@NaomiatLibrary
# 1. 直流回路
## 1.1電気回路とは
回路要素(抵抗・コンデンサ・トランジスタetc)が導体によって接続されたループで、電源によって電流が流れるもの。
図<img src="/Users/Naomi/Library/Application Support/typora-user-images/Attachment.png" alt="Attachment.png" style="zoom:50%;" />
| | 回路 | 水路 |
| ---- | ----------------------------------------------------------- | --------------------------------- |
| | クーロン力 $F=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\frac{q_1q_2}{r^2}$ | 重力 $F=G\frac{m_1m_2}{r^2}$ |
| | 静電ポテンシャル $V=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\frac{q_1}{r}$ | 位置エネルギー$V=-G\frac{m_1}{r}$ |
回路には、分岐点や交差点(**節点**)と、これらを結ぶ通路(**枝**)がある
図:2この節点と3本の枝からなる回路
<img src="/Users/Naomi/Library/Application Support/typora-user-images/Attachment-9300759.png" alt="Attachment.png" style="zoom:30%;" />
### 電気回路理論で論じること
- どの枝にどれだけの電流(水の流量相当)が流れるか
- 節点の電位(水位に相当)または節点間の電圧(水圧に相当)
これらを求めることを「回路を解く」という
- 電圧(電位、静電ポテンシャル)
記号$V,E$ / 単位[V]ボルト
定義:静電界$E$の中で電荷を$a\rightarrow b$に移動させるのに必要な仕事量
$V_{ab}=\int^{b}_{a}Edl$※標高に相当
- 電流
記号$I$ / 単位[A]アンペア
定義:ある面$A$を単位時間に通過する電荷量

- 電力
記号$P$ / 単位[W]ワット
定義:単位時間当たりのエネルギー量$=V\times I$
## 1.2 回路要素
### 抵抗
図
- オームの法則(Ohm's law) :$ V=RI$ ($R$… 抵抗(resistance)[Ω])
- コンダクタンス(抵抗の逆数)$G=\frac{I}{V}=\frac{1}{R}$ 単位[S]ジーメンス
- インダクタ(コイル) 電流$I$を流すと、それによって磁束$\phi$が生じる。磁束$\phi$が時間とともに変化すると、その変化率に等しい電圧$V$がインダクタの両端に現れる(自己誘導)

$V=L\frac{dI}{dt}$ ($L$…インダクタンス(inductance)[H] henry)
- キャパシタ(コンデンサ)
電流$I$を流すと電荷Qが蓄積され、その$Q$に比例する電圧$V$が端子間に現れる。電流は単位時間に流れる電荷だから $I=\frac{dQ}{dt}$。
従って$V=\frac{Q}{C}=\frac{1}{C}\int_{t_0}^{t} I(t)dt$ (ただし$t_0$は$Q=0$の時刻)。
$I=C\frac{dV}{dt}$(C...キャパシタンス( capacitance)[F]farad
- 一般化されたオームの法則
<u>抵抗</u> $V=RI,I=GV$ ($G=\frac{1}{R}$コンダクタンス)
<u>インダクタ</u>$V=(L\frac{d}{dt})I,I=(\frac{1}{L}\int dt)V$
電圧(またはその微積分)と電流(またはその微積分)の関係が一時式によって表されることを**線形**という。
2端子では、上記の3素子のみ。
直流回路では抵抗成分しか扱わない ←直流では、コイル=導線、コンデンサ=断線だから。
### 非線形要素
ex)ダイオード

## 1.3 電源
- 理想電圧源…<u>$I$に無関係に</u>電圧が$E$

- 理想電流源...<u>$E$に無関係に</u>電圧が$I$

- 実際の電源…内部抵抗があるため、電流が大きいと出力低下

- 電源のモデル化
電圧・電流特性を表現するために内部抵抗を加える。理想電源と抵抗をまとめて一つの電源とみなす。
電圧源…内部抵抗を直列に挿入 電流源…内部抵抗を並列に挿入

