欲しくないものを作る」ことである。それを防ぐため、まずは3つのステージを把握する必要がある。 #### 1. 課題・解決フィット 解決に値する課題があるかを判断する。この項目にあるアイデアのコストは高く、製品の**必要性、成長性、実現性**の3点で実施可否を判断する。 そこから、MVPの機能を引き出す。 課題の理解~ソリューション決定までをこの検証等に共有する。 #### 2. 製品・市場フィット 誰かに必要とされているものを構築できているかを判断する。学習とピボットに集中し、うまくいくプランを仮説検証していく。細かな改善よりも第何な成果を担うべきである。 定性的・定量的な検証を行う。 #### 3. 拡大 成長と最適化が行われ、プランが加速しているかどうかを判断する。この時期には目標が:学習→成長のものが多い。 以上から、ビジネスモデルを顧客とテストや検証でできるように、必要十分な滑走路を確保する。 **☆ブートストラッピング + リーンスタートアップ = 低燃費スタートアップ** #### 手順3:プランを体系的にテストする 検証による学習ループを回して、体系的にかつ繰り返し(イテレーション)テストを行う。(**構築-計測-学習**のサイクル) ### 2章 Running Leanの実現 マウリャ氏は、Running Leanを執筆するに当たり、リーンスタートアップの手順を採用した。 #### 1. 課題・解決フィット なぜ執筆してほしいのか、すでにある本と何が違うのかをブログの読者に質問した。そこで本のUVP(独自の価値提案)を理解しようとした。 **彼らはリーンスタートアップの実践に苦労しており、ブログを段階的なガイドとして読んでいた。また、多くは製品開発の創業者であった。** これらを解決するために、製品発売予告ページのデモを構築した。そして、読者に買ってもらえるかを尋ね、目次を改良した。(ソリューションの決定) また、刊行時期を明言し、読者が拡散を行った。 その結果、1000人の潜在的見込み客を得ることができた。 #### 2. 製品・市場フィット まずはMVPを、10人程度の小さなバッチサイズで、価値があるかどうかの仮説検証を行った。 ワークショップ回数を経て以降は課金も始め、料金を検証した。 十分な製品開発準備期間を経て、開発に取り掛かった。 ローンチが遅れていることを謝罪しつつ、2週間のサイクルでPDFに内容を挙げると提案した。この提案を **了承した約半数が「アーリーアダプター」** であり、残りは完成後で良いことになった。 #### 3. 拡大 本の内容の完成後、デザイナーの雇用や書名のテスト、アンケート調査やマーケティングサイトの作成を行った。(正しい行動を適切な時期に) そして、大手出版社から連絡があり、初期の販売トラクションが軽減された上で出版に至った。 顧客との継続的なフィードバックループの構築を扱う、Running Leanは1万部を突破した。 この本のテーマは進化の途中にあり、完成することなく引き続きブログやニュースレター等で今後もリリースが行われる。 ## 第Ⅱ部 プランAを文書化する ### 3章 リーンキャンバスの作成 #### 3.1 見込み客を考える いきなりソリューションや顧客セグメント、ビジネスモデルを選ぶのは無駄である。まずは見込み客を考える。 * 顧客とユーザは区別する。**顧客→課金○、ユーザ→課金×** * 顧客セグメントを細分する。**あらゆる人(普遍的な人)に対する製品は効果的に設計・構築・出荷することは不可能。** まずはターゲットを絞って。 * 最初は一枚にまとめる。色やタグを有効活用する。 * 顧客セグメントごとにキャンバスを書く。 #### 3.2 リーンキャンバスをスケッチする ##### リーンキャンバスのスケッチ * 一気に書き上げる。 * 空欄はあってもOK。 * 簡潔に書く。 * 今わかる範囲で良い。 * 顧客主導型を用いる。 ##### 課題と顧客セグメント * ターゲットとなる顧客セグメントに対し、解決すべき課題の上位1~3位を挙げる。 * 既存の代替品を列挙する。 * ユーザを特定する。 * 顧客をアーリーアダプターに狙いを定める。 #### UVP(独自の価値提案) UVPとは、他のものにはない注目する価値がある理由のことである。 平均8秒に1人しか滞在しないため、UVPで訪問者をひきつけなければどこかに行ってしまう。 * 最も重要な課題から製品の差別化要因を洗い出す。 * ターゲットはアーリーアダプター。 * 成功ストーリーに注目する。 #### 効率的なUVPの作り方 即効性のある明快な見出し=顧客が望む結果+明確な期限+達成されなかった時の代替案 * 言葉をよく選ぶ→検索エンジン最適化のランキングを上げる。 * Who, What, Whyを意識する→UVPは最初の2つに答えるものでなければならない。 * 優れたUVPを調べてみる。 * ハイコンセプトピッチ(印象的な言葉を抜き出す)を作る。 #### ソリューションとチャネル * 課題とソリューションの結合はできるだけ遅らせる。 * どんな製品にも無料なものは無い。(無料に見えても、広告収入が回っているケースが大半) * 顧客拡大用のチャネルは初日から考えておく。 * 最初は手動で販売して、あとから自働化する。 * 他人に任せる前に、まずは自分で製品を売る。 * 紹介の前に価値を広める必要がある。 #### 収益の流れとコスト構造 * MVPは顧客が重視している上位の課題を解決するだけでなく、解決に値する課題でなければならない。 * 優れた顧客が複数名いればよい。 * 価格をどう使うかで勝負するよりも、価格が顧客を決定する。 * コスト構造は、インタビューコスト、MVP授与、ローンチのコスト、固定費と変動費で見たバーンレート(資本金の消費率)等で考える。 #### 主要指標 1. 獲得:関心のある人が店をのぞき、店の中に入ってくる。 2. アクティベーション:関心のある見込み客が満足いくユーザ体験をした時点。 3. 定着:製品の「反復作用」やエンゲージメントを表す。 4. 収益:製品に対する課金。 5. 紹介:ユーザ獲得チャネルのうち、満足してくれた顧客が、口コミで他の見込み客を次に向かわせてくれる。 ###### tags: `読書`