# ターゲット交換
## ガス準備
- 窒素ガス
## クリーンブース入室後
### 記録表を記入
- 実験名
- ターゲット交換
- 日付
- 研究室名
- 記入者
- 真空度
- カソード番号
- ターゲット材料
- シャッターセット
## ポンプの停止
1. `TARGET WATER IN`と
`HOLDER WATER IN`が必ず==閉まっていること==を確認する
2. 装置後ろのガス菅から`窒素ガスバルブ`を開ける
3. 操作盤上部の真空ゲージの`FILAMENT`を切る
- 切れなかったら`REMOTE`を押してから切る

4. `FILAMENT`が消灯してることを確認
5. 操作パネルの`MENU/PUMP`より`SP`(スパッタ室の真空引き)を切る
6. `TMP`を切る(ターボモレキュラーポンプ)

:::warning
- 大気圧にしているときにポンプをつけていると羽が折れる
:::
7. 操作盤下部の`TMP CONT`画面が`BREAK`から`STANDBY`になるまで待つ
- `STANDBY`になるまでの時間が表示される

8. LLのV.VENTバルブを開け、大気圧にする(SP室を大気圧にした場合, SP室よりLL室の方が真空度が高くなり, GVに負担がかかることを懸念(メーカーのマニュアルには記載なし))
## チャンバーの開放
1. SP室の`ロック`を外す

2. 操作パネルのVS(Vacuum switch)の緑が消えるまでSP室の`V.VENTバルブ`を開ける


3. ハンドルもちながら二人でスパッタ室上面フタを開ける
4. ヒンジをロックする

## 水抜き
1. `HOLDER WATER EXT`を開き、水抜きを行う
- `HOLDER OUT`から水が出なくなるまで5分程度水抜きを行う


2. `HOLDER WATER EXT`を締める
3. 次に`TARGET WATER EXT`を開き、水抜きを行う
- 水が出なくなるまで5分程度水抜きを行う
4. `TARGET WATER EXT`を締める
## ターゲット交換
### 用意する工具や器具
- 六角レンチサイズ2, サイズ2.5
- プラスドライバー
- シャーレx3
- エタノール
:::info
器具や工具は使用前にエタノールとアルファワイプを用い、汚れを拭き取る
:::
1. ==手袋二重にする==
2. アルファワイプを必要枚数取り出す

3. 取り外し、取り付けに必要なターゲットのシャッターセットの入った袋を用意する
4. 操作パネルの`MENU/SP`より、シャッターを開きたい`TGT`を選択する
5. 作業時間(およそ3時間)に設定し、`TIMER`を押す
6. 六角レンチサイズ2を用意する
7. 六角レンチを使うときはエタノールをしみ込ませたアルファワイプで拭く


8. シャッターの後ろのネジを**緩めて**垂直にシャッターを外す
- ==**ネジをとってはダメ**==
- 3方向からイモネジで固定されているため、適宜緩める
9. シャーレを3個用意する
- それぞれのシャーレにそれぞれのネジを入れる
10. シールドのネジを隙間に落とさないようにとる
:::info
#### カソード#2 Ti(木村研)を外す場合のみ追加
1. スペーサーを取り外す
2. 木村研専用BOXへ18mmのシールド用六角ネジをしまう
3. 同様のBOXから11mmの六角ネジを取り出す
:::
11. 部品を取るときは他のシャッターセットと混ざらないようにアルファワイプに置く
12. ターゲットフィックスリングのネジをプラスドライバーでとる
(ターゲット押さえとも呼称する)
13. ネジが磁石に引き寄せられるのでネジを持って取り外す
14. ターゲットフィックスリングを取り外す
15. ターゲットのネジをプラスドライバーでとる
- 磁力が強いため、抑えながら取る
:::danger
- このとき水抜きを行っていないと、チャンバー内に冷却水が放出される
- 空気が抜ける音が鳴るが水抜きを行っていれば問題は無い
:::
16. ターゲットを取り出す際、磁力により取りづらいため、長めのM3ネジつけると取り外しやすい
17. ターゲットの裏に付着した冷却水をアルファワイプで拭き取る
- オーリングもついてきたら同様に拭き取る
18. アルファワイプにエタノール染み込ませてターゲットが固定されていた部分のOリングをクリーニングする
- 水漏れ対策のため、Oリングに傷, ゴミの付着が無いかを確認する
19. シャッターやシールドの裏を確認し、膜剥がれやその兆候が見られる場合は報告、適宜対応を行う
:::danger


