# PAG30報告 ## 口頭発表セッション ### Allele Mining #### Impact of the Genome Assembly Quality for Allele Mining in Avocado ##### Aureliano Bombarely(IBMCP-CSIC) - アボカドにはMexican・West Indian・Guatemalanといった栽培種とそのハイブリッドが知られている。 - これらゲノムアセンブリが解読されたアボカド(HassやGwen)はheterozygosityが非常に高くアノテーション付けの際に問題が生じる。 - 本発表では、heterozygosityが小さいchromosome-anchored VC75 avocado genome referenceを**PacBio® Sequel IIでのde novo sequencing(>75X)とIlluminaでのHi-C scaffolding(100X)**で構築した。 - 結果として、97.18%の完成度(指標不明、BUSCO?)のゲノムシーケンスが得られた。 - この成果をもとに、今後はアボカドの花のタイプに対する考究を行った。アボカドには2つの花のタイプ(TypeA/B)があり、これを決定する遺伝子は不明であった。 - そのため、TypeBの花を咲かせるアボカドの遺伝型とQTL解析、RNA-seq解析をそれぞれ組み合わせて、花の決定に関連していると思しき遺伝子を3つ同定した。そのうちの一つはtrancated(途中でSTOPコドンが発生して短くなっている)な遺伝子であることが判明し、今後はこの遺伝子の機序を明らかにしていく予定である。 #### High-Quality De Novo Genome Assembly of the Solanum pimpinellifolium to-937 Genome using PacBio HiFi Long Read Technology. ##### Mohamed Zouine (Insititut Nationale Polytechinque de Toulouse) - Solanum pimpinellifolium(SP)は栽培種のトマトの野生種である(赤いブルーベリーみたいな見た目)。 - 今回、**PacBio HiFi sequenceとHi-C scaffolding**によってSP TO-937のchromosome-level genome sequenceを作成した。 - PacBio HiFi readはHifiasmでcontig出力 - BUSCO scoreは98.3% #### Genotyping Management and Analysis in Breedbase ##### Lukas A. Mueller (Boyce Thompson Institute) - BreedBase(https://doi.org/10.1093/g3journal/jkac078)という育種データベースの紹介 - BreedBaseの特徴は**遺伝型と表現型を結びつけている点** ### Hop Breeding and Genomics #### Development and Analysis of an Improved Genome of Hop Using Long-Read Sequencing ##### David Hendrix (Dept of Biochemistry and Biophysics, Oregon State University) - ホップ(Humulus lupulus) のゲノムは2倍体(2n=18 + XX/XY)であり、リピート配列が多いのが特徴。heterozygosityは5%程度にのぼる。 - 本発表では変種である“Cascade”のchromosome-level assemblyをPacBio long-read sequencingとIllumina short-read DNA sequencingのpolishingで明らかにした(**アセンブラ:FALCON-Unzip**)。 - **Duplicationの特定はMegablast->LSSTZ(?)->MUMmer->mummerplot**を使って行っている - **リピート配列のchromosome-level assembly(?)はHi-C解析を用いて行い、hisat2->StringTie2->Transdecode->Maker**という流れで解析している - またbi-parental mapping population(遺伝型の異なる雄雌の掛け合わせて得た集団?)を使って性関連マーカーを探索し、雌のゲノムから性染色体に該当するものを発見した。 #### Building Fully-Phased Sex Chromosome Assemblies across Humulus ##### Sarah Carey (HudsonAlpha Institute for Biotechnology) - ビール用ホップであるHumulus lupulus var. lupulusはXYの性染色体をもつ - しかし、ホップの変種によっては、XXYY and XYYといったcytotypeをもつ場合もある。そのため性決定遺伝子の理解は未だされていない。 - 本発表ではPacBio HiFiシーケンスとDovetail Omni-C data(**Hifiasm+YAHSで解析**)を使って、3種のオス(XY)の性染色体fully-phased genomesをアセンブリした。その結果性決定に関わる遺伝子と思しきものを発見した。 ### Farm Animal Genome Editing #### Aquaculture Technologies ##### Alan Tinch (Center for Aquaculture Technologies) - 魚の養殖の歴史は50年程度と極めて浅い - 養殖に必要なことはたくさんある。たとえばSterility(生殖能喪失)、Sex control(性別操作)、Disease resistance(耐病性)、Environment(生育環境) - コスト削減のための改良としては次のような観点がある。Growth(生育速度)、Better Efficiency(高効率化)、Loss(死亡率)、Yeild(収率) - Center for Aquaculture Technologies(CAT)ではゲノム編集を用いて無精子、単性魚の子孫を産むプロセスの構築に取り組んでいる。そのためにdead-end (dnd) geneとTyrosinase(tyr)geneをダブルKOしたアルビノのsurrogate parentsを作製した。 - また筋肉を肥大化させるゲノム編集にも取り組んでおり、Brazilian tilapiaを使って収量を20%以上増加させることに成功した。 - 耐病性については有効な遺伝子を探索している。