# 20230217  Date: 2023-02-17 Author: ariaki / @ariaki4dev ## 自己紹介 - 何やってる人? - 都内に住むエンジニア - 漫画とかアニメとかに関わるWebサービスをずっと作ってきた - いまは「[MyAnimeList](https://myanimelist.net/)」という小さな会社で働いている - コミュニティ運営 - [技術書同人誌博覧会](https://gishohaku.dev) - その他、カンファレンスを運営したり手伝ったり登壇したり - 普段はエンジニアに向けて「アウトプットしよう」を全力で応援してる人 - たとえば、勉強会で初めて喋るのって難しい - 初心者向けの会があったら?練習の場があったら?スライドの書き方を学べたら? - そうやってハードルを下げたり場を提供するような活動をしている - 今日の目的 - アウトプットをはじめてもらいたい、成長してもらいたい - 今回はじめて大学生に向けてお話するので - 主に「アウトプットって何?どうしてやる?」の部分を掘り下げて話します - これから社会人になるのにちょっとだけ役に立ちそうなことも混ぜる、たぶん! ## アウトプットってなに? ### 「○○な人」 - たとえば 「数学が得意な人」 「料理が上手な人」「キャンプが好きな人」など - 特定の分野で「**頼れる(その人に聞きたくなる)**」ということ - 他人からみた**その人の評価**を表す言葉 - 1つでもいいし、多くてもいい - ○○の部分、自分だったら何が入るのか?入ってほしいのか? - 技術で自分の得意なことを作る - たとえば「SQLに強い」「設計に強い」「1on1に強い」みたいな感じ - ごく一部の人は「なんでも詳しい」って言われることもあるけどめっちゃ難しい - 何か得意な分野を作って磨いていくのが合理的 - 単に「JSが得意」位だとぼやっとしてる=競合が多いので攻めづらい - 差別化するにはニッチなところを攻めるのもあり - たとえば「Promise完全に理解してる人」とか - 得意な言語のなかでもさらに得意な分野があると良いかも - そしてそれが他に得意な人が少ないものだとラッキー - 中にはそれだけで食べていけるようなジャンルもある - 得意なことを発信して他者に認めてもらう - 得意なことは発信しないと**知ってもらえない** - たとえば料理が得意だとしたら? - 身近な人だったら食べたらわかるけど一般的には難しい - レシピブログ、インスタ、動画配信 - コンテスト、権威付け(有名な人に協力してもらうなど) - つまりアウトプットとは - 得意なことをまず**作って**、 - 得意なことを**磨いて**、 - 得意なことを**発信して**、 - 伝えたい相手に**知ってもらう**ための行為 - ひとことで表すと 「自分にタグ付けをする」 - 自分は何の人ですか?を繰り返し問い続けよう - タグ付けとは何か? - 人間の本質は「知的好奇心」 - 何にでも名前をつけて理解したがる - たとえば病気の名前がわかったら安心する - 人間にとって理解すること=安心につながる - 理解の第一歩は言葉による定義+分類化 - エンジニアの職業も分類化されている - たとえば「テックリード」「VPoE」というような職業はここ10年でできた - 職責(ロール)を言葉にすることでイメージしやすくなる - 言語化された分類がコミュニティになる - タグ付けは自分の分類を決めていくこと - 分類化することで「自分と似たような人」とつながれる - つながるってどういうこと? - その人たちの興味・関心・課題はなにか? - その人たちはどこで何をしているか - その人たちの知識レベルは? - その人たちから何を得られ、何を与えるべきか? - 双方の価値観にどんな違いがあるか? - 価値観の埋め合わせ - 自分と他者の価値観を比べ、基準を知り、ギャップを埋める - 知識のギャップ、待遇のギャップ、行動のギャップ、など - タグを組み合わせる - 価値=知識ではない、この認識が一番大事 - 自分の知識すべてを使って、何を生み出すことができるか - エンジニアリング以外にも価値を生む知識がある - たとえば、ドメイン知識、デザイン、組織論、会計、経営学 - あなたが持つ「知識の組み合わせ」があなたにとって唯一の武器 - ちなみに今の会社ではアニメにめっちゃ詳しいと便利 - タグ付けをする=パーソナルブランディング - 観測されるためのアウトプットを意識しよう - はじめに認知してほしいことは何かを考えてみよう=タグを考えよう - 同じことを繰り返し伝える=接触機会を増やす=観測される - パーソナルブランディングのステップ - 自分が望む分類の人たちに認知される - 自分は特定のテーマが得意だと他者から承認される - コミュニティ内に形成された価値基準によって評価される - もしかしたら登壇や執筆依頼がくるかも ### 人間の本質を考える - 社会は人が関わりあい、助けあうことで成り立つ - 人がたったひとりで生活に必要なものを手に入れることはとても難しい - 例)生活インフラや食料を想像しよう - 現代社会で原始的な自給自足生活はできない(鉄腕ダッシュを除く) - 完全な孤独では生きられない - 社会的分業によってそれぞれの人が専門価値を生み出している - 一方で他者との共存共生はストレスにもなる、社会との距離感は人それぞれ - 人は知らず知らず「社会=コミュニティ」の一員として生きている - 人は「豊かさ」を求めている - 豊かさを実現するための要素は「地位・権力・名声・富」 - 最近「地位や権力は気にしない人が多い」っていうけど地位ってなんだろう? - 自分が**やりたいことを実現する**ために必要なもの - 人間が1人でできることには絶対に限界がある - 克服するには仲間を増やしていくしかない - そのために重要なのは「**仲間から認められること**」 - 認められたら自然と地位や権力が向上するし、名声を得られる - やりたいことによっては地位を上げないという選択肢もある - 何を成し遂げたいか、社会に出てからフラットに考えていけばいい - 新卒で入ったとき、3年、5年、10年…で絶対に変わってくる - 価値観は移り変わるものだって思ってるだけでいまは十分 - 人は豊かさを実現するために「欲求」を持つ - 欲求段階説(マズロー) 1. 生理的欲求 2. 安全欲求 3. 社会的欲求:名前を知ってもらいたい、受け入れられたい、帰属したい 4. 承認欲求:注目を得たい、認められたい、尊敬されたい、名誉や地位を得たい 5. 自己実現欲求:人生観を構築して「あるべき自分」になりたい - 欲求段階説はさっき話したコミュニティからの認知と近しい - コミュニティに帰属する=名前を知ってもらうこと - コミュニティで活躍する=たとえば技術力を認められること - 自己実現はとりあえずコミュニティで活躍してれば見えてくるはず ### アウトプットの本質を考える - 私たちがアウトプットをする理由 - 欲求を満たすためのもの(さっき話したとおり) - 学習を加速させるためのもの - 知識の確実性が増す - 学び直す機会になり、知識が定着する - 記憶を整理・強化できる - フィードバックがもらえるかも - 学習継続の理由づけになる - 学習を習慣化できる - 自分の幅が広がる - 説明能力:人にうまく伝えられるようになる - コミュニケーション能力:人と良い関係を築けるようになる - 成長を計測する - アウトプットの量や期間は数値計測できる - 計測できる=実感できる=自己承認できる - その他にもたとえば - 個人的なもくろみ - 人脈が増やせる - 日常に刺激がほしい - もっと視野を広げると - 学びの価値を他者に広げられる - 組織内に広げれば、自分の仕事が減るかも - 社会に広げれば、豊かさにつながるかも - アウトプットとは - 知の共有(知の四階層、下になるほど深い知識) - 知識)知っていることや、理解していること - 経験)実際にやってみたことそのものと、そこから得た知識や技術 - 知見)外部から得た知識のうち、実際に自身が経験して体得したもの - 見識)物事の本質を見通すことができる判断力や考え方として昇華させたもの - 成果/価値の共有 - 新たな価値を提案する - 新たな価値を提供する - 成果物の価値(速度・品質・汎用性・生産性など)をより高く保つ - コミュニケーション - 何に悩み、気づき、決定・解決したのか課程と理由を共有する - 他者の時間と自分の時間を奪わないための質問や相談をする - 再現性を高めるためにドキュメントを書く - 感謝の気持ちを伝える、など - 自分から外に発信するものすべてがアウトプットだと捉えよう - たとえば「イベント運営スタッフ」なんかも立派なアウトプット - 技術以外をアウトプットの武器にすることもできる - 「**正しくアウトプットする**」を意識する - 発信者と受信者を意識する - 誰に対して何を伝えるためのアウトプットなのか? - その結果、受信者に**どうなってもらいたい**のか? - たとえば - 昨日○○言語始めた人に向けて環境構築を解説する - そうすると○○言語を学び始めることができる - そもそも自分は環境構築に3日悩んでしまった - そんなことで挫折してほしくない、みんな楽に構築できるようになってほしい - その次は何を提供してあげれるんだろう? - 受け取り手のことを具体的に考えてみよう - 何に困ってる人に向けるのか - どんな状況なのか - どうなってほしいのか - 結果として**どんなネクストアクション**を取らせるか - 欲求と嫉妬と感謝 - 「自分のほうが頑張ってるのに」と思ったことない? - たとえば - 自分の方が〜だけど、あの人のほうが知名度が高い - 自分の方が〜だけど、あの人のほうが褒められている - 自分の方が〜だけど、あの人のほうが収入が高い - 頑張れば頑張るほど欲求が嫉妬に変わる - 人間は絶対に他者と比べて劣等感を感じる生き物 - どんな人にだって劣等感はあるし、容易に克服できない - うまく付き合っていくコツ - アウトプット(とくに仕事)の本質は「感謝されること」だと知ろう - 誰かを助けて感謝される=肯定される=評価される=満足感を得られる - それがあなたの味方を増やすことにつながる - あなたのアウトプットを正しく届けよう - あなたの頑張りを正しく届けないと**それが当たり前になる** - とくにエンジニアは内向的にシステムと向き合う時間が多い仕事 - 頑張れば頑張るほど、他者とのコミュニケーションが減ることもある - たとえば「コード量と感謝量が比例しない」状況につながる - 頑張っても周囲から当たり前のように見えればプラス評価はされない - これが 「仕事で頑張ってるのに評価されない」現象になる - あなたの頑張りを正しく届けないと**承認・感謝されない** - 「誰のどんな悩みを解決してあげたのか」を正しく知ろう - エンジニアリングの基本は課題解決だよ - 1行のコード変更でめちゃくちゃハッピーになる人だっている - ギャップを知り、相手のことを予想する力を磨こう - 「自分が思ってる相手の喜び」 - 「相手が実際に感じる喜び」 - 大げさすぎない程度にアピールしよう - 自分の成長のために「感謝され上手」になろう - ときには大げさにしてもいい - 繰り返しになるけど、社会人にとって「感謝の量=評価」 - そうならないこともあるけど、覚えておくと絶対に損はない法則 - 他者のアウトプットを承認=感謝も大事、自分にも返ってくる - 重要なのは「**あなたの味方を増やす**」こと、そのための手段と考えよう - コミュニティと軸 - 私たちはコミュニティに所属している - ほぼ誰もが所属する二大コミュニティは「家庭」と「職場」 - 拠り所を基準とした人同士のつながり - 例)プライベートコミュニティ - 家族(両親、パートナー、子供、など) - イツメン(友人、など) - 例)パブリックコミュニティ - 同級生(学級、サークル、など) - 同僚 - その他に、エンジニアに向けたコミュニティが多く存在する - 例)カンファレンスや勉強会 - 例)Slackなどのオンラインコミュニティ - エンジニアコミュニティ - 私たちが専門とする**職能(スキル)**について**職場以外で交流できる** - 自身のスキルレベルを職場外を含めてフラットに俯瞰できる - 技術動向などをキャッチアップできる - 「**自身を評価するための複数の軸をもつ**」ことができる - 社内常識と業界常識の違いを考えられるようになる - 自身への評価の確からしさを認知する - 「複数の軸を持つ」こと - 私たちはコミュニティの中で他者から評価されながら生きている - 評価=褒められる、褒められて成長したい - 評価されるコミュニティ=軸が複数あることで、より個人を確立できる - 違う世界を見るのは、自分で自分を評価し直せるきっかけに(=自己承認力) - 過小評価されてないか - 過大評価されてないか - 視点を作る - アウトプットのために作る視点が自分を成長させる - 何を学ぶ=どう成長するかを明確にすることで、そこに向けて意識づけられる - 成長とは、自分が描く「未来像」と「現時点」とのギャップを埋める行為 - 自分に問いかけることが成長の一歩 - 何を学ぶか=未来に近づくための角度と可能性をあげる - なぜ学ぶか=目指すべき未来を正しく描き続ける - 人間は質問に支配されている - 意思決定するときは自分に対して質問してる - 例えば「青と赤どっちの服がいいかな?」 - アウトプットは自分に対して良質な質問を繰り返すきっかけになる ## 技術アウトプットをはじめる ### アウトプットを始める障壁を取り除こう - 「自分なんかにアウトプットはできない」を取り除こう - 同じことを学んでも**人によってアウトプットは異なる** - 学び方が違う - 難しく感じるポイントが違う - 背景や価値観が違う - 理解した内容の表現方法が違う - あなたより後から学び始める人はいくらでもいる - 知識の4段階でどの位置からでもアウトプットに需要はある - 知識、経験、知見、見識 - 今日自分が歩いた道を示したら、明日誰かが楽に通れる - 後続の人に学びのバトンを渡そう - 「誰よりも知っている」は誰にでもある - すごい人がすべての分野ですごい訳ではない - 特定のめちゃくちゃニッチな知識でもいい - 「自分のアウトプットには価値がない」を取り除こう - 学びの経緯だって重要な要素 - あなたが悩んだ(知りたかった)ことは、誰かが悩む(知りたい)こと - どんな順番だと覚えやすい? - 学ぶときすごく難しかったポイントは? - どこでつまづいた? - 関連づけて覚えるべきことは? - どこまで覚えれば充分なの? - 価値や自信を外堀から埋めることもできる - 日本語を学べば文章力がぐっと上がる - デザインを学べばスライドがぐっと綺麗になる - 喋る練習をすればトークが上手になる - 事前に**誰かにレビューしてもらえば**自信がつく - 価値を総和で考えないようにしよう - 他者に及ぼした価値の総和で計らない - 発信力や影響力は人それぞれ異なる - アウトプットできる回数だって人それぞれ異なる - 行動の蓄積によって計ろう ### アウトプットの種類 - 「音声」と「文字」 - 音声 - リアルタイム(即時的) - 受け手に**感情**を伝えやすい - 要点をわかりやすい伝える - 聴衆の顔がみえる - あなたの顔(行動)を認知される - 一期一会 - 量が限られる(5~60分) - 文字 - ライトタイム(適時的) - 受け手に**理論**を伝えやすい - 詳細をまとめて伝える - 聴衆の顔がみえない - あなたの能力を認知される - 何度でも反復できる - 量に制限がない - 人間のワーキングメモリは少ない - 数字=7、文字=6、単語=5が限界 - 15秒で90%を忘れてしまう - トーク=感情に訴えかける内容を強烈に伝える - 時間があまったら技術同人誌の話 - 執筆時間はかかる - 技術を網羅的に伝えるのに一番適したメディア - 1冊あれば名刺代わりに
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