:::
20. 取り外したターゲットを管理, またはシャッターセットを袋に戻す

:::success
- それぞれの部品は一つ一袋
:::
:::warning
- アルファワイプは高価なため、無駄遣いしない
- 大体1枚100円
:::
## ターゲットの管理
各研究室の指定の方法でターゲットのエロージョン部の測定を行う
### 茂庭研での管理方法
1. 工具箱より量りを取り出し、ターゲットの重さを測る
2. スパッタ装置向かいの作業台左上のボックスよりターゲット測定治具, デプスメーターを取り出す
3. 測定治具にターゲットを設置する
4. デプスメーターの先端をエタノールでクリーニングする
5. ターゲットのエロージョン部測定方法を参照し、測定を行う
1. 治具のメモリにデプスメータを合わせ, 10mm-90mmの間を5mm間隔で測定する
2. およそエロージョン部である35mm(エロージョン部に合わせることを優先)でターゲットのネジ穴を参考に30°ずつ回し測定する
3. 記録表に記録する
- 現状紙ベースでのターゲットの残厚記録表が無いためGoogleスプレッドシートを用いている
- [スパッタ記録表 記入欄(案)](https://docs.google.com/spreadsheets/d/1afaHMIeJ0Ba-pqZcmaM_05XFjgGd6hKnsEMru4ryaWo/edit?usp=sharing)
- 対応したターゲットのシートに記録する
- 例) TGT: Al
:::danger
- ターゲット材料を突き抜け, バッキングプレートまで到達しないようにする

:::
## ターゲットを取り付ける
1. 取り付けするターゲットセットを用意する
2. 部品を取り出し、包んでたアルファワイプをその袋にしまう
3. ターゲットの皿ネジとネジ穴を合わせ均一になるように対角線上に仮締めする

4. 6本すべて締め終えたらもう一度1本目から本締めする
:::success
- プラスねじはトルクをかけないのでドライバーの先端もって力かけすぎないようにつける
- 六角ネジはトルクを入れるように作られてる
:::
5. ネジ落としたらアルファワイプにエタノール染み込ませてふく
6. フィックスリングの皿ネジの穴が上になるようおく
- 向きとネジ穴に注意
:::info
#### カソード#2 Ti(木村研)を付ける場合のみ追加
1. スペーサーを取り付ける
2. 木村研専用BOXからシールド用18mmの六角ネジを使用
3. 同様のBOXに11mmの六角ネジをしまう
:::
7. シールドも同様につける
- ネジを閉める際、==力を入れすぎない==
8. シャッターを元の向きで取り付け, イモネジを締める
9. 取り付けたらシャッターを開けたり閉めたりして確認する
- シャッター同士が接触しないように3方向のイモネジを用い位置を調節する
10. チラーをの電源を入れ, `pomp`, `Run/Stop`をつける
11. `TARGET WATER IN`を開けて水漏れしないかを確認する
- シャッターもあけて確認
12. シャッターを閉める
13. 操作パネルのTGTを全て戻す
14. スパッタ時間を戻す
15. `TARGET WATER IN`を締める
16. 同じように`HOLDER WATER IN`を開けて水漏れしないかを確認する
17. `HOLDER WATER IN`を締める
18. SP室のOリングとその接地面をエタノールをしみ込ませたアルファワイプで一筆書きのように拭き取る
19. ゲートバルブや排気口, ビューポート等の付近にゴミが落ちてないかを確認
- ゴミや膜剥がれにより、異常放電, 成膜時の不純物, 真空引きへの支障が考えられる
:::danger

:::
20. スパッタ装置のヒンジロックを外してハンドルと上部を二人でもって閉める
21. SP室のロックを仮止めする
## スパッタ装置を閉めた後
1. ターゲットセット片付ける
2. 操作パネルの`POMP`から`TMP`をつける
3. 操作盤下部`TMP CONT`の画面見て`Acceleration`になっている事を確認
4. 回転速度`48000rpm`になり, `NORMAL`になる事を確認
5. 操作パネルの`MV`と`FV`の間の`TMP`のマークが青に点灯していることを確認
6. 操作パネル`POMP`から`SP`をつける
7. スパッタ装置のロックが真空引きにより、オーリングが潰れてネジが緩むため, もう一度締める
- 空気の漏れる音や真空度が上がらない場合は二人でフタを押さえる
8. SP室のV.VENTのカバーを取り付ける
9. 黒板の文字を使用しないアルファワイプにエタノールを染み込ませ, 取り外したターゲットの文字を拭き取る
10. 黒板に取り付けたターゲットや備考などを書く
11. 真空引きを終えると`FILAMENT`がつくことを確認する
- `FILAMENT`がついたらエラーは起きない
:::danger
#### アラームが鳴り、SP ROUGH ERRが起きた場合
- SP ROUGH ERRは真空引きの時間が規定内で終わらなかった場合に起きる
- 復旧は以下の手順で行う
1. `RESET`ボタンを押す
2. `MONITER`ボタンを押す
3. `MENU/SP`で復旧
4. もう一度SP室の真空引きを行う
- 何度も試し、復旧しなかった場合は報告

:::
12. 工具や器具全てを片付ける
13. $8.5×10^{-3}$[Pa]まで真空引きする
14. 上記の圧力まで真空引きしたらロードロックの真空引き
15. ここでストップウォッチつけ, ポンプのヘタり具合を確認
16. $3.0×10^{-3}$[Pa]になるまで待機
17. 上記圧力まで到達したらストップウォッチを止める
18. 記録表に作業終了圧力と備考に$8.5×10^{-3}$[Pa]から$3.0×10^{-3}$[Pa]までかかった時間, エラー内容や回数を記入
- 記録表の紙がなくなる前にクリーンペーパーで印刷
19. 窒素バルブ締める
20. チラーを切る
21. 終了