<!-- https://hackmd.io/4c3xLYD1TGG3TjEWNefUMQ?both#/ --> <style> .reveal { font-size: 180%; } </style> <!-- .slide: style="font-size: 80%;" --> # [実験レポートの執筆における<br>心構え と ヒント](https://hackmd.io/@8wWr5O5-SdmiPKROyvEGtg/B1ihxqTmc) <br> 実験レポートの執筆は,科学技術者に必須のスキルである<br> テクニカルライティング(technical writing)の練習です. 文書を作成する基礎力を磨き, 最後は良い卒業論文を書いて卒業しましょう. --- # 読者を意識しよう ---- ## レポートの読者は誰ですか <br> - まだ実験をしていない<u>同級生</u> - 1か月前,<u>実験に着手する前の自分自身</u> <br> **担当教員や専門家を想定しないでください**.上記の人が読者です. ひとつひとつ教えるように解説を書いてください. あなたが実施した実験について一番詳しい人はあなた自身です. たとえ担当教員であっても,あなたが説明しない限り, あなたの実験結果を誰も再現できません. ---- ## 定義(What)と 理由(Why)<br>を徹底的に書こう <br> 読者が抱く疑問の9割は,<br> 「それは何なのか」という定義に関する "What" の疑問と,<br> 実験目的と方法の必然性,結果の信頼性に関する "Why" の疑問です. 読者の立場になって,疑問を残さず説明し尽くすように執筆しましょう. ---- ### 【目的】【原理】 方法  結果  考察  <!-- 技術文書の典型的な構成として[IMRAD](http://ja.wikipedia.org/wiki/IMRAD)があります.--> - 【目的】(What) - どんな原理や仕組みを実験的に確認するつもりですか. - 実験結果によって裏付けたい**仮説**は何ですか. - 実験的に何を明らかにしたいですか.<br>それを明らかにする意義は何ですか. - 【原理・背景技術】(What, Why) - どのような法則や,技術に関する実験ですか. - なぜその仮説が成立すると予想していますか. ---- ###  目的  原理 【方法】【結果】【考察】 <!-- 技術文書の典型的な構成として[IMRAD](http://ja.wikipedia.org/wiki/IMRAD)があります.--> - 【方法】(What, How, Why) - 実験の実施には何が必要ですか. - どうすれば,目的の達成に役立つデータが得られますか. - なぜ,その方法で目的を達成できると言えますか. - 【結果】(What, How) - その画像や数値は何ですか.図や表の見方を教えてください. - 【考察】(Why, How) - どの結果をどのように見ると,原理や仕組み・仮説の裏付けを確認できますか. - 裏付けできた・できなかった 原因として何が考えられますか. ---- ## 読者に憶測の余地を残さないように (1/2) <br> 「未定義で意味不明だけれど,たぶん○○のことだろう」 「なぜなのか分からないけど,たぶんあんな理由だろう」 などと読者に憶測させてはいけません. 実験着手前の自分を思い出してください. 実験に関して,読者は著者ほどの基礎知識がありません. 憶測で読ませると,読者は勘違いや理解不能に陥ります. 実験をした著者にとって当たり前のことでも,読者はそれを知りません. ---- ## 読者に憶測の余地を残さないように (2/2) <br> 可能な限り定義を書きましょう. 「ここで○○とは△△のことである」「△△を○○と呼ぶ」 などでも十分なことが多いです. 自分が独自で定義した用語ではない場合は, どの分野で定義済みの用語なのかわかるように**出典**を示し, なるべく読者が定義を確認できるようにすることが望ましいです. ---- ## ひとりで作りこまない <br> 実験のシナリオをグループのメンバーと相互確認し, 認識を共有しておくべきです. 実験を実施したときの条件や設定も, 詳細に記録を残して共有することが, **再現性**のある実験の記述に役立ちます. 早期発見・早期治療. 未完成,部分的にしか書けていない段階であっても, 最終版の前の仮レポートをTAや教員に確認してもらうこと. --- # 実験目的と方法を<br>決めるためのヒント <br> 体験(experience)で終わりにせず, 実験(experiment)することを心掛けましょう. 実験科目は,科学技術の理解を深める「学習実験」ではありますが, 小さなことでもよいので, 発見や,疑問の解消を試みる知的好奇心を発揮してほしいです. ---- ## 【目的】実験で何かを明らかにせよ - 「成功すること」「良い結果を得ること」が実験の目的では<u>ない</u>. どのような条件でどの程度の性能が保証される技術なのかを できるだけ「**解明すること**」である. - 解明したい事柄を思いつく限りすべて書き,重要度と,実験の難易度を順位付けする(グループのメンバーと協働するとよい). 重要度が高く,難易度が低いものを選ぶ. - その目的で実験をする**理由**を述べる.それ以外の事柄については実験をしないが,レポートの最後に要検討事項として言及し,どのような結果が予想されるか述べるとよい. ---- ## 【方法】目的の達成を阻む原因を排除せよ <br> - 明らかにしたい性質が現れる(他の性質に影響されない)ように方法を設計すること. - 例えば,想定している原因だけ異なり,それ以外は全く同じ設定条件下で得た結果を比較する. - ある機能だけ無効にした結果から,その機能の効果を検証する (ablation study). ---- ## 【結果】明らかにしたい性質を 量 で示せ <br> - 調べたい事柄の性質を定量的に数値やグラフで示す.その性質を表す評価尺度を算出する. - 偶然の結果ではなく,再現可能であること(**再現性**)を示すために, 全く同じ条件下で実験操作を繰り返し(反復試行),**統計量**を示す. ---- ## 【考察】予想と事実を比較せよ <br> - 予想や仮説を立てない実験はありえない. - 予想どおりか否かを議論しやすいように実験結果を整理し, グラフや表で可視化する. --- # 書き方の作法の詳細は<br>資料をご覧ください. - [実験レポートのサンプル](https://github.com/tsakailab/cisexpkit/blob/master/Experiment/Document/report_sample_cover.pdf) - [実験レポート チェックシート]( https://github.com/tsakailab/cisexpkit/blob/master/Experiment/Document/report_checksheet_n.pdf)
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