# 大型ドローンデザイン考察 前回の調査結果、および現状のフォームファクターや技術的に制約となりそうな条件を満たすことを踏まえたうえで、デザインの方向性をより詳細に絞り込む。 前回2021/2/16の打ち合わせで <b>物資が底を尽きそうな時、飛んでくるドローンを見て「助かった!」と思ってもらえるデザイン ・安心感や信頼感が感じられるデザイン(過度に物々しい雰囲気のものはミスマッチ) ・明るいトーンの配色(消防車よりは救急車) ・柔らかでシンプルな面構成 ・剛性感のある強そうなアフォーダンス</b> ・羽枚数は6枚で今回は進める ・面構成は可能な限り少なく(山岳の突風対策、フレーム構成が良い?) ・カメラは3箇所程度付く想定 ・航空法の絡みもあるため灯も付ける必要あり(進行方向の明示) ・羽にはカバーがあったほうが良い(安全性) ・羽同士のクリアランスは確保しないとリスク → 線膨張係数を要確認、変形に強い構造を検討 上記項目は整合が取れた。 ![](https://i.imgur.com/LaiDhoT.png) 合わせて2021/03/01の打ち合わせにて <b>・カバーが羽と重ならないようにしたい、乱気流を発生させにくくしたい ・プロペラ回転軸を軸とした対角を意識してフレームを配置するとコントロールしやすくなりそう ・プロペラの軸を外に振ると飛行が安定しやすそう ・円筒パイプでの構成が良いのではないか</b> という観点を共有できた。 ドローンの筐体の構成要素としては大きく分けて4つの部位に分けられるのではないかと考えており、 ・フレーム ・メインボディ ・プロペラカバー ・ランディングギア フレームやランディングギアは要件を詰めていくことで自ずと必要な形が出来てくるため、意匠においてイメージを大きく左右する<b>メインボディとプロペラカバーの2つのエリアをどう構成するかで大枠のデザインが固まっていく</b>と考えた。 # ラフスケッチ案1 ### モーター部の構造案 ![](https://i.imgur.com/4C0V84E.jpg) 本体上面から空気を取り込み、ロスなく送風できる構造として、プロペラ吊下げ式が良いのではないかと考えた。 プロペラカバーを固定する時に上から覆いかぶさる形でASSYできるため(モーターが逆位置だとそれができない)、吊下げ式は自重によるカバーの変形に対して変形量をコントロールしやすいこと、加えて風が送られる先にフレームがないことでロスが出にくいことがメリットになる。 ### プロペラカバーの構造案 ![](https://i.imgur.com/b1eruob.jpg) 天面側から見たVIEWではTの字形で各羽/1個 取付けし、隣合うカバー同士を連結していくことで、小さな部品でも一体感のある大きなモノコックをつくる案。 ## 簡易的なイメージ確認のための面張り 考察内容を踏まえて一旦のタタキとして簡易的に面を貼ってみた(円形レイアウトのためフリーハンドによるスケッチよりは分かり良くなることも期待した) isometrix view(top) ![](https://i.imgur.com/Z9v6dGe.png) isometrix view(bottom) ![](https://i.imgur.com/LjryH6b.png) シンプルで必要最小限で風通しの良い面構成、風を受け流しやすい流線型の形状に、白もしくはライトグレーの明るいカラーリングでクリーンな印象を狙う。フレームは暗いトーンに落としてメリハリを付け、シャープな印象を狙う。 # メインボディ ### 材質選択と工法選択 現状は樹脂のモノコックフォルムを想定している。 バッテリーと荷箱は風を受ける面にならざるを得ないため、デザインとしてはその領域から大きく逸脱しない、かつ出来るだけ外から当たりに来る風を受け流すようななめらかな形状が求められる。 ボディ内部は各アームを支えるだけの剛性を確保する必要があるため、金属フレームで固める必要がある。 ### 外装パネル(サイドパネル、メンテパネル) 外装パネルとしての主な役割・・・気流の整流、乱流の低減、防水防塵 軽さが求められるため、外装グレードでかつ発泡材を採用できるとベター。 温度域が過酷なので(特に寒さ)樹脂物性に耐寒性能が必要。 防水性とメンテ性(特に開発初期は)に配慮する必要がある。 ※メンテの要件として中身をどれくらい開ける頻度があるかは要相談。ボディごと外してメンテ?メンテLID必要? ※樹脂の体積が大きくなるため、内部の電装類保護のため帯電対策必要? ### メインフレーム 各プロペラアームとの連結部を剛体にする必要がある。同時に外装パネルを締結するためのベースとして機能させる。 ### 制御部品パネル ESCやスピコンなどを配置するパネルを設ける(暫定) 各部品はレイアウト自由度を考え両面テープ等で固定 恒久的にはVA対象 # プロペラカバー カバーの役割は安全性のためであるが、具体的にはどういう要件が必要か考察する。 ### 材質選択と工法選択 モノコックカバーを樹脂で作るという案は、全長が3000mmを超えるサイズであるため工法が限られてくる。 