# ゲンロン 大森望 SF創作講座 2020 第1回 梗概メモ ###### tags: `SF創作講座` https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/subjects/1/ ## 栗都丈二「DOUBLE STRAND」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/akama/4424/ - 「プリンシパルを目指している」というのが最初の説明なのに、途中で「バレエ団よりもはるかに凄いパフォーマンスをやってのけるサーカス団に入るため」と目的がすり替わってしまっているように読めて、全体的に主人公の考えが理解できなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 千早 とわ「予知されぬ殺人」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/chihayatowa/4455/ - 予知能力は映画『NEXT -ネクスト-』っぽい(フィリップ・K・ディック「ゴールデン・マン」が原作らしいが未読) - なぜ予見者と非見者のあいだに差別があるかの説明がないので、物語の中心にある対立がよくわからなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 六角大輔「二人の階段」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/daisukegenron/4441/ - 実現すれば面白いかもしれないが、いかんせん梗概から完成が想像できなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 夢想 真「メタモルフォーゼ」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/dreamshin/4449/ - 新型コロナウイルスとの関連がわからず、別で考えていた作品をとりあえずコロナにこじつけたように読めてしまった - 今しか書けないということはない気がする ## あいだ「あなたは外」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/elsur00/4414/ - > 「部屋を出られない女の苦しみはいつしか部屋そのものとなっている」「ウイルスたる少女」「自己複製し続ける部屋」 - あたりが比喩なのか現実なのかわからなかったが、こうしたパワーワードの畳み掛けはこれはこれで効果がある気もする - 「ゴルディアスの結び目」読んだはずだけどいまいち関係性はわからなかった…… - ステイホームを使ったネタは今ならではっぽい ## フジキ ヒデキ「土葬通貨」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/fhideki/4435/ - 梗概が未完だった - 「火葬」ではなく「土葬」通貨はちょっとひねり過ぎな気も - 「仮想」通貨要素はどこにあったんだろう - 仮想通貨、旬は過ぎてる気がする(2年前の3期第1回の課題だった) ## 葉々「走れ!」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/happanokos2/4450/ - ソーシャルディスタンシングで文化が失われてしまったというのは近い将来ありそうで、その復興に焦点を当てるのも一歩先を行っている感じがしてよい - コロナ禍をテーマにすると暗い話になりがちなところ、ドタバタ学園ものとして仕立ててあるのも面白い - 今しか書けない話だと感じた - 実作読んでみたい ## 原 里実「ここからはじめる東京五輪」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/harasatomi/4385/ - 風刺だとしたら個人的にはもっと毒がほしい - 今しか書けない話ではある ## 長谷川 京「無色(むしき)で彩なす」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/hasehiro/4387/ - RNAウイルス→デジタルゲノミクス→水平遺伝子移行の如き分散処理アーキテクチャ→巨大企業による寡占→『無言のバベル』と呼ばれる人災、という序盤の説明がスムーズでどの要素を取っても面白い - 斑色で『異邦人』の主人公と色の判別ができない恋人の組み合わせもベタだがよい - > 塩基配列にバイナリデータを写像させ、そこに磁性ナノ粒子を垂らして配列に結合させることで、今までの膨大なゲノム改変履歴をファジー検索可能にする - そんなことできるかわからないが、字面だけでかっこいいのずるい - 事故とされていたものが企業の悪略だったという展開や、主人公の復讐方法なんかは意外性もありつつ王道的 - 個人的には近親者の理不尽な死と主人公が報われないラストはもやっとする。もうちょっとカタルシスがほしい - 妻だけが死んでしまい、それをきっかけに仲の悪かった子どもと協力して復讐をやり遂げ、同時に妻との約束も果たす、的なのが個人的に好み - 今だからこそ効果のある話だと感じた - 実作読んでみたい 畳みかけるように出てくるSFギミックがどれもかっこいい。展開も意外性がありつつ王道的。