### CAMPHOR-CL Notebook 序章 part1 # 電気回路への誘い 近年、コンピュータやインターネットが社会に普及し、世間の注目はソフトウェア産業へ向けられています。 一方で、ソフトウェアが動作し、実世界に影響を与えるには、それを実現するハードウェアが必要です。 ソフトウェアを根本から支えるハードウェア、特に電気回路を、学んでみませんか? ## 電気回路とは? 電気回路とは、電流が流れる道のことを指します。 皆さんも電池やLEDで図に示すような回路を組んだことがあるでしょう。 このように、回路は必ず、各素子を結ぶ閉じたループになっています。 \ <img src="https://hackmd.io/_uploads/rJWaM83On.png" width=50%> 電気回路の主要な変数は電圧と電流です。 <img src="https://hackmd.io/_uploads/r1xg1Dhdh.png" width=50%> \ 各素子を流れる電流や、各端子間の電圧が定義できます。 通信や信号処理などの用途では、情報は電圧や電流などの形でやりとりされます。 また、回路を用いてエネルギーを、電力という形で伝送することもできます。 私たちが電化製品を利用できるのも、回路によってエネルギーが伝送されているためです。 ## 電気回路のありがたみ - ### 制御・観測が容易な系である。 この特徴は以下のように具体化できます。 - 電圧、抵抗値などのパラメータの変更が容易 - テスターやオシロスコープによる計測が容易 - 外乱の影響が少ない 例えば、機械的な系を例に考えてみましょう。 <img src="https://hackmd.io/_uploads/r1BmrP2d3.png" width=75%> この系はばね-質量-ダンパ系といい、以下の共振回路と同じ形の微分方程式が得られることが知られています。  下の共振回路が理論通りの挙動をすることは、比較的容易に確かめることができます。 しかしながら、上の系が理論通りの挙動をするか、測定し検証することは難しいです。 上の系は弾性力、慣性、抵抗力の他に摩擦や空気抵抗の影響があるため、理論値に近い挙動を再現するのは大変です。 また、物体の変位の正確な測定も難しいですよね。 さらに、パラメータを変更した再実験にも手がかかります。 一方、回路の場合は配線を接続し、オシロスコープのプローブをつなぐだけで系の状態を測定することができます。 確かに寄生素子やノイズなどの影響もありますが、機械的な系よりは随分小さいです。 また、様々な値の抵抗やキャパシタが売られているため、系のパラメータを変更して比較することも容易です。 さらに、摩耗が少ないのも回路のメリットです。 回路には物理的な可動箇所がほぼ無いため、長時間動作させていても劣化が遅いです。 機械式の場合はそうはいきませんよね。 このように、電気回路は制御・観測が容易な系、いわば**箱庭的自然**である訳です。 - ### 信号が高速に伝わる 電気は、導体のうえを光の速さで伝搬します。 (低周波回路の捉え方では、電流は電子の流れですが、高周波回路では電気信号は導体を伝って伝搬する電磁波として扱います) 信号を電気回路上の電圧の形に変換することで、信号を高速に、正確に送ることができます。 - ### 信号を簡単に処理できる 例えば、図の回路は抵抗とコンデンサのみからなる単純な回路ですが、フィルタとして作用します。 このような簡単な回路でも、使い方によってはノイズを取り除くことができるのです。 このように、電気回路を用いることで、信号を簡単に処理することができます。 <img src="https://hackmd.io/_uploads/S1k6AKMdn.png" width=75%> - ### 電磁波を通信に使える アンテナに交流電圧をかけることで電磁波を放射することができ、逆にアンテナが電磁波を受けると、電圧を生じます。 電磁波は周波数帯にもよりますが、自然由来のノイズが小さく、媒質なしに遠くまで届くため無線通信に利用されています。 - ### 様々なセンサを使える これまで述べたように、電気回路は信号を伝え、あるいは処理する用途に向いています。そのため、温度や湿度、磁場や加速度など、さまざまなものを電気信号に変換するためのセンサが開発されています。 (経緯としては、諸々の物理量を電気的に扱うためにセンサができた、という流れですが、今からものづくりをするにあたって回路を用いる大きなメリットではあります) - ### モータを使える・制御できる 現在工業において主に用いられている動力源はエンジンとモータでしょう。 モータはエンジンに比べ小型化しやすく、制御も容易なため、今後さらに用いられることになります。そんなモータを制御するのは他でもない、電気回路なのです。 さらに、サーボモータや回路をうまく利用することによって、複雑な機構なしにさまざまな動きを実現することもできます。 ロボット工学などの技術が発達してきたのは電気回路による寄与が多分にあるのです。 <a href = "https://hackmd.io/AdZFJjSUTd6jL5c7UuaMUw"> 目次へ戻る</a> <a href = "https://hackmd.io/6-lPWKDiReGrbUF27P0jxg">次回 : 電気回路に関わる概念</a>
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