関治之 Open Office 第15回: === ###### tags: `OpenOffice` OpenOffice 第15回 2020/11/25 17:00〜18:00 ゲスト:信岡良亮さん(さとのば大学) 島根県に25歳で移住。地域で色々地域創生を行っている 都市でキャリアがだめだった時に、田舎に行ってみたらキャリアが王道を外れても生きていける、ということを伝えていきたい。 →地域を旅する大学をやっている。(さとのば大学) {%youtube UjlevpTwhuw%} # アジェンダ 環境が変化していく時代では、トップダウン型の組織ではない、自らが組織を作っていくような自律分散型組織が必要だとされている。(自己組織化された組織) 島に行った時に、みんなが自分たちの街を良くしていくかを話していることに気づいた。 さとの場大学もそうだが、終身型の雇用モデルはこわれていて、10%のものがプロジェクト型になっていく。 個人がチームにジョインして、自分たちで生きていくような社会が生まれていくと思っている。 雇われるために活きるのではなく、自発的に創造してく学び。 とはいえ、世界にも自律分散型の組織というのはまだ少ない。 昨年ティール組織というのもあったが・・・・ まだ旧パラダイムが根強く残っている。 実際に、そのような働き方はどのように広がっていくのか? Code for やオープンソースガバメントはそのような世界なのでは? →関と話してみたい! ## 関はそもそも何やってる? 関はどれくらいのプロジェクトに関わっている? 経営している会社は3つ * [Georepublic Japan](https://georepublic.info/) * [HackCamp](https://hackcamp.jp/) * Code for Japan * その他国や自治体 * 政府CIO補佐官 * 東京都 * 神戸市 * 浜松市 * 西粟倉村 一番会社っぽいのはGeorepublic Japan。 オープンソースコミュニティと連携。社員は20名くらい。技術者中心。 HackCamp は自己組織化を目指していて、個人の成長と会社の成長がリンクすることを目指している。 そのために、[3つのフィールドを重視している](https://hackcamp.jp/hackathon/growth-environment/) ![](https://i.imgur.com/YZJllZ4.png) 大人の知的段階の成長には3段階あって、そのうちの3つ目、自己変容型知性が組織の中で増えていくと自己組織化されていく ![](https://i.imgur.com/GSuF0W0.png) ## さとのば大学について * 午前中はオンラインで学ぶ * 問の質を高める * 複雑に耐える * システム思考 * 学習する組織 * 午後は地域でプロジェクト学習をする 成長段階を作るための筋トレをしないと、そうならない ティールなどは、採用段階で人を選んでしまうイメージがある 自己組織化チームに入れるようになる準備はどこでできるのか? →さとのば大学が担っていきたい ## 自己変容型知性を持つ人を増やす道のり Code for でも、行政でやっている仕事にも、自己組織化に達していない人がいる そもそも、全てを兼ね備えている人はいないので、チーム戦を目指す。 大事ささえ認識していれば、そういう環境を作れると良い。 正直難しい。プロジェクトテンプレートとか、PMO的な組織とか、そういった存在が必要だと思っている どういう場を作っているか [ハックデー](https://hackday.code4japan.org/)という、プロジェクト持ち込み型のハッカソンを定期的にやっている。 こういう場を通じて、だれもが仲間を集められ、プロジェクトを推進していける HackMD を使って、どんなことをやっているかを誰でも参照できる (CfJコミュニティでの割合) Slack 4000 人、アクティブなプロジェクト数10〜20、プロジェクトの種50くらい。手を動かすフォロワーは1000人くらい。Summitのユニーク視聴者は4000人。 ## 「自己組織化」というワードについて 代表同士で話すとフラットなプロジェクトが立ち上がるが、チームに持ち帰ると、ピラミッドになってしまって進まないことがある。 成長段階のフェーズやプロジェクト経験値、自己組織化のレベル感によって進むものと進まないものがある。 全員自己組織化されていれば素晴らしいが、他の段階の人たちも必要。(信岡) 特にCfJのような多様なコミュニティでは、全員が自己組織化されているようなことは望めないし、純度が上がりすぎても世間から離れすぎておかしくなるかもと思っている。 HackCampでは、3段階目の知性に達しているような人が増えてきている。全体のなかでそういう人の割合が増えてくると、新人などもスムーズに移行できるような気がする ## エンジニアは自己組織化に向いている? エンジニアの働き方は、色んなプロセスが決まっている。アジャイルとか、GitHub とか、そういう働き方は、自己組織化されやすいと思っている。 ただし、日本ではアジャイルがあまり進んでいない。 ## 半径50メートル革命 地域は、何かをした場合の影響がわかりやすい。 社会の縮図的な要素がある。 日本全体を変えるのは難しいが、島の農業を変える、となった場合はわかりやすいし変えやすい。システム全体が見える。 SE的なプロジェクトが、オープンソース化され自律していくように、社会課題についても似たような型を作れないか? →行政にGitHub的な機能を設計できないか? 例えば、海士町では[ないものはないラボ](https://naimonohanai.net/about)という、第2町民と作る15番目の集落というのを進めている。参加住民や外部メンバーが費用を出して、予算編成をみなで考えるようなことをしている。 → Code for Japan でも、DIY都市というコンセプトで自治体とまちづくりをすすめている。 市民が出した予算に行政もアドオンするようなことができると面白いのでは? ## 自立分散型みらいには、自律分散型テクノロジーと自律分散型人材が必要。 さとのば大学をいれると、自律しやすい人材が生まれる。というのがコンセプト → CfJで進めているDIY都市でも、行政と市民の間に入るような第三の層が必要だと感じている。 育成なしにそのような人材は育たない。そうしないと、「えらばれた人だけができる」みたいになる ## 民主主義2.0 民主主義2.0に夢を見ている。 投票するだけが民主主義ではない。 10人いたらそれぞれが良いと思っている状態が良い 人間はそれぞれ、自分は平均よりちょっと上だと思っている。 学習しているから、まかせても大丈夫という考え方が必要 ともにつくるの前に共に学ぶ、というのがさとのば大学のコンセプト シビックテックも、行き着くところは民主主義。 台湾では色々な試みが行われている。 台湾の人たちは民主主義を勝ち取った世代。日本は与えられた世代なので、温度感が違う ## 透明性が上がることで意思決定の質が上がる 日本は情報の透明性が低い。 オープンデータ化と、評価のフィードバックがセットで必要。 100点か0点かではなく、60点のものは60点で評価すべき。 複雑性に耐える訓練が必要 台湾では、結構ラディカルなことをやっている。 データをオープンにするとともに、オードリー・タンさんが率いる [PDIS](https://pdis.nat.gov.tw/en/) では、Participant Officer という人たちがいて、市民参画をミッションとしている。 ## 熟議のためのツール ホログラムの多次元データベースで情報を見ながら、アウフヘーベンに至るようなテクノロジーがあると、情報の扱いをより高度にできるようになるのでは vTaiwan では、熟議をすすめるようなプラットフォームを使っている。 ![](https://i.imgur.com/yBQdOEC.png) 民主主義に興味があって、コーディングもバリバリできるような人がいたらきっと日本でも色々できると思う。 さとのばで、アジャイルプロジェクトの進め方みたいな講義ができないか?→時間が合えばぜひ