# ぼくらの離スタート # 情報の歴史Web化計画 『情報の歴史』改訂版をISIS20周年記念に発行するのに合わせて、Webで見られるようにする。 # 穂積くんへ こんにちは。梅澤です。 先日の退院式でお話していた内容をちょっと具体化しようと思って、こんな文章を書いてみました。文字だけでは伝わりにくい点もたくさんあると思うけど、そこは交わし合いで明らかにしていきたいです。 お互いが考えていることをとかくアウトプットし、共通点がないか探してみたいです。最終的なターゲットは、<世界>や<社会>とインタースコアを図る、編集工学が埋め込まれた何かを共同でポイエーシスするところにあります。具体的な道筋は我らが「よもがせわほり」で考えていきたいのですが、今回はとにかく頭の中をお互いにさらけ出して、重なる部分をさがしたいですね。 林頭とお話するときにこの話をしてもしなくてもいいのだけれど、穂積君の頭の中も、どこかに創文して見たいなと思っています。(ちなみにこのファイルにも続けてかけるよ)。もちろんフォーマット自由で。 # まず隗より始めよ ということで、以下のような三本柱で今の自分の考えを書き出しています。 1. 離から受け取ったものを含めた、今後の自分のやりたい編集の方向性とはなんですか? 2. 編集工学を図、世俗を地としたときに、自己の内に発する課題感はなんですか? 3. 自分がやってみたいポイエーシスはどのようなものですか? まずお互いの1と2をだしあって、共通点を探し出すのが最初の取り組むべきこと。3は個人でやってもよいものも含まれるだろうから、これは参考程度に見ればいいかなと思っています。 [梅澤パート] ## 1. 離から受け取ったものを含めた、今後の自分のやりたい編集の方向性とはなんですか? メディアの編集的可能性を追い求めたい。 自分の担当した目次録は情報の国家エディトリアル・マインドである。 ### 15  情報の国家 --- #### 15・12 エディトリアル・マインド   1512・01 ゲーテのエディトリアリズム   1512・02 蔦屋重三郎のネットワーク   1512・03 学術出版の祖・須原屋市兵衛   1512・04 宮武外骨主義   1512・05 岡茂雄の装釘   1512・06 新潮社誕生、佐藤義亮   1512・07 フランクリンと編集デモクラシー   1512・08 ポオとボードレールの編集言語技法   1512・09 昭和を作った出版人~岩波茂雄と下中弥三郎   1512・10 文芸春秋と菊池寛   1512・11 ガリマールとダブルデイ   1512・12 マラルメの書物宇宙観   1512・13 バタイユとカイヨワとレリス   1512・14 バウハウス・エディティング   1512・15 「TIME」をつくった男たち   1512・16 イエロー・ジャーナリズムとニューヨーク・タイムズ   1512・17 花森安治から堀内誠一へ   1512・18 杉浦康平の宇宙   1512・19 「遊」の中の編集工学   1512・20 アラン・ケイとテッド・ネルソン   1512・21 スチュアート・ブランドの「Whole Earth Catalog」   1512・22 リチャード・ワーマンの方法   1512・23 プラダを着た悪魔、アナ・ウィンター   1512・24 ウェブ・エディティング   1512・25 伽藍とバザール   1512・26 オライリーとレッシグとフリーカルチャー   1512・27 スティーブ・ジョブズの挑戦   1512・28 「Facebook」王子、マーク・ザッカーバーグ 本は情報パッケージである。なんでも入る。 本こそ編集の起点となり基盤となるもの。さらに、本という情報パッケージを部分的に解体したり流動化させることによって、映像やWebが生まれた。本こそメディアの始まりと言って良い。全てのメディアは本の模倣なのだ。しかし本からインスピレーションを受けたWebサービス、例えば - 本気の本読みを満足させるWebサービス - 情報パッケージとしての本や"BookWare"という捉え方を知ったり楽しんだりするWebサービス - 本のつながり、カテーナを表象するWebサービス そういったものがない。