QTL解析では、Infectious pancreatic necrosis(IPN)やPattern. Recognition Receptors(PRRs)で実績があるが、ゲノム編集での例は報告されていない。 参考記事:https://www.globalseafood.org/advocate/overcoming-the-sterility-paradox-how-new-gene-editing-technology-can-solve-it-and-benefit-aquaculture/ (ポスターで話した内容) - Breeding projectへゲノム編集を提供しようとしているが、53団体程度のBreeder団体それぞれに一律の製品を提供する必要がある。しかし、それぞれの飼育魚がばらばらであるためインデル導入で一律にノックアウトできるようなユニバーサルな変異導入サイトの提案が難しい。そのためノックアウトではなく、MMEJを使ったノックインでアプローチすることを考えている。ノックインでは特定の遺伝子を追加するようにすれば一律の製品として提供できるのではないかと考えている。 - ノックインの場合はGMOになるが、米国はカルタヘナ法を批准しなかったせいで、このあたりのルール設定が非常に曖昧で逆に身動きがとりずらい。 #### Aquaculture Genome Editing ##### Ross Houston (Benchmark Genetics) - Benchmark GeneticsではSalmonやShrimp等のゲノム編集に取り組んでいる。 - Salmonでは細胞培養系を確立して、CRISPR screenを実施し、耐病性に関わる遺伝子を特定することを検討している。 - Shrimp(Sea lice?)では耐病性のある種と耐病性がない種を比較するために、感染前後のSingle Cell Sequencingを行い、それぞれの(体細胞組織の?)分布を確認している。 - (質問)CRISPR screenのためのウイルス導入系とかはどのように開発しているのですか? - いえ、ウイルス導入系はまだ試していないです。 ## Plant Molecular Breeding #### CRISPR/Cas-Mediated Plant Chromosome Engineering ##### Holger Puchta (Karlsruhe Institute of Technology) - Arabidopsis thalianaで染色体編集を検討した。 - 染色体1と2、あるいは染色体1と5の末端の交換を実現し、顕微鏡観察でも交換を確認した。cNHEJを行うためのKuタンパク欠失株のほうが効率が高いことを見出した(0.01% -> 0.05%)。これはKuは切断末端をブリッジするため、むしろ染色体編集を阻害するのではないかと考察していた。 - また、1.2Mbの染色体の逆位編集し、逆位変異をレスキューすることに成功した。 - 大規模な逆位変異箇所では、逆位変異を持たない種との減数分裂時の相同組換えが発生しない。しかし、逆位編集でレスキューしたことで、逆位変異を持たない種との組換えを起こすことに成功した。 #### Genome-Wide Cis-Decoding for Expression Design in Tomato Using Cistrome Data and Explainable Deep Learning ##### Takashi Akagi (岡山大学) - Bulk RNA-seqデータを参照して発現領域を基にシスエレメントのパターンを学習し、予測するシステムを開発 - このシステムを使ってシスエレメントを改変して発現を最適化させることに成功した。 - 論文:https://doi.org/10.1093/plcell/koac079 (ポスターでの質問) - 生物種ごとに毎回RNA-seqをする必要があるんでしょうか? - はい、あります。 - シスエレメントを探索するので、必ずリファレンスゲノムが必要になると思うのですがその理解で合っていますか? - はい、そうなりますね。 ### Sequencing Complex Genomes #### Fully Phased Genome Assembly of an Autotetraploid Potato Cultivar ##### Hequan SUN (Ludwig Maximilian University of Munich) - ポテトのtetraploid品種‘Otava’の解析 - 各ハプロタイプをPacBio HiDi reads(~100X)+Hi-C解析で解析した。 - 解析サンプルとしては花粉を用いて、シングルセルシーケンスを実施 - 論文:https://doi.org/10.1038/s41588-022-01015-0 #### The Strawberry Genome ##### Michael Hardigan (USDA) - octoploidストロベリー品種, ‘Camarosa v1’のchromosome-scale assemblyを実施 - PacBio HiFi long readsで解析 - アセンブルでは、trio-binning(親ゲノムのショートリードをサンプルのロングリードに適用して、アセンブリ前にハプロタイプを区別して別個にアセンブルする方法。参考:https://doi.org/10.1038/nbt.4277 )を適用し、さらに3.6 M subgenome-anchored markersを使ったrecombination mapsを利用している。 - アノテーションをはIsoSeqで実施。 #### The Polyploid Sugarcane Genome ##### Adam Healey (HudsonAlpha Institute for Biotechnology) - sugarcane(サトウキビ)はハイブリッド種による改良が進み、非常に複雑なゲノム構成をもつ品種が生産されている。 - PacBio HiFi readsを使ってサトウキビ変種の一つ"R570"のアセンブリを実施した。 - "R570"は10Gbのゲノムをもち、114個の染色体をもつ。いくつかの座位では相同組換えによって交換が起こっているが、75%はS.officinarum由来、残りがS.spontaneum由来となっている。 - PacBio HiFi+Hi-Cでアセンブリを作成し、IlluminaとPacBio-CLRで作成したアセンブリやOptical Mapを比較参照して、構造解析、マーカーのアライメント、Primary Chromosome・Alternative Chromosomeの特定を行っている。ここまで行ったものをGenome Assembly V2としている。 ### Oxford Nanopore - Nanopore Sequencing: near, far and farm #### On-Farm Nanopore Sequencing to Accelerate Genetic Gain in Australia’s Northern Beef Industry ##### Harrison Lamb (University of Queensland) - 牛の牧場での検査ツールとして利用。 - 1,208個体を検査し、48,000,000個のSNPを特定 - 0.1x程度のsequencing coverageでbody weight/corpus luteum score/body condition score/hip heightといった形質に関わるSNPの検出に成功、low-density SNP arraysとの相関は0.94 (n=64)。 ### Plant Transgene Genetics #### A Quick and Simplified Maize Transformation and Genome Editing Protocol Using Agrobacterium Ternary Vector System ##### Kan Wang (Iowa State University) - トランスフォーションシステムに関する仕事の概説 - extra copies of essential Agrobacterium vir genesを載せたhelper plasmid(pKL2299)をT-DNA binary vectorと一緒に導入することでmaizeでのトランスフォーメーション効率を大幅に改善することに成功。 - 論文:https://doi.org/10.1016/j.copbio.2022.102848 - 論文:https://doi.org/10.3389%2Ffpls.2022.860971 #### DNA-Free CRISPR-Cas9 Gene Editing of Crops Using Protoplast Regeneration ##### Choun-Sea Lin (ABRC, Academia Sinica) - wild tomato・tobacco・cabbage・cauliflower・broccoli・soybeanといったさまざまな植物種のプロトプラストをゲノム編集して再生する仕事の紹介 - タバコではantibioticなしで80%の形質転換に成功 - 論文:https://doi.org/10.3389/fpls.2018.00843 #### Using Ultra-Deep Long-Read RNA-Sequencing at Specific Target Loci to Discover the Triggers of RNA Interference and Transgene Silencing ##### Marianne C. Kramer (Donald Danforth Plant Science Center) - long read RNA-seqでaberrant RNAsの動態を観察した報告 - Nanoporeによるlong readではExon-intronの関係がカバレッジとして明確にとらえることができ、Exon structureを取得することができる。 - 葉の色が赤から緑に変わる作用をもつRUBY geneを対象にその変化時のmRNAをシーケンスした。リード数としては500,000リードを獲得した、赤色で定常状態を示すときにはmRNAはfull lengthだが、色が変わる過程では3´-end側のdensityが上昇することがわかった。 ## ポスター ![](https://i.imgur.com/y0SjMjj.jpg) ![](https://i.imgur.com/lm6U7NP.jpg) ![](https://i.imgur.com/iyOEwf9.jpg) ![](https://i.imgur.com/fQNWe2Y.jpg) ![](https://i.imgur.com/9jyvPzr.jpg) ![](https://i.imgur.com/xZBt3fO.jpg) ![](https://i.imgur.com/wncGQOc.jpg) ![](https://i.imgur.com/oyrlmp9.jpg) ![](https://i.imgur.com/n5LopeB.jpg) ![](https://i.imgur.com/ImHhPpL.jpg) ![](https://i.imgur.com/w0rLivj.jpg) ![](https://i.imgur.com/YIco723.jpg) ![](https://i.imgur.com/XjyHFIL.jpg) ![](https://i.imgur.com/nrczj6Q.jpg) ![](https://i.imgur.com/b5k0Y0J.jpg) ![](https://i.imgur.com/D0eFFIA.jpg) ![](https://i.imgur.com/DOgyHC8.jpg) ![](https://i.imgur.com/5NKEL4q.jpg) ![](https://i.imgur.com/OdpPDYD.jpg) ![](https://i.imgur.com/mDdj8HU.jpg) ![](https://i.imgur.com/vvzOQph.jpg) ![](https://i.imgur.com/IbCaqUr.jpg) ![](https://i.imgur.com/HJw7EeV.jpg) ## 会場の様子 ![](https://i.imgur.com/mYzqOj7.jpg) ![](https://i.imgur.com/j8mnlNM.jpg) ![](https://i.imgur.com/Pi5JPBE.jpg) ![](https://i.imgur.com/baC17u6.jpg) ![](https://i.imgur.com/Prf2z9R.jpg) ![](https://i.imgur.com/jYE1OJp.jpg) ![](https://i.imgur.com/xtFTnnq.jpg) ![](https://i.imgur.com/LUgwDgp.jpg) ![](https://i.imgur.com/yACdnpV.jpg) ![](https://i.imgur.com/X9FOeO0.jpg) ![](https://i.imgur.com/u2Yf5IP.jpg) ![](https://i.imgur.com/h6QaSEt.jpg) ![](https://i.imgur.com/SUtcYtl.jpg) ![](https://i.imgur.com/NH98cwr.jpg) ![](https://i.imgur.com/C1IzZj4.jpg) ![](https://i.imgur.com/0BeFA73.jpg)