# 文章の可能性、彫刻と絵画 ###### tags : `請藏の論考` 1. 抽象度が上がるほど上に、具体度が上がるほどに下に進み、ある抽象度すなわち具体度の階層において例をあげるほど横に広がるとすれば、そこには三次元の空間が広がる。そして、ある文章によって示された抽象、具体、事柄とそれに対応した空間の位置を辿れば、その空間内に構造がつくられる。意味というマチエールを使った彫刻が可能かもしれない。抽象化の方向性に新たな次元を与えたなら、三次元空間に限らず、多次元空間内での造形が可能になる。座標で示すこともできるが、その位置情報を言葉(文章)が示すところに感動がある。 マチエール matière(仏) 本来は材料,素材を指す言葉だが,特に絵画では,作品表面の肌合いをいう。用いられている絵具の材質感や厚塗り,薄塗りなど絵具の層の違いから受ける重厚さや滑らかさなど,画家の個性や技法で作品の肌合いは異なる。マチエールの良しあしが作品の完成度に寄与する点も大きい。 2. 抽象度が高いほど赤く、具体度が高いほど青く、馴染みがあるほど濃く、聞き慣れないほど淡くしたなら、ある文章によって描かれる絵が見れる。逆に描きたい絵、色の配置に合わせて文章を構成することもできるかもしれない。 利己的な遺伝子を読んで、1. の意味での空間内を思考が縦横無尽に飛び回るそのアクロバティックさ、2. の意味での色鮮やかさが面白かった。