本とWebの有機的な連関が不足している。 情報の伝達には3Mの視座が重要だ。 どんなメッセージも、メディアが変わればまた変わる。メディアこそメッセージなのだとマクルーハンは言った。この視点で本やWebサービスを論じる、インタースコアしていくことが、今不足しているのでは?メディア論の視点がかけているのだ。 ### これから自分が当たるべき照覧・キーワード すると文巻や千夜千冊にたくさんヒントがあることに気づく。以下のような項目について考えていくのが大事かも。 #### 1.アレクサンドリア図書館/カリマコス/ピナケス/カテーナ/トマス・アクイナス - 目録の目録とはどのようなものだったのか。 - カリマコスの編集術とはどのようなものだったのか。 - 中世スクリプトリウムにおける本の作成や記憶、想起をめぐる編集術はどのようなものだったのか 照覧本 - 1314夜『記憶術と書物』メアリー・カラザース - 959夜 『知識の灯台』デレク・フラワー - 松岡正剛『千夜千冊エディション 本から本へ』角川ソフィア文庫 - ルチャーノ・カンフォラ『アレクサンドリア図書館の謎』工作舎 #### 2. マクルーハン/デジタル・マクルーハン/ヴィリリオ - メディア論、3Mの考え方をより深めていく 照覧本 - フータモ,エルキ『メディア考古学―過去・現在・未来の対話のために』NTT出版 - 落合陽一『魔法の世紀』 - マーシャル・マクルーハン『メディア論』 - 1064夜 『情報化爆弾』ポール・ヴィリリオ - 459夜 『デジタル・マクルーハン』ポール・レヴィンソン - 1509夜『ユーザーイリュージョン』トール・ノーレットランダーシュ - 1240夜『ポスト・メディア論』デリック・ドゥ・ケルコフ #### 3. テッド・ネルソン/アラン・ケイ/ドミニク・チェン 今後自分がポイエーシスをしていくため、あるいはメディエーションを極めるために先人の制作物から学ぶために読みたいものたち。 照覧本 - 1717夜『ライティング・スペース』ジェイ・デイヴィッド・ボルター - 666夜『声の文化と文字の文化』ウォルター・オング - 松岡正剛『千夜千冊エディション 情報生命』角川ソフィア文庫 - 岡 瑞起他『作って動かすALife』オライリー - 松岡正剛・ドミニク・チェン『謎床』 - 1479夜『人文学と電子編集』ルー・バーナード、キャサリン・オキーフ、ジョン・アンスワース ## 2. 編集工学を図、世俗を地としたときに、自己の内に発する課題感はなんですか? - 主題ばかりを追う者が多い - 目先の現象と、ちょっと先の未来が、時間の全てだと思っている者が多い。大体そういった人たちは、IT屋やコンサル、証券、広告業界などに多くいる。すなわち歴史的現在という視点を持っていない。 - 本を単なる紙の束としか思っていないひと、BookWareという捉え方がわからないひとが多い。 - メディアの存在論を踏まえた議論ができるIT従事者が少ない。(メディア論に造詣が深く、コンピューティングの腕もあるひとといえば、アラン・ケイ、西垣通、N・ウィーナー、テッド・ネルソンあたりか) - 連想や3Aといった技法を、妄想や空想と区別できないひとが多い。(ビジネスにはロジカルシンキングだけが必要と考えている集合とも重なりやすい) - 編集工学的な本の読み方がまだ広まっていない(←これはきっと多読ジムで指南が繰り広げられるのだろうけど・・・) ## 3. 自分がやってみたいポイエーシスはどのようなものですか? ### Hack of 千夜千冊 千夜千冊はまだまだたくさんの再編集を待っている。 以下のような機能があったらいいのにと思う。(文巻のお題参照) - スマホ対応(レスポンシブデザイン化) - 自由に千夜千冊を組み替えて、マイ本棚として表象する。組み替えたセットはそのままpdf出力や印刷できる - 任意の千夜千冊に好きなタグをつけられる。あとで検索や整列ができる。 - 千夜千冊の右下にあるキーブックたちのネットワーク構造を自由につくることができる。 - 千夜千冊の文中に自分でキーワードやホットワードをノーテーションできて、他の千夜千冊と目に見えるリンク線で結ばれる。メモをすることでオリジナルのシェーマが描ける #### 梅澤回答 逍応院のみなさま 蜷川別当師範代 野嶋別番 小倉右筆 こんにちは。梅澤です。 またしてもワクワクが止まらないようなお題に出会いました。 指図1030に回答します。よろしくお願いします。  <お題> ---------------------------------------------------------------------- 10・30【知識と仮想空間】 ---------------------------------------------------------------------- ≪指図≫1030→ 諸君が一番ほしいと思うインターフェース機能(できれ          ばデザイン・イメージも)とはどういうものですか。また、          「千夜千冊」や「目次録」や「千夜千冊エディション」が          どのように電子的にバージョンアップされることを望みま          すか。発言者にレスをつけながら応接しなさい。 <回答> 武田さん→宮川さん→関根さん→三津田さん→山田さんに続きます。 【武田さん】 >  私が一番欲しいと思うWeb版千夜千冊の機能は、読者が自由にアンダーラ > インをひいたり、付箋を貼り自由に書き込みできるようにするインターフェー > ス機能だ。 >  そして、この付箋やアンダーラインは自身がグルーピングした特定のメンバ > ーと共読できるような仕組みにしておきたい。 いいですね!私も欲しい。 MITメディアラボの所長伊藤穰一さんが似たような取り組みをされていました。 PubPubという学術論文を公開して誰でも書き込めてレスもつけられるような ものです。本分右の数字のところをクリックすると出てきます(まだ付箋のグ ルーピング機能まではないみたい) https://jods.mitpress.mit.edu/pub/enlightenment-to-entanglement/ ただこれはモダンなWeb画面になっているので、タルムードみたいに一覧でびっ しり文字が書いてあるデザインの方が一覧性があって創発が生まれやすそうだ なと思いました。 >  11週目の「日本という方法」でも体験させていただきましたが、校長オリ > ジナルの文巻、千夜、目次禄に対して、離学衆がお稽古として編集を加えてい > く校長原本に対する派生ブランチ版の作成もありかと思います。校長のDNA > としてのテキストがRNAとしての学衆にコピー・推敲編集されるなかで、ど > のように成長する余地が出てくるのか。校長の方法を背負い引き取る覚悟とし > てのお稽古になるかもしれません。 これも素敵。私はさらに校長本人の原稿赤入れの軌跡を再現したブランチも欲 しいです。離学衆であれば編筋率片手に赤入れ過程を読んでみたい。 【宮川さん】 > わたしも武田さんの読みまして、さらに追加したいインターフェイスがあります。特に、 > 戦争勘弁のときに思った機能を追加したいです。それは「こんなことについて学びたい」 > という、言語一致ではなくて、もう少し曖昧なイメージ検索窓です。 > イメージ検索窓で「学びたいこと」を打ち込んだ時に(今回の場合は「ドイツ > の戦争」)、それに関する千夜千冊が紹介されて、それに対するちょっとしたコメントが > 出てきたり、また読む順番などがあると、積極的に使える人が増えていくと思いました。 これ私も欲しいです。(すでにグーグルの検索窓に似たような機能を期待しな がら毎日千夜千冊を検索している節があるかも) ただ、あまりにこの機能が便利に感じてしまう「錯覚」をユーザーに与えてし まうと、我々の編集機会や編集可能性を全部機械が代行してしまうかもしれま せん。ポール・ヴィリリオが難癖つけにきそうです。きっと宮川さんは、千夜 千冊を読んで、キーワードやホットワードを頭に浮かべてから次の千夜千冊を 人力でまた検索しに行くというのを繰り返してドイツ農民戦争の関連千夜を導 き出したかと思いますが、このような人間側の手間や作業の領分を残した設計 にできるといいのかなとも思います。 