以下3章サボった(誰か載せてください)
## 1.5 直流および交流信号
- 直流(direct current,DC)
- 交流(alternating current, AC)
## 1.6 ?
## 1.7 ブリッジ回路
## 1.8 キルヒホッフの法則(Kirchhoffs laws)
### 第一法則(電流則) Kirchhoffs law = KCL
**一つの節点に接続する全ての枝から流れ込む電流の和は$0$になる**
(流入する電流と流出する電流に逆の符号をつけて、足し合わせる)
$\sum^n_{k=1}C_k=0$ →電荷保存則を意味する
図略
### 第二法則 (電圧則) Kirchhoffs law=KVL
**一つの閉路を構成する全ての枝について同一方向に見た電圧の和は$0$になる。**
(方向が逆の電圧には逆の符号をつけて、足し合わせる)
$\sum^n_{k=1}V_k=0$ → 電位の一意性を意味する
図略
### 回路の基本方程式
<u>直流回路は、オームの法則、KCL、KVLの三つを組み合わせれば解ける</u>
------------
# 第二回
# 2.回路の方程式
## 2.1 基本的な考え方
直流回路は、どんなに複雑な問題でも3つの法則の組み合わせで解ける。
1. オームの法則 Ohm's Law(OL)
2. キルヒホッフの第一法則(電流則) Kirchhoff's Current Law(KCL)
節点に流入出する電流の和は0
3. キルヒホッフの第二法則(電圧則)Voltage (KVL)
閉路に沿った電圧の和は0
本日は「具体的にはどう組み合わせるか」ということを扱う。
## 例題

回路の各部の電圧と電流は、どちらか一方を求めれば、もうすぐ一方もすぐ求まる。
そこで、どちらか一方を未知数として、方程式を立てる。
- 解法その1「節点解析法」:節点電圧を未知数とする
- 解法その2「網目解析法」:閉路電流を未知数とする
## 2.2 節点解析法による計算例
節点電圧を$V_a,V_b,V_c$とおく。
→KVLは自動的に満たされる!(KVLは電位の一意性を意味するから)
$V_c=0$(基準電位)とすると、未知数は$V_a$と$V_b$の2つ
$OL$から、
$$
I_1=\frac{V_a-E}{R_1},I_2=\frac{V_a}{R_2},I_3=\frac{V_a-V_b}{R_3},I_4=\frac{V_b}{R_4},I_5=I
$$
各節点で$KCL$から方程式を立てる。
節点$a$で$I_1+I_2+I_3=\frac{V_a-E}{R_1}+\frac{V_a}{R_2}+\frac{V_a-V_b}{R_3}=0$
節点$b$で$-I_3+I_4-I_5=-\frac{V_a-V_b}{R_3}+\frac{V_b}{R_4}-I=0$
したがって、
節点方程式