射出成形を考えた場合、金型費用だけでも全く現実的ではないコスト感になるうえ、製造可能な成形機も手配できない可能性があるためかなり見込みが低い。 そのため構造としては6部品に分割し羽毎のカバーを選択せざるを得ないが、初期の段階での選択肢は、切削もしくは真空成形/真空圧空のどれかが候補となりそう。 板金で金属カバーを作る可能性は軽量に作れるのであれば可能性はある ### プロペラの基本 https://www.hikouki-pilot.com/prop-twist-reason/ >いくつかのモデルは、押す力でスラストを生み出すものもありますが、多くのプロペラは飛行機を前方に(ドローンの場合は上に)引っ張る力でスラストを生み出します。 この点はプロペラというものを誤解していた点。引き揚げる力を意識したデザインに練り直す必要がありそう。 同時に航空工学の用語もわからないものがいくつかあったので意味を調べた。 ストール:http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?%BC%BA%C2%AE ドラッグ:http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p051.html AoA(Angle of Attack):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%8E%E8%A7%92 ### 流体力学的な制約 https://heecheee.com/blog/2019/11/15/prop-duct-for-drone/ ドローンのプロペラカバーの影響について流体解析をしているサイトがあったので確認したところカバーはない方がよく、カバーの存在は運動性能に影響が大きいことが示唆されていた。(円筒は短いほど影響が少なくなるようだ) >ダクトがあるときの気流から推測すると ・ダクト上面はプロペラ上面になるべく近くする。 ・ダクト下面はプロペラ下面になるべく近くする。 ってなる。 つまり、周囲の空気を効率良くプロペラで下方に移動させ旋回流の外側がダクトに接触しないようにプロペラ下部は極力ダクトをなくすって事 デザインを考えるうえで制約条件のひとつとなるため、ここは慎重に考察したい。 また、プロペラとは違うがファンの世界では吸引側にも吐出側にも設計ガイドラインが設けられているのを見つけた。 https://ednjapan.com/edn/articles/1807/27/news014_2.html >吸引側:D≧0.2~0.3xΦ(プロペラ直径)、吐出側:D≧0.75xΦ(プロペラ直径) # プロペラアーム(フレーム) ### フレームのモーター保持本数差異によるイメージの違い ![](https://i.imgur.com/Q6qcioi.png) 円形のパターンと直線のパターンで、各モーター毎に伸びるフレームの本数とバランスの良さ、および意匠的にどう見えるかを確認するためいくつか線をひいて抽象化した図形を作成してみた。 下段右から2番目が本数が少なく、120°ずつフレームが伸びて偏りが少なそう。 円形レイアウトも考えてみたが曲げの工程を考えるとやや難易度が高そう。 ### アルミの線膨張係数と温度による変化量 概算(仮置き) フレームの寸法感からどれくらいの面の密度になるかを肌感で想定しておきたいため、フレームをアルミと仮定し長さを各1100mmと仮置した場合の温度変化による寸法変化量を概算した。 アルミの線膨張係数:https://www.hakko.co.jp/qa/qakit/html/h01020.htm 計算:https://www.yumoto.jp/technology/onepoint/coefficient-of-linear-expansion ![](https://i.imgur.com/JOv9tPh.png) ![](https://i.imgur.com/omyxF8j.png) 温度変化:+80-30(℃) typ.25℃ ※山岳での温度環境の変化と直射日光を想定 寸法変化:+1.4-1.4(mm) 最終の材質と寸法が出たあとで再計算が必要だが、フレーム材単体で3~3.5mm程度は交差を見込む必要がありそう。 ### アルミ角材の規格品 アルミ材の規格品を調べることで大まかな重量を見積もってみた。角柱のフラット面は空気抵抗が大きくなりそうなので円筒で構成したいが今回は計算を簡略化するため一旦角パイプで目安のための概算とした。 観点として<b>z軸方向の変形よりも、x,y軸方向の変形をよりリジッドにしたい</b>ため、不等辺形状を前提として考える。必要があればテーパー形状等を設けて根元の剛性を強くする。 規格品 http://www.kura-ad.com/alumi/kouzai5.html ![](https://i.imgur.com/CTNVHnh.png) ※モーターの取付け座の寸法:Φ50mm 3.83kg/4m : 1mあたり0.9575kg 1100mm x 6本 = <b>6.3195kg</b> モーター重量:1740g https://store-en.tmotor.com/goods.php?id=732 プロペラ重量:237g https://store-en.tmotor.com/goods.php?id=493 であるため、今回の計算ではプロペラ1枚あたり約3kg、6枚羽だと18kg。 