ただ、 ## 駆乱 直之「パラダイス・ロスト」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/hftgif34/4406/ - ギャルゲーの主人公はプレイヤーでは? AI にしてしまってはゲーム要素がなくなるような - 奏子が女郎蜘蛛というのはかなりインパクトがあるが、その設定が活かされてない - 奥底の真実にも特に意外性がなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 新川 帆立「避密人」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/hotate/4388/ - バカバカしい話でありつつコロナ禍のエッセンスは抽出されている - 今しか書けない話だと感じた - どんなタッチで書くのか実作読んでみたかった ## 方野佐保「あたらしい生活様式」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/houno/4401/ - 前半、「防護服姿の男性」以外が防護服を着てるのかどうかよくわからなかった - コミュサポが防護服でなければ使えない理由もよくわからない - 叙述トリックは今しか書けないかもしれないが、コミュサポのほうがテーマであるならそれは特に今しか書けないものではなさそう ## 岸辺 路久「ダニ・コスメティック」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/kishibelocke/4379/ - 個性のない顔ならわからなくないが、のっぺらぼうって目鼻口はどうなってるんだろう - テッド・チャン「顔の美醜について」が思い浮かぶが、それと比較すると「理想の顔が現実世界で手に入る」社会に対する考察が浅いと感じてしまう - 今しか書けないということはない気がする ## 岸田 大「平和でなく、剣のために」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/kishidadai/ - アピール文にドタバタブラックコメディに仕上げるとあるが、梗概だけではコメディ感が伝わってこず、リアリティレベルがいまいちつかめなかった - SARS-CoV-2 を宇宙人が人間に移住先の免疫をつけさせるため送り込んだものとする発想はわからなくないが、コメディとはいえ現実のウイルスを登場させるならそれなりに理論武装しないと興ざめになってしまう - 梗概だけだと宇宙人側のロジックも破綻してるように思う - 今しか書けないが、今だからこそ書くのが難しい話だと感じた ## 田場 狩(タバカリ)「鬼遣らい」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/kotatsumikan/4374/ - 『鬼滅の刃』知らない人でも読めるんだろうか - 今しか書けない話ではある ## 西村 真「世界は愛で回ってなんかない」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/mmts165/4469/ - うーん、アピール文もなくどういう話かよくわからなかった…… - ミスリーディングが過剰でオチに納得感がない - どこが旬のネタなのかもわからなかった ## 方梨 もがな「縁をこえて」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/mogaknox/4408/ - コンピュータ・ネットワークに接続した人間という発想はそれこそ昭和の頃からあるし、SFとしては手垢のついたモチーフだと思う - 縁はその後どうなるだろうという終わり方は、読者の想像に委ねるというよりむしろ作者が物語を考えるのを放棄しているように感じた - どこが旬のネタなのかわからなかった ## 茂木直人「鉄闘士」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/mogin/4461/ - シンプルでわかりやすいが、映像的マンガ的な表現が合ってそうで小説で書く意味はあるんだろうか - バトルもの、スポ根ものとして完結させるのもありだが、派手な格闘技ができるレベルのロボットが存在する社会はもっと他にも色々な変化が起きているはずなので、その辺りを匂わせるとSF的な深みが出るんじゃないかと個人的に思う - 今しか書けないということはない気がする ## 中野 伶理「un-dead-pulse」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/msx001/4421/ - 匂いで記憶を操作できるというのが作品のキモになるSFギミックだと思うが、それが可能だというSF的な裏づけがもう少し欲しい - 嗅覚異常は COVID-19 の特徴だが、今しか書けないということはない気がする ## 夏川智樹「結界にて」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/natsutomo0315/4445/ - 謎がたくさん出てくるが、どれも最後まで謎のまま終わってしまった - 今しか書けないということはない気がする ## 根岸十歩「赤い!」