$V_a=\frac{R_2(ER_3+ER_4+IR_1R_4)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
$V_b=\frac{R_4(ER_2+IR_1R_2+IR_1R_3+IR_2R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
OLを使えば枝電流も求まる。
### 捕捉
KCLそのものを行列で表す。
節点a $I_1+I_2+I_3=0$
節点b $-I_3+I_4+I_5=0$
まとめて$\bf{A}\bf{i}_b=\bf{0}$
$$
\begin{bmatrix}
1&1&1&0&0\\
0&0&-1&1&-1\\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
I_1\\I_2\\I_3\\I_4\\I_5
\end{bmatrix}
=\begin{bmatrix}
0\\0
\end{bmatrix}
$$
## 2.3 網目解析法
閉路(網目)電流を$i_1,i_2,i_3$とおいて、未知数とする。
→$KCL$は自動的に満たされる!
閉路電流と枝電流の関係
$$
\begin{eqnarray}
I&=&i_1\\
I_2&=&i_1-i_2\\
I_3&=&i_2\\
I_4&=&i_2-i_3\\
I_5&=&-i_3\\
\end{eqnarray}
$$
各閉路(網目)でKVL方程式を立てる。
- 閉路1にOLとKVLを適用する。
$E+R_1I_1-R_2I_2=0 \Rightarrow -E+R_1i_1+R_2(i_1-i_2)=0$
- 閉路2
$R_2I_2-R_3I_3-R_4I_4=0 \Rightarrow -R_2(i_1-i_2)+R_3i_2+R_4(i_2-i_3)=0$
- 閉路3では$i_3=-I$ $I$は未知数ではない。未知数にならないので省略
したがって、
網目方程式
$$
\begin{bmatrix}
R_1+R_2&-R_2\\
-R_2&R_2+R_3+R_4
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
i_1\\i_2
\end{bmatrix}
=\begin{bmatrix}
E\\
-R_4I
\end{bmatrix}
$$
左から、抵抗の係数行列、閉路(網目)電流ベクトル、閉路(網目) 電圧源ベクトル
つまり、
$$
\begin{bmatrix}
\text{閉路1中の抵抗の合計値}&\text{閉路1,2共通の抵抗の合計値}\times -1\\
\text{閉路1,2共通の抵抗の合計値}\times -1& \text{閉路2中の抵抗の合計値}\\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
i_1\\i_2
\end{bmatrix}
=\begin{bmatrix}
閉路1中の電圧源\\
閉路2中の電圧源
\end{bmatrix}
$$
閉路1の抵抗の和 閉路1,2に共通する抵抗の和*(-1) $i_1$ 閉路1の電圧源
閉路1,2に共通する抵抗の和*(-1) 閉路2の抵抗の和 $i_2$ 閉路2の電圧源
方程式の解
$i_1=\frac{E(R_2+R_3+R_4)+IR_2R_4}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
$i_2=\frac{ER_2+IR_4(R_1+R_2)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
よって枝電流は最初の式よりも止まり。OLから電圧が求まる。
## 2.4 より複雑な回路に対する方法論
節点・電圧または閉路電流を未知数として、連立方程式を立てることは同じ。
未知数が増えて行列が大きくなる。
- 方程式の数
- 解が一意に定まるためには(少なくとも)
未知数の個数=方程式の個数
であることが必要。この時、係数行列は正方行列になる。
方程式の個数が少ないと解が無数にあり、多すぎると解なしになる(必要十分条件は「正則」であること)
## 2.5 連立一次方程式を解く方法
### クラメールの公式
$a_{11}x_1+a_{12}x_2+...+a_{1n}x_n=b_1$
$a_{21}x_1+a_{22}x_2+...+a_{2n}x_n=b_2$
$\dots a_{n1}x_1+a_{n2}x_2+...+a_{nn}x_n=b_n$
行列表示では、
$$
\begin{bmatrix}
a_{11}&a_{12}&...&a_{1n}\\
a_{21}&a_{22}&...&a_{2n}\\
...\\
a_{n1}&a_{n2}&...&a_{nn}\\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x_1\\
x_2\\
...\\
x_n
\end{bmatrix}
=
\begin{bmatrix}
b_1\\
b_2\\
...\\
b_n
\end{bmatrix}
$$
クラメールの公式
$$
x_j=
\frac{
\begin{vmatrix}
a_{11}&..&b_1&...&a_{1n}\\
a_{21}&..&b_2&...&a_{2n}\\
...\\
a_{n1}&..&b_n&...&a_{nn}\\
\end{vmatrix}
}{
\begin{vmatrix}
a_{11}&a_{12}&...&a_{1n}\\
a_{21}&a_{22}&...&a_{2n}\\
...\\
a_{n1}&a_{n2}&...&a_{nn}\\
\end{vmatrix}
}
$$
(上段は$A$を$j$列目だけ行列$b$に置き換えたもの)
*行列式計算例
$$
\begin{vmatrix}
a_{11}&a_{12}&a_{13}\\
a_{21}&a_{22}&a_{23}\\
a_{31}&a_{32}&a_{33}\\
\end{vmatrix}
=
(-1)^{1+1} a_{11}
\begin{vmatrix}
a_{22}&a_{23}\\
a_{31}&a_{33}
\end{vmatrix}
+
(-1)^{1+2} a_{12}
\begin{vmatrix}
a_{21}&a_{23}\\
a_{31}&a_{33}
\end{vmatrix}
+
(-1)^{1+3} a_{13}
\begin{vmatrix}
a_{21}&a_{22}\\
a_{31}&a_{32}
\end{vmatrix}
$$
### ガウスの消去法
順番に未知数を消して、解きやすい式になおす。
例:
$2x+y+z=15\tag{a}$
$4x+6y+3z=41 \tag{b}$
$8x+8y+9z=83\tag{c}$
一つの式から他の式の何倍かを引いても、解は同じ
$2x+y+z=15\tag{a}$
$4y+z=11 \tag{b'=b-2a}$
$4y+5z=23\tag{c'=c-4a}$
したがって、$z=3,y=2,x=5$
### その他の方法
共役購買法など(数値解析向き)
## 2.6 節点解析法の一般的なやり方
回路に$n$この節点がある時、そのうち一個は基準節点(電位0V)として、未知数は$n-1$個の節点電圧。
$v_k(k=1,2,...,n-1)$
$\Rightarrow$$n-1$個の方程式を立てる。
$\Rightarrow$基準節点以外の$n-1$個の節点について、OLとKCLから立式する。(KVLは自動的に満たされる。)

