# 音楽ゲームの公募に初心者が挑戦してきた! ## 概要 本記事では,初心者コンポーザである筆者が,とある音楽ゲームの公募に挑戦した際の経験について様々な面から紹介する. 今回筆者が公募に曲を提出したのは,「 ChainBeeT 」という音楽ゲームである.このゲームは【シンプルだけど手強い本格音ゲー!】を名乗っている通り,とてもシンプルな UI を用いており,様々な難易度の譜面が無料で遊べる神ゲーである. [chainbeet?playscene.png]をはる https://team-frog.com/chainbeet/ (仮でリンクはってる) また,実際に公募に提出した曲はこちらから聴いていただきたい. HORNET - destructed happiness - / Thike https://soundcloud.com/user-467502817/hornet-destructed-happiness 以下では公募の提出にあたってどんなことを考えたのかについて時系列を追って述べる. ## STEP1 : 曲の構成 + 音の配置 「ChainBeeT」は,名前の中にも含まれている通り,"Bee" つまり蜂をモチーフとしたゲームである.ここで当時の私はなにをとち狂ったのか,蜂側の視点の曲があったら面白そうだな,などと考えた.~~今考えても意味が分からない~~ そこで,蜂が巣を襲われると攻撃態勢に入るあの性質を曲にしてみよう,と思い曲の構成を考え始めた.その中でも凶暴なスズメバチを題材にした.もう高難易度にせざるを得ない... 曲の全体構成は以下の通りだ. まず最初から中盤にかけては比較的穏やかでピアノの優しい音色を中心としている. 途中でしれっと32分音符を利用して,いわゆるスライドノーツらしい表現を入れている.これは私がよくやる手法の一つで,低い音から高い音に向けて階段状に音を配置すると,横に流れている感じが出せるのだ. 中盤では落ち着いてはいるものの,ところどころで音が途切れたりするような表現を入れることで,不穏な感じを演出している. そしていよいよ終盤,いわゆる発狂である. 高頻度で16分音符の階段4連を置いている.これに加えて,音楽ゲームにおけるトリルを思わせるような16分音符を配置している.しかもこの配置の最後の数個だけ24分音符を配置している.~~いわゆるユーザ泣かせである.~~ また,SuperSawが音程によっては蜂の羽音にかなり似ていると感じたため,ところどころに配置している. しかし,スズメバチがモチーフならばこれだけではとどまらない. 一度落ち着いたかと思わせて,ところどころリズムを変えてより凶暴化して再発狂. しかもこちらは,先ほど述べたトリルを思わせる配置の最後には32分を置いている. ~~ここまでくるともはや人の心がない.~~ そして,フィニッシュは8分音符階段4連 ⇒ 16分音符階段4連 ⇒ 24分音符階段4連を配置した.最後まで密度たっぷりである. あぁ,大事なことを言い忘れていた.この曲の BPM は **240**である.~~仮に公募に受かった場合,プレイヤーへ謝罪するのは必須であろう.~~ ## STEP2 : Mix とにかく悩みに悩んだ場所.というのも音楽ゲームの曲を作る以上はリズムが重要である.メロディもそうだがなによりキックを表に出したいものである. 先ほども述べたように,曲の前半は基本的に穏やかなので,苦戦するようなこともなかった.問題は後半である. ピアノを前に出しすぎても違う,(もう一個のメインメロディのやつの名前)を前に出しすぎると他が何も聴こえない.キックを表に出しすぎるとうるさすぎる.考えることが多すぎて頭がパンクしそうである. 結局私はピアノをある程度前にした方がバランスが取れそう,ということでその基準をもとにミックスを行った. PAN に関しては Pancake 2 で調整している. 今回の曲では,左右に振るとはいえ振りすぎると雰囲気がおかしくなってしまうため,控えめにしてある. コンプは,UAD の LA-2A Tube Compressor を使っている.見れば使い方が分かる,とてもシンプルなプラグインである.細かい調整がしたい場合は合わないかもしれないが,手っ取り早くコンプをかけて GAIN をマシマシにしたい人にはおすすめである. ## STEP2.5 : Mastering + 曲の書き出し Ozone 10 に全て任せたがとても良かった.Ozone 最高.とはいえ,自分で少しは調整した方がいいだろう.Ozone は価格から手が出づらい人もいるかもしれないが,あるとないとではマスタリングの快適さが圧倒的に異なる.持っていない人は購入することを検討してみるとよいだろう. (今なら Ozone 11 になると思われる) また,公募にもよるが今回は 16 bit,44.1kHzで書き出しという条件があったので忘れずに値を変更して書き出した. ## STEP3 : いざ提出... ? 一通り曲が完成した.ここまで約2日間である. さて,提出しよう!と思ったがSoundCloudにあげて聴いたら思ったよりも音が単調すぎる. それもそのはず,メロディーとなるピアノのベロシティを全然変えていなかったのである.基準とはなんだったのか,~~ピアノを基準にしなければよかったのに~~ というわけでMixのやり直しが必要に.アアアアァァァァ ! ## STEP4 : 今度こそ提出! ピアノのベロシティも調整した.今度こそ本当に曲の完成である. いざ,Google Form に必要情報を記入して提出!あとは結果を待つだけだ. [chainbeet_submit.png]をはる 以上が提出までの流れである. ## おわりに ここまで筆者が音楽ゲームに公募した話について述べてきたが,強く感じたのは技術不足である.筆者も音楽ゲーム大好きな人間なので様々な曲を聴くが,有名なコンポーザの曲は音ごとのバランスが綺麗すぎるのである.将来これぐらいきれいな曲を書けるようになりたいものである. 最後に大事なことを述べてこの記事の〆とさせていただく. 今回の公募の結果は... 採用! / 不採用!**(10 / 21まで結果出ないので2パターン一応書いとくね)** 信じられない結果となった.とてもうれしい限りである. / 予想はしていたが少し悔しい.次回機会があればリベンジしたいと思う.