# 1. Introduction

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「**メロディ**」「**ハーモニー**」「**リズム**」は**音楽の三大要素**と呼ばれていますが，一般的な音楽理論ではメロディやらコード進行やらがメインに扱われていて，リズムは最もテキトーにすまされがちな要素なんです．

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これはなぜかというと，例えば，音程のズレやコード進行の違和感はある程度の知識や経験をもってやっと認識することができますが，リズムのズレ，つまり音と音との間隔のズレはほとんど誰もが感じ取ることができます．（ドラムは些細なミスでもすぐバレるから辛いんです...ほかの楽器のちょっとしたミスはそんなに目立たないのに...）

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つまり，リズムは人間にとって**最も直観的に理解できる音楽の要素**といえます．この，直観的に理解できてしまう，という点がリズム理論が丁寧に扱われない理由の一つにあげられます．

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感覚的なアプローチのみでリズムを感じたり作曲においてリズムを取り入れたりすることは比較的容易にできますが，リズムに関するさまざまな概念を知ったほうが音楽をより深い視点で楽しめたり，作曲するときにリズムをより効果的に使えたりできるかもしれません．そんなわけで，リズム理論，一緒にやっていきましょう．

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まじめな話だけしてきましたが，せっかくのIntrodutionなので，ここでちょっとリズムに関する面白いトピックをひとつ，紹介しようと思います．

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J-POPの超有名な曲に「世界に一つだけの花」というのがありますよね．

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「リズム」という観点から見てこの曲はどこがおもしろいといえるか分かりますか？

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`Thinking time... ( ˘ω˘ )`

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... 正解（？）は，メロディの**アクセント**（強調される部分）が一貫して同じリズムにしたがっている，という点です．Aメロ，Bメロ，サビのメロディの一部をピアノロールと呼ばれる図におこしてみました．ちょっと見てみましょう．

**メロディ**

<audio src="https://dl.dropboxusercontent.com/s/0b3bg612hwwidn2/ex1.mp3?" controls></audio>

> **Aメロ**


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> **Bメロ**


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> **サビ**


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赤い部分に注目すると，アクセントがすべて同じリズムになっているのが分かると思います．ちなみに，このリズムパターンを難しい用語では**トレシーロ** `Tresillo` といいますが，ここでは忘れてもらっても大丈夫です．

**トレシーロ Tresillo**

<audio src="https://dl.dropboxusercontent.com/s/18k1hwxcd22qmg3/ex2.mp3?" controls></audio>

こんな感じで，ひとつのリズムパターンから誰でも知っているような名曲ができているっていう事実，結構おもしろいことですよね．逆に，単純なリズムパターンが親しみやすさにつながっている，という見方もできますね．