<!--stackedit_data:
eyJoaXN0b3J5IjpbNDE4OTUyMTMyXX0=
-->@NaomiatLibrary
# 1. 直流回路
## 1.1電気回路とは
回路要素(抵抗・コンデンサ・トランジスタetc)が導体によって接続されたループで、電源によって電流が流れるもの。

| | 回路 | 水路 |
| ---- | ----------------------------------------------------------- | --------------------------------- |
| | クーロン力 $F=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\frac{q_1q_2}{r^2}$ | 重力 $F=G\frac{m_1m_2}{r^2}$ |
| | 静電ポテンシャル $V=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\frac{q_1}{r}$ | 位置エネルギー$V=-G\frac{m_1}{r}$ |
回路には、分岐点や交差点(**節点**)と、これらを結ぶ通路(**枝**)がある
図:2この節点と3本の枝からなる回路

### 電気回路理論で論じること
- どの枝にどれだけの電流(水の流量相当)が流れるか
- 節点の電位(水位に相当)または節点間の電圧(水圧に相当)
これらを求めることを「回路を解く」という
- 電圧(電位、静電ポテンシャル)
記号$V,E$ / 単位[V]ボルト
定義:静電界$E$の中で電荷を$a\rightarrow b$に移動させるのに必要な仕事量

- 電流
記号$I$ / 単位[A]アンペア
定義:ある面$A$を単位時間に通過する電荷量

- 電力
記号$P$ / 単位[W]ワット
定義:単位時間当たりのエネルギー量$=V\times I$
## 1.2 回路要素
### 抵抗
- オームの法則(Ohm's law) :$V=RI$ ($R$… 抵抗(resistance)[Ω])
- コンダクタンス(抵抗の逆数)$G=\frac{I}{V}=\frac{1}{R}$ 単位[S]ジーメンス
- インダクタ(コイル) 電流$I$を流すと、それによって磁束$\phi$が生じる。磁束$\phi$が時間とともに変化すると、その変化率に等しい電圧$V$がインダクタの両端に現れる(自己誘導)

$V=L\frac{dI}{dt}$ ($L$…インダクタンス(inductance)[H] henry)
- キャパシタ(コンデンサ)
電流$I$を流すと電荷Qが蓄積され、その$Q$に比例する電圧$V$が端子間に現れる。電流は単位時間に流れる電荷だから $I=\frac{dQ}{dt}$。
従って$V=\frac{Q}{C}=\frac{1}{C}\int_{t_0}^{t} I(t)dt$ (ただし$t_0$は$Q=0$の時刻)。

