1日目午後2:セッション1部屋 === 日時:2017/09/23 16:00 - 17:30 Code for Japan Summit 2017 共有ノート # 21st Century Government – Design for People’s needs 太田 直樹 / 久元 喜造 / 奥田 浩美 / 村岡 正和 https://summit2017.code4japan.org/session/key-note2/ <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/0_yyWxGyq_8" frameborder="0" allowfullscreen></iframe> ![](https://i.imgur.com/BpFDccQ.jpg) ![](https://i.imgur.com/y2TaPAx.jpg) パネルでの質問を、下記で受け付けています! https://app2.sli.do/event/2lqmiljb 関)パネル形式で発表しますので、登壇いただきます。 - 神戸市長 - 太田さん - 奥田さん - 村岡さん 自己紹介をしていきたいとおもいます。 (市長)このあと「しらせ」に向かうのでネクタイ姿です (太田)一か月前総務大臣補佐官していました (奥田)後ほど紹介いたします (村岡)神戸デジタルラボの村岡です。神戸でシステムエンジニアリングをやっている会社です。 (関)Code for Japan の関です。神戸市のチーフイノベーションオフィサーもやっています。 21 Century Government というフレーズは、Code for America が昔から使っている言葉ですが、これは Design for people を目指しています。 このセッションは、参加型のセッションです。スマホ等から [sli.do](https://www.sli.do/) にアクセスして、イベントコード(#cfjsummit)を入力すると、質問を登録できるようになっています。質問には vote 機能があって、「私もこれ聞きたい」というのを投票できます。 まずは太田補佐官、いろんな各地の事情を見られています。いろんな social 系の仕組みをご存知です。 まずは input として、太田補佐官から civic tech の話を聞きたいと思います。 (太田)パネルディスカッションに繋がりそうな話をしようと思います。 (「これからの5000日」というスライド) 最近面白い調査結果が発表されまして、ユニコーン企業、未上場だけれども企業価値が10億ドル越えの企業が左から右にマッピングされています。一番最新の調査では 250 社ぐらいあります。2010 年は 8 社程度しかありませんでした。Airbnb, Uber やアリババが入っていたりします。ユニコーン企業が加速度的に数が増えているということがみてとられます。第4次産業革命はまだ来ないと思いきや、もう来ているかもしれない。 アメリカに 100 社ぐらい。実は同じぐらいの数が中国にある。これでほとんど。第 3 はインドだけれど 7,8 社。その次はイギリス。日本は 1 社。メルカリ。 今年 3 月ぐらいに話したものとネタは被りますが、「立ちすくむ日本?」 札幌市における デジタルサイネージがの上に穴が開いていて、カメラがある。サイネージの近くに行くと、年齢や人種等を判定して、パーソナライズされた広告を表示する実証実験が実施された。 立ち入り禁止エリアのような表示がなされて、=立ち入ると画像解析されますよ、という案内、があり、人は実際には認識エリアに入ってくれない。 実証実験は困難な状態になる。 ただし、中止はしていない。Suica の乗客データを販売していたことが報道で騒がれたということがあり、これはトラウマになった。 止めてしまうとそういうトラウマができてしまうので、なんとか継続させる方向で進めている。 アメリカや中国はやってみて、問題があったら修正していく。しかし日本はできない。 やらなかったら土俵にすらあがれない。 チャンスが得られないということになるので、たちすくんではいられないと思っている。 やめてしまったので、今は言えるけれども、国の仕事はどうしてもスピードが遅い。 国よりも地方のほうが面白いことをやっている。地方の点が面に向かっている。 たとえば温暖化、国もやっているけれども、地方自治体の対応が早い。 レジリエンス、自然や災害にたいして 地方自治体は住民に近いので、課題に向かっていくプロセスができてきている。 東京対地方とよく言われる地方創成だけれども、それよりも世界とつながって連携していく自治体が出てきている。神戸市とか島根県海士町とか。 立ちすくんでいる国に対して、地方でアクションを起こしていくところにチャンスがある。 日本にとってもうひとつチャンスなのは、これからのテクノロジは民主化していく。 