# 第 42 回全国レーティング選手権自戦記 二度目の選手権優勝を果たすことができた。前回はたまたま星が集まった感もあったため、二度目の今回にはまた別種の悦びを感じる。 とはいえ、ほとんどの対局が負けても不思議ではない内容だった。とくに危なかった場面をピックアップしたい。 --- ## 予選 3 回戦:畠山戦 <img src="https://i.imgur.com/toC5nYQ.png" width="400"> 後手が私だが、ここは負けている。後手玉には詰み筋がある。しかし☖4四銀☗4二飛では望みが薄く、☖6五角は受けにならないどころか玉が狭くなる。腹を括って☖4六歩と指した。 本譜☗同金で差が詰まり、☖6五角☗5六銀☖同歩☗3三成桂☖2六桂☗同歩☖5七歩成で詰み筋に入った。 ☖2六桂には☗2八玉のほうが難解。☖1七銀を読んでいたが、☗同桂に詰みが見つからず焦っていた。正解は☖3八金で、以下☗1七玉☖1六歩☗2六玉☖2五銀☗3五玉に☖4四銀という妙手がある。しかし上部に追うため非常に見えづらく、30 秒では発見できなかった可能性が高い。 ## ベスト 8:木村戦 <img src="https://i.imgur.com/pW5kqLV.png" width="400"> 後手が私。長く難解な折衝のあとで、とうに双方秒読み。次の☖7六香は、これでは自信がないと思いながら指した。 実は香を持った瞬間に☖7七香が閃き、よほど指を前に滑らせようか迷ったが、読み直す暇がなく止めていた。その判断は正しく、☖7七香☗同桂☖8六飛☗8九香☖8八歩に☗6九玉が好手で先手有利。☖7六香で悪くなかったのだが、対局中は飛車の捌きを逸す疑問手だったと誤認してしまった。 この雑念が後の判断を曇らせることになる。 <img src="https://i.imgur.com/lka1cNX.png" width="400"> 進んで上図。次は☗5二桂成より☗2三銀☖3三金☗2四角が厳しい。ただし香を渡さず角筋を牽制できれば、☗2三銀☖3三金に一手すきが続かない。よって攻め合いつつこの条件を満たす方針が正しく、対局中は見えなかったが、☖4六桂や☖7七桂打などが有力だった。 実戦は☖4二金と間違えた。前述の形勢を損ねた意識のため、前を向くことができなかったのだと思う。対して☗2四角なら綺麗に負けていたが、秒に追われた☗3二歩で縒りが戻った。 結果として、この数手が分水嶺だった。形勢はまだ難しかったが、今度は木村くんのほうが平常心を失ったらしい。後に攻め急ぎがあり、後手玉が寄らなくなった。 事程左様に、感情のコントロールは難しい。 ## 決勝:水谷戦 <img src="https://i.imgur.com/k19R493.png" width="400"> 前回覇者の水谷さんとの決勝は、私が先手。直前まで私が優勢、どころか敵玉に詰みまであったが、逃し、読み抜けがあり、図ではすでに逆転している。 後手の手が広いが、☖6四角でともかく龍を消すのが有力だった。☗同龍☖同歩☗9一香成に☖9九飛などから相当一手すきが続く。どこかで☖4二玉と耐久力を上げる手段もあり、後手が勝ちやすい。 本譜は☖8五角☗9一香成で再逆転。次に☗6二金☖4二玉☗5二金☖3三玉は不詰だが、☗7一龍☖4二玉☗4一飛☖3三玉☗3二金から詰む。このあたり、水谷さんに誤算があったと覚しい。☖6二銀とされたが、☗6一金☖4一玉☗6二金☖同金☗4二飛を発見して勝ちになった。 --- 省みて、本当に幸運に恵まれていたと実感した。今回、心理面と体力面の課題がとくに浮き彫りとなった。より充実したパフォーマンスが出せるよう、精進していきたい。 最後に、コロナ禍の苦境のなか今大会の開催に腐心してくださった運営の皆さまへ、この場を借りて深く感謝を申し上げます。 (文責:髙橋英晃)
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