# 修士論文構成案 その1 ###### tags: `修論` ## 題 ここに幹となる社会学的な分析、考察の枠組みが入らなければならない 入らないとすれば、幹ができていない その一事例としてアニメ産業 「アニメ産業における○○」「アニメ文化における▲▲」というタイトル どういう社会学的な現象を見いだしたか? ## 信頼できる用語辞典 アニメ業界用語が頻繁に出てくることになるので Shirobako アートワークス? ## 大枠 文化が産業として生み出されるようになると、売れる売れないという軸でのみ判断され、芸術性がないがしろにされる。 フランクフルト学派 マックス・ホルクハイマーとテオドール・アドルノ ところが、アニメは産業として営まれながら新たな文化を作り続けてきている。 メインカルチャー、ハイカルチャーとは異なる「力学」がある。 歴史的にみても、興行収入で成立する大衆娯楽のうちに生まれた芸術、文化がある 大衆文化、芸術 - ベートヴェンは宮廷音楽家ではない - シェークスピア、近松門左衛門は大衆演劇の座付き脚本家である - 浮世絵師や印象派は宗教画を描いていない - モネ、ルノワール、セザンヌ - 葛飾北斎、歌川一門 ポップカルチャーを生み出すコンテンツ産業において「イノベーション」「革新」「成長」とは何か? 1. 表現内容とターゲット、受容者が一気に広がるエポックメイキングな作品、製品の誕生 2. エポックメイキングな作品が切り拓いた新たなジャンルに、多くの同業他社が作品を供給するようになる 3. アニメにおける新市場、ジャンルの確立 **※アニメにおいて文化の発展を牽引してきたのは企業活動である** ゲームなら - スペースウォー!の時代 - PDP10メインフレームで情報工学科の学生の「お遊び」 - PON! インベーダー - 街角の暇つぶし機 - アタリからファミコン - 子供文化の一角 - ゲーム産業として確立され、ものすごいバリエーションのゲームが作られ始めた - 「クソゲー」掴まされて小遣いを無駄にした子供も多いけど - DoomなどFirstPersonShooting - ティーンエイジャーから大人まで - Wii - 家族全員が遊べる - eSports - ゴルフのツアープロに相当するほどの文化が生まれつつある 旧来の絵画、クラシック音楽におけるパトロンに相当するものが、産業として成立することで資本・出資者としてつくからでは。 映画の場合、ゲームの場合、マンガの場合etc -> 恐らく拡張可能だろう 市場の変化、新規参入企業の変遷を辿る アニメスタジオの盛衰がアニメーション文化の発展に与えた影響 日本のアニメ文化は、アニメスタジオという企業活動によって作られる作品が主である。 テレビ向けの週間放送のためのシリーズ作品、劇場公開の長編アニメーションなど。 この状況は「テレビまんが」の時代から変わらないが、作品のターゲットと受容のされ方は非常に多様化をみせている。 これは強烈な作家性を持ったアニメ監督を核とするアニメスタジオという企業群が切り拓いてきた領域である。 ここに、革新的な製品やサービスを核として成功した他産業との類似性がみられる。 何段階かに分けるとしてどこからどこまでを切り取るか? そもそも乱立するアニメスタジオという企業群自体が虫プロが生み出した「週間アニメ」という新市場によるものである。 後がないところからのガンダム、富野監督とサンライズとか アニメ文化の受け手を一気に広げた こういうダイナミクスが生き続けたので、90年代末期のゴールデンタイムのアニメ枠減少を経ても文化は生き続けている。 子供向けメインストリームの終わり ただし子供向けアニメもしっかり週何本もある 映画産業は広がりきったのでメインターゲットと受容のされ方があまり変わっていないのでは? ### 領域 産業、文化、イノベーション 産業史、文化の発達・変化、 * 産業 * コンテンツ産業 * アニメスタジオ * イノベーション * 文化・芸術 * ポップカルチャー 大衆文化 ### 序 コンテンツ産業のうち、アニメ産業を分析する理由 日本のポップカルチャーのうちアニメ文化の主流は企業活動として生み出された作品である。 ### 分析 アニメスタジオの系図を描く 「実績ある企業」からの独立・派生スタジオが多くあり、少数の完全新規参入組があるはず 信頼し得る系図すら存在しないので、これだけでもやる意義がある。 妥当性と客観性のある区切り方をしないといけない。 個人が作ってネットに上げてるものがいくつかあるが、それはその時々の注目度とか好みが反映されがち。 東映~エイケンまで4社分はある [アニメ・マンガ人材養成産学官連携コンソーシアムによるアニメ・マンガ人材養成産学官連携事業](http://amecon.jp/) http://amecon.jp/h24/common/img/pdf/anime_curriculum07.pdf 信頼できる一次資料による裏付けが難航すると思う。考察の枠組み以外にアニメ関係の資料を大量に探す必要あり。 