$I=C\frac{dV}{dt}$(C...キャパシタンス( capacitance)[F]farad
- 一般化されたオームの法則
<u>抵抗</u> $V=RI,I=GV$ ($G=\frac{1}{R}$コンダクタンス)
<u>インダクタ</u>$V=(L\frac{d}{dt})I,I=(\frac{1}{L}\int dt)V$
電圧(またはその微積分)と電流(またはその微積分)の関係が一時式によって表されることを**線形**という。
2端子では、上記の3素子のみ。
直流回路では抵抗成分しか扱わない ←直流では、コイル=導線、コンデンサ=断線だから。
### 非線形要素
ex)ダイオード

## 1.3 電源
- 理想電圧源…<u>$I$に無関係に</u>電圧が$E$

- 理想電流源...<u>$E$に無関係に</u>電圧が$I$

- 実際の電源…内部抵抗があるため、電流が大きいと出力低下

- 電源のモデル化
電圧・電流特性を表現するために内部抵抗を加える。理想電源と抵抗をまとめて一つの電源とみなす。
電圧源…内部抵抗を直列に挿入 電流源…内部抵抗を並列に挿入

----------------------
**以下3章サボった(誰か載せてください)**
## 1.5 直流および交流信号
- 直流(direct current,DC)
- 交流(alternating current, AC)
## 1.6 ?
## 1.7 ブリッジ回路
---------------------
## 1.8 キルヒホッフの法則(Kirchhoffs laws)
### 第一法則(電流則) Kirchhoffs law = KCL
**一つの節点に接続する全ての枝から流れ込む電流の和は$0$になる**
(流入する電流と流出する電流に逆の符号をつけて、足し合わせる)
$\sum^n_{k=1}C_k=0$ →電荷保存則を意味する
図略
### 第二法則 (電圧則) Kirchhoffs law=KVL
**一つの閉路を構成する全ての枝について同一方向に見た電圧の和は$0$になる。**
(方向が逆の電圧には逆の符号をつけて、足し合わせる)
$\sum^n_{k=1}V_k=0$ → 電位の一意性を意味する
図略
### 回路の基本方程式
<u>直流回路は、オームの法則、KCL、KVLの三つを組み合わせれば解ける</u>
ex) T型回路

$\Bigl$
節点BにKCLを適用
$I_1-I_2-I_3=0 \tag{i}$
閉路1にKVLを適用
$V-R_1I_1-R_2I_2=0 \tag{ii}$
閉路2にKVLを適用
$R_2I_2-R_3I_3=0 \tag{iii}$
(i)(ii)(iii)を連立すれば、
$$I_1=I_2+I_3=\frac{(R_2+R_3)V}{R_1R_3+R_1R_2+R_2R_3}\\
V_{AB}=R_1I_1=\frac{R_1(R_2+R_3)V}{R_1R_3+R_1R_2+R_2R_3}$$
この結果を使って、$V_{BC},I_2,I_3$も求まる
@NaomiatLibrary
# 1. 直流回路
## 1.1電気回路とは
回路要素(抵抗・コンデンサ・トランジスタetc)が導体によって接続されたループで、電源によって電流が流れるもの。
図<img src="/Users/Naomi/Library/Application Support/typora-user-images/Attachment.png" alt="Attachment.png" style="zoom:50%;" />
| | 回路 | 水路 |
| ---- | ----------------------------------------------------------- | --------------------------------- |
| | クーロン力 $F=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\frac{q_1q_2}{r^2}$ | 重力 $F=G\frac{m_1m_2}{r^2}$ |
| | 静電ポテンシャル $V=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\frac{q_1}{r}$ | 位置エネルギー$V=-G\frac{m_1}{r}$ |
回路には、分岐点や交差点(**節点**)と、これらを結ぶ通路(**枝**)がある
図:2この節点と3本の枝からなる回路
<img src="/Users/Naomi/Library/Application Support/typora-user-images/Attachment-9300759.png" alt="Attachment.png" style="zoom:30%;" />
### 電気回路理論で論じること
- どの枝にどれだけの電流(水の流量相当)が流れるか
- 節点の電位(水位に相当)または節点間の電圧(水圧に相当)
これらを求めることを「回路を解く」という
- 電圧(電位、静電ポテンシャル)
記号$V,E$ / 単位[V]ボルト
定義:静電界$E$の中で電荷を$a\rightarrow b$に移動させるのに必要な仕事量
$V_{ab}=\int^{b}_{a}Edl$※標高に相当
- 電流
記号$I$ / 単位[A]アンペア
定義:ある面$A$を単位時間に通過する電荷量