人力で読み繋ぐべき千夜の顔ぶれをあぶり出す能力を鍛えるためのツールとし て、「カテーナの作成と公開」の機能があるといいと思いました。千夜千冊本 分にはそもそも他の千夜へのリンクが貼られていることも多いですが、自分の 頭の中ではつながっているのにWeb上ではつながっていないということもあり ます。なので次にどの千夜千冊となぜ、どのようにつながるのか、文中のキー ワードや文にはないホットワードを掲載し、そこから自分なりのリンク線を張っ てカテーナとする。さらにそのカテーナのつながりや繋がれたタイミングや順 番が可視化できるサービスがあるといいと思いました。さらに校長著作の全著 作リストと目次のリスト、それから目次録ともカテーナが結べると、より編集 的世界観を渡り歩く地図として有効なものになりそうです。表象の方法は、ハ イパーテキストの生みの親テッドネルソンのザナドゥ計画にあったような形が いいかもしれません。火元三役の皆様が「ドイツ農民戦争」を読むカテーナを 公開したら、きっとかなり違うものになると思います。              ┏━━━━━┓              ┃第!!夜 ┃              ┃     ┃             ┏╋━━━━━╋┓            /┃┃     ┃┃  ┏━━━━━┓  / ┃┃     ┃┃  ┃第0?夜 ┃ /  ┃┃     ┃┃ ┏╋━━━━━╋┓   ┃┃     ┃┃ ┃┃     ┃┃   ┃┃     ┃┃ ┗╋━━━━━╋┛   ┃┃     ┃┃  ┃     ┃ \  ┃┃     ┃┃  ┃     ┃  \ ┃┃     ┃┃  ┃     ┃   \┃┃     ┃┃  ┗━━━━━┛    ┗╋━━━━━╋┛              ┃     ┃              ┃     ┃              ┃     ┃    ┏━━━━━┓             ┏╋━━━━━╋┓   ┃情報の国家┃             ┃┃     ┃┃\  ┃     ┃             ┃┃     ┃┃ \┏╋━━━━━╋┓             ┃┃     ┃┃  ┃┃     ┃┃             ┃┃     ┃┃ /┗╋━━━━━╋┛             ┗╋━━━━━╋┛/| ┃     ┃              ┃     ┃  | ┗━━━━━┛              ┃     ┃  |              ┃     ┃   \              ┗━━━━━┛    \                          ┏━━━━━━━━━━━━━┓                          ┃なぜカテーナを繋いだかの ┃                          ┃意味を記述        ┃                          ┗━━━━━━━━━━━━━┛ 【三津田さん】 >  武田さん、宮川さんが提案された千夜の複数モードを活かしながら、千夜自分 > で決めたテーマ毎にまとめた本棚を提案します。 これも欲しい。さらに本棚自体がグラフィカルだといいですよね。棚の段組が自在 に変えられて、棚の板や柱にヘッドラインが書き込める。「マイ・松丸本舗」が作 れるような機能があるといいですね。本棚が公開されてひしめきあっている3D空 間を歩き回れたら、それはみんなの脳内がまぜまぜされた共読街区になれそう。 さて、あとこちらは追加機能ではなくコメントなのですが・・・ 【山田さん】 > 私自身(自分)の過去のマーキングはあまり必要ない > のかなと思ったりもしました。以前に読んだ千夜のポイントやキーワードをす > ぐに取り出せる、思い出せると、とても便利だと思うのですが、私は離のお題 > が進むにつれ、以前に自分がマーキングしたキーワードやホットワードに縛ら > れていると感じることも多かったです。 私も似たような経験よくします。