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車両内ネットワーク

以前はECU間の接続は1対1の配線で行なっていたが、入出力信号やアクチュエータの飛躍的な増大によって、ECUサイズの増大や配線重量の増加などの問題が深刻化した。

課題

  • 配線本数の増加
  • コスト、重量の増加
  • 制御の複雑化
  • 仕様や構造変更の難化
  • 設計の複雑化

これらの課題を解決するため、従来の配線方式からネットワーク式のシステム構成が導入された。

CAN

現在車両内ネットワークとして最も一般的な方式。
特徴としては、省配線、拡張性、信頼性、送信の優先順位付けなどがある。
アクセス方式としてはCSMA/CA方式。
主にECU間のネットワークとして採用されている。

LIN

通信速度や信頼性が必要とされないコスト重視のプロトコル。
特徴としては、シングルマスタ方式のネットワークマネジメント、UART、クロック精度などがある。
主にECUとセンサおよびアクチュエータ間の安価なネットワークとして採用されている。

Flex Ray

制御系のECUで採用されている高速プロトコル。
特徴としては、TDMA、複数のネットワークトポロジ、高信頼性、高速通信などがある。
データ送受の高速性と冗長性が求められるシステムで採用されている。

CAN FD

CANを高速化したプロトコル。
高速通信とともに異なるデータ長を可能にするデータ構造。
EVやエンジンなどで採用されている。

車載Ethernet

車載ネットワークの高速化を目指して取り入れられたプロトコル。
最大1Mビット/秒のCANに対して、車載Ethernetの規格 100Base-T1は100倍以上の100Mビット/秒でのデータ伝送を行なう。
一般的なEthernetとは異なる規格。