幸い、資料が大量にある状態にはなったが、信頼性とか考えると使えるものは少なそう。 - 編年体でなく、紀伝体 - エポックメイキングなスタジオを取り上げて近しい年代ごとに切る - あえて恣意的に選びましたという宣言 - スタジオ設立時のアニメ市場について触れておく - 網羅的に全スタジオを取り上げると時間的にまとめられない - 実際にどこを取り上げるかは、分析の枠組みによって多少変わってくる - 「この手のスタジオを一つ挙げるならここ」というときの一社 ### 「手塚治虫プロダクション」アニメスタジオという企業群の誕生 手塚治虫のアニメーションを作りたいという希望 ディズニー大好きだったから 週間のテレビ放映アニメという、新しい「アニメ文化」 今でこそ普通だけども、手塚治虫が切り拓いた 手塚治虫マンガが子供にものすごく売れてたから、アニメも売れるだろうということ? テレビ局側はどう思ってたんだろうか。 資料あるかな。 アニメスタジオは日本に1社しかなかった。東映動画。 そこから手塚治虫がアニメを作るために大量に引き抜いて虫プロを設立。 「テレビまんが」を作る企業群「アニメスタジオ」という企業群の誕生 テレビアニメの誕生と成功により、テレビ局からの発注に対応するためかスタジオ数は猛烈に増えた。 虫プロから派生したスタジオが沢山ある模様。 この辺、時代が古すぎて資料が怪しい、1970年より前の話。69年頃? ### サンライズの成長 サンライズはガンダムと富野監督を核とした作品ポートフォリオをビジネスの中核としていた。 サンライズの特筆すべき点として73年に倒産した虫プロの制作進行と経理という間接部門のスタッフで組織された点がある。そのため、利益重視の社風である。利益は企業存続の必要条件であるが、クリエイターばかりのアニメスタジオにおいては軽視されてきた。虫プロが倒産に至った理由もそこらしい。そのような社風の多い中、煮え湯を飲まされたスタッフは何としても利益を上げようと戦った。 サンライズの設立からガンダムのヒット、リアルロボット路線の流行までを追う。 ガンダムの製作にあたり「宇宙戦艦ヤマト」「ルパン三世」の売れ方を分析した資料から、マーケティングを行っていた。 書籍 [] ジブリは事例としてやらないの? 良くも悪くも宮崎監督の存在が大きすぎる。 ### テレビまんがの終焉 長期シリーズの子ども向けアニメ 80年~ ドラえもん 90年~ クレヨンしんちゃん、忍たま乱太郎、名探偵コナン、 2000年~ プリキュア 2010年~ ドラゴンボールの新シリーズ ジャンプ作品やコロコロコミック、なかよし、りぼん、ちゃおなど漫画原作のアニメ 一方で… 2000年後半、民放のプライムタイムからアニメが消えた-> 資料あり 2014年にジブリは制作部(アニメを作る実働部門)を解散した。 出自からして、宮崎監督がオリジナル劇場アニメ作品を作るために設立された企業だし。 ## 深夜アニメの誕生 エヴァの再放送をするに当たって「放映枠」がない -> 編成上、どうしようもないので深夜枠で放送 -> 結構視聴率が取れた -> 夜中にアニメ流しても結構見てくれるという「実績」 -> 深夜アニメという新たな提供形態 提供形態に関してはOVAがあったけど潰えてしまった この辺の流れを抑えている資料はあるのか? アマチュア作品で名を馳せた新海誠が「君の名は。」にて興行収入200億円 「○○監督 最新作」のように監督名を訴求力としたプロモーションが打たれる。 新海監督作品=アニメはデートで見に行く映画になった。 ### 考察(幹) テレビアニメの誕生、子ども向け「テレビまんが」の隆盛はアニメスタジオとアニメ産業従事者を激増させたが、その衰退を経てもアニメ産業からは活力が失われていない。それどころか商業的には伸びているし、新たな作家と才能を引きつけ続けている。 どういうメカニズム、ダイナミクスか? 外的要因と内的要因の相互作用の中から、新しいアニメ表現を模索し産業と文化は進化を続けてきている。 * 外的要因 * テレビ局や映画配給会社から「こういうアニメが受けるから、作ってよ」というクライアント * 商業的にうける作品を求めている、内容は二の次 * 内的要因 * クリエイターの「こういうのが作りたいんだ!」という欲求 * 所詮子ども向けと軽んじられているアニメを、ハリウッド映画に匹敵するようなコンテンツとして世に認めさせたい * 「エコシステム」論が流行ってるので掠らせておくといいかも ### 結論 日本のシリコンバレーはマンガ/アニメ/ゲームに代表されるコンテンツ産業全体です。 ### 蛇足 ていうか、儲けるためにやってくる連中に食い荒らされないようにしたら、シリコンバレー超えられるのでは? 儲けは必要だけども、儲けるためだけに作られた作品は大体コケる -> プロダクトやサービスってそんなもんでしょ。 「シリコンバレーの失敗」を避けないといけない。 シリコンバレーはもう失敗してるか分からないが、ここ5年ぐらいロクな話聞かないし、2010年以降の創業で革新的な企業ある?