- 電力
記号$P$ / 単位[W]ワット
定義:単位時間当たりのエネルギー量$=V\times I$
## 1.2 回路要素
### 抵抗
図
- オームの法則(Ohm's law) :$ V=RI$ ($R$… 抵抗(resistance)[Ω])
- コンダクタンス(抵抗の逆数)$G=\frac{I}{V}=\frac{1}{R}$ 単位[S]ジーメンス
- インダクタ(コイル) 電流$I$を流すと、それによって磁束$\phi$が生じる。磁束$\phi$が時間とともに変化すると、その変化率に等しい電圧$V$がインダクタの両端に現れる(自己誘導)

$V=L\frac{dI}{dt}$ ($L$…インダクタンス(inductance)[H] henry)
- キャパシタ(コンデンサ)
電流$I$を流すと電荷Qが蓄積され、その$Q$に比例する電圧$V$が端子間に現れる。電流は単位時間に流れる電荷だから $I=\frac{dQ}{dt}$。
従って$V=\frac{Q}{C}=\frac{1}{C}\int_{t_0}^{t} I(t)dt$ (ただし$t_0$は$Q=0$の時刻)。
$I=C\frac{dV}{dt}$(C...キャパシタンス( capacitance)[F]farad
- 一般化されたオームの法則
<u>抵抗</u> $V=RI,I=GV$ ($G=\frac{1}{R}$コンダクタンス)
<u>インダクタ</u>$V=(L\frac{d}{dt})I,I=(\frac{1}{L}\int dt)V$
電圧(またはその微積分)と電流(またはその微積分)の関係が一時式によって表されることを**線形**という。
2端子では、上記の3素子のみ。
直流回路では抵抗成分しか扱わない ←直流では、コイル=導線、コンデンサ=断線だから。
### 非線形要素
ex)ダイオード

## 1.3 電源
- 理想電圧源…<u>$I$に無関係に</u>電圧が$E$

- 理想電流源...<u>$E$に無関係に</u>電圧が$I$

- 実際の電源…内部抵抗があるため、電流が大きいと出力低下

- 電源のモデル化
電圧・電流特性を表現するために内部抵抗を加える。理想電源と抵抗をまとめて一つの電源とみなす。
電圧源…内部抵抗を直列に挿入 電流源…内部抵抗を並列に挿入

以下3章サボった(誰か載せてください)
## 1.5 直流および交流信号
- 直流(direct current,DC)
- 交流(alternating current, AC)
## 1.6 ?
## 1.7 ブリッジ回路
## 1.8 キルヒホッフの法則(Kirchhoffs laws)
### 第一法則(電流則) Kirchhoffs law = KCL
**一つの節点に接続する全ての枝から流れ込む電流の和は$0$になる**
(流入する電流と流出する電流に逆の符号をつけて、足し合わせる)
$\sum^n_{k=1}C_k=0$ →電荷保存則を意味する
図略
### 第二法則 (電圧則) Kirchhoffs law=KVL
**一つの閉路を構成する全ての枝について同一方向に見た電圧の和は$0$になる。**
(方向が逆の電圧には逆の符号をつけて、足し合わせる)
$\sum^n_{k=1}V_k=0$ → 電位の一意性を意味する
図略
### 回路の基本方程式
<u>直流回路は、オームの法則、KCL、KVLの三つを組み合わせれば解ける</u>
------------
# 第二回
# 2.回路の方程式
## 2.1 基本的な考え方
直流回路は、どんなに複雑な問題でも3つの法則の組み合わせで解ける。
1. オームの法則 Ohm's Law(OL)
2. キルヒホッフの第一法則(電流則) Kirchhoff's Current Law(KCL)
節点に流入出する電流の和は0
3. キルヒホッフの第二法則(電圧則)Voltage (KVL)
閉路に沿った電圧の和は0
本日は「具体的にはどう組み合わせるか」ということを扱う。
## 例題