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/negipo/4386/ - 物語の展開の仕方や題材の活かし方がうまい - 一方で「個人の視覚間で光速が突然異なるようになり」という説明はかなり無理があるように感じたので、個人的にはいわゆる[色覚異常](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E8%A6%9A%E7%95%B0%E5%B8%B8)をベースにするとかもうちょっと理論武装してほしい - 読んでいて[逆転クオリア](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E8%BB%A2%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A2)の思考実験を思い出した。先天的にスペクトルが逆転しているような場合は分断が起きないというのは逆説的で面白い気もするが、この作品にどう組み込めるかはわからない - 分断に焦点を当てるのは今ならではだが、一方がもう一方を攻撃する描写がない点で分断SFとしては少し弱い気もする - 実作読んでみたい ## 園田陽「apple計画」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/nekosamurai2020/4359/ - タイトルと序盤でapple計画とは何なのかという謎を提示しているのはよいが、肝心のapple計画の中身が拍子抜けだった - 秘密裏に行われた人工台風を起こすプロジェクトだとしても目的なく同盟国に被害を及ぼすのはありえないと思う。中国への嫌がらせならまだわかるが - 名前からしてapple計画とリンゴ農家がどこかでつながることを期待したが、特に関係なかった - 旬のネタってリンゴなのか……。今年しか書けないということはなさそう ## 西岡京「ブラックホール・クラウド」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/nishiokakyo/4415/ - https://www.riken.jp/press/2020/20200708_3/ の記事内容は正直ほとんどわからないが、作品の著者もよくわかってないのではないかという気がした - 最近の記事をベースにしているという意味では今ならではではある ## オチノ ニト「テラーバードの帝国」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/nito/4468/ - 最後まで世界観がつかみきれなかった。特に一般市民の立ち位置がわからない - 違法に流通する貴族用糧食の調査と奴隷開放とが噛み合っておらず、後者のより大きな問題は結局解決しないままだった - 今しか書けないということはない気がする ## 岡嶋心「君の静かな遠吠え」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/oksmsin/4392/ - アピール文を読むにまどマギを知ったうえで書いてると思うが、特に新しさは感じなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 本所あさひ「【拡散希望】」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/pomcoma/4384/ - アマビエチャレンジ知らなかった(途中までずっとアマエビと読んでた)。COCOA アプリのトップはアマビエだったのか…… - アマビエが宇宙人なんだとしたら、なぜ豊作と疫病を予言した妖怪として広まったかの説明がほしい。侵略にきただけというのはさすがに陳腐だと思う - 新型コロナウイルスと宇宙人アマビエとの直接的な関連が描かれないのも残念。疫病で危機に瀕した人類を救いにきた、とかならまだ伝承とも整合性取れそう - タイトルは「#アマビエチャレンジ」とかのほうがよいのでは。アマビエが人類を侵略する(or 救う)チャレンジをする、みたいなダブルミーニングにもできそう - 今しか書けない話ではある ## ささき えり「ふたりのはじめての冬」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/sasakie/4430/ - 2回読まないと話が見えなかった - 影山を犯人に見せかけて実は須田が犯人だった、という展開だと思うが、肝心の証拠やその結論に至った経緯が一切書かれてなくて、梗概だけではミステリとして面白そうとは思えなかった - コールドスリープの設定も特に活かされていないように感じた - タイトルはどういう意味なんだろう - 今しか書けないということはない気がする ## 織名あまね「二人だけの舞踏会」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/sickina/4451/ - AR ではなく VR では……? - あっさりししすぎなので、もうちょっと物語にひねりがほしい - 今しか書けないということはない気がする ## 伊達 史朗「ふじの子」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/siro0306/4460/ - 個々の要素がいまいち腑に落ちず、全体としてどういう話かよくわからなかった - 今しか書けないということはない気がする ## かわのさきこ「夜明けには熱もさめる」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/skawano/4391/ - 言葉が症状に影響を与えるというのはわかるが、夢の文字列が共有されるのは都合がよすぎる気がした - タイトルはどういう意味なんだろう - 今しか書けないということはない気がする ## 矢貫はて「酒酒酒(しゅしゅしゅ)の乱」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/somadeva/4452/ - 冒頭の一文がよい - 一方でスマートスピーカーである必要性はよくわからなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 宿禰「グリーンエイジ」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/sukune61/4448/ - 登場人物の関係が複雑で2回読まないとわからなかった。