# TBS制作局 AI活用推進企画書

## 1. 概要
本企画書は、TBS制作局におけるAI技術の活用を推進するための3ステップ戦略を提示します。局内のクリエイティブ現場の効率化や業務改善を通じ、制作現場、会社全体、ひいてはテレビ業界全体における競争力向上を目指すものです。

## 2. 背景・目的
### 背景
- クリエイティブな才能と高いディレクション能力を持つスタッフが集まるTBS制作局では、従来の業務プロセスにおける手作業やルーチン業務がDX（デジタルトランスフォーメーション）の推進を阻害する要因となっています。
- 一方で、業界全体では放送・制作プロセスの効率化と透明性向上、さらなるクリエイティビティの発揮が求められています。

### 目的
- **制作局内部のDX推進:** 少数精鋭のAI人材を育成し、現場でのAI活用を促進する。
- **制作アシストAIの開発:** 企画立案から編集、コンプライアンスチェックまで、各工程をサポートするAIツールを企画・導入する。
- **統合システムの構築:** ICT部署との連携により、全社的な情報システムと連携した統合プラットフォームを構築し、効率的な経営管理と制作運営を実現する。

## 3. AI活用推進の3ステップ戦略

### ステップ1: 制作局内部のAIリテラシー向上とDX推進人材の育成
- **目的:**  
  制作局内にAIを理解し、実際の制作現場で活用できる少数精鋭の推進チームを形成する。
  
- **具体策:**
  - **教育プログラム:**  
    - 外部講師やオンライン講座を利用して、AI基礎知識（機械学習、データ解析、自然言語処理など）の習得。
    - 社内勉強会や成功事例・失敗事例の共有セッションの定期開催。
  - **プロジェクト型学習:**  
    - 制作現場の具体的課題（企画書自動生成、スケジュール管理、視聴率予測など）に対して小規模プロジェクトを立ち上げ、実践を通じたスキルアップ。
  - **評価制度との連動:**  
    - AIスキルとDX推進活動を評価に組み込み、キャリアパスを明確化。

### ステップ2: 制作現場をアシストする「制作アシストAI」の企画立案
- **目的:**  
  現場のクリエイティブ作業や運営管理の効率化を図るため、制作現場に特化したAIツールの企画・開発を推進する。
  
- **具体策:**
  - **現状分析とニーズ把握:**  
    - 各部署（企画、編集、スケジュール管理、コンプライアンスなど）から業務フローや課題をヒアリングし、AIで補助可能な部分を抽出。
  - **AIツールのコンセプト設計:**  
    - アイデア自動生成、脚本ドラフト作成、スケジュール最適化、データに基づくヒット予測など、用途別にモジュール化。
    - ユーザーインターフェースの使いやすさや現場のフィードバックを重視した設計。
  - **パイロットプロジェクトの実施:**  
    - 限定的な制作現場でプロトタイプを導入し、効果測定とフィードバックを実施。成功事例を基に全社展開を視野に入れる。

### ステップ3: 情報ICT部署との連携による統合システム構築
- **目的:**  
  将来的に、制作局と情報ICT部署が連携した統合プラットフォームを構築し、全社DXの推進と業務の効率化を実現する。
  
- **具体策:**
  - **連携体制の確立:**  
    - 制作局のAI推進チームとICT部署との定期的な連絡会議、合同プロジェクトの設置。
    - 専任の連携担当者の配置により、円滑なコミュニケーションと課題解決を促進。
  - **統合システムの企画:**  
    - 制作アシストAIの各モジュールと、経営管理システムやデータベースを統合するクラウドベースのプラットフォーム設計。
    - セキュリティ対策やスケーラビリティを考慮したシステム構築。
  - **運用・評価体制の構築:**  
    - 導入後の定期的な効果測定と改善サイクルの確立。クリエイティブ性と経営効率の双方を評価する指標の設定。

## 4. ビジネス面でのメリット

### 4.1 制作側のメリット
- **業務効率の向上:**  
  手作業の自動化により、クリエイティブな作業により多くの時間を割くことが可能に。  
- **品質向上:**  
  AIによるデータ解析と過去の成功事例からの学習を活用することで、よりヒットを狙える企画が生まれる。  
- **現場の意思決定支援:**  
  リアルタイムのスケジュール管理や視聴率予測で、現場の迅速な意思決定をサポート。

### 4.2 会社全体のメリット
- **競争力の強化:**  
  最新技術を活用することで、業界内でのイノベーションをリードし、広告主やスポンサーからの信頼を獲得。  
- **経費削減と投資効率の向上:**  
  予算管理や経費予測の自動化により、無駄な出費を抑制し、ROI（投資対効果）の向上が期待できる。  
- **全社DXの促進:**  
  各部署間の連携強化と情報共有の効率化により、組織全体のデジタルトランスフォーメーションが加速。

### 4.3 業界全体のメリット
- **業界標準のイノベーション:**  
  TBSが先陣を切ることで、テレビ業界全体におけるAI活用の先進事例となり、業界標準の刷新に寄与。  
- **クリエイティブ生産性の向上:**  
  業界全体での制作プロセスの効率化により、より高品質で多様なコンテンツが生み出される。  
- **新たなビジネスモデルの創出:**  
  AIを活用したデータドリブンなコンテンツ制作や広告・スポンサーシップの新たな提案により、市場全体の活性化に貢献。

## 5. 今後の展開・期待される効果
- **短期的効果:**  
  ステップ1およびステップ2により、現場の効率化とクリエイティブな企画提案が加速。パイロットプロジェクトで具体的な成果が見え始める。
- **中長期的効果:**  
  ステップ3の統合システム構築により、全社的な業務効率が飛躍的に向上。社内外の連携が強化され、TBS全体としての競争力が高まる。
- **業界への波及効果:**  
  成功事例として、他局や業界全体にAI活用のモデルケースが示され、テレビ業界全体のデジタル化促進に寄与する。

## 6. まとめ
本企画は、制作局内部の人材育成から始まり、制作現場をサポートするAIツールの企画、さらにICT部署との連携による統合システム構築へと段階的に進む3ステップ戦略です。  
- **制作側には**、クリエイティブな活動に専念できる環境と効率的な業務プロセスを提供。  
- **会社全体には**、経費削減と競争力強化をもたらし、持続的な成長戦略の一翼を担う。  
- **業界全体には**、イノベーションの波及効果と新たなビジネスモデル創出のきっかけとなることが期待されます。

この戦略により、TBSはデジタルトランスフォーメーションを先導する企業として、今後のメディア市場において確固たる地位を築くとともに、業界全体の革新を牽引していくことができると確信します。

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**提出者:**  
TBS制作局局長  
**提出日:**  
2025年3月26日