回路の各部の電圧と電流は、どちらか一方を求めれば、もうすぐ一方もすぐ求まる。
そこで、どちらか一方を未知数として、方程式を立てる。
- 解法その1「節点解析法」:節点電圧を未知数とする
- 解法その2「網目解析法」:閉路電流を未知数とする
## 2.2 節点解析法による計算例
節点電圧を$V_a,V_b,V_c$とおく。
→KVLは自動的に満たされる!(KVLは電位の一意性を意味するから)
$V_c=0$(基準電位)とすると、未知数は$V_a$と$V_b$の2つ
$OL$から、
$$
I_1=\frac{V_a-E}{R_1},I_2=\frac{V_a}{R_2},I_3=\frac{V_a-V_b}{R_3},I_4=\frac{V_b}{R_4},I_5=I
$$
各節点で$KCL$から方程式を立てる。
節点$a$で$I_1+I_2+I_3=\frac{V_a-E}{R_1}+\frac{V_a}{R_2}+\frac{V_a-V_b}{R_3}=0$
節点$b$で$-I_3+I_4-I_5=-\frac{V_a-V_b}{R_3}+\frac{V_b}{R_4}-I=0$
したがって、
節点方程式

$V_a=\frac{R_2(ER_3+ER_4+IR_1R_4)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
$V_b=\frac{R_4(ER_2+IR_1R_2+IR_1R_3+IR_2R_3)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
OLを使えば枝電流も求まる。
### 捕捉
KCLそのものを行列で表す。
節点a $I_1+I_2+I_3=0$
節点b $-I_3+I_4+I_5=0$
まとめて$\bf{A}\bf{i}_b=\bf{0}$
$$
\begin{bmatrix}
1&1&1&0&0\\
0&0&-1&1&-1\\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
I_1\\I_2\\I_3\\I_4\\I_5
\end{bmatrix}
=\begin{bmatrix}
0\\0
\end{bmatrix}
$$
## 2.3 網目解析法
閉路(網目)電流を$i_1,i_2,i_3$とおいて、未知数とする。
→$KCL$は自動的に満たされる!
閉路電流と枝電流の関係
$$
\begin{eqnarray}
I&=&i_1\\
I_2&=&i_1-i_2\\
I_3&=&i_2\\
I_4&=&i_2-i_3\\
I_5&=&-i_3\\
\end{eqnarray}
$$
各閉路(網目)でKVL方程式を立てる。
- 閉路1にOLとKVLを適用する。
$E+R_1I_1-R_2I_2=0 \Rightarrow -E+R_1i_1+R_2(i_1-i_2)=0$
- 閉路2
$R_2I_2-R_3I_3-R_4I_4=0 \Rightarrow -R_2(i_1-i_2)+R_3i_2+R_4(i_2-i_3)=0$
- 閉路3では$i_3=-I$ $I$は未知数ではない。未知数にならないので省略
したがって、
網目方程式
$$
\begin{bmatrix}
R_1+R_2&-R_2\\
-R_2&R_2+R_3+R_4
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
i_1\\i_2
\end{bmatrix}
=\begin{bmatrix}
E\\
-R_4I
\end{bmatrix}
$$
左から、抵抗の係数行列、閉路(網目)電流ベクトル、閉路(網目) 電圧源ベクトル
つまり、
$$
\begin{bmatrix}
\text{閉路1中の抵抗の合計値}&\text{閉路1,2共通の抵抗の合計値}\times -1\\
\text{閉路1,2共通の抵抗の合計値}\times -1& \text{閉路2中の抵抗の合計値}\\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
i_1\\i_2
\end{bmatrix}
=\begin{bmatrix}
閉路1中の電圧源\\
閉路2中の電圧源
\end{bmatrix}
$$
閉路1の抵抗の和 閉路1,2に共通する抵抗の和*(-1) $i_1$ 閉路1の電圧源
閉路1,2に共通する抵抗の和*(-1) 閉路2の抵抗の和 $i_2$ 閉路2の電圧源
方程式の解