フラオが主人公なんだろうか - ニューノーマルへの移行がテーマとのことだが、いまいち現実との関係性がわからなかった - 今しか書けないということはない気がする ## 赤碕拓郎「幻影祝祭日」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/takuro644/4357/ - 主人公が斑葉に協力する動機がよくわからなかった - 何が旬のネタなんだろう。AR…? ## 山森 衛「緑一色」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/thorodin5/4423/ - 『猿の惑星』のように BNA が立場の逆転を狙うならまだしも、使役される境遇を受け入れた上でただ文化を形成するだけの話というのは、物語としてもの足りない感じがするし、差別を肯定するようにも見えてしまうと思う - 今しか書けないということはない気がする ## 去場 司「トーキョー2020、予定通りに」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/tsukasalba/4444/ - 過去に戻って新型コロナウイルスの流行を止めるのでなく、暦をずらすことで解決しようとするのは笑ってしまった - ギャグなのでありかもしれないが、過去改変のタイム・パラドックスを無視してるのは気になる - 今しか書けない話だと感じた - 個人的には「三密世界における孤独の再発明」の方が好き ## 継名 うつみ「Think! Think! Think!」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/uchang/4428/ - そんなに大規模な仕組みならゴミデータを無視する機構くらい備わってるはずなので、高校生が簡単に狂わせられるというのはリアリティに欠けると感じてしまった。もうひとひねりが欲しい - 今しか書けないということはない気がする ## 馬屋 豊「ソネット」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/umayayutaka/4440/ - 「シェイクスピアはバズった」で笑った - SF要素はどこにあるんだろう - 今しか書けないといえば書けないが…… ## 和崎 藤丸「海出だし風が吹くのを待っている」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/wakasakifuji0/4411/ - スコアで階層が決まるというのはディストピアものでありふれた設定で、特に新しさは感じなかった - 代理母ももはやSFではなく現実の話で、SFとしては『すばらしい新世界』のように古くからある - 今しか書けないということはない気がする ## 邸 和歌「プロボスキス」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/yasikiwaka/4407/ - 読みやすいが、終末SFとして特に新しさは感じなかった - ただ、テーマはわかりやすく独自の世界観もあるので、実作で読むと面白いかもしれない - 今しか書けないということはない気がする ## 矢野七味「家族八脚」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/ysdsgt/4457/ - 終わり方がよくわからない - OSE の細かい描写がある割に特にその設定が活かされてないように感じた - 『家族八景』ぽいタイトルだけど、共通点はテレパシーだけかな - 今しか書けないということはない気がする ## 牧野楠葉「毀損」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/yuki1026/4370/ - 最後まで物語がどこに向かってるのかよくわからなかった。「幻覚放射」の話かと思いきやあまり活かされず、幸人が更生する話かと思いきや最後までクズ野郎だった - どこが旬のネタなのかもわからなかった ## 茜あかり「寿司ネタ殺人事件」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/yurikat327/4465/ - 一人くらい寿司ネタで書く人がいるかなと思ったらやはりいた - SF 要素はどこにあるんだろう - 旬の寿司ネタの話だが、今しか書けないということはなさそう ## 吉羽善「意志の回遊」 https://school.genron.co.jp/works/sf/2020/students/zenkichib/4389/ - イール・ニールたちが地球にきた目的やウナギを宿主に選んだ理由がわからずもやっとした - アピール文でウナギの絶滅の危機に触れているが、それが物語と同関係するかもよくわからなかった - ウナギの絶滅が取り沙汰されてからだいぶ経っていて、今しか書けないということはない気がする