モーター1つあたりMAX60kgのペイロードがあってx6で360kg、50%運用で180kg。 物資100kgとすれば本体重量で使えるのが80kg以内、一番重いのがおそらくバッテリーになり~~ボディで使える重さは大幅に削減する必要がありそう。 今回フレームとしては大きめのラフな見積もりだが、現状最もペイロードをロスしそうなため可能な限り軽量化を目指さないと厳しそうな印象。~~ ### アルミ円筒フレーム(21/02/25追記) 簡易的なイメージ確認のための面張りを実施した中で円筒柱パイプを想定したフレームをでデザインのタタキを作成したが、モーターを置いた際のz軸方向のたわみ量を計算してみた。計算では1本で計算しているが、デザインでは2本フレームを使う想定なので、下記計算より有利な変形量になるはずである。 https://d-engineer.com/unit_formula/haritawami.html#no1 ![](https://i.imgur.com/7IWuYKe.png) ![](https://i.imgur.com/K8AeQLO.png) 単純に倍と考えると 荷重(モーター)ありでのたわみ:約3.02mm 自重によるたわみ:約0.12mm程度 になると考えられる。 重量が0.212kgなので、2本(プロペラ1本当たり)で0.424kg、モーターとプロペラを合わせて2.4kg、6枚羽で14.4kgとなる。 # バッテリー 開発の進捗とその時々のタイミング毎に最適なバッテリーを選択する方針。 # ESC https://www.drone-station.net/blog/?p=1098 # ラフスケッチ案2 ### カバーのエアロダイナミクス https://heecheee.com/blog/2019/11/15/prop-duct-for-drone/ こちらのサイトの解析結果を見るとカバーが乱流に与える影響が大きいことが示唆されているが、空気の流れを阻害しないカバーの断面が作れれば、乱流の発生および影響を最小限に抑えることができるのでは?という発想でスケッチを描いてみた。 ![](https://i.imgur.com/9su6lnu.png) ※黒太線がカバーの断面形状 ![](https://i.imgur.com/nS04AQL.jpg) 荷箱がどのように空力に作用するかは現状想像でしか語れないが、少なくともプロペラのみの場合よりは乱流が発生しやすくなる方向に向かうものと考えられる。地上にいる間は箱と気流の間で、上空にいる間は箱の下部に乱流が発生しそう。シミュレーションが可能であればどちらのシチュエーションも確認したうえで設計を固められるよう推進したい。 ### プロペラ軸の傾きは何度傾けると良いのか? プロペラの傾きについてはあまり資料となりそうな情報が見つけられなかったが、軸を傾ける意義としてはPropWash対策が主なようだ。PropWash対策というキーワードでかろうじて以下がヒットした。傾きの設定としてはこちらは5°でやっているようだ。 メカ構造的な対策:https://drone4.blog.fc2.com/blog-entry-1643.html 空気摩擦の静電気に対する対策:https://microdrone-racers.com/aluminum-tape-mod/ プロペラの傾きに対しては一旦5°刻みでどのようなイメージになるか形状を作ってみた。 #### 5° isometrix view ![](https://i.imgur.com/uDOT9B3.png) side view ![](https://i.imgur.com/Y6caDjh.png) #### 10° isometrix view ![](https://i.imgur.com/L6HwLA9.png) side view ![](https://i.imgur.com/XI2JrpX.png) #### 15° isometrix view ![](https://i.imgur.com/iZHKL7N.png) side view ![](https://i.imgur.com/nbtsbj5.png) こちらも空力の制約があるかと思うのでシミュレーションや実際の試作を通じて仕様FIXできるよう推進したい。 空気摩擦静電気についても試作品を通して見られれば良いかもしれない。 ※メインボディについては要件の詳細を確認しつつ、随時アップデートしていきたい。 ※サイズが大きくなってしまい運搬性が悪化してしまうので簡単にプロペラアームを分解できるとなお良さそう 一旦はこの絵をタタキとしてご意見を頂きつつイメージの摺合せを行いたい。 →一旦は10°でレイアウトを進めることで整合。試作品を確認しながら都度調整。