民主化とはつまり、今までは大企業の一部でテクノロジが使われていたのが、われわれが使えるようになってきた、ということ。 google で流行った絵があるのですが、日本の農家の跡取りが、きゅうりの選別を tensorflow で実装した。 これが象徴的な事例として google でとらえられた。 自動運転がすぐそこまできている。MIT が MORAL MACHINE という「究極トロッコ問題」という課題で、自動運転はドライバーと歩行者どちらの命を優先するのか? 国や宗教や文化によって答えが違う課題。ドイツのある自動車メーカーは運転手を優先すると答えた。しかし、子供でも運転手を守るために弾くのか?と実例(絵)を突きつけられると、「検討が必要」という回答に変わった。 Social in the roomという言葉があります。 AI は教師が教えて学習していく。 それぞれの地域社会にすむ人々が、自動運転の AI に教えていくというシステムになる。AI の学習は「地域社会」が担うということになる。 一部の大企業が発明して使うものでは無く、地域社会が育てるものになる。これが Civic Tech に関わってくると思う。 特に AI は「不安だ」「仕事が無くなるんじゃないか?」といわれたりする。 ハンガリーのお話で、山で遭難して、絶望していたときに、地図を出して、無事下山したのだけれど、下山して改めて地図を見ると、違う山の地図だった、という話がある。 人間は思い込むとなんでもできる。 将来に対して「どうなんだろう?」と心配するよりも、「自分たちの未来はこうなるんだ」と信じることがいろんな地域で起こるといいなと思う。 (市長) サンフランシスコにいったら、ICTを使って、課題を解決していく姿をみた。市民からも行政に情報がはいってきて、CfAが場を作って、行政と住民で解決に向かっていく。 神戸市では行われていない。小さな町では行われている。 これは神戸市がたちすくんでいる。遅れているということではない。 サンフラシスコには貧しい人々の姿もあった。これは日本よりも深刻だったかもしれない。 行政は仕事が分担されていく。範囲が決まっている。縦割りになる。蛸壺になる。これは仕事が無責任にならないために仕方ない。 しかし、これでは地域の課題を解決できる可能性は低くなる。 地域の種々の課題を区役所にもっていけば、区役所の窓口ではきいてくれる。しかし、縦割りの論理により解決はされない。 地域の課題と自治体の論理をどう結びつけるか。 どこの自治体も答えを見いだせていない。試行錯誤しかない。 CfJやCfKにはこの試行錯誤を期待している。試行錯誤の中で解決策が見えてくるのではないかと考えている。 データがキーワード。 データは嘘をつかない。 政府も市民も企業も共通の言葉として使える。 データを出すことで民間、起業がアプリを作る、考える。このためにデータアカデミーがある。 データを地図情報に落とし込むGIS。それぞれの制度による担当を超えて、職員のしていることがどういう位置付けのものかを認識できる。 次は、スタートアップ。 スタートアップと行政職員が協働し地域課題を解決していくUrban Innovation Kobe. 今日は「病気にかかった人が最適な搬送サービスを利用できる仕組みづくり」(神戸市消防局)「健康都市」(健康局) 地域貢献応援制度。自治体職員の仕事は地道な仕事が多い。神戸市は職員の意思をいちおう聞くことは聞いているけれど、聞いていない。 初めて区役所長になった人間が、区役所のことを知っているわけがない。 人事課が直接職員の希望を聞いて、キャリアパスのプロファイルを課が職員ひとりひとりの意見を聞き、それぞれのキャリアパスを作成するようにした。 職員は社会の役に立ちたい、地域の役に立ちたいと思っている。それならば、時間外に社会貢献・地域貢献のために報酬をもらってもよいという制度を作った。 55 ぐらいから勤務時間を減らしていって、地域貢献の仕事を増やしていくようなやりかたをできるようにしたい。 行政も地域にどんどん入っていく。市民も行政に入ってくる、これを繋ぐ仕組みとして、データの活用が重要だと考えている。 まだまだ自信を持って話せるような段階ではないけれど、試行錯誤です。 (関)この後パネルディスカッションに入っていくわけですが、お二人に少し話を聞きたいと思います。 (奥田)写真を見てわかるように、私は未来から来ました。 自分たちで欲しい未来は自分たちで作る。入った瞬間に走る。 今日は自己紹介として今私がやっている仕事を紹介したいと思います。今 30 ぐらいの肩書を持って活動しています。 共通してやっていることは、「端と端をつなぐ」をテーマに仕事をやっています。最先端の技術と、社会の末端を繋ぎます。 限界集落とロボットを使った診療といった仕事をしています。 社会課題をビジネスになどの動きは活発になっているが、自分の身近な問題は実はみんなの課題かもしれない。それはつまり社会課題だという考え方をしています。 自分自身が介護の問題を抱えている。