# 企画の出し方講座
by Subaru Nakazono
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## 簡単な自己紹介
ソフトウェアエンジニアとライター・編集者を兼業するパラレルワーカー。
コンテンツ制作やイベント運営、各種メディアとのリレーション構築などを通じて、複数社の技術ブランディング支援を行う。
支援企業:アソビュー、AWS、Findy、Sansan、PLAID、出前館、Haul、ENECHANGEなど
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## ブログのアンケート結果
課題ランキング:①ネタが無い
- 普段の業務の中でなかなか書きたい内容に出会えない
- テックブログ書くこと自体始めてでどういった内容が良いのかがわからない
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## 「企画が無い」の正体は<br>大きく分けて2つ
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### ①企画のネタを見逃している
私たちが1日に接する情報量は、
平安時代の人の一生分、江戸時代の人の一年分。
各種SNSやチャットツールなどを見ていると、
膨大な量のインプットができる。
日々の業務でもさまざまな技術に触れて、
数多くの経験をしている。
それほどの情報量に触れているならば、
絶対に「ネタがない」ことは起こり得ない。
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### ②「何が企画として面白いか」という判断基準がわからない
技術ブログに限らずコンテンツは
「ネタ」と「切り口」で方向性が決定する。
同じネタでも、着目する面や想定読者を変えれば
バリエーション豊かな企画にできる。
技術ブログを執筆する際に、エンジニアの多くは
「切り口」を考える機会が少なくなりがち。
そのため切り口のバリエーションが少なくなり、
既存記事と同じような企画になる。
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## 企画立案のアプローチは<br>2つの手順に分かれている
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### ①まずは見逃している情報を<br>網羅的に可視化する
「新卒の人がアソビューに入社してきた場合に、
自分とチームのことをなるべく全て
理解してもらうにはどんな説明をするか?」
と考えてみる。
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#### 解像度が低い例
私はアソビューの○○チームで
サーバーサイド開発をしている。
○○というプロジェクトに携わっている。
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#### 解像度が高い例
私はアソビューの○○チームで
サーバーサイド開発をしている。
○○チームは○○という目的で立ち上げられて、こんなメンバー構成になっている。
スクラムを導入して開発を進めており、
○○や○○などのスクラムイベントが発生する。
スクラムイベントは○○を大切に運用している。
サーバーサイドの技術としては
○○や○○、○○などを採用しており、
プロダクトに○○という要件があることから
○○という設計上の工夫をしている。
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#### 解像度が高い例
私はチーム内で技術的負債解消のための
○○というプロジェクトに携わっており、
このプロジェクトでは○○や○○を改善できた。
私は子育てをしながら働いているが、
アソビューはフルリモート・フルフレックス
であるため○○時から○○時に働いており、
無理なく家庭と仕事を両立できている。
家庭のことが忙しくあまり
プライベートの時間に技術の勉強ができないが、
それでも仕事で使う技術のキャッチアップに
困らないよう○○をしている。
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#### 「解像度が高い例」をネタに変換
- ○○チームは○○という目的で立ち上げられたチームで、こんなメンバー構成になっている。今後こういうことを目指している
- ○○チームが採用しているスクラムの手法とその運用ノウハウ、運用改善の歴史
- ○○チームが採用している技術スタックとその特徴、利点、変遷
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#### 「解像度が高い例」をネタに変換
- 私が取り組んでいる技術的負債解消プロジェクトの特徴とその成果
- 子育てをしながらフルリモート・フルフレックスでうまく働くために心がけていること
- プライベートの時間に技術の勉強をしなくても、技術的なキャッチアップをうまく行うためのコツ
→これだけで6ネタできている。つまり「ネタがない」とは「会社や業務への解像度が低い」ということ。解像度を高めればネタは自然と見つかる。
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### ②可視化できたネタを<br>「情報の希少性」「課題の鏡面性」で<br>ふるいにかける
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#### 情報の希少性
「情報の希少性」とは、記事で紹介する内容が
「世の中にまだ十分に流通していない
希少なものか」という視点。
たとえば、アソビューの過去のブログで
「フルリモート・フルフレックスであること」に
関する記事が過去に山ほど出ていれば、
新しい記事を作る価値は低い。
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#### 情報の希少性
非常に専門性の高いネタであり
「世の中でその情報はめったに提供されない」
という性質のものであれば、多くの人に読まれる
(バズる)可能性が高い。
(例:アソビューがモジュラモノリスを
採用するに至った経緯など)
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#### 課題の鏡面性
「課題の鏡面性」とは、記事で紹介する内容が
「読者が自分ごと化して読むことができるか」
という視点。
たとえば、採用面接を受ける人の多くが「どんな技術スタックを採用しているんですか」と聞いてくるのならば、「○○チームが採用している技術スタックとその特徴、利点、変遷」の記事を作っておく意義は大きい。
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これらのプロセスを経由したうえで、
「希少性もニーズもあるから、
○○チームが採用している技術スタックと
その特徴、利点、変遷の記事を書こう!」
などと決める。
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## 想定読者の設定
企画の方向性が決まったら
「どんな読者に読んでもらうか」を定義する。
たとえば、「子育てをしながらフルリモート・フルフレックスでうまく働くために心がけていること」であれば「自分と同じように、子育てをしつつ働きたいと考えている転職候補者」などが
想定読者として考えられる。
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## 想定読者の設定
その読者は「どんな情報を知りたいのか」を
考えることが、タイトルや導入文、構成を
考えることにつながる。
逆に言えば、このフェーズでうまく
想定読者を定義できないのであれば、
その企画には本当にニーズがあるのかを
再考した方が良い。
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#### 例
https://tech.asoview.co.jp/entry/2023/12/11/103846

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#### タイトル
エンジニア×ママの働き方。柔軟な勤務ができ、子育てへの理解があるアソビューの環境
#### 導入文
入社する時に働くママ(パパ)が実際にどの様な働き方をしているのか気になり、パパママ座談会を開いていただいたのが良かったのでこの記事もアソビューに興味のある方の参考になれば嬉しい
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#### 構成
- 1日のスケジュール
- イレギュラーな日の対応
- 子供が体調不良
- 自分が出社する日
- 17時以降のイベントや飲み会
- 働くパパママにとって嬉しいアソビューの働き方
- フルフレックス制度なので、柔軟な勤務が可能
- パパママが多く理解がある
- お出かけ情報が豊富
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タイトル・導入文・構成いずれも
「どんな読者にどんな情報を届けたいか」が
明確化できている。
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## まとめ
「企画の出し方」はフレームワーク化できる。
やみくもに悩むのではなく、
こうしたフレームワークを有効活用してほしい。
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