材料科学 牧野さん 用語説明 **材料の性質**=材料の**組織**(内部構造) =成分 x 製造プロセス **構造材料の条件** ・速度・加工性・経済性 **結合の種類** ・イオン結合・共有結合・金属結合・ファンデルワールス結合(分子間力) **ブラベー格子**は14種類 重複により実質7種類 **fcc** AL,Cu,Ag 74.05% **bcc** Na,Fe 68.02% fccとは最密面の積層順序が異なる **hcp** Mg,Zn 74.05% ※これはブラベー格子ではない **ブラッグの法則** X線を照射したとき、回析が起こる波長によって格子面の間隔がわかる 2dsinΘ=nλ **空孔** 本来あるべき場所に原子がない状態。これにより、結晶の内部エネルギーが増加する。 **転位** 線欠陥(1次元的格子欠陥)ですべり変形に大きく作用する ・刃状転位・らせん転位・混合転位 **面欠陥** 2次元的格子欠陥で面積に応じて内部エネルギーが上昇する ・結晶粒界・積層欠陥 **固溶体の侵入** ・侵入型固溶体・置換型固溶体 侵入型は八面体位置と四面体位置に入り込む | 構造 | 八面体位置の隙間半径 | 四面体位置の隙間半径 | | ---- | -------------------- | -------------------- | | fcc | 0.414r | 0.225r | | hcp | 0.414r | 0.225r | | bcc | 0.115r | 0.291r | より、bccよりもfccのほうが隙間が大きく、炭素が良く固溶する **拡散** 空孔に原子が移動することにより発生。移動時に、他の原子を押しのけるための活性化エネルギーが必要 **マタノ界面** 金属が相互拡散する際に、その濃度をy、距離をxとした際、あるxで前後の面積が一致するとき、そのxをマタノ界面と呼ぶ。 **ボルツマン-マタノの方法** 相互拡散の拡散係数を図式から求める方法 **カーケンドール効果** 黄銅を銅で囲み、境界にもりぶでん線を置いて過熱したところ、Cuは黄銅の方へ、ZnはCuの方へ拡散し、Mo線の間隔が時間の1/2乗に反比例して減少した。また、Znの拡散速度がCuよりも速かったことをカーケンドール効果と呼ぶ。この現象により、拡散の機構が、原子の交換ではなく空孔拡散であることがわかった。 **ギブスの相律** f(自由度),c(成分),p(相) f = c - p + 2 (定圧の場合+2→+1) (f = 0)の時不変系と呼ぶ **自由エネルギー** G = H - TS = E + PV - TS G(自由エネルギー),H(エンタルピー),S(エントロピー) **急冷により組織が細分化する理由** 冷却速度が速いと、過冷度が大きくなる。これにより、核形成速度が上昇するが、体積分率は変わらないために、小さい結晶が多く晶出し、組織が細分化する。 **てこの法則** 溶質の濃度が、状態図における距離の比率から導出できること。 **全率固溶型** 全組織範囲で中間層や規則層を作らず、互いに完全に溶け合う(Cu-Ni系など) **共晶型** 溶融合金から同時に二種類の個相が晶出する 結晶が、それぞれの組織を交互に並べたシマ模様になる **亜共晶/過共晶** 共晶組成よりB/A濃度が低い場合。A/Bが初晶する。 **はんだ** Pb-Sn系(38%-62%)の場合、共晶を起こす。 **共析型** 固相α→固相β+固相γへと変化する系 **公称応力/公称ひずみ** *普通のやつ(材力と同じ)* **真応力/真ひずみ** 微小変化で考える ・ひずみの加算が可能 ・引張ひずみと圧縮ひずみを同等に扱える ・体積一定則を簡潔に表現可能 **すべり変形** fccは(111)面が12種類 bccは12種類 のすべり面がある。 **シュミットの法則** 力が加わった際のせん断応力の成分を示す値であるシュミット因子と、応力の積が一定になるということ。臨界分解せん断応力は、すべり方向に依存せず、材料で一定であるということ **すべりが起こる力** 完全結晶の場合、剛性率の1/6のせん断応力によってすべるが、実際の結晶は、格子欠陥の存在によってより低い応力で塑性変形が生じる。 **刃状転位** 転位自体は、転位面鉛直軸方向に進んでいく **らせん転位** 転位面に従って上下の結晶がすべる **混合転位** 刃状転位とらせん転位が混ざっている **交差すべり** らせん転位の場合、等価なすべり面が複数存在する。シュミット因子により、求められる、最もすべりやすい面が主すべり面。それ以外が、交差すべり面 **積層欠陥** ABCABA〇BABCの丸の部位のように積層順序が他と異なる部位を積層欠陥と呼ぶ 積層欠陥による組織の自由エネルギー(積層欠陥エネルギー)が大きいほど、拡張転位の幅が小さく、交差すべりが容易に起きる。 積層欠陥エネルギーが小さいほど、拡張転位の幅が大きく、交差すべりが起きずらい。これにより、低積層欠陥エネルギーの材料ほど、加工硬化がしやすい。 **ローマーの不動転位** すべり面が交差する位置で、転位が出会うと、転位の自己エネルギーが減少する。また、交差した位置で刃状転位に変化し、後続の転位にすべりが起きなくなる。これが、ローマーの不動転位 転位が拡散、増殖しないため、加工硬化がしやすい **フランクリード源** 線上の転位にせん断応力が働くことで、転位線とは鉛直方向の面にループ状に転位が増殖していくこと。増殖の原点となる部位をフランクリード源、増殖の仕組みをフランクリードの増殖機構と呼ぶ **コットレル雰囲気** 溶質原子よりも小さい固溶原子が刃状転位の付近に存在した場合、圧縮応力がかかる転位の付近に固溶原子が移動してくることでできる、溶質濃度の高い領域。 これにより、転位との弾性的な作用が生じることを、コットレル効果と呼ぶ。 **鈴木効果** 部分転位間の積層欠陥へ集まった固溶原子によって強化が起こること。 **材料加工の方法** ・加工硬化 加工により転位密度を上昇させることで硬化する ・析出強化 下で説明 ・結晶粒の微細化 結晶粒界は転位を妨げる(ホールペッチ) ・固溶強化 原子間距離が小さいほど転位面が移動しにくくなる (・熱処理 空孔や格子欠陥が消滅するほか、再結晶によって構造を変化させられる。また、液体状態まで戻せば、加工時に転位が生じないため、強度が落ちない) **降伏点現象** 鉄鋼における炭素といったの固溶原子に固着した転位が、引張による力をきっかけに、フランクリード源に沿って増殖する。転位が結晶粒界に達すると、転位が堆積し、応力が集中する。この応力が隣接する結晶へと伝わる。このプロセスを繰り返すことで、塑性変形が起きる。これを降伏点現象と呼ぶ。 **ノーズ温度** **析出強化(時効硬化のめかにずむ)** 時効時間を長くすると析出物が大きくなり転位による粒子の切断が難しくなる、これにより転位が伝わりづらくなる。 しかし、時効時間を長くしすぎるとオストワルド成長により、粒子間隔が大きくなり、転位の移動時に転位(オロワン)ループを発生させ、より容易に移動してしまうようになる。 これらのいい塩梅を取った時効時間により、強化される。 **材料評価法** 引張試験 ビッカース硬さ試験 疲労試験 クリープ試験(長時間引張る) 衝撃試験(シャルピー衝撃試験) 摩耗試験(エロージョン,トライボロジー) **破壊** 疲労破壊 破断面がシマシマになる 延性破壊 脆性破壊 **延性脆性遷移温度** bcc金属はある温度で脆性材料から延性材料へと入れ替わる。この温度を延性脆性遷移温度と呼ぶ。 **マルテンサイト変態** 鉄鋼は炉冷するとパーライトになるが、急冷するとマルテンサイトになる。これをマルテンサイト変態と呼ぶ。 これは、冷却時にfcc構造がbcc構造に入れ替わることで起こる。bccは八面体位置の半径が小さいため、炭素が過飽和に固溶する。これにより、強くなる。 CCT線図からわかる。 **日本刀についての記述** 峰側には泥を塗って、刃側には何も塗らずに焼き入れを行う理由 刃側は急冷により硬いがもろいマルテンサイトにして、切れ味をよくする。 峰側は徐冷により硬くはないがしなやかなパーライトにすることで、壊れにくい材質にする。 マルテンサイトはパーライトに比べ、体積が大きいため、その差により、刃側が膨らむように刀全体が曲がる。 **ランダムな方向に引張をした際のすべり** 初めは主すべり面で単一すべりを起こすが、途中から、複数のすべり面で多重すべりを起こす、最終的にらせん転位による交差すべりを起こす。