けど必要ないこともないかなぁとも思うの です。 松岡校長の著書で初めて雷レベルの衝撃を受けたのは、守の学衆だったとき に『多読術』を読んでいるときでした。千夜千冊を書く時に校長が考えてい ることを述べる下りです。   読書って二度するほうがいいんです。同じ本をね。というのは、読書には  その本のこととは別に、いつ読んだのか、どんな気分で、どんな感受性のと  きに読んだのかということが、密接にかかわってくる。(中略)だから、そ  の本を現在時点でも読んでみるようにした。再読です。まあ、昔のソースせ  んべいやタマゴ焼きと同じ味だったかどうかを確かめるわけですよ。そうす  ると、たいていはそこには「開き」がある。かなりの「開き」です。「溝」  といてもいいでしょう。まったく印象がちがっていたということは、しょっ  ちゅうある。けれでも、その「開き」こそはたいへん重要なもので、ぼくの  経験では読書の本質にかかわるようなことが少なくない。(『多読術』p15) 過去の自分と今の自分が読んだときに感じたことの差こそ、読書の味噌なわけ ですから、前回と違う読みをしている自分を感じながらその差をむしろポジ ティブに捉えていけると、多読術に近づける!と感じております。そのために も、バージョン管理ツールやカテーナの機能で過去の自分と今の自分のノーテー ション比較ができるといいのかもしれません。 <振り返り>  実は退院後にやることリストの中に、随分前から「千夜千冊をHackする」と いうのが入っておりまして・・・。全文データを引っこ抜いたデータの束を既 にローカルに作ってあるのですが、これを用いて(非公開で個人的に)千夜千 冊のリプレゼンテーションを文巻を元に再構成しようと目論んでおりました。 そしてこの指図!渡りに船!みなさんの回答を参考に機能追加していきたいで す(そして歴代の回答全部見たい)。 梅澤光由 #### ほずみ回答 <森本さんの要約>  森本さんは望ましいインターフェースとして、収縮自在な画面を挙げてくだ さいました。小山さんのホログラムのようなものにも近いとおっしゃっていま したが、個人的には風呂敷のように、折りたたんで変形できるディスプレイと いう印象を受けました。近い将来、スクリーン型の極薄ディスプレイが開発さ れれば、折り紙の方法を活かしてオブジェにしておいてみたり、キーホルダー にして持ち運んだり、タペストリーのように壁にかけたりと様々な可能性が広 がりそうです。紙レベルに薄くなくとも、折りたたみ式ディスプレイはもう少 し開発が進んでも良さそうですよね。  バージョンアップに関しては、中西さんのマッピング案を引き継いで、3D空 間に関係線をひっぱったり色をつけれたりと、自由に編集できるインターフェ ースを構想してらっしゃいます。ぼくの好きなサイトで「[NIPPON COLLORS](http://nipponcolors.com/)」 という日本の色を紹介しているサイトがあるの ですが、このサイトのアニメーション機能をonにすると、立体的に色の関係図 が表示されて、利用者は色の世界を回遊することができます。あまり自由度も ありませんし、クリックすることもできないのですが、千夜が立体的になって 「ワ~っと」網羅される時のイメージはこんな風になるのだろうなあと想像し ています。 <私のインターフェース&千夜>  私もマッピング案には賛成です。wikipediaや千夜など、ハイパーリンクが 多いサイトを利用すると、「こっちも行きたいけど、あっちも気になる」とい うような、どちらのリンクを踏むか迷う分岐点に遭遇することがあると思いま す。現状、そういう時は新しいタブを開いて分岐点に戻りやすくするのですが、 分岐が増えすぎると一体自分がどこから来たのかよくわからなくなってしまい、 目当ての地点に戻ることに困難をきたすことがあります。そこで自分のきた道 をトラッキングして分岐点の痕跡を同じ画面に保存し、いつでも過去に戻った り、別の未来に進んだりできる、そんなタイムトラッカー機能が欲しいですね。 自分の千夜履歴が見れるだけで、その時の思考のインデックスになりますし。 