$i_1=\frac{E(R_2+R_3+R_4)+IR_2R_4}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
$i_2=\frac{ER_2+IR_4(R_1+R_2)}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1+R_2R_4+R_1R_4}$
よって枝電流は最初の式よりも止まり。OLから電圧が求まる。
## 2.4 より複雑な回路に対する方法論
節点・電圧または閉路電流を未知数として、連立方程式を立てることは同じ。
未知数が増えて行列が大きくなる。
- 方程式の数
- 解が一意に定まるためには(少なくとも)
未知数の個数=方程式の個数
であることが必要。この時、係数行列は正方行列になる。
方程式の個数が少ないと解が無数にあり、多すぎると解なしになる(必要十分条件は「正則」であること)
## 2.5 連立一次方程式を解く方法
### クラメールの公式
$a_{11}x_1+a_{12}x_2+...+a_{1n}x_n=b_1$
$a_{21}x_1+a_{22}x_2+...+a_{2n}x_n=b_2$
$\dots a_{n1}x_1+a_{n2}x_2+...+a_{nn}x_n=b_n$
行列表示では、
$$
\begin{bmatrix}
a_{11}&a_{12}&...&a_{1n}\\
a_{21}&a_{22}&...&a_{2n}\\
...\\
a_{n1}&a_{n2}&...&a_{nn}\\
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x_1\\
x_2\\
...\\
x_n
\end{bmatrix}
=
\begin{bmatrix}
b_1\\
b_2\\
...\\
b_n
\end{bmatrix}
$$
クラメールの公式
$$
x_j=
\frac{
\begin{vmatrix}
a_{11}&..&b_1&...&a_{1n}\\
a_{21}&..&b_2&...&a_{2n}\\
...\\
a_{n1}&..&b_n&...&a_{nn}\\
\end{vmatrix}
}{
\begin{vmatrix}
a_{11}&a_{12}&...&a_{1n}\\
a_{21}&a_{22}&...&a_{2n}\\
...\\
a_{n1}&a_{n2}&...&a_{nn}\\
\end{vmatrix}
}
$$
(上段は$A$を$j$列目だけ行列$b$に置き換えたもの)
*行列式計算例
$$
\begin{vmatrix}
a_{11}&a_{12}&a_{13}\\
a_{21}&a_{22}&a_{23}\\
a_{31}&a_{32}&a_{33}\\
\end{vmatrix}
=
(-1)^{1+1} a_{11}
\begin{vmatrix}
a_{22}&a_{23}\\
a_{31}&a_{33}
\end{vmatrix}
+
(-1)^{1+2} a_{12}
\begin{vmatrix}
a_{21}&a_{23}\\
a_{31}&a_{33}
\end{vmatrix}
+
(-1)^{1+3} a_{13}
\begin{vmatrix}
a_{21}&a_{22}\\
a_{31}&a_{32}
\end{vmatrix}
$$
### ガウスの消去法
順番に未知数を消して、解きやすい式になおす。
例:
$2x+y+z=15\tag{a}$
$4x+6y+3z=41 \tag{b}$
$8x+8y+9z=83\tag{c}$
一つの式から他の式の何倍かを引いても、解は同じ
$2x+y+z=15\tag{a}$
$4y+z=11 \tag{b'=b-2a}$
$4y+5z=23\tag{c'=c-4a}$
したがって、$z=3,y=2,x=5$
### その他の方法
共役購買法など(数値解析向き)
## 2.6 節点解析法の一般的なやり方
回路に$n$この節点がある時、そのうち一個は基準節点(電位0V)として、未知数は$n-1$個の節点電圧。
$v_k(k=1,2,...,n-1)$
$\Rightarrow$$n-1$個の方程式を立てる。
$\Rightarrow$基準節点以外の$n-1$個の節点について、OLとKCLから立式する。(KVLは自動的に満たされる。)

<!--stackedit_data:
eyJoaXN0b3J5IjpbNDE4OTUyMTMyXX0=
-->