これを自分だけではなくて社会課題としたら、一気に問題が解決されるのではないかという活動をしている。 500 start up というアメリカで非常に大きな投資を行う団体なのですが、神戸市でその事業をやっています。神戸市が世界に出て行ける方法の一つとして始めました。 自分のやりたいことを実現するためには、国、地方自治体、起業など、どの立場を利用するのが一番近いかと考えているので、30位の肩書きを持っている。 MINT 神戸でやっていますが、21 の今日が 200 社が選ばれました。 21 の 8 が女性起業家です。 最初から「女性の起業家を神戸から作り出そう」思ってはじました。 国や自治体の起業プログラムには満足できなかった。 女性の起業家は日本でちゃんと支援が受けられると思っていない。 現在の段階は既に男性社会の中の女性支援という段階では既になく、男性社会から見えていなかったイノベーションの種がたくさんあると思っていて、それを発掘するために女性支援をおこなっている。 CfJも女性の立場大切で、課題を持っているのは、女性や高齢者などいままでコードをかいていなかった、見えていなかった人たち。見えなかった人たちから課題を抽出することが大切。 「時代・場所・人・ルーツ」 自分の立場が社会を変えていくんじゃないかという思い込み、 「見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい」 「あなたはこれから、どんな生き方をしますか?」 (村岡)神戸デジタルラボの村岡です。IoT や AI などをやっています。 2015 に Civic hack osaka をやりました。公務員とエンジニアのハッカソンをやりました。 最初公務員のかたは来てくれないと思っていたけれど、蓋を開けてみたら大盛況だった。 ものを作って世の中に訴えかけるのがクリエイター。そのために活動している。 「push osaka」というアプリはその時に生まれたアプリで、AppStore でも配布されていて、現在も運営されている。 2016 に Civic hack datathon をやりました。クリエイターと行政のマッシュアップは小さいところからも始められる。 (関)質問をしていきたいと思います ハッカソンからいろいろな事業に継続していくのは難しいけれど、何かアイディアはありますか? (村岡)モチベーション!行政から何かすることは本質的にはできないと思っている。突っ走れる人がいないというそれだけだと思う。 (奥田)長いことハッカソンやっているけれども、「翌日何が起きますか?」を考えてハッカソンを設計するのが大事。「明日、1年目、10年目」を考えているひとは少ない 鹿児島で実施するハッカソンは人は集まらないけれど、自治体の悩みを聞いていくようなハッカソンをやると、次につながる。 (質問)イノベーションに立ちすくむ上長への説得のしかたはありますか? (太田)要するに奮い立たせないといけない (奥田)イノベーションってテクノロジと思われがちだけど、人がかわるという話。繰り返し、変わるように言うしかないと思いますが、それでも変わりたくないんでしょうか?どうでしょうか市長?まずは変われっていうんでしょうか? (太田)役人は嘘をつくけれどもデータは嘘をつかない、というのはあるけれども、evidence based な方法がいいと思われる。 (村岡) 部長を口説いて、何かハッカソンとかしたいということだったら、自分でやったらいいと思う。 今の状況であれば、プログラミングってそんなに難しいものでもない。本当にやりたいものがあるのだったら、自分でプログラミングしたらいい。 (関) ギーク公務員は、自由研究の範囲でやってたら、いつのまにか認められたと言っていた、とりあえずやっちゃえばいいのかもしれない。 次の質問も Code for Japan としてもどうにかしたいのでが、 女性が少ないと思います。もっと参加してもらうためのヒントは? (奥田)一回目の Code for Japan のミーティングでも聞かれたのだけれど、そもそもミーティングの時間帯設定が間違っているという話をした。 8時9時にやっても女性がくるわけない。女性がきやすい場所も必要。 女性に限らず、みんなコードを書きたいわけじゃない。コードの先にある何かを目指したほうがいい。 お金を生みださないところにイノベーションは起きないということではなくて、例えば主婦なら洗濯が楽になる仕組みを考えたいと思っている。 選択はずっと水を使っているけれども、クリーニング屋は水は使っていない。イノベーションが起こっていない。 3000 年ぐらい変わっていない場所、イノベーションが起こっていない領域をテーマ設定して、どんどんやっていくことが大事。 (太田) 自分の身近なところから始めのが大事。男性中心だと、社会課題という「外」の話になってしまう。 話が大きくなりすぎていて、みんな疲れてしまっている。 自分のためにやるということが大事。 自分というニッチな視点がチャンスだったりする。「そんなちっちゃなことやってどうするの?」と言われたりするけれども、AirBnb も同じようにニッチからはじまった。 今の時代ニッチなことをやると、世界中に「いいよね」という広がりが生まれたりする。 (関)市長に。このような Civic Tech の活動が行政とより進むにはどうしたらようだろうか? (市長) 思いついたことを全部言う。表に出す 市長も Civic Tech で議論したことを、ごく簡単にでもいいので、必ず幹部に報告していくようにしていきたい。 幹部は『所管』の問題を強い意欲を持っている。 例えば空き家の問題、Civic tech が問題の解決のヒントになると suggest していきたい。 (村岡) 公務員とクリエイターが組むハッカソンをしてはどうですか? Civic hack Osaka をやったときに知ったのは、公務員が持っていらっしゃる課題がものすごくたくさんあることがわかった。 アプリを上手に使うと、行政の役に立つ、ということが伝わり、庁内で勉強会が開かれたり波及効果があった。 (市長) トップダウンでやるのがいいのか、草の根でボトムアップでやるのがいいのか (村岡) 個人的にはボトムアップでやるのがいいと思う。 やりたい人がいればやりますよ。 (関)まさに先日 Gov Hack というのをやってたりします。 本日の海外セッションを聞いても、日本も含め各国で行政とシビックテック団体の協業が進んでることを感じます。先進自治体は、「どんどん声をあげてください」と言い始めています。 でも、日本は間接民主主義です。テクノロジーの民主化などで、住民が声をあげやすい世界になって来た場合、今後の議会等のあり方についてはどうお考えですか? (市長) 市民からどうやって意見を聞くのか?というのが難し。 議員が多様な形で吸い上げた意見と、市長が市長のやり方で吸い上げた意見を戦わせるのが議会の場。 議会の中継いちおうインターネットで流しているけれども、正直みている人はそんなにいないと思う。見たいと思えるような議論がされるようにお願いしたいところ。 (太田)市が何をやっているかを見ている人がかなり増えてきた。テクノロジを使って直接参加する、いきなり民主化というよりは見える化、が進むだろう。 (奥田)そもそも議会まで上げなければならないもの、お金の承認や法律などの整備が必要なものなのだけれど、今の時代なら自分たちでクラウドファンディングなどで自分でできることも多くなってきたので、啓蒙活動が必要。議会に上げなくてもできることはある。 (太田)クラウドファンディングは今は東京は日本全体の半分もない。 (関)スマホもパソコンも持たない、持てない層へのアプローチについて、なにかアイデアはありますか? (奥田) 高齢者の横にいる人がサポートするしかない。 一番問題なのは、次の入力フォームが瞬きになるレベルになった時代を考えたりすると、自分自身がその入力方法についていかないといけない。 今使えない人を哀れに思っていても仕方が無く、次は自分が置いて行かれる立場にすぐなるということは意識しておいたほうがいい。 電子行政になても必ず人の繋がりでできている部分があるということを忘れない。時代から遅れた部分をフィットするまで見守る。 人を切り捨てることはせず、ずっと仕組みを維持していくことが大事。 (関)それではそれぞれ応援メッセージをお願いします。 (村岡)考えたらすぐにやれ。ということ。ハッカソンじゃなくて、なんでもいいので思って何か思いついたら、とりあえず作ってみよう。未完成でも blog に出す。 そうすれば次の展開が生まれることも多々ある。 (奥田)「亀の卵を食べてことがある方?」という質問をよくする。私はそんな地域で育った。シリコンバレーなど海外にいくときにも、小さなところで育ったという経験が逆に役に立っている。 他の人にはない価値観が役に立つ。 (太田) 辞めてから 1 カ月経って、40 歳ぐらいの人から話を聞きたいとよく言われる。日本はプライベートセクターからパブリックセクターに行く道がほとんどない。民間企業は実は世界が狭い。行政はうまくやればけっこう広く世界が見れる。プライベートセクターからパブリックセクターにいって、うまくやればすごく広い世界を見れるので、有効な時間の使い方をして欲しい。 (市長) 水を使わずに洗うという話がありましたが、新幹線のトイレ、あれは水は使わないのは、すごくイノベーションが起こっていたんです。 行政の中ですごい進歩は起きてない。イノベーションは行政から生まれてきていない。できれば、行政の中からイノベーションを起こしたいと思って欲しい。義務感ではなく、面白いことをやってみようという発想でやってほしい。 まだ試行錯誤中ではあるけれども、とにかく面白いことをやってみよう、それで課題が解決できたら儲けものののように、義務感も無くやるのがいい。 **このノートは誰でも編集可能です!ぜひ議事録取りに協力願います。**