特に千夜の場合はアナロジカルなハイパーリンクが埋め込まれているので、入 り口の千夜からどの千夜を経由してどこまで行ってしまうかは、wikipediaな んかより創発的だと思います。「あれ、俺はどこからきてどこに行くのだ?」 となったときのためにも欲しい機能だと思います。  また、自分でハイパーリンクを付け替えて、独自の三夜読み、五夜読みを投 稿できる機能があってもいいですね。小さなエディション作りといった感じで すが、千夜という世界をどうやって巡るか、そのオーダーやツアーコースには 見方の個性が光るはずですし、ここで目次録が火を吹くと思います。最近はAp ple Musicなどでプレイリスト共聴が流行っていますが、千夜のリーディング リスト(RL)を編集して共読できる機能も欲しくなります。実際の本や詩、は たまた音楽なんかが間に挟まってインターテクストを補完できてもいいですね。  あとは著者、出版者、装丁家によるインデックス、キーパーソン辞典や編集 用語集、登場する全年号を使ったクロニクル、校長の加速する文章を初読者に 補完する注釈編集(母匠照覧的な)…思いつくままに挙げても、テクノロジー に依存するまえにできることが色々あると思います。小池師範が一夜一夜歌を 詠まれたように、みんなが方法を発揮して千夜ワールドを作っていける空間に なると、千夜はもっともっと成長すると感じます。最近はエディストもできま したから、並行して参入の幅を広げていきたいですね。 <振り返り>  個人的なインターネット経験に焦点を当てて考えました。とくに離の最中は 無限ハイパーリンクに絡め取られて、なかなか帰ってこれないことが多いので、 きちんと足跡をメルマークにすることは重要だと感じていました。本当に思い つくままに書いただけでも、千夜にはやるべきことがまだまだあります。特に 全年号を用いた千夜史は圧巻な作業になることでしょう。みんなで取り組んで いきたい活動の一つだと思います。 ### 松岡正剛データベース 松岡校長の著作や千夜千冊などにまつわるDB。 これは13離の渦中に、逍応院の加藤さんが惜しみなく院内に共有してくれた、インデックスがヒントになっている。 インデックスとは、全千夜千冊の番号、タイトル、著者、そして千夜千冊エディション+全集版+遊学等に掲載があるかいなかといったことがリスト化されたテキストである。 このリストのいいところは、タイトルのみを検索できるので、中身は紙の本を探し出していかないと読めないところにある。情報のインデックスだけはコンピュータで探せるが、肝心のコンテンツは身体を使わないと取り出せない。 そこで、他の松岡校長の著作や、それらに対するタグ付け、本の目次くらいまでを全文検索できるようにしておいて、ある程度校長著作群の中でキーワードにまつわる情報がどの本のどの章にありそうかくらいは探し出せるようにする。その後実際に本を読み進めていく。これを繰り返すことで、高速に松岡校長の著作間のハイパーリンクを脳内に作っていくことをサポートできる。 (セイゴオ「ほんほん」の全文とか、ちょっとした文章のDBもあると気が利いていて最高) ### 蔵書管理・共有Webサービス 「読書メーター」や「liblar」のような、単純な読書記録はもちろん、電脳上に自分の本棚を作れたり、場所と想起がつながっていることにヒントを得て、自分で図書館を作ってそこに自由に本を配置する。My松丸本舗を自由に作れるようなサービスがあったらいい。(MediaMakerという図書サービスがかつて好評であったが、今サービス停止になっている) ただメモ帳の延長でしかない文字や、グリッドにしたがって本の表紙がでてくるようなありきたりな記録方法だけではなく、マインドマップのようなぐにゃぐにゃした線、教会やお堂のような立体的な記憶方式、杉浦康平さんのような意識と表象が思いがけないところで結び合わされたような図象、そうした表象で読んだ本を記録し、つなぎ合わせ、再編集をかけられるようなWebサービスは作れないだろうか。 - 図書街構想を継承したメインコンセプトが中央にある - My本棚、My図書館が作れる - 本棚のラベリング、段違いな棚等、松丸本舗のような、自由なカスタマイズができる。 - 意図しない他者の本棚が、一部勝手に入り込んでいて、偶然が作用しインタースコアが起こる造りが紛れ込んでいる - オプションで、松岡正剛データベースとリンクできる。 - 本の引用や、別の本とのインタースコアのリンク記録を目で見える形で表象できる。 ### Web版ー『情報の歴史』 吉村林頭が言っていた『情報の歴史』をWebに乗せて、リンクや様々なマルチメディアと繋げるアイディア。過去の地図とリンクしていたり、画像や写真とリンクしていたりすると楽しい。 半構造化な形をしているものだといい。みんなが書き込んでいけるような開かれた年表。 # ほずみくんのプロフィール ## 64技法の研究 64技法を研究している。 あれらは一つ一つは実用性は乏しい。 - 生きたエディット的定義が与えられてない。 - 地がぐちゃぐちゃになっていて共通の言語化がされてない。 - 編集八段錦などと組み合わせてシステマチックに誰でも編集術が使えるようになるのでは? - 64技法は述語的。主語が必要。 情報伝達機構KAKASHi In ー特記事象観測回路ー 1:〔去歴帯X〕には{状態異常J}の【具象態A】というものがあった。 ー比較検討回路ー 2:〔今歴帯〕では【具象変態A】として姿を少し変えている ー根本的疑念回路ー 3:いったい、そんな【具象態A】とはなんなのか。なぜ【状態異常J】であるのか。 ー外部参照系導入回路ー 4:実は『参照系P』によると【具象態A】はもともと【抽象古態B】という「価値存在Σ[全能]」であった。 ー深層型物語回路ー 5:【抽象古態B】には"史譚H"があり、そこでは「価値存在Σ[全能]」であることの証左である/力能K[知能]/と{状態異常J}に関する【原型記述O】を確認できる。 ー派生系物語回路ー 6:【抽象古態B】はやがて【抽象古変態B】とも呼ばれ【力能K[知能]】と{状態異常J}を持つとされた。 ー釈義回路ー 7:【抽象古変態B】の名称的意味は<字意B>であり、【Re:命名回路】を通って/力能K/と{状態異常J}の《文化的必然性α》を規定した。 ー包括的合点回路ー 8:そこで<字意B>は[命名回路]†を通り、<字名A>と名付けられた。つまり【抽象古態B】=【抽象古変態B】=【具象態A】なのだ。 ー初期条件フィードバック回路ー 9:このように〔去歴帯〕には、《文化的必然性α》を生み出した[命名回路]がある。 ー情報的無双回路ー 10:〈価値存在Σ[全能]〉は例えば〔客帯〕では《象徴態D》として解釈されるが、〔去歴帯〕では《象徴態E》なのである。そのしるしとして【抽象古変態B】は{状態異常J}なのである。 ー対比先追念回路ー 11:〔今歴帯〕では、以上の情報はすでに失われた。 ー特記事象称揚回路ー 12:しかし本当の「価値存在Σ[全能]」は、なお《象徴態E》であるにちがいない。 Out 【具象態ABCDEF】:情報の物理状態。知覚可能。 【抽象態ABCDEF】:情報の概念状態。知覚不能。 【象徴態MNO】:情報の多重露光状態。メタファー、シンボル 【古態】:具象/抽象態のアーキタイプに用いる 【変態】:具象/抽象態のステレオタイプ、ホットワード、単なる言い換えに用いる 【類態】:具象/抽象態の同類に用いる。この場合の同類とは本態と同じ地や文脈で登場したもの 【系態】:具象/抽象態の同系統に用いる。本態と別の地や文脈で登場したもの 【対態=×】:具象/抽象態の対概念に用いる 【下位変態】:具象/抽象態のステレオタイプ。特に本態と比べて程度の低い場合に用いる。 /力能/:ある情報やシステムが持つ機能や能力に用いる <字意ABCDEF>:その言葉の意味が問題となっている場合に用いる。シニフィエ的。訓読み <字名ABCDEF>:その名前であることが問題となっている場合に用いる。シニフィアン的。音読み <字面ABCDEF>:綴りに関して問題となっている場合に用いる。シニフィアン的 〔去歴帯VWXYZ〕:過去のある時点やある帯域 〔今歴帯VWXYZ〕:現在、昨今、今日 〔主域VW〕:領域に関する記述で、それが文全体の主語的な範疇に属する場合に用いる 〔客域VW〕:領域に関する記述で、それが文全体の主語的な範疇に属さない場合に用いる {状態異常JKL}:ある状態に不自然さ、不思議さ、非常識さ、違和感がある場合に用いる。