# 2020/01/08 ###### tags: `ビジネスエコノミクスI` * 第1価格式=オランダ式では、うその選考表明の可能性 * ほaどほど低めの支払意欲を表明する誘因 * あまり低すぎると他人が勝者になってしまうリスク * あまり高すぎるとうそをつく利益がほとんどなくなる * 第2価格式=英国式ではうそをつく誘因がない * ただし価格は低めである * **「収入等価定理」**(あるいは、単に **「等価定理」**) * 一定の条件(プレイヤーはすべてリスク中立的、など)の下で、4つのオークション・メカニズムがもたらす平均価格は等しくなる ## オークションの分類 * シングル・オークション * 売り手を決める場合と、買い手を決める場合 * 売り手を決めるオークション→公共事業の業者選定など * 買い手を決めるオークション * ダブル・オークション * ここではシングルオークションを主に考える * 私的価値と共通価値 * 私的価値=対象への評価が人ごと異なる(絵画等) * 共通価値=対象への評価は共有→不確実性が存在 * 石油採掘権など * 一般に不確実性のない共通価値の財についてのオークションは行われない * たとえば、1万円札をオークションで売却はしない * しかし1万円札が入っている福袋があって、そこにいくら入っているかが知らされていない場合には、オークションをし得る * 「勝者の呪い」(最後のページ * ここでは、私的価値オークションを主に考える ## オークションの分類(3) * さまざまなオークション * 封印式オークション(sealed bid auction:[入札]) * 第1価格式(first price Auction)♦ * 1番高い価格を投じた人がその価格で落札 * 第2価格式(Second Price Auction)★ * 1番高い価格を投じた人が2番目の価格で落札 * 公開式オークション(Open Bid Auction:[セリ]]) * 英国式(English Auction)★ * セリ上げによる * オランダ式(Dutch Auction)♦ * せり下げによる * 花卉市場 ## 戦略的疑問 * 第1価格式=オランダ式で、うその選考表明の可能性 * ほどほど低めの支払意欲を表明する誘因 * あまり低すぎると他人が勝者になってしまうリスク * あまり高すぎるとうそをつく利益がほとんどなくなる * 第2価格式=英国式ではうそをつく誘因がない * ただし、価格は低めになる * **「収入等価定理」** (あるいは、単に **「等価定理」**) * 一定の条件(プレイヤーはすべてリスク中立的、など)の下で、4つのオークション・メカニズムがもたらす平均価格は等しくなる ## 補足:リスクに対する態度 * 2つの抽選券 * 抽選券1 * 1等賞金10万円(確率1/3) * 2等賞金5万円(確率1/3) * 3等賞金0円(確率1/3) * 抽選券2 * 1等賞金10万円(確率0) * 2等賞金5万円(確率1) * 3等賞金0円(確率0) ## 補足:リスクに対する態度 * 「抽選券1」と「抽選券2」のどちらを好むか? * 「抽選券1」を好む者→リスク愛好者 * 「抽選券2」を好む者→リスク回避者 * 「抽選券1」と「抽選券2」が無差別な者→リスク中立者 * 各抽選券の特徴など * 「抽選券1」は非常に高額な賞金をもらえる可能性がある半面で、すべて失ってしまう可能性がある * 「抽選券2」は確実に5万円をもらえる * この2つの抽選券の期待値(平均的な収益)はおなじだが、分散(リスクの尺度)は異なる ## リスクに対する態度と収入等価定理 * オークション参加者の大多数がリスク回避者の場合 * 第1価格式(=オランダ式)で決まる価格>第2価格式(=英国式)で決まる価格 * 早くにbidしてしまう(取られるリスクを大きく見る) * オークション参加者の大多数がリスク愛好者の場合 * 第1価格式(=オランダ式)で決まる価格<第2価格式(=英国式)で決まる価格 * bidは遅くなる(取られるリスクを軽く見る) * オークション参加者の大多数がリスク中立者の場合 * 第1価格式(=オランダ式)で決まる価格=第2価格式(=英国式)で決まる価格 → 収入等価定理 ## オークションをめぐる様々な問題(その1) * 「最低売却価格」設定をめぐっての戦略的行動 * 売り手は、第1価格式でも第2価格式でも、最低売却価格を意図的に高めに設定して値を吊り上げることが可能 * 「談合」の可能性 * プレイヤー数が肯定されている限り、談合は所得分配をゆがめても、資源分配をゆがめない(効率性は担保される)※一回限りの場合 * 新規参入の可能性があるとその限りではない→指名競争入札は資源配分をゆがめる可能性がある * 繰り返し行われる場合、資源配分がゆがめる可能性がある * 理論的には、第2価格式(=英国式)で談合が生じやすい * 売り手を決めるオークション * A社 * B社 * C社 | 社名 | 最低販売価格(各社の技術に依存)←私的価値 | | -------- | -------- | | A社 | 28,000万円 | | B社 | 24,000万円(最も技術力を有する) | | C社 | 31,000万円 | 発注者が設定する上限価格=35,000万円 第1価格式 * 談合がないと28,000万円前後でB社が落札 * 談合するとどうなるか * 談合が決める落札者 B社が35,000万円で受注 * A社は3.6億 * B社は3.5-x億 * C社は3.6億 ## 裏切りの可能性 * 第1価格式 * 談合によって |社名|入札額| | -------- | -------- | |A|3.6| |B|3.5-α| |C|3.6| AかCは裏切って例えば3.3億円と入札する * 第2価格式 |社名|入札額| | -------- | -------- | |A|3.5-α| |B|2.4| |C|3.5|