--- tags: eroge --- # 向日葵の教会と長い夏休み ネタバレ(殆ど)無し感想 ## 序文 タイトルの通り、向日葵の教会と長い夏休みのネタバレがあんまり無い感想になります。日記の1見出しとして書こうとしたんですが3000字を超えて長くなりすぎたので個別記事で投稿します 先に断っておくと、4人いる攻略対象の内、サブキャラレベルの2人は攻略してません。True解禁の為に必要な√(詠)とTrue(雛桜)を攻略した上での感想になります(後述するように音楽鑑賞モード解禁に必要なのでやる予定はある)。 なお、やる気があったらはてブロ辺りにネタバレ込みで感想記事を投下すると思うので既プレイ勢や今後プレイする予定が無く、ネタバレしても詳細な感想が読みたい人はそちらを御覧ください ## 本文 元々ケロQ, 枕のゲームが好きだった(の割にすば日々しかまともにプレイしとらんが)ので安かった時に買って積んでいたのだが、ここ最近7月の癖に全く夏らしくないので仮想的に夏を感じる為に1週間近く前からプレイし始めた 公式が雰囲気ゲーを自称している上に批評空間でも雰囲気ゲー, 夏ゲーとの評判が高かったのでそちらを目当てでプレイしたがその前評判は嘘では無く、仮想的に夏を体験するという私の目標は概ね達成された 特に松本文紀氏の作る素晴らしい音楽が果たす役割は大きく、各ヒロインにEDが用意されていることからも音楽に力を入れていることがよくわかる(確か2013年の萌えゲーアワードの音楽部門で金賞) ストーリーに関する評価はひとまず良かったと記しておくが特に名シナリオであった2人のキャラ(詠, 雛桜)√だけをプレイした上での評価になってしまう。攻略推奨順はインターネットで調べて知っていたのでその通りに行こうとしたのだが、意図せずTrueでも無いのに1番評価が高い詠√に突入してしまった上に気付いたときには他のキャラ√をやり直すのが面倒なぐらいになっており、他2人の前評判が微妙だったのでじゃあいいかと攻略を諦めてしまった。音楽鑑賞モードは残りの2人を攻略しないと解禁されないらしいので気が向いたらやります。 とりあえず詠√の感想から述べていく。 この√は後述する雛桜√に比べて"泣きゲー"要素が強い、アニメで泣く事は何度かあったがエロゲで泣くのはこれが初めてではないだろうか?("エロ"ゲで無いノベルゲーで泣いたことはある、[Narcissu](https://store.steampowered.com/app/264380/Narcissu_1st__2nd/?l=japanese)というゲームだった) 伝奇的なシナリオなので超常的で些かご都合主義な部分もあるが、しっかりと伏線を回収しているのも評価できる。同じメーカーの前身となるケロQの素晴らしき日々ではその伏線回収能力に度肝を抜かれたが、こちらもそこまででは無いものの、綺麗な伏線回収であった。これは良い方向に転んだのかわからないが、伏線が張られる箇所は結構露骨で、一見するとテキストの意味がわからない箇所であった。そのせいか後になってもその箇所を覚えており、どこのシーンだったかを明瞭に思い出すことが出来た。 シナリオそのものの良さに加えて、CGが他ルートに比べて綺麗なのもこの√の特徴である、特に風景。先程ゲーム自体の評価点に音楽を挙げたがこの√だけならCGも負けていない。アニメやソシャゲ, Vtuberのような(主にキャラクターや立ち絵が)動くコンテンツに押され"紙芝居"と揶揄されることも増えたノベルゲーであるが、紙芝居だからこそ背景や一枚絵に力を入れることが出来ることを思い出させてくれた。 この√に対して語りたい事はいっぱいあるが大半がネタバレを伴ってしまうし長くなるのでここで記すことは控えておく。気になる人は後日投稿するかもしれないはてブロ記事を待っていて欲しい。 ところで、ここまで絶賛している詠√のせいでその後に解禁される雛桜√に突入する勇気が無かった。実際、ペドフォビア(ペドフィリアとは真逆)である俺は露骨なペドである雛桜に√を素直に読むことが出来ず、序盤は詠√に比べてボイスはスキップ気味であった。雛桜√がTrueエンドであることはググって知っていたので先程まで観測していた詠の綺麗な物語を喪失するのが怖かったのである。 結果としてそれは杞憂に終わり、雛桜√も大いに楽しめたので良かったのだが、Trueより優れたシナリオを用意することはTrueを潰してしまう可能性があることを思い知った。 さてそんな不安の中始まった雛桜√だったが前半はペドフォビアを完全に殺し(悪い意味)にかかってくる。フワフワして受け付けないペドボイスに、可愛さ重視の立ち絵やCG(直前の詠√は綺麗さ重視で私はこっちの方が好きだった)、何より純真なペドの性格や発言が気に食わなかった。 こんなペドのせいで先程までの素晴らしい物語が上書きされてしまうぐらいならプレイを中断しようと思ったが結局そうはならなかった。進めていくにつれて慣れてしまったというのもあるかもしれないが、やはりそこはシナリオの効果であろう。 詠√のシナリオの素晴らしさは主に後半に発揮され、愛が育まれるのも後半だったのだが、雛桜√は主人公との愛が育まれていくタイミングが比較的早い。エロゲの核となる"愛"を早いタイミングで描いたことは物語に読者である我々を引き込むという意味では正解だったのではないだろうか さて、後半になると物語は更に加速する。軽くネタバレになってしまうが雛桜√の後半は同ルートの前半も含めこれまでの√と時間軸が異なる(したがって詠√の喪失という懸念は実現してしまう)。と言っても公式のオープニング等で既にそれは示唆されているのでネタバレもクソも無いといえば無いのだが。ちなみにオープニング直後の章表示でどの√に入ったかわかるのでそれを参考にしましょう、私はこれに気付かず推奨順番をすっ飛ばして詠を攻略してました この前半と後半に分けるという設計は大成功だったように思える(何よりペドが成長する)。長い時間をおいたことで生じた感情の変化(あるいは成長に伴う自覚)が上手く書かれており5人目の√という雰囲気を醸し出しながら、本来の4人目の√としての役割を果たしている。 また、これはゲームの仕様なのだが雛桜√の後半は詠√をクリアすると解禁される(らしい、というのも詠√の直後に雛桜√をやったからです)。これには理由があって詠√で語られる詠に関するある事実が雛桜√に絡んでくるからである。これは嬉しい反面、綺麗だった詠√が正史にならない事実を突きつけられて辛い気持ちもあった。だが、詠の想いが雛桜√でもしっかりと書かれていたのですんなりと受け入れることが出来た。 このように総合点では劣るものの詠√のロストをリカバー出来るだけの構成になっている。Trueエンドに求められるのは素点が高いシナリオというよりはTrueとして納得出来るシナリオであるということが良くわかった。 全体的に高評価なゲームであったが、不満点が無い訳ではない。1番大きいのはエロシーンの詰め込みである。 両√共に感動的なエンディング -> EDテーマでカタルシスを感じて終わり、ではなくこの後にしつこいレベルでエロシーンが降ってくる。しかも最後の最後にまた感動的なシーンをちょっとだけ持ってきているのでそれを見る為にはエロシーンを捨てるわけにはいかないのである(クリック連打ですっ飛ばしたが) このせいで、すば日々以来抱いている"エロゲにエロは不要"論が加速した。ただあちらと違い一応抜けるようなCGと描写にはなっていると思う、割と甘めの展開だし。 他の不満点は無いことも無いが、雛桜√の前半と後半で時間軸が飛びすぎており、そこを補完出来るシーンが無いというような重箱の隅をつつくレベルである。性癖に刺さるキャラが全く居なかったという"エロゲ"として最悪の不満点があったが主観がデカすぎる上に"ノベルゲー"としては最高峰だったので大した問題ではない。 逆にこれはロリペドが好きなオタクなら大きな評価点になると思うのでロリコンの皆様には胸を張ってオススメします。但しまだ攻略してないサブキャラ2人はグラマラスです。 ## 結び 軽く触れる予定だったのにやる気が無い日の日記を大幅に上回る量書いてしまった(この地点で3000字を超えているらしい)。はてブロに感想記事を上げる余地は残っているのだろうか、それほど心に残る作品であった。 そんな夏ゲーにふさわしい向日葵の教会と長い夏休みは今ならFANZAで半額!!今直ぐ買いましょう -> <https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/mnphs_0003/>(※リンク先R18サイト)