静的。 {事態異常JKL}:事件性のある異常に用いる。動的。 *態変ϚͰ*:状態を主観的判断によって変化させる場合に用いる (原型記述STU):ある記述が歴史性や事実性に即している場合に用いる。硬い。 (感覚記述STU):ある記述が身体感覚に即している場合に用いる。柔らかい。 『参照系PQR』:現時点で立ち上がっている情報の外部にある系を用いる場合に用いる "観譚GHI":引用系が「ある視点」を提供している場合に用いる "史譚GHI":引用系が歴史・発生・転換的な物語に用いる。あれがこうしてこうなって... "補譚GHI":引用系が文章の補強材として用いられている場合に用いる [命名回路]:ある名前が定められる経緯となった連想記述の手前に用いる。また、そういう見方や世界観自体にも用いる。カタル的 [象徴回路]:例え話や比喩を成立させている連想記述の手前に用いる。また、そういう見方や世界観自体にも用いる。シメス的 [深層回路]:ある記述が前情報の「奥」を記述している場合に用いる。 [例証回路]:ex)の前に入る 《歴史的必然性αβγ》:ある二つ以上の情報間に歴史的な必然性が生じている場合に用いる 《文化的必然性αβγ》:ある二つ以上の情報間に文化的な必然性が生じている場合に用いる 《生命的必然性αβγ》:ある二つ以上の情報間に生命的な必然性が生じている場合に用いる 「価値存在ΣΦΩ」:神、美、生命力など、その文章が接続しており、称揚している価値存在に用いる ## ゲームの作成 - 対戦型の要素を含んだエディトリアルなゲームが作って見たい。 - ゲームをやると編集八段錦や64技法が埋め込まれたプロセスが体験できる。 - 最終的にゲームが終わったときに、ポイエーシスができている。 三冊読みを合わせた。 ## デザインの修練 - 美しいよりかは、情報にアクセスしやすいインターフェースを作りにはどうしたらいいかを考えている。 - デューラーの絵や超ひも理論 - フラットデザインやは王理性やエリート主義に繋がっちゃうから気持ち悪く我々は感じてしまうのでは?「これ以外はいらない!」という思想に繋がってしまう。 ## 共読コーナー 梅澤とほずみくんの最近読んでいる本を一覧にするコーナー ### 梅澤 - [人文学概論](https://www.amazon.co.jp/人文学概論-増補改訂版-人文知の新たな構築をめざして-安酸-敏眞/dp/4862852718) - [在野研究ビギナーズ](https://www.akashi.co.jp/book/b472224.html) ### ほずみくん - [アレゴリー:ある象徴的モードの理論](https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B1%A1%E5%BE%B4%E7%9A%84%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96-%E9%AB%98%E5%B1%B1%E5%AE%8F%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%80%88%E7%95%B0%E8%B2%8C%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%80%89-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC/dp/4560083096) - [イメージの歴史](https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E5%AD%A6%E8%8A%B8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%8B%A5%E6%A1%91%E3%81%BF%E3%81%A9%E3%82%8A